精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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勇気を出して相談してみましょう

(埼玉県/幸手保健所 保健師 吉澤久美子)

 家族のだれかが心の病にかかり、精神疾患であると診断されたとき、それは患者さん一人の問題にとどまらず、家族全体の問題となることがあります。

病気を受け入れられない
 突然、ふりかかってきた病気(前触れがあったかもしれませんが)に、本人はもとより家族も「まさか…」と病気そのものの存在を否定してしまいます。しかし、そんな葛藤を続けているうちに、患者さんの症状は悪化し、ようやく精神科へたどり着き、そこではじめて病気と直面し、やっとの思いで病気を受け止めようっとします。しかし、家族は病気についての正しい知識がないために、困惑している患者さんに対して、「どう接しても心を癒してあげることができない」と自分を責めてしまったり、家族のなかで責任の押しつけあいをしがちです。家族は病気を受け入れることに混乱し、まわりを見る余裕がなくなってしまうのです。

世間体が気になる
 家族自身が病気を受け入れることに時間がかかるなか、「家族にもわからないものが他人にわかるわけがない」と心にふたをしたり、だれかに相談すると本人に傷がつくとか、他の家族(きょうだいなど)に不利益が生じると考えてしまいます。また、患者さんの最も重い症状(ときどき対処に困惑する興奮や言動など)を見ている家族だけに、他人以上にこの病気に対する強い不安感を抱いてしまいます。慢性で長い経過をたどるこの病気は、患者さんにも家族にも、心の負担は大きく、世間との間に特別な壁ができてしまうような錯覚におちいってしまうのです。

どこに相談したらよいかわからない
 精神科や保健所などの相談機関の敷居は、以前に比べてずいぶん低くなっています。しかし、どの機関でどのような相談が受けられるという情報まではあまり知られていません。私が経験したなかには、息子の異変に気づき精神科への受診を考えましたが、どの病院に受診させたらよいか分からず、たまたまテレビで見た精神科医のところまで、遠い道のりを相談に行ったという事例や、長い療養生活で社会との交流がとだえて、本人と家族だけの狭い世界に入り込んでしまい、疲れ果てた末に、援助を受けることをあきらめてしまった事例もあります。そのときどきに、必要な相談窓口があることや、まわりに支援する人がいることがわからずにいることで、家族は問題を抱え込んでしまうのです。

心のコップをあふれさせないで
 このように、問題を家族内でなんとかしようという気持ちは、ごく自然におこります。特に、子を思う親にとっては当然のことなのです。しかし、家族でなんとかしようという気持ちには限界があります。家族の不安でいっぱいな気持ちは、患者さんに敏感に察知され、患者さんの不安をも強くし、症状を悪化させるといった悪循環になりかねません。まずは家族の心の負担を軽くすることが大切です。
 家族の心の負担をコップに注がれた水にたとえてみましょう。多くの不安を抱えている家族の心のコップは、ストレスの水でいっぱいです。これ以上不安が増えれば、コップの水はあふれてしまうことでしょう。大切なことは、たまった不安やストレスをはきだして、心のコップに常に水をそそげる状態にしておくことです。人は、限界を超えると正しい判断ができなくなってしまうものなのです。ある家族がこんなことを話していました。「今後、我が家に何か問題が起ったとしても、家族会の仲間や保健所の人がいると思うと、『一人で抱え込まなくてもいいんだ』とそれだけで安心できるんです」と。今こそ勇気をだして家族会や保健所などの相談機関へ足を運んでみてはいかがでしょうか。
(「ぜんかれん」2000年8月号「問題を家族で抱えない」より)
(ぜんかれん家族講座8「家族にできることできないこと」)
by open-to-love | 2007-09-28 22:42 | 家族のスキルアップ | Trackback | Comments(0)
 喫茶ひだまりに、幟とスタンプカードがお目見えしました。カ−ドは8ポイント溜まるとコ−ヒ−、紅茶、アイスクリームのいずれかをサ−ビスします。無期限です。さあ、集めよう。
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by open-to-love | 2007-09-27 18:36 | 喫茶ひだまり | Trackback | Comments(0)
自死遺族支援全国キャラバンinいわて・自殺総合対策県民シンポジウム
「いのちとこころを支えるいわて~今、私たちにできること」

開催日時:9月30日(日)10:00~17:15

開催場所:教育会館大ホール

主催:県、県自殺予防対策推進協議会
後援:自死遺族支援全国キャラバン実行委員会、内閣府
協賛:日本財団

オープニング 10:00~10:15
 知事、県自殺予防対策推進協議会長、自死遺族支援全国キャラバン実行委員会あいさつ

第1部 演劇 10:30~11:30
 「星のしずく」演劇集団 空想工房

第2部 テーマ「自死遺族支援~今、私たちにできること」 13:00~15:00
 1 自死遺族からのメッセージ
 2 パネルディスカッション「自死遺族支援の課題と方向」
   パネラー 自死遺族の立場
         岩手医大
         県精神保健福祉センター
         県障害保険福祉課
   コーディネーター NPO法人ライフリンク

第3部 テーマ「自殺のない地域づくり~今、私たちにできること」 15:15~17:15
 1 報告「いわて自殺防止月間の取り組み」
 2 パネルディスカッション「つながり(結い)で自殺のない地域をつくる~私たちの活動報告」
    パネラー 演劇集団「空想工房」
          「はあとをとどけ隊」
          岩手医大学生ボランティア
          県精神障害者家族会連合会
          盛岡いのちの電話
    コーディネーター 精神保健福祉ボランティア連絡会

第3部のパネラーに、岩家連も関わっていますね。本音のやりとりが期待できそうです。楽しみ(黒)
by open-to-love | 2007-09-25 12:41 | 自殺未遂/自殺 | Trackback | Comments(0)
カテゴリー一覧・9群:精神保健医療

精神保健医療福祉トピックス
 ☆全福連トピックス 2008年8〜9月
 ☆全福連トピックス 2008年9〜10月
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 ☆全福連トピックス 2009年8、9月
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 ☆全福連トピックス 2010年6月
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 ☆コンボトピックス 2010年7〜8月(通巻45号)
 ☆コンボトピックス 2010年8〜9月(通巻46号)
 ☆コンボトピックス 2010年9〜10月(通巻47号)

 ☆コンボお知らせメール便:ホームページに精神保健福祉の調査報告書をアップ
 ☆コンボお知らせメール便:1月のこんぼ亭月例会では「精神科医療の未来を本気で」考えます!
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」1月号早読み!~精神科医療の未来が知りたい
 ☆精神保健福祉白書編集委員会編『精神保健福祉白書2015年版 改革ビジョンから10年―これまでの歩みとこれから』
 ☆『精神保健医療福祉白書2016 精神科医療と精神保健福祉の協働』
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」アンケートのお願い
 ☆コンボお知らせメール便:コンボの新刊!~IMRブックレット第2弾!

コンボ『こころの元気+』
 ☆「こころの元気+」バックナンバー
 ☆コンボお知らせメール便「こころの元気+」9月号発行
 ☆コンボお知らせメール便「こころの元気+」10月号発行
 ☆コンボ『こころの元気+』PRチラシ
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 ☆コンボお知らせメール便「こころの元気+」5月号発行
 ☆コンボお知らせメール便 TVシンポジウム「うつ病と躁うつ病を知る」
 ☆コンボお知らせメール便「伊藤順一郎から、現場立ち会いのお願い」
 ☆コンボお知らせメール便「「こころの元気+」6月号を発行」
 ☆コンボお知らせメール便「テレビ番組のお知らせ」
 ☆コンボお知らせメール便「『こころの元気+』8月号&コンボキャラクターデザイン募集」
 ☆コンボお知らせメール便「日本のピアサポートは今…」
 ☆コンボお知らせメール便「『消えてしまいたいんです』と言われたら」
 ☆コンボおしらせメール便「こころの元気+10月号発行のお知らせ」
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」掲載原稿をお書きいただける方いませんか?
 ☆コンボ「こころの元気」第65号(2012年7月号)直前特集:リカバリーフォーラム!
 ☆コンボお知らせメール便:祝!『こころの元気+』が日本医学ジャーナリスト協会賞を受賞!
 ☆コンボお知らせメール便:『こころの元気+』アンケートご協力のお願い&『うつまま日記。』など新聞3紙に掲載!
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」アンケートにご協力をお願いします
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」表紙撮影がTVで&スポーツは見てよしやってよし

世界のトピック
 ☆生活の危機を支援するソテリアとはースイス・ベルンでの取り組み(コンボ「こころの元気+」36号)
 ☆「トリエステのシステムを支える思想と言葉」
 ☆コンボお知らせメール便:今どうなってるの?精神病院をなくしたイタリア!(2012年6月30日、コンボ亭ご案内)
 ☆コンボお知らせメール便:日伊メンタルヘルスセミナー&「元気+サークルズ@清瀬」(2012年11〜12月)
 ☆コンボお知らせメール便: iPS細胞研究とメンタルヘルス!?~こんぼ亭月例会2周年記念のお知らせ
 ☆コンボお知らせメール便:未来の話にみんなでワクワクしよう!~こんぼ亭のご案内
 ☆コンボお知らせメール便:iPS細胞の研究は精神疾患の治療に何をもたらすのか?~こんぼ亭DVDシリーズ最新版
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭第33回目にして亭主ついに語る!&仙台でピアサポ!
 ☆コンボお知らせメール便:今週末にこんぼ亭 & 前橋で「こころの元気+」写真展開催!
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭DVD発売記念特別割引中&年末のご挨拶
 ☆「精神障がい者の働き方改革」盛岡ミーティング(2017年9月6日)
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭で「身体拘束」、新作映画は「精神病院のない社会」

精神障害予防
 ☆医療費適正化と精神障害予防
☆コンボお知らせメール便:遺伝?育ち?精神疾患はどうして起こる?〜第31回こんぼ亭月例会

救急・急性期
 ☆東京都精神科救急医療情報センター業務マニュアル
 ☆入院治療開始まで
 ☆精神保健福祉法に基づく入院制度
 ☆「強制」処遇をめぐってー移送手続きとその問題点
 ☆早期介入チームの実際
 ☆わが国における精神科救急医療システムについての提言
 ☆入院したがらなかった兄の死
 ☆早期治療を目指す
 ☆早期治療とは何か
 ☆社会の偏見にかこまれて→「保護者制度」
 ☆「クリニック」における看護→「精神科病院」
 ☆ある家族の思い…緊急時の連携を→「家族の思い」「副作用」
 ☆「精神科救急医療に関するアンケート調査」へのご協力のお願い&参考資料
 ☆移送の問題をどう解決するか→「精神保健福祉法」「保護者制度」
 ☆平田豊明、分島徹著『精神科救急医療の現在(専門医のための精神科臨床リュミエール 13)』
 ☆コンボお知らせメール便:「本人が望まない入院」はどうあるべきか?~2月のこんぼ亭
 ☆コンボお知らせメール便:アンケートにご協力ください~病名はどうやってつけているの?
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」2月号早読み!&神戸でピアサポ!

