「DSM-Ⅳ-TR 精神疾患の分類と診断の手引新訂版」(医学書院、2006年)より引用します。
第6章 気分障害 Mood Disorders
気分エピソード Mood Episodes
大うつ病エピソード Major Depressive Episode
躁病エピソード Manic Episode
混合性エピソード Mixed Episode
軽躁病エピソード Hypomanic Episode
うつ病性障害 Depressive Episode
296.2x 大うつ病性障害、単一エピソード
Major Depressive Disorder,Single Episode
296.3x 大うつ病性障害、反復性
Major Depressive Disorder,Recurrent
300.4 気分変調性障害
Dysthymic Disorder
311 特定不能のうつ病性障害
Depressive Disorder Not Otherwise Specified
双極性障害 Bipolar Disorders
双極1型障害 Bipolar 1 Disorder
双極1型障害には別々の6組の基準がある。すなわち、単一躁病エピソード、最も新しいエピソードが軽躁病、最も新しいエピソードが躁病、最も新しいエピソードが混合性、最も新しいエピソードがうつ病、および最も新しいエピソードが特定不能、である。「双極1型障害、単一躁病エピソード」は、躁病の初回のエピソードだけをもっている者を記述するのに用いられる。残りの基準は、反復性の気分エピソードをもつ者の現在の(または最も新しい)エピソードの性質を特定するのに用いられる。
296.0x 双極1型障害、単一躁病エピソード
Bipolar 1 Disorder,Single Manic Episode
A.1回のみの躁病エピソードが存在し、以前に大うつ病エピソードが存在しないこと
注:反復とは、抑うつからの極性の変化か、または少なくとも2カ月間、躁病の症状がない間欠期として定義される。
B.躁病エピソードは失調性感情障害ではうまく説明されないし、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または特定不能の精神病性障害に重畳していない。
296.40 双極1型障害、最も新しいエピソードが軽躁病
Bipolar 1 Disorder,Most Recent Episode Hypomatic
A.現在(またはもっとも最近は)軽躁病エピソードにある
B.以前に少なくとも1回、躁病エピソードまたは混合性エピソードが存在した
C.気分の症状が、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている
D.基準AとBの気分のエピソードは失調感情障害ではうまく説明されないし、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または特定不能の精神病性障害に重畳していない
296.4x 双極1型障害、最も新しいエピソードが躁病
Bipolar 1 Disorder,Most Recent Episode Manic
A.現在(または最も最近は)躁病エピソードにある
B.以前に少なくとも1回、大うつ病エピソード、躁病エピソード、または混合性エピソードが存在した
C.基準AとBの気分のエピソードは失調感情障害ではうまく説明されないし、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または特定不能の精神病性障害に重畳していない
296.6x 双極1型障害、最も新しいエピソードが混合性
Bipolar 1 Disorder,Most Recent Episode Mixed
A.現在(または最も最近は)混合性エピソードにある
B.以前に少なくとも1回、大うつ病エピソード、躁病エピソード、または混合性エピソードが存在した
C.基準AとBの気分のエピソードは失調感情障害ではうまく説明されないし、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または特定不能の精神病性障害に重畳していない
296.5x 双極1型障害、最も新しいエピソードがうつ病
Bipolar 1 Disorder,Most Recent Episode Depressed
A.現在(または最も最近は)大うつ病エピソードにある
B.以前に少なくとも1回、躁病エピソードまたは混合性エピソードが存在した
C.基準AとBの気分のエピソードは失調感情障害ではうまく説明されないし、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または特定不能の精神病性障害に重畳していない
296.7 双極1型障害、最も新しいエピソードが特定不能
Bipolar 1 Disorder,Most Recent Episode Unspecified
A.期間を除けば、現在(または最も最近)、躁病、軽躁病、混合性、または大うつ病エピソードの基準を満たす
B.以前に少なくとも1回躁病エピソードまたは混合性エピソードが存在した
C.気分の症状が、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている
D.基準AとBの気分の症状は失調感情障害ではうまく説明されないし、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または特定不能の精神病性障害に重畳していない
E.基準AとBの気分の症状は、物質(例:乱用薬物、投薬、または他の治療)や、一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)の直接的な生理学的作用によるものではない
296.89 双極Ⅱ型障害(軽躁病エピソードを伴う反復性大うつ病エピソード)
Bipolar Ⅱ Disorder
(Recurrent Major Depressive Episodes with Hypomanic Episodes)
A.1回またはそれ以上の大うつ病エピソードの存在(または既往歴)
B.少なくとも1回の軽い躁病エピソードの存在(または既往歴)
C.躁病エピソードまたは混合性エピソードが存在したことがない
D.基準AとBの気分症状は失調感情障害ではうまく説明されないし、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または特定不能の精神病性障害に重畳するものではない
E.その症状は、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている
301.13 気分循環性障害
Cyclothymic Disorder
A.少なくとも2年間にわたり、軽躁病症状を伴う多数の期間と、抑うつ症状を伴うが大うつ病エピソードの基準は満たさない多数の期間の存在
注:小児期および青年期においては、期間は少なくとも1年間はなければならない
B.上記2年の期間中(小児や青年の場合は1年)、一度に2カ月を超える期間、基準Aの症状がなかったことがない
C.この障害の最初の2年間に、大うつ病エピソードや躁病エピソード、または混合性エピソードが存在したことはない
注:気分循環性障害の最初の2年(小児または青年の場合は1年)の後で、躁病または混合性エピソードが重畳すること(この場合、双極1型障害と気分循環性障害の両方の診断が下される)がある
D.基準Aの症状は失調感情障害ではうまく説明されないし、統合失調症、統合失調症様障害、妄想性障害、または特定不能の精神病性障害には重畳していない
E.症状は、物質(例:乱用薬物、投薬)の直接的な生理学的作用、または一般身体疾患(例:甲状腺機能亢進症)によるものではない
F.症状は、臨床的に著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている
296.80 特定不能の双極性障害
Bipolar Disorder Not Otherwise Specified
特定不能の双極性障害のカテゴリーには、双極性の特徴をもつ疾患で、どの特定の双極性障害の基準も満たさないものが含まれる。例をあげると
1.躁病症状とうつ病症状との間の、非常に急速な交代(数日)で、躁病、軽躁病、または大うつ病エピソードの症状閾値の基準は満たすが最小持続期間の基準を満たさないもの
2.軽躁病エピソードの反復で、エピソード間にうつ病症状を伴わないもの
3.妄想性障害、残遺型の統合失調症、または特定不能の精神病性障害に重畳する躁病または混合性エピソード
4.慢性のうつ病症状とともに軽躁病エピソードがあるが、それぞれの出現がきわめてまれで、気分循環性障害の診断に至らないもの
5.双極性障害は存在するが、それが原発性か、一般身体疾患によるものか、物質に起因するものか、臨床家が決めることができなかった場合
293.83 …[一般身体疾患を示すこと]…による気分障害
Mood Disorder Due to … [Indicate the General Medical Condition]
物質誘発性気分障害
Substance-Induced Mood Disorder
296.90 特定不能の気分障害
Mood Disorder Not Otherwise Specified