保健師
 ☆「訪問」がつなぐもの〜体験談
 ☆「保健師ジャーナル」2008年08月号  特集「家庭訪問」→「管理人所蔵書籍」
 ☆現場の声から探る家庭訪問の現状→「相談機関」
 ☆宮本ふみ『無名の語り—保健師が「家族」に出会う12の物語』→「管理人所蔵書籍」
 ☆『シンプル衛生公衆衛生学2009』→「管理人所蔵書籍」

相談機関
 ☆保健所
 ☆盛岡保健所の精神保健相談
 ☆盛岡市保健所
 ☆領域と対象・保健所
 ☆県精神保健福祉センター→「岩手県精神保健福祉センター」
 ☆領域と対象・精神保健福祉センター→「岩手県精神保健福祉センター」
 ☆大阪府保健所の保健師活動を語り継ぐ会編 「保健師ものがたり」→「所蔵書籍一覧」
 ☆ソーシャルサポートセンターもりおか(SSCM)
 ☆相談はこちらへ~ソーシャルサポートセンターもりおか
 ☆ソーシャルサポートセンターもりおかだより
 ☆岩手県障害者相談事業所一覧
 ☆地域生活支援センター滝沢
 ☆地域生活支援センター一関
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 ☆ポランの広場
 ☆福祉サービス利用者の苦情相談のご案内(運営適正化委員会)
 ☆勇気を出して相談してみましょう→家族の対処法
 ☆法テラスって何のこと? 身近になった弁護士さん
 ☆相談を受けてー「訪問」がつなぐもの
 ☆現場の声から探る家庭訪問の現状→「救急・急性期」
 ☆領域と対象・女性センター
 ☆領域と対象・企業内カウンセリング
 ☆領域と対象・単科病院精神科
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 ☆こころが疲れていませんか(県精神保健福祉センター)→「うつ病」
 ☆こころかろやかHOTライン(相談機関一覧)
 ☆当たり外れのない相談を
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精神科病院
 ☆精神科病院の敷居は低くなったか
 ☆盛岡圏域の精神科病院一覧
 ☆「よい病院」とは? 違いがわかる医療情報を求める
 ☆安心してかかれる精神科医療を切望
 ☆よい病院に求めるものは?
 ☆体験談 「よい病院」を求めて
 ☆精神病院に多発する不祥事件に関連し全会員に訴える(精神神経学会理事会)
 ☆訪問診療(往診)の可能性を考える
 ☆精神障害者の人権を守る看護
 ☆精神科・神経科 岩手保養院のご案内
 ☆「クリニック」における看護→「精神科病院」
 ☆精神医療オンブズマンの存続を
 ☆精神科スタッフとの付き合い方―外来編→「カウンセリング」
 ☆精神科スタッフとの付き合い方―入院編
 ☆ 「特例をなくし、一般病床と同様に…」
 ☆領域と対象・精神科クリニック
 ☆岩手晴和病院&康楽苑
 ☆病院も社会資源の一つ(蟻塚亮二『統合失調症とのつきあい方』)
 ☆ある当事者の提言「病院に目安箱設置を」→「当事者として」
 ☆7階病棟作品展
 ☆盛岡市立病院7階病棟作品展のご案内
 ☆岩手晴和病院2010年度家族教室のご案内
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」7月号早読み~看護師さんは何をしているの?
 ☆コンボお知らせメール便:本日スタート!コンボの精神科医療「見える化」計画
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭@大阪&質問促進パンフレット&研究協力の募集
 ☆コンボお知らせメール便:11月のこんぼ亭は多機能型診療所に注目&「障害年金入門」増補改訂版
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」アンケートにご協力ください!
 ☆コンボお知らせメール便:11月のこんぼ亭テーマ・多機能型診療所を亭主が解説!
 ☆コンボお知らせメール便:11/26のこんぼ亭当日参加できます!~地域での生活をささえる多機能型診療所
 ☆コンボお知らせメール便:12月のこんぼ亭:信頼できるお医者さん!~出演者からのメッセージ
 ☆コンボお知らせメール便:今週末のこんぼ亭~当日参加できます
 ☆コンボお知らせメール便:10月のこんぼ亭月例会~テーマは「身体拘束(しばること)」
 ☆コンボお知らせメール便:身体拘束に関するアンケートご協力のお願い
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭(10/28)~身体拘束について考える!
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭(10/28)~身体拘束の体験
 ☆コンボお知らせメール便:「身体拘束」アンケート結果掲載
 ☆コンボお知らせメール便:「支援者」アンケートにご協力ください!


社会的入院
 ☆『精神保健福祉白書』2006年版…精神障害者退院促進事業
 ☆『精神保健福祉白書』2006年版…社会的入院
 ☆退院支援施設
 ☆長期入院の弟に退院の話が…
 ☆退院促進支援事業とはどのような事業ですか?
 ☆「退院支援施設」を建設しないでください
 ☆『精神保健福祉白書』2010年版…社会的入院問題
 ☆『精神保健福祉白書』2010年版…精神障害者退院促進支援事業ー香川県の場合
 ☆『精神保健福祉白書』2010年版…精神障害者退院促進支援事業ー仙台市の場合
 ☆コンボお知らせメール便「退院促進・地域定着支援のためのセミナーのお知らせ」
 ☆コンボお知らせメール便:「住まい」がテーマのこんぼ亭~事前申込み締切間近!

多剤大量処方
 ☆これからの統合失調症薬物療法→「統合失調症」
 ☆薬を減らして元気になる!→「当事者として」
 ☆主治医との協動作業で薬を減らすにはどうしたらよいのか
 ☆単剤・低用量のススメ 「ふつう」の薬物治療とは
 ☆コンボお知らせメール便★緊急報告★本日コンボより厚生労働省に「薬剤の適正使用に関する要望書」を提出しました
 ☆コンボお知らせメール便:「リカバリーをひらく」シリーズ第4回:「薬の処方が変わる」~当日参加できます
 ☆コンボお知らせメール便:ちょうどよい薬の量に近づくコツを学ぼう~こんぼ亭月例会
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭「ちょうどよい薬の量のはなし」
 ☆コンボお知らせメール便:コンボの減薬キャンペーン~ご協力ください!
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」11月号早読み~正しい薬の減らし方
 ☆コンボお知らせメール便:アンケートご協力のお願い~担当医との信頼関係と服薬量
 ☆コンボお知らせメール便:次回こんぼ亭のテーマは 「知らないと危険? 正しい薬の減らし方」!
 ☆コンボお知らせメール便:「こころの元気+」ネット特集!~テーマは「減薬・断薬・離脱」
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭「減薬」事前申込締切延長しました
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭「減薬」&「元気+」アンケートにご協力ください!

ひきこもり
 ☆何となく妙な感じの、引きこもる人(さまざまなケースでの対応法と医療サービス)
 ☆ひきこもりについて〜家族の立場から〜
 ☆ひきこもりへの対処
 ☆ひきこもり本人への対応について
 ☆書評「ひきこもりはなぜ「治る」のか?」(斎藤環著)
 ☆ひきこもり、全国で70推計万人 内閣府初の全国調査
 ☆ひきこもり、3分の1が精神疾患
 ☆家族のための相談コーナー「外に出る働きかけが欲しい」
 ☆第25回全国親の会盛岡大会
 ☆人間塾1月講座(ほほえみの会より情報提供)
 ☆人間塾6月講座 「ひきこもり」からの出発
 ☆ひきこもり等支援室「ゆきわり」フォーラム
 ☆斎藤環、畠中雅子著『ひきこもりのライフプラン―「親亡き後」をどうするか』 

リハビリテーション
 ☆野中猛著『図説 精神障害リハビリテーション』(中央法規、2003年

ケアマネジメント
 ☆野中猛著『図説 ケアマネジメント』
 ☆ケアマネジメントとは?
 ☆『ケアガイドラインに基づく精神障害者ケアマネジメントの進め方 ― ケアマネジメント従事者養成テキスト』(改訂新版)
 ☆大島巌編著『ACT・ケアマネジメント・ホームヘルプサービス 精神障害者地域生活支援の新デザイン』
 ☆精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その1
 ☆精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その2
 ☆精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その3
 ☆精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その4
 ☆精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その5
 ☆精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その6 
(大島巌著『ACT ケアマネジメント ホームヘルプサービス 精神障害者地域生活支援の新デザイン』(2004年、精神看護出版)所収)
 ☆デイビッド P.マクスリー 著、野中猛・加瀬 裕子訳 『ケースマネジメント入門』
 ☆野中猛著『ケアマネジメント実践のコツ』
 ☆『ケアマネジャー』2011年7月号 特集「東日本大震災 被災地の今と新たなニーズ」
 ☆野中猛著『心の病 回復への道』

『図説ケアマネジメント』
 ☆野中猛著『図説 ケアマネジメント』
  (A.ケアマネジメント本論)
  ☆1.ケアマネジメントの名称
  ☆2.ケアマネジメントの間接的意義
  ☆3.ケアマネジメントの目的
  ☆4.サービスプランの考え方
  ☆5.ケアマネジメントの必要性
  ☆6.費用対効果
  ☆7.ケアマネジメントの対象
  ☆8.社会資源とケアマネジメント
  ☆9.インテーク(受理)
  ☆10.ケアマネジメントのサイクル
  ☆11.アセスメント表
  ☆12.アセスメントレベルの決定
  ☆13.ニーズアセスメント
  ☆14.セルフケア能力のアセスメント
  ☆15.インフォーマルケアのアセスメント
  ☆16.専門的ケアのアセスメント
  ☆17.ケアマネジメント会議
  ☆18.ケアマネジメントにおけるチームワーク
  ☆19.事例情報の整理
  ☆20.プランニング表
  ☆21.直接介入
  ☆22.エンパワメント
  ☆23.間接介入
  ☆24.仲介(ブローカリング)
  ☆25.連結(リンケージ)
  ☆26.権利擁護(アドボカシー)
  ☆27.調整(コーディネーション)
  ☆28.社会的ネットワーク形成(ネットワーキング)
  ☆29.モニタリング(追跡)
  ☆30.評価(エバリュエーション)
  ☆31.ケアマネジメント実践の指針
  ☆32.ケアマネジメント制度とその応用
  ☆33.我が国に導入する際の強調点
  ☆34.ケアマネジメント研修プログラム
  ☆35.ケアマネジメント実践上のヒント
  (B.ケアマネジメントの周辺)
  ☆36.疾病構造の変化
  ☆37.世界的な価値観の変化
  ☆38.慢性疾患の特徴
  ☆39.精神分裂病の経過と支援戦略
  ☆40.痴呆様症状の診断と対策
  ☆41.障害構造論の視点
  ☆42.現代のリハビリテーション
  ☆43.心理社会的リハビリテーションの要点
  ☆44.リハビリテーションサービスの種類
  ☆45.QOLの構造
  ☆46.慢性疾患を抱えた家族
  ☆47.家族の適応
  ☆48.家族心理教育
  ☆49.集団の組織化と指導
  ☆50.健康教育の原則
  ☆51.ストレスー脆弱性ー対処モデルとSST
  ☆52.セルフヘルプグループの意義
  ☆53.職業リハビリテーションにおける準備性
  ☆54.職業リハビリテーションの支援戦略
  ☆55.支援者自身の成長と健康保持

ACT
 ☆ACT
 ☆ACT-K
 ☆第1回ACT全国研修会(カンファレンス)
 ☆高木俊介著『ACT‐Kの挑戦―ACTがひらく精神医療・福祉の未来』
 ☆高木俊介著『こころの医療 宅配便 精神科在宅ケア事始』
 ☆高木俊介さん「再発のたびに新たな気づきを!」
 ☆ACTの実践−ACTおかやまの実践
 ☆「こころの元気+」ACT特集号(第41号)
 ☆盛岡広域圏障害者自立支援協議会退院支援分科会研修会「24時間365日の支援」のご案内
 ☆コンボお知らせメール便「ACT全国ネットワーク仙台大会についてのお知らせ」
 ☆コンボお知らせメール便「第3回全国ACT研修会・事前申込締切間近です! 」
 ☆ACT研修会in盛岡(2012年7月14日)
 ☆コンボお知らせメール便:「ACT研修会 in 盛岡」のお知らせ
 ☆コンボお知らせメール便「訪問型生活訓練を知っていますか?」
 ☆コンボお知らせメール便:「発達障害の人の可能性を広げる」 &「ACT研修会」
 ☆コンボお知らせメール便:10/20(土)のこんぼ亭は”ウチまできてくれる”サービス「アウトリーチ(訪問型支援)」申込受付中
 ☆コンボお知らせメール便:コンボの新刊『訪問による生活訓練事業の進め方』ご紹介&研修会・映画上映会
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭お客様の野村忠良さんからのメッセージ
 ☆コンボお知らせメール便:ACT全国研修会in岡山と全国精神保健職親研修会in東京のお知らせ
 ☆『保健師ジャーナル』2012年04月号 特集 精神障害者の地域移行からアウトリーチまで
 ☆コンボお知らせメール便:ACT普及・啓発セミナー(東京)&作業療法研修会(広島)のお知らせ
 ☆コンボお知らせメール便:新刊のご案内:地域での暮らしをささえるACTのブックレットができました!
 ☆コンボお知らせメール便:新刊のご案内:ACTブックレット2『ACTの立ち上げと成長』
 ☆コンボお知らせメール便:こんぼ亭事前申込み締切延長!&福島でACT
 ☆コンボお知らせメール便:大阪でアウトリーチを語り合う!~ACT研修会@大阪
 ☆コンボお知らせメール便:岡山でアウトリーチセミナー&「こんぼ亭(5/20)事前申込は今週いっぱい
 ☆コンボお知らせメール便:名古屋でACT研修会&リカバリーフォーラム申込受付中!

地域生活支援&ACT学習会
 ☆第2回「地域生活支援&ACT学習会」のご案内
 ☆第4回「ACTから地域生活支援を学ぶ会いわて」のご案内
 ☆「ACTから地域生活支援を学ぶ会いわて」の活動について
 ☆「ACTの理念と京都 ACT の実践,英国バーミンガムの視察報告」のご案内
 ☆第12回「ACTから地域生活支援を学ぶ会いわて」のご案内
 ☆第13回「ACTから地域生活支援を学ぶ会いわて」のご案内
 ☆ACTから地域生活支援を学ぶ会いわて第14回学習会のご案内

児童虐待・虐待
 ☆私の孤独感
 ☆障がいのある人の虐待に関するご相談の受付けについて(岩手県)
 ☆増田公香著『当事者と家族からみた障害者虐待の実態 数量的調査が明かす課題と方策』

教育
 ☆教育現場における疾病理解プログラムの開発と実施
 ☆知的障害擬似体験→「共生社会へ」
 ☆仮称『憩い』創設の主旨書→「当事者」
 ☆知識が父親を変えた→「当事者として」
 ☆学校でメンタルヘルスの基礎知識を
 ☆ワークショップ「みんなちがってみんないい」
 ☆休学支援
 ☆コンボお知らせメール便「学校メンタルヘルスリテラシー教育プログラムと本の紹介」
 ☆コンボお知らせメール便:学校メンタルヘルスリテラシー研修会
 ☆コンボお知らせメール便:学校メンタルヘルスリテラシー研修会のお知らせ
 ☆コンボお知らせメール便:学校メンタルヘルスリテラシー教育プログラムがテレビで紹介されました
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 ☆コンボお知らせメール便:学校MHL教員向けセミナーのお知らせ
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by open-to-love | 2007-09-24 19:46 | 9群:精神保健医療 | Trackback | Comments(0)

緊急アンケート 家族編

池田小事件緊急アンケート 家族・その他編

岡山県在住・女性・60歳・家族・当事者:通院中・同居・相談相手有
 連日報道される精神障害者というひびきが耳に入るたび胸をゆさぶられる思いがしていました。TVからも新聞からもいやおうなしに入ってくる言葉、子どもはどんな気持ちで聞いているのだろうと、やりきれない思いでした。
 精神的な病についてもう少し世間一般に正しく伝え、理解をはかる努力が必要と思われてなりません。現在、身体障害者の方がかなり現実面で社会に受け入れられているのを思うと、病状の性格上むずかしいこともあるかとは思いますが、継続的に公共機関等へも働きかけ、協力を得ることが必要でしょう。
 本人自身が精神病院に入院したことを汚点と思い、隠して仕事を継続し始めたところですが、本人自身が乗り越えるのは時間が必要と思われます。この事件のことをどう思うかと聞いたら、「また忘れられてしまうよ。以前の宮崎勤の事件もそうだろう」との言葉が返ってきました。親自身も世間に公表できない状態で生活しています。

愛媛県在住・女性・84歳・家族・当事者:入院中・相談相手有
 障害者の事件が起るたび近所の方たちとお会いするのがとてもつらいです。特にこのたびの池田小学校事件はとてもショックでした。今息子は措置入院中ですが、入院前、長い間の暴力また人様への迷惑に何度も足を運んでお詫びに歩き回りました。本当に必死の思いで入院させてもらい、もう私が倒れそうになりました。
 昨年の西鉄バスジャック、そしてまたこの事件、人様があまりの惨劇にいわれる言葉はよくわかります。私の経験から申しますと、息子は病院の先生の前ではとても都合よく言っております。私が病院の先生に家庭での息子の様子をお話しますと、驚いておられました。息子は何度も入退院の繰り返しで、退院したいため、薬は飲みます、そしてとても都合よくつくろっています。
 退院後の「カウンセリング」を深く望みます。事件を起こさぬためにもお願いします。

神奈川県在住・女性・76歳・家族・当事者:通院中・同居・相談相手有
 私は娘の病気のことを皆に知られるのがいやで隠していましたが、自分の生活が不便で心苦しいので、よし思い切って言ってしまおうと決心したときにこの事件が発生し、やっぱり言えない、前よりもっとひたかくしにするようになり、つらい日々です。私の中に根の深い偏見があります。犯人だって普通ならあのようなことはできないと思います。病気だからと思います。真実が知りたいです。

広島県在住・女性・70歳・家族・当事者:通院中・同居・相談相手有
 池田小事件のことにつきましては、大変申し訳ない残念なことだと思います。
 このことについて私はこう考えます。相手の命を奪うことはたとえ障害者であろうと何であろうと許されることではありません。ひとりの命がなくなった代償としてはひとりの命で償うべきで、一罰百戒、相手も殺した犯人の命も重さは同じです。「判断ができない状態だったから」といって大目に見てくれはしないと思います。社会を、人の命を軽くみてはいけません。こうした根本をふまえた上での試行錯誤であってほしいと思います。

長崎県在住・女性・50歳・家族・相談相手有
 池田小事件では、本当に心が痛みました。障害者であろうとなかろうと、犯した罪を償うのは当り前だと以前から思っていましたが、今回の報道を聞くたびにその思いを強くしました。
 医療刑務所のようなところで罪を償うようになると、「精神障害者だから何をしても罪を問われない。だからおそろしい」という世間一般の考えも変えられるし、精神障害者をよそおっての犯罪も減るのではないかと思います。
 重大事件を起こしても、他の病者と同じ病院で同じ治療をして社会復帰する現状はいかがなものでしょうか。精神障害者だから罪に問われないというのは逆差別のような気がします。

広島県在住・女性・60歳・家族・当事者:通院中・施設通所・同居・相談相手有
 あれだけの事件を起こしているのだから、当然刑事責任能力はあり、精神障害者とて健常者と同じように刑事処分は受けるべきだ。精神障害者は責任能力無く、無罪で実名報道しないとなると、この種の事件が再度起こる可能性もあり、早急に「刑法改正」をしてもらいたい。いかなる者も罪は罪として法の裁きを受けるべきである。報道のほうは仕方ないと思う。
 かつて私も我が子に殺されるかもしれないという恐怖のなかで過ごした日々を思い出すと精神病の急性期の恐さがよく理解できる。18年経った今、作業所に元気に通えるようになっている。今回の事件は相当ショックだったようだが、自分なりにそれを乗り越えることができるようになった。よって報道もありのままの事実を伝えて、社会が精神障害者の現況を分析してもらいたい。

北海道在住・男性・55歳・家族・当事者:通院中・同居・相談相手有
 今回の池田小事件報道により、日々いわれない苦しみを負わされている毎日です。
 そんななかで、障害のある息子は事件後、就職活動を続けていましたが、たまたま私の会社で準社員求人募集を見かけ、すぐさま面接に行きました。障害者として通知しました。その後、運よく採用されました。今思えば、今回の事件直後だっただけに、よく採用されたものだと思うとともに、会社の障害者への理解と配慮に感謝しております。

宮城県在住・女性・68歳・家族・当事者:通院中・施設通所・相談相手有
 息子は26歳の時、職場における過労とストレスとが原因となり発病いたしました。その後の生活を考えると胸が痛みます。デイケア、職親、今は作業所といろいろと社会資源のお世話になってまいりましたが、まだ就労に結びつく状況は与えられておりません。
 今回の事件をテレビで知ったとき、幼い子どもと両親の悲しみを思い、我が事のように悲しくて悲しくてなりませんでした。ちょうどその頃、息子は障害者就労支援センターに就労の意思を伝えに行く予定でした。私自身ショックは大きく、もう息子の将来は絶望と思いました。本人はその問題と事件にはなるべくふれないよう冷静に対処しておりました。たぶん心の中は大きく揺れていたことと思います。
 やっと精神障害者にも他の障害者と同じく明るい陽ざしが見えてきたと感じておりましたので、これでまた暗闇のなかに落ち込んでいくように感じておりますこの頃です。息子のお友達も我が家によく遊びに来てくれます。みんな心やさしい礼儀正しい青年たちです。どうか再び陽ざしが差し込むような世界になってくれるよう祈ってます。

千葉県在住・男性・68歳・家族
 とくに閉鎖的で偏見の強い当地域では、報道被害と断定はできかねますが、年老いた祖母と脳梗塞で倒れた父親の面倒を見ながらデイケアに通っていた若い男性が自殺、同じく当地域で7月17日に起きた29歳の障害をもつ娘を殺害した事件も報道被害が少なからず影響していることはまちがいない現実と考えられます。また懸命にサポートしてくださっていた保健所職員のショックも見るに忍びないものがあります。

兵庫県在住・男性・61歳・家族・当事者:通院中・同居・相談相手有
 親が事件に過敏に反応し、本人に干渉してしまった。その結果、本人は余計な興奮や苦しみを味わい、不安定な状態(大呼吸し顔を抱え、ばたばたしながら苦しそうに興奮・もう死んでる霊柩車を呼んでくれ、薬を全部渡してくれと言う、など)となった。親は寝不足と疲れが残って体調不良を来した。その後、主治医の新たな治療の効果が現れ、安定に向かいホッとしている。
 過剰反応には次のような訳があった。眠前薬を飲み、外出して路上で寝てしまいパトカーの世話になって帰宅した・自転車に乗り交通事故にあった・1週間分の薬を一気にのんだ・夜間外出が頻繁になっていた、など病状に変化があって、その対応に苦慮していた。幸いにも一大事件にはならなかったがこんな時期に当事件が発生した。警察の調書等では、住所・氏名・電話番号など身につけさせてください(財布やカバンはすでに盗まれていた)、信号の意味はわかるんでしょうね、などの指導や質問があった。他にもため息の出ることがあった。
 事件報道のなかで精神科への入退院、精神安定剤10回分服用、事件歴等、可愛い子どもをあやめた悲惨さが一つひとつ精神を患う子をもつ親の心に鋭く突き刺さり寿命の縮む思いをしている。

愛知県在住・男性・54歳・家族・相談相手有
 私の長男(26歳)はあの報道で、いやだなあ、近所の人に何と言われるか、また何と思っているだろうと不安を感じている毎日です。
 現在、地域で作業所を作ろうとしています。訴える力が半減しています。近所の理解している人でも、「あなたの子どももあんなことをする可能性があるのか」と質問が返ってきます。当事者の仲間でも、また家族の方も近所の作業所に行くのはいやだという意見もございます。

神奈川県在住・女性・63歳・当事者:通院中・施設通所・同居・相談相手有
 ほんとうに悲しい事件でした。当事者・家族はもちろん、一般社会、各方面に衝撃を与え、多くの哀しみ、苦しみ、嘆き、無知、無理解、欠陥、差別をあらわにしたと思います。
 我が家の当事者は、今まで何回もあったこの類の報道のときと違い、病状も安定していたからでしょうか、「自分はあんなことしない。関係ない。あの人は悪いことしなければ何でも自分でできるのに、20年もの間、誰か話を聞いてくれる人に出会わなかったのかな」と残念そうでした。
 彼(宅間守)は精神病とされないとしても、〝心の病〟があることに違いないでしょう。多くの幼い命がうばわれ、傷つけられる前に、また200万人以上の当事者や家族・関係者のために、このような事件が起きないように、またこのような恐ろしくも哀れな犯罪者を出さないような社会システムにしたいものです。

東京都在住・女性・51歳・家族・当事者:同居・相談相手有
 精神科に通う息子が2人いますが、それぞれに一生懸命治療し、それをサポートする家族も一生懸命生きています。それを「精神科なら殺人しても許される」はひどすぎます。精神病のハンディキャップを負った人々への社会的差別・偏見は大変です。彼らの人権、家族の人権のため、人間の尊厳のためにも闘いたいです。

大分県在住・男性・83歳・グループホーム世話人
 私たちのグループホームは商店街のなかにあります。まわりの人々はみな事件に関係なくつきあってくれます。入所者には大変ショックだったのですが、近所の人々がじっと見守ってくれたので、安心して職場に通っています。地域の方々が前向きに応援してくれるので、大変ありがたく感謝しています。

長野県在住・女性・56歳・社協勤務保健婦
 当町でも当事者が子どもを連れた若い母親から避けて通られたということがあり、本人はとてもショックだったと当事者の会で話されておりました。
 今回の事件は非常に悲しい事件でした。しかし事件そのものを冷静に受け止め、当事者自身が学習する必要があります。地域の人たちがどのように受けとめているかを知って、両者がどのような合意のもとに地域での理解を深めていくことが必要かを話し合うことがぜひとも必要です。そのことを地道に繰り返していくしかないものと思います。
 当町では、その学習を事件後に行い、当事者から事件に屈せずこれからも学習を続けたいとのメッセージを伝えました。学習を地道に続けていくことで、少しずつ地域の理解を深めていくことが今いちばん必要と思われます。

神奈川県在住・女性・62歳・相談相手有
 私の長男は今、浦河赤十字病院に入院中、浦河べてるで有名な川村先生の治療を受けています。今度の事件で、私自身、精神障害福祉が後退するのではと不安を受けました。でも、この事件をきっかけに負の部分だけ見るのではなく、プラスの部分があったはずです。いろいろな意見が出て、あらためて精神障害者を知ってもらった、勉強したという人たちもいたと思います。このままうやむやにせず、たとえば、退院後のケアこそ大事と思いますので、そのケアをする人たちの確保など、前へ前へと進んでいきたいものです。
(季刊『Review』2002 No.38 特集「池田小学校事件」)
by open-to-love | 2007-09-24 19:40 | 池田小学校事件 | Trackback | Comments(0)
池田小事件緊急アンケート 当事者編

岩手県在住・通院中・女性・26歳・家族と同居・相談相手有
 すごくイヤな気持ちになった。デイケアに通っているが、みんなで「これでまたうちらが変な目で見られるね」と話し合った。実際そういう目にあった人もいた。
 私ももともと対人恐怖症ぎみだが、一番子どもの視線が怖くなった。子どもは正直だから。近所の公園の近くを通るのが怖い。こういう事件は本当に迷惑だと思った。二度と起こらないでほしいし、偏見を持つ人たちが増えないでほしいと思った。

新潟県在住・男性・44歳・入院中・相談相手有
 宅間某を絶対に死刑にしてはいけないと思います。罪を憎んで人を憎まず、です。彼には重い十字架を背負い、生きていってほしいと思います。それが事件の再発防止につながるのではないでしょうか。人間、誰でも過ちを犯す。過ちを犯すから人間なのではないでしょうか。罪は償ってもらいましょう。罰はいさぎよく受けてもらいましょう。宅間某は37歳といいます。亡くなられた子どもたちの親と同世代です。人間の弱さとは人を憎む心であり、人間の強さとは人を赦す心である。再び言いますが、宅間某を死刑にしてはいけない。我々はこの事件を教訓に人生について考えたい。たぶん人生とはどんな人にも素晴らしいものであっていいはずだ。

大阪府在住・女性・34歳・通院中・家族と同居・相談相手有
 自分もこんな風になったらどうしようと不安になった。調子が悪くなって、社会的王訓練で働いている先の人が病気の人はいやだと言うような気がして制服が着れなくなった。Tシャツで過ごした。でも実際はそんなことを直接言ってくるような人はいなかったので、1週間くらいたったら制服が着れた。
 だからといって安心しているわけではありません。健常者のさじ加減一つで私たちの立場はどうにでもなるから、これからどうなるのかおびえている状態です。
 絶対に病気で人に迷惑はかけたくない。でも私は社会で自立したい。そのために理解者・支援者がほしいので、このような事件は本当に困ります。
 でも本当の精神障害者のことを知らない人はすごく心配なのでしょうね。だから私たちのことを知ってもらうということがこれからは大切になってくると思います。全家連などで一般の人の病気に対する理解が深まるような活動をこれからも続けてください。お願いします。

長野県在住・男性・36歳・通院中・家族と同居・相談相手少ないがいる
 事件の第一報を聞いたとき、精神障害がらみと直感的に思った。精神障害の当事者もこれから、自分にできるだけは社会のルールをしっかり守り、他者に迷惑をかけたり不快な思いをさせないように努めなければならない。障害を理由に甘えてはいけない。その上で、社会に人間の尊厳を訴えたい。
 特にマスコミ関係にはよく精神障害について理解してもらいたい。一部の過激な意見に対しては、公平な立場で説明不足なところを建設的にフォローしてほしい。

東京都在住・男性・57歳・通院中・家族と同居・相談相手有
 私はいっぱいに目を広げて毎日何度もニュース(テレビ)を見ていました。犯人は、精神病者であったとしても、判断がつかなくなっていたとしても、正常者と同様の罪を受ければいいのです。正常者と対等になるべきです。それが平等というものです。死刑には反対ですが…。何もおそれることはありません。

青森県在住・男性・29歳・家族と同居・施設に入所・相談相手有
 自分は、福祉工場で働いている当事者です。1994(平成6)年、自殺未遂をきかっけに入院。宅間容疑者と同じ措置入院でした。
 不況のせいでフリーターをやめて今の職場に入社して2年目に入ろうとしています。今の現実をみても、夜間暴走している若者と今回の当事者の区別をぜひ誰かに聞いてみたいものです。同じ病歴のある人たちがみんなが同じだと思ってはいけない。自分は自分と思ってがんばっていきましょう。負けたら自分が負けです。胸をはって仕事していきませんか。仕事っていいですよ。

神奈川県在住・女性・36歳・通院中・家族と同居・施設に通所・相談相手有
 たいへん衝撃的でした。食欲不振になり1キロやせました。自分も悪いことをしてしまうのではという不安があった。一般の人が犯罪を起こす割合よりも精神障害者が犯罪を犯す割合が少ないということを必ず言ってほしい。事件を起こした精神障害者が医療を受けるだけではなく罪をつぐなうということもしてほしいと思います。病院のあり方で基準の医師数や看護にあたる人数を増やしてほしいです。

愛知県在住・男性・30歳・通院中・家族と同居・相談相手有
 今までは就職活動などを行う時、胸をはって「分裂病です」と言おうと思っていた。News23などで分裂病の人たちの報道があり、何となく言えるんじゃないかと思っていた。が、今回の事件が起こり、世間があの事件を忘れない限り、自分は「分裂病です」などと胸をはって言えないじゃないか、門前払いされるんじゃないかと思う。
 池田小の事件は、確かに分裂病患者の急性期なら起きる可能性はある。しかし宅間容疑者にそんな様子はみられなかった。
 ただ気になったのは、最初は分裂病と報道されていたが、その病名が途中から変わったことだ。報道関係者が全家連の働きかけなどで分裂病の人に配慮して病名を変えたんじゃないかと考えてしまう。もしそうなら真実を報道すべきではないのか、別にそれによって分裂病患者のすべてが危険だと見られたとしても、それは知識不足によるものだから恐れることではないと思う。

山口県在住・男性・45歳・通院中・精神障害者夫婦・相談相手無
 テレビを見て具合が悪くなったという声はよく聞きました。私は自宅にテレビがないのでNHKラジオと新聞(地方紙)、女性週刊誌などで情報を得ました。たいへん心が重くなり、夜の寝つきが悪くなりました。団地内には「無差別殺傷事件発生」との貼り紙が今もあり、とても精神障害者夫婦と公言できません。アルバイト先の民間会社では、普通に接してくださり、大変うれしかったです。会社は1995(平成7)年11月2日から今日まで働かせていただいていますが、精神障害者として隠すことなく就職していたのがよかったのだと思います。事件後にNHKラジオを聞いていたら全家連のことも報道されていてとても勇気づけられました。全家連の存在が神様のようにありがたく、患者会活動も続けられました。山口県内では、「精神障害」に対する関心が広がりました。

千葉県在住・男性・30歳・通院中・家族と同居・相談相手有
 今回の事件と報道は、私たち精神障害者や社会が抱えている問題を皆で考えるために今の時代ではどうしても避けて通れなかったのではないかと思います。
 私の印象では、精神障害者といえども普通の人で、善い人もいれば悪い人もいる。匿名にしたり免責にすること自体、歴史的に残されてきた偏見だと感じます。障害者や社会がそういった甘えや偏見を取り除いて自分のすることに責任を持つことと差別がなくなることとは同時進行だと思います。
 何よりも一人ひとりが神を畏れて正しい生活をするならば、すべてのことが善きに働き、そうしないならば障害者であろうとなかろうとすべてが悪く働くことを聖書を通して日々教えられています。

東京都在住・男性・32歳・通院中・一人暮らし・アルバイト・相談相手有
 僕は今、アルバイトをしています。そこで僕は病気のことを明かして働いています。職場で働いている人に「やさしい精神分裂病ハンドブック」(埼玉県精神保健福祉協会発行)を読んでもらっています。また、「今回の事件は特異な精神障害者が起こした」という旨の僕が通っている病院の院長先生の文章も読んでもらいました。やはり本人が直接言うと、説得力が違うようです。この事件を機にまた一つみんなに病気のことを知ってもらえました。「マスコミ」より「口コミ!」です。

大阪府在住・男性・39歳・通院中・施設通所・相談相手有
 今回の事件の翌日に映画にいく予定をしていた。私はいつも手帳を使用し、安い値段で映画に行っている。しかし、私と犯人が同一視されるのが怖くて、手帳を使用する勇気が無く、その日の映画は断念した。なんだかせっかく取得した手帳に嫌悪感が湧いた。

広島県在住・男性・35歳・通院中・家族と同居・スーパー勤務・相談相手有
 今回の事件のあった日にちょうど当事者の会がありました。帰宅後この事件を知り、たいへんびっくりしました。まず犠牲者が子どもだったということで二重のショックでした。同時にご家族の方その他大勢の人のケアが大切なのではと思います。
 私自身は精神分裂病の当事者です。私は今、社会適応訓練事業でスーパーで普通に勤めていますが、まったく問題なく過ごしています。というのも、私がこの病気のことを隠すのが嫌いで、同じ職場で働いている人たちにもこの病気になっていることを話しています。また私の仕事ぶりを見て、認めてくれるのではないかと思います。
 隠さない生き方や、こういった事件のことをもっと多くの人たちと(当事者も含めて)話し合いたいし、そういう話をどこに持っていけばよい方向へ向くのだろうかと思います。これは自分だけが特別ということではなく、障害を障害と思わずに生きていくことのほうが大事なのではと思うのです。
 といっても実際に行動を起こしてはいないのですが、当事者がもっと関心を持って、ハンセン病の人たちが行動したように動けばいいのですが難しいです。広島市のある区で今、生活支援センターをつくるという話が出ているのですが、近所の方の猛烈な反対運動が起きています。何とか生活支援センターをつくって、流れを変えていきたいものです。

東京都在住・男性・33歳・通院中・家族と同居・相談相手無
 精神障害者=危険分子というレッテルは私のまわりでも大きな存在で、アルバイトを断られたり、私が障害者ということで旧友が去ったりした。
 私は視線恐怖が主たる症状なので、外出が前以上にむずかしくなった感じがする。10代のとき、トロいところをつつかれて、それがいじめとなっていった過去のことが夢に出て、事件以降それが頻繁になって苦しんでいる。精神的に衰弱して居たたまれないのが今の私だ。一人で居ることは慣れているが、白眼視されている気分に耐えられない。昔から「おまえは○○だから」とカテゴリーに入れられ、いわれのない〝制裁〟を受けてきたので、「開き直られたらどんなにいいか」と考えてします。でもできない。世論を席巻したマスコミに対して、この損失を補って償ってほしいと思うのは悪いことだろうか。

神奈川県在住・男性・39歳・通院中・家族と同居・相談相手有
 精神科医を名乗るマスコミでの言動が、精神障害者がいかに健常者と異質なのかを煽動している。犯罪を犯した人は罰せられるのは当然である。しかしこれらの精神科医は、一度も会ったことのない人間に対して、社会防衛的な見地に立って〝断定〟に等しい〝診断〟を行っている。これらが「医者」として、分裂病・うつ病・非定型精神病に対する偏見を煽動しているのは明白な事実である。精神神経学会もこれらの医師に対して、何らかの措置を取るっように働きかけるべきだ。

滋賀県在住・男性・46歳・通院中・家族と同居・施設通所・相談相手有
 精神障害者が事件を起こすと、いつも大きく報道され問題にされますが、事件を起こすのは、精神障害者ばかりではないということです。精神障害者は何をするかわからない、というのは偏見だと思います。何をするかわからないから病院に収容というのは人権無視の一般的な考え方ですね。
 一般の人は罪を犯すと刑罰を受けますね。精神障害者の場合は無罪ということですが、精神病の症状が軽くなったとき、または、なくなったとき、正しく事件の責任を取れるようになったときに、一般の人と同じ様に刑罰を受けるべきだと思います。そうでないと平等にならないでしょう。一般の人の場合、罪を犯せば刑罰があるのに、精神障害者の場合、症状が軽くなった、または、なくなったのち責任がとれる状態になったのに無罪のままだと、精神障害になったほうが刑罰を受けないので得ということになり、一般の犯罪者と不平等になり、社会の秩序が保てなくなるのでは、と思います。
 刑罰のなかで死刑は重い、だから精神障害にしたら罪は軽くなる、だから罪を軽くしなければならない、と弁護士さんは考えるようです。弁護士さんの立場になって考えると、確かに罪は軽くなるのがよいのですが、罪を軽くすると弁護士さんはお金をたくさんもらえて儲かるとか、多くの人の罪を軽くしたことで実績が上がり人気が高くなる、弁護士さんの株が上がるということも見逃せないことの一つではないでしょうか。
 また精神病院で精神症状がよくなった場合、当事者が社会に出て、また罪を犯すかどうかという未来のことは精神科の医者に判断はつかないでしょう。そこを無理に責任を押し付けると、障害者は病院から出られなくなるでしょう。
 精神病=犯罪=無罪という考え方を捨てなければだめでしょう。一般の人も罪を犯すことがあり、精神障害者は罪を犯しても無罪か、ええなあ〜、と精神障害者を心から排除するように考える対象とせず、世の中に精神障害者をつくらないようにするにはどうしたらいいのかをまじめに考える必要があると思います。

静岡県在住・男性・30歳・通院中・家族と同居・相談相手無
 今回の宅間守が起こした事件で他の精神障害者が迷惑した。障害者に対し、社会の偏見がさらに強くなってしまった。障害者に対し、社会の偏見がさらに強くなってしまった。障害者は病気を隠し続けるしかない。ノーマライゼーションどころではなくなってしまったと私は思う。病気があるとわかっただけでリストラされた経験があるので就労もきびしくなりました。くやしい気持ちでいっぱいです。

北海道在住・男性・33歳・通院中・家族と同居・相談相手無
 不安になりました。精神障害者はいらないモノのように思えました。人を人として見てほしいと思います。

香川県在住・男性・43歳・通院中
 精神障害者の生活の実態や、どのような状態で発病しているのかなどを広く新聞などに知らせる必要があると思います。ホームヘルプサービス、親なき後の後見人の問題等、一般の人が考えるより精神障害者の生活の実態は厳しいものがあり、国の保護の下にあるとはいえ、生活は困窮していることを知らしめる必要があると思います。

鹿児島県在住・男性・46歳・通院中・家族と同居・施設通所・相談相手無
 ただでさえマスコミ報道におびえているのに、大胆な事件が起きて、日本国中の仲間は職場復帰を考えて地道に行動をしているのに、今回のことで、隠れて過ごすしかないように思います。どうしたらよいでしょうか?皆が罪をかぶらないといけない。

千葉県在住・男性・46歳・通院中・施設通所・一人暮らし・相談相手有
 第一報を聞いたときはたいへん大きな衝撃を受けました。次の日「作業所」を休んでしまいました。落ち着いてくると、これでまた差別・偏見がいっそう激しくなるのではないかと懸念しました。
 一方、作業所では、私が休んだ日のミーティングで取り上げられたかどうかは不明ですが、この事件についてタブー視せず徹底的に議論してほしいと思います。

秋田県在住・女性・37歳・通院中・家族と同居・相談相手有
 私は病気もありますが、普通の人と同じように仕事もしています。精神病者の犯罪は普通では考えられない異常な内容です。考えられない非道な犯罪を犯した犯人は病気だから責任能力を問われないこともあります。やはり、精神病者の存在は社会にマイナスの面があることが否めません。犯罪を犯したら、責任を取らせ罰することも必要だと思います。それ以上に防止のため、精神病者の病気の回復を願っています。

女性・34歳・通院中・家族と同居・相談相手有
 小学生は傷ついてしまった。心のケアが必要だといわれるが、子どもたちに夏休みを利用して精神病院へ合宿するなどということは不可能だろうか。精神障害者はこわい人ではないことがわかると思うし、言葉や理屈ではなく、患者さんとのふれあいは、心のケアというか、心の教育になると思う。

東京都在住・男性・24歳・通院中・家族と同居
 今回はとてもショックで不安がとれず今も続いています。どうか今回の事件でのいろいろな人からのバッシング・裏切り・偏見・差別をなくしてほしい。今回みたいな事件は二度とニュース報道してほしくない。本当に今も心が痛いし、動揺しています。あまりにもひどい事件なので、今も心が苦しい。今回の事件はもうたくさん。

宮城県在住・男性・42歳・通院中・家族と同居・相談相手有
 池田小事件の一報を聞いたとき驚いてしまった。閉鎖病棟にいる仲間が心配です。どんなに回復していても、過去の負の遺産のために泣かされるのは事件に関係のない障害者です。もっと全家連が精神障害者のイメージアップをテレビのCMで放送するか、チラシをもっと市町村の福祉協議会を通じ全戸配布するとかせねば、社会向上はあり得なくなってしまう。私も当事者の一員として何か活動に参加したいものです。

福島県在住・女性・40歳・通院中・家族と同居・相談相手有
 連日のマスコミ報道で本当に私はたいへんな病気なんだと将来に対する不安、まわりの偏見に怒りさえ感じます。ああいう事件が報道されるたび、自分が人として正当に扱われないような気がして人間不信になっています。
 例えば、実家に行くと、私にわからないよう勝手にかばんの中を見たり、知人と電話で話していても本気で話を聞いてもらえなかったり、手紙を出してもほとんど返事はもどってきません。心の病がこれほど差別・偏見を受けることに対してマスコミの人たちはどれだけ病気のことを理解しているのでしょう? 人の心の痛みも考えず土足で入ってきて、心を乱しておいて、具合が悪くなってトラブルを起こすと病気のせいにされ、私たちにも人権があるはずです。全家連にもっとそういった活動にも力をいれてほしいです。
 ハンセン病勝訴を喜んでいたときにこの事件で、もう生きているのも嫌になっています。

大阪府在住・女性・31歳・通院中・家族と同居・相談相手無
 池田小の事件はとてもショックで、まるで悪夢のようでした。精神病を装っていたらしいですが、本当に病気の人ならあんなにひどいことを堂々とできないと思います。被害にあわれた人たちはみんな小さな命だったのに、本当に気の毒です。私の場合、とくに事件以後変わったことはないのですが、本当に病人だったのか、犯人の動機が知りたいです。
(続く)

(季刊『Review』2002 No.38 特集「池田小事件」)
by open-to-love | 2007-09-22 18:26 | 池田小学校事件 | Trackback | Comments(0)

一臨床医の本音

一臨床医の本音 大学病院精神科医・匿名希望

 はじめに、私の立場を明かにしたいと思います。現在、精神科医5年目で、大学病院に勤務しております。大学に戻る前には、地域の単科精神病院に勤めていました。生物学的分野や積極的な地域性新医療分野、精神分析的分野や司法精神医療等に特に長けているわけではありませんが、どの分野も平均的に学んでいる精神科医だと自分では思っています。
 大阪・池田小事件が起った時に、その悲惨さやマスコミ報道の影響に対する不安等により受けた衝撃は、今でも残っています。ただ事件そのものに対しては、私は直接の関係者ではないので意見等を言うことはできません。また、マスコミ報道等に関しても意見はありますが、今回は身近で起こったことや一精神科医としての現場での本音を話す機会だと思いますので、そのようにしたいと思います。

患者や家族に拡がる不安
 事件後、私のまわりにもいろいろな影響がありました。担当患者さんのなかには、「この病気のための薬を飲むとあんなことをしてしまうのか」と服薬を拒否して症状が悪化した方や、「ああはなりたくない」と将来を悲観して自殺未遂をした方もいました。患者さんの家族からも、事件についての説明を何度も求められ、社会の偏見・差別が強まるのではないかという不安が、患者さんやその家族に拡がっていることを強く感じました。この事件で彼らの多くが苦しんでいることを、まず伝えたいと思います。
 次に、一臨床医の本音というか感覚を述べたいと思います。今回の事件が起ったときに、容疑者の担当医に対して、まず最初に感じたのは「ツイテないな」という同情の気持ちでした。それは自分がその人の担当でなくて「ツイテたな」という気持ちでした。なぜこのような運、不運の感覚が芽生えるかを考えてみると、精神科医療の実際の現場では、一臨床医として「対応してはいけないこと」、「対応できないこと」に対応せざるを得ないときが多々あるからだと思いました。そういう矛盾が運、不運の感覚を起こしているのだと思います。

精神科医は社会的防衛問題の責任はとれない
 精神科医は、医学的判断のみに基づいて入退院の判断を行うべきであり、今回の事件に関してもそうであったのならば批判されるべきではないと思います。基本的に医療は、医学的に必要だと判断されるサービスを患者さんに与えることだと思いますから、社会的防衛問題に関する責任は取りたくないし、取ってはいけないと思っています。あらゆる状況における事件の予測をすることは不可能ですし、してはいけないと思います。そんなことをしていたらあらゆる人を隔離することになり、医療にはなりません。
 しかし、実際にはそのような要求は社会に存在します。今回の事件により、社会防衛的な観点が一層強調され、一般化されれば、精神科医が抱える矛盾はより大きくなるのではと心配しています。一方で、社会防衛的見地を抜きにして、純粋に医療的対応を要する患者さんも存在するわけですが、現在の精神科医療の枠内で対応するには絶対的にマンパワー不足だと感じられます。特に外来でのフォローアップ体制は未だ不十分だと思います。
 また、このような事件が患者さんやその家族に大きな影響を与えてしまった原因の一つに、精神科医療(特に入院治療)の対象に対するあいまいさがあると思います。精神科医療自体が、まだまだ未熟であることも当然問題視されるべきですが、実際に臨床現場では、ある種の社会防衛的要素や人権的要素の影響を受けて、現在の精神科医療では対応困難、あるいは部分的援助しかできないか、精神科医療よりも別の観点が必要と思われる人たちを、対象とせざるを得ないことがあります。
 さきほども述べたとおり、今回の事件に関して私は直接の関係者ではないのでわかりませんが、いわゆる反社会的人格障害等の診断を受けるような方に対しては、そのように言える部分があるのではないかと思います。人格障害の診断の使用には注意が必要ですが、そのように診断せざるを得ない方は存在します。思うに、精神科医療の対象者が事件を起こすのではなく、事件を起こす人が精神科医療の対象者になるという状況があるのです。精神科医療の対象があいまいで拡がっていることによって、本当に確実に医療が必要な方まで事件の際に同一視されることが起こっていると思います。
 そのように考えると、今回の事件後の波紋も、ある部分予想できたことです。社会で対応すべき問題を、精神科医療という狭い世界をある種スケープゴートにして対応している部分があるのです。このような歪みを正し、精神科医療を含めた社会全体で対応していく環境づくりが必要だと思います。精神科医もそのなかでどんな役割がとれるかを考える必要があることは確かです。今回の事件が抱える問題は当然大きく、複雑で微妙なものです。社会全体で冷静に考えていく必要があると思います。
(季刊「Review」2002 No.38 特集「池田小学校事件」)
by open-to-love | 2007-09-18 23:43 | 池田小学校事件 | Trackback | Comments(0)
心のとびら

 私がホームヘルパーとして、初めて精神障害の方のところに訪問することとなったのは、今からちょうど2年前のことになります。初回訪問は、利用者の戸惑いを軽減するための配慮と仲人役をかねて、これまで関わってきた保健婦との同行訪問から始まりました。
 利用者の家族構成は、60代の姉と8歳年下の弟さんとの2人暮らしで、ご両人とも精神分裂病です。ヘルパーが入るまでは自分たちで家事などをこなしておられましたが、加齢とともに腰痛などの身体的な症状が現れるようになり、加えて弟さんの精神状態が不安定になることも多くなっていました。これまでは弟さんの運転する車で一緒に用事や買物に出かけることもできたのですが、それもままならなくなったため、家事援助の訪問依頼が利用者より申請されました。
 私としては精神障害者の方へのヘルプは初めての経験であり、一抹の不安と緊張を抱えながらの訪問でした。実際、お二人に初めて対面したときの私の心のなかの言葉は、「なーんだ、普通の人じゃないの」でした。自分の心の片隅に精神障害者=凶暴というイメージがあったことにあらためて気づかされ、今思えば恥ずかしいくらいの偏見と勉強不足でしかなかったのです。本当にお二人とも表情が穏やかだったので、ひと安心したことを昨日のことのように思い出します。
 初回訪問がスムーズに運び、気をよくして訪れた次回のことです。予想もしていなかったことが突然起こりました。「こんにちはヘルパーです〜」といって玄関に入るやいなや、すぐ弟さんが出てこられ、私の顔を見るなり「買物をしてきたので今日はいいです」といわれました。拒絶されたのです。どう対応すべきなのか、もしかして受け入れてもらえないのではないかとの不安、このときは少々落ち込みました。が、一晩寝ればすっきりする楽天家の性格がよいのか悪いのか、ようやく4回目の訪問で掃除の依頼があり、それ以来、お二人とはつかず離れずという言葉があてはまるかどうかわかりませんが、よりよい関係ができてきて、いろいろな相談も受けるようになり現在に至っています。
 精神障害の方へのヘルプに携わって私が得たことは、ヘルパーが緊張していては駄目。リラックスして利用者をなにげなく冷静に観察し、心の声に耳を傾けながら余計なお節介はしない。もちろん利用者に変化があれば保健婦などと緊密に連絡を取り、適切に対応することはいうまでもありません。これからも心の絆を大切にしながら、明るく楽しいヘルパーさんをめざします。

石川県/寺井町社会福祉協議会 酒野和美

(季刊「REVIEW」2002 No.38)
by open-to-love | 2007-09-17 08:03 | ホームヘルプ | Trackback | Comments(0)
大阪池田小事件による報道被害に関する調査(全家連企画部・報道被害調査担当)

 池田小事件直後から全家連にはマスコミ報道による地域社会への影響を危惧する声や深刻な不安の声が数多く寄せられた。報道による被害の実態を明かにするため、医師・患者・家族への調査を行った。

はじめに
 2001(平成13)年に大阪教育大付属池田小で起こった児童殺傷事件は、想像を絶するほど悲惨なものでした。その悲惨さゆえ、事件は新聞、テレビ、週刊誌などで大きく取り上げられ、ことさら容疑者の精神科への入・退院歴や診断名についての情報が飛び交いました。このような状況のなか、事件直後から全家連の相談室には、精神障害者本人や家族などから「自分も精神科にかかっているというだけで容疑者と同じようにみられてしまうのではないか」「周囲の人に危険な目で見られている気がして外出したくない」「精神障害者社会復帰施設建設反対運動が起こってしまった」といった相談が数多く寄せられました。そのような事態を重く受け止めた全家連では、この事件の報道を精神障害者本人やその家族、あるいは精神科医がどのように感じているのか、そしてまたこのような報道によってどのくらいの人が精神的・身体的苦痛を被ったのかということについて、調査を行いました。

調査方法
 調査は、事件から1カ月が経過した7月中旬に行われました。院内に家族会のある精神病院・診療所(全国に計284病院)のうち、趣旨に賛同して調査に協力していただいた122病院に対して、郵送で実施しました。
 まず、各病院で外来の患者さんを最も多く診察している常勤の医師を3人(計366人)選び、調査担当医になっていただきました。そして、病院ごとに調査日を設定し、その日に外来受診した精神分裂病などの患者さんのうち受診時間の早い順に10人(計1220人)を選んでいただきました。
 調査は、各病院3人の医師がそれぞれの担当患者さんについて回答する医師調査と、対象患者さん本人が自記式で回答する家族調査によって実施されました。本人調査と家族調査の調査票は、受診者が患者さんであれば患者さんを通して家族に渡してもらい、受診者が家族であれば家族を通して患者さんに渡してもらいました。
 回収率は医師調査62・6%(229票)、本人家族調査41・5%(506票)でした。この本人・家族調査の506票のなかには、本人票・家族票のいずれかのみが回収されたものも含まれていますが、手続きに誤りがあった7病院から本人票と家族票がペアで回収されなかったため、正確には回収率はこれより若干下がると考えられます。なお、本人調査・家族調査の回答数はそれぞれ436人・388人でした。

調査結果
 対象者(本人・家族)の属性は図1に示した通りです。

図1−1 対象者の属性(本人調査)
男性 267人(61・2%)
女性 165人(37・8%)
その他・無回答 4人(0・9%)

30歳未満 69人(15・8%)
30歳以上45歳未満 193人(44・3%)
45歳以上60歳未満 132人(30・3%)
60歳以上 36人(8・3%)
その他・無回答 6人(1・4%)  合計436人

図1−2 対象者の属性(家族調査)
女性 222人(57・2%)
男性 145人(37・4%)
その他・無回答 21人(5・4%)

60歳未満 140人(36・1%)
60歳以上70歳未満 121人(31・2%)
70歳以上80歳未満 91人(23・5%)
80歳以上 14人(3・6%)

精神的・身体的症状
 本人調査と家族調査の結果から、事件後、報道の影響と思われる何らかの精神的・身体的症状が見られた人は本人38・0%(165人)、家族39・4%(154人)でした。具体的な症状を図2・図3に示しています。
 また、今回の事件報道を見聞きしたことによって、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と類似の症状が見出された人が、本人で15・7%、家族で12・0%いたということが明かになっています(ただし、事件報道を見聞きしたという出来事がPTSDの診断基準の定義を満たしているわけではないので、単純に、PTSDになった人がいた、という結論にはなりませんので注意が必要です)。具体的には、本人・家族とともに、「事件報道については考えないようにしている」「事件報道のことは、もう忘れてしまうようにしている」「事件報道については話さないようにしている」といった事件との接触の忌避行動や、「報道された事件のことを思い出すと、そのときの気持ちがぶり返してくる」「事件報道について、感情が強くこみあげてくることがある」といった強い感情の高まりなどを主な症状として挙げた人が多くいました。

図2 事件報道による影響(本人調査)
症状が不安定になった=9・2%
眠れなくなるなど生活リズムが乱れた=7・3%
今までやっていたことをする気になれなくなった=13・5%
病気や障害について深く考え悩んだ=25・9%
他人の目が気になり外出が嫌になった=11・2%
近所の人と人間関係がうまくいかなくなった=4・1%
家族や親戚と人間関係がうまくいかなくなった=4・6%
友人・知人と人間関係がうまくいかなくなった=4・6%

図3 事件報道による影響(家族調査)
眠れなくなるなど生活リズムが乱れた=8・5%
今までやっていたことをする気になれなくなった=7・2%
本人の病気や障害について深く考え悩んだ=30・4%
仕事や家事などを休みがちになった=3・1%
近所の人と人間関係がうまくいかなくなった=3・4%
家族や親戚と人間関係がうまくいかなくなった=3・4%
友人・知人と人間関係がうまくいかなくなった=2・6%

(注)図2は上5つが「精神的・身体的症状」、下3つが「人間関係の悪化」を、図3は上4つが「精神的・身体的症状」、下3つが「人間関係の悪化」を示しています。

人間関係の変化
 本人調査、家族調査などから、事件後、近所の人や家族・親戚・知人などとの人間関係が悪化したと答えたのは本人11・0%(48人)、家族7・5%でした。人間関係悪化の相手としては、本人では「家族や親戚」(4・6%)、「近所の人」(3・4%)、「友人・知人」(3・1%)の順でした。

院内で見られた事件報道による患者への影響
 医師調査の結果から、事件後、事件や事件報道の影響を受けて症状や人間関係が悪化したり深く悩んだりした患者さんがいたと答えた医師が1人以上いた病院は92病院中83病院(90・2%)でした。
 具体的には、「自分の病気や障害について深く考え悩むことがあった患者さんがいた」(73・9%)、「他人の目が気になったりして外出が嫌になった患者さんがいた」(63・0%)、「再発というほどではないが症状が不安定になった患者さんがいた」(57・6%)、「眠れなくなったりするなど生活のリズムが乱れた患者さんがいた」(50・0%)などが多く見られましたが、深刻なケースとして、「自殺した患者さんがいた」(1・1%、2人)、「入院・再入院した患者さんがいた」(16・3%、24人)「再発した患者さんがいた」(13・0%、21人)なども見られました。なお、ここで深刻なケースに記された人数は、調査対象である229人の医師が受け持つ患者さんの総数(約17765人)中の人数を意味しています。

図4 院内で見られた事件報道による患者への影響(医師報告)
入院・再入院した=16・3%
再発した=13・0%
再発というほどではないが症状が不安定になった=57・6%
自殺した=1・1%
眠れなくなったりするなど生活リズムが乱れた=50・0%
自分の病気について深く考え悩むことが増えた=73・9%
他人の目が気になって外出が嫌になった=63・0%
近所の人との人間関係がうまくいかなくなった=26・1%
家族や親戚との人間関係がうまくいかなくなった=31・5%

表1.患者への特に深刻な影響(医師報告)
症状       人数  病院数    %
自殺した      2    1  1・1
入院・再入院した 24   15 16・3
再発した     21   12 13・0
(注)人数は、医師回答のあった92病院の各1〜3名の医師計229人の医師が受け持つ患者の総数(17765人)中の人数。病院数と%は図3の再掲

偏見の強まり
 本人調査、家族調査、医師調査から、今回の事件報道により、「精神障害者や精神科通院者に対する偏見が強くなった」・「どちらかといえば強くなった」と答えたのは、本人57・1%(248人)、家族53・7%(210人)、医師72・1%(165人)でした。

まとめ
 精神科に通院している患者さんやその家族のなかには、今回の報道の影響を受けて精神的・身体的変化や人間関係の悪化を報告した人が数多くいました。また、診療中に事件報道の影響と思われる何らかの訴えをしてきた患者さんがいると答えた病院は9割を超えていました。なかには事件報道の影響を受けて自殺や再入院、再発するといった深刻なケースも見られました。さらに、患者さん・家族・医師ともに半数以上の人が、今回の事件報道で精神障害に対する偏見が強まったと感じています。これらのことから、今回の事件報道が精神障害者や精神科通院患者に少なからず悪影響を及ぼしていることが明らかになりました。このような事実を受け、今後の事件報道のあり方を再検討する必要性があるといえるでしょう。
(季刊『Review』2002 No.38 特集「池田小学校事件」)
by open-to-love | 2007-09-17 00:01 | 池田小学校事件 | Trackback | Comments(0)
大阪池田小事件による報道被害に関する調査(全家連企画部・報道被害調査担当)

 池田小事件直後から全家連にはマスコミ報道による地域社会への影響を危惧する声や深刻な不安の声が数多く寄せられた。報道による被害の実態を明かにするため、医師・患者・家族への調査を行った。

はじめに
 2001(平成13)年に大阪教育大付属池田小で起こった児童殺傷事件は、想像を絶するほど悲惨なものでした。その悲惨さゆえ、事件は新聞、テレビ、週刊誌などで大きく取り上げられ、ことさら容疑者の精神科への入・退院歴や診断名についての情報が飛び交いました。このような状況のなか、事件直後から全家連の相談室には、精神障害者本人や家族などから「自分も精神科にかかっているというだけで容疑者と同じようにみられてしまうのではないか」「周囲の人に危険な目で見られている気がして外出したくない」「精神障害者社会復帰施設建設反対運動が起こってしまった」といった相談が数多く寄せられました。そのような事態を重く受け止めた全家連では、この事件の報道を精神障害者本人やその家族、あるいは精神科医がどのように感じているのか、そしてまたこのような報道によってどのくらいの人が精神的・身体的苦痛を被ったのかということについて、調査を行いました。

調査方法
 調査は、事件から1カ月が経過した7月中旬に行われました。院内に家族会のある精神病院・診療所(全国に計284病院)のうち、趣旨に賛同して調査に協力していただいた122病院に対して、郵送で実施しました。
 まず、各病院で外来の患者さんを最も多く診察している常勤の医師を3人(計366人)選び、調査担当医になっていただきました。そして、病院ごとに調査日を設定し、その日に外来受診した精神分裂病などの患者さんのうち受診時間の早い順に10人(計1220人)を選んでいただきました。
 調査は、各病院3人の医師がそれぞれの担当患者さんについて回答する医師調査と、対象患者さん本人が自記式で回答する家族調査によって実施されました。本人調査と家族調査の調査票は、受診者が患者さんであれば患者さんを通して家族に渡してもらい、受診者が家族であれば家族を通して患者さんに渡してもらいました。
 回収率は医師調査62・6%(229票)、本人家族調査41・5%(506票)でした。この本人・家族調査の506票のなかには、本人票・家族票のいずれかのみが回収されたものも含まれていますが、手続きに誤りがあった7病院から本人票と家族票がペアで回収されなかったため、正確には回収率はこれより若干下がると考えられます。なお、本人調査・家族調査の回答数はそれぞれ436人・388人でした。

調査結果
 対象者(本人・家族)の属性は図1に示した通りです。

図1−1 対象者の属性(本人調査)
男性 267人(61・2%)
女性 165人(37・8%)
その他・無回答 4人(0・9%)

30歳未満 69人(15・8%)
30歳以上45歳未満 193人(44・3%)
45歳以上60歳未満 132人(30・3%)
60歳以上 36人(8・3%)
その他・無回答 6人(1・4%)  合計436人

図1−2 対象者の属性(家族調査)
女性 222人(57・2%)
男性 145人(37・4%)
その他・無回答 21人(5・4%)

60歳未満 140人(36・1%)
60歳以上70歳未満 121人(31・2%)
70歳以上80歳未満 91人(23・5%)
80歳以上 14人(3・6%)

精神的・身体的症状
 本人調査と家族調査の結果から、事件後、報道の影響と思われる何らかの精神的・身体的症状が見られた人は本人38・0%(165人)、家族39・4%(154人)でした。具体的な症状を図2・図3に示しています。
 また、今回の事件報道を見聞きしたことによって、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と類似の症状が見出された人が、本人で15・7%、家族で12・0%いたということが明かになっています(ただし、事件報道を見聞きしたという出来事がPTSDの診断基準の定義を満たしているわけではないので、単純に、PTSDになった人がいた、という結論にはなりませんので注意が必要です)。具体的には、本人・家族とともに、「事件報道については考えないようにしている」「事件報道のことは、もう忘れてしまうようにしている」「事件報道については話さないようにしている」といった事件との接触の忌避行動や、「報道された事件のことを思い出すと、そのときの気持ちがぶり返してくる」「事件報道について、感情が強くこみあげてくることがある」といった強い感情の高まりなどを主な症状として挙げた人が多くいました。

図2 事件報道による影響(本人調査)
症状が不安定になった=9・2%
眠れなくなるなど生活リズムが乱れた=7・3%
今までやっていたことをする気になれなくなった=13・5%
病気や障害について深く考え悩んだ=25・9%
他人の目が気になり外出が嫌になった=11・2%
近所の人と人間関係がうまくいかなくなった=4・1%
家族や親戚と人間関係がうまくいかなくなった=4・6%
友人・知人と人間関係がうまくいかなくなった=4・6%

図3 事件報道による影響(家族調査)
眠れなくなるなど生活リズムが乱れた=8・5%
今までやっていたことをする気になれなくなった=7・2%
本人の病気や障害について深く考え悩んだ=30・4%
仕事や家事などを休みがちになった=3・1%
近所の人と人間関係がうまくいかなくなった=3・4%
家族や親戚と人間関係がうまくいかなくなった=3・4%
友人・知人と人間関係がうまくいかなくなった=2・6%

(注)図2は上5つが「精神的・身体的症状」、下3つが「人間関係の悪化」を、図3は上4つが「精神的・身体的症状」、下3つが「人間関係の悪化」を示しています。

人間関係の変化
 本人調査、家族調査などから、事件後、近所の人や家族・親戚・知人などとの人間関係が悪化したと答えたのは本人11・0%(48人)、家族7・5%でした。人間関係悪化の相手としては、本人では「家族や親戚」(4・6%)、「近所の人」(3・4%)、「友人・知人」(3・1%)の順でした。

院内で見られた事件報道による患者への影響
 医師調査の結果から、事件後、事件や事件報道の影響を受けて症状や人間関係が悪化したり深く悩んだりした患者さんがいたと答えた医師が1人以上いた病院は92病院中83病院(90・2%)でした。
 具体的には、「自分の病気や障害について深く考え悩むことがあった患者さんがいた」(73・9%)、「他人の目が気になったりして外出が嫌になった患者さんがいた」(63・0%)、「再発というほどではないが症状が不安定になった患者さんがいた」(57・6%)、「眠れなくなったりするなど生活のリズムが乱れた患者さんがいた」(50・0%)などが多く見られましたが、深刻なケースとして、「自殺した患者さんがいた」(1・1%、2人)、「入院・再入院した患者さんがいた」(16・3%、24人)「再発した患者さんがいた」(13・0%、21人)なども見られました。なお、ここで深刻なケースに記された人数は、調査対象である229人の医師が受け持つ患者さんの総数(約17765人)中の人数を意味しています。

図4 院内で見られた事件報道による患者への影響(医師報告)
入院・再入院した=16・3%
再発した=13・0%
再発というほどではないが症状が不安定になった=57・6%
自殺した=1・1%
眠れなくなったりするなど生活リズムが乱れた=50・0%
自分の病気について深く考え悩むことが増えた=73・9%
他人の目が気になって外出が嫌になった=63・0%
近所の人との人間関係がうまくいかなくなった=26・1%
家族や親戚との人間関係がうまくいかなくなった=31・5%

表1.患者への特に深刻な影響(医師報告)
症状       人数  病院数    %
自殺した      2    1  1・1
入院・再入院した 24   15 16・3
再発した     21   12 13・0
(注)人数は、医師回答のあった92病院の各1〜3名の医師計229人の医師が受け持つ患者の総数(17765人)中の人数。病院数と%は図3の再掲

偏見の強まり
 本人調査、家族調査、医師調査から、今回の事件報道により、「精神障害者や精神科通院者に対する偏見が強くなった」・「どちらかといえば強くなった」と答えたのは、本人57・1%(248人)、家族53・7%(210人)、医師72・1%(165人)でした。

まとめ
 精神科に通院している患者さんやその家族のなかには、今回の報道の影響を受けて精神的・身体的変化や人間関係の悪化を報告した人が数多くいました。また、診療中に事件報道の影響と思われる何らかの訴えをしてきた患者さんがいると答えた病院は9割を超えていました。なかには事件報道の影響を受けて自殺や再入院、再発するといった深刻なケースも見られました。さらに、患者さん・家族・医師ともに半数以上の人が、今回の事件報道で精神障害に対する偏見が強まったと感じています。これらのことから、今回の事件報道が精神障害者や精神科通院患者に少なからず悪影響を及ぼしていることが明らかになりました。このような事実を受け、今後の事件報道のあり方を再検討する必要性があるといえるでしょう。
(季刊『Review』2002 No.38 特集「池田小学校事件」)
by open-to-love | 2007-09-17 00:00 | 池田小学校事件 | Trackback | Comments(0)