精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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盛岡ハートネットの個人情報保護指針について…2010年に際して

盛岡ハートネットの個人情報保護指針について…2010年に際して

盛岡ハートネット事務局&ブログ管理人 黒田大介

 みなさま、あけましておめでとうございます。
 個人情報保護だとか、プライバシーだとか、かまびすましい世の中。盛岡ハートネット事務局としても、事務局が管理している個人情報について、その保護指針を明文化しておきたいと思います。
 盛岡ハートネット事務局は、現在、盛岡市内を中心に250人以上の個人情報を管理しています。事務局である私の携帯番号とパソコン&携帯メールをオープンにしていますから、昼夜を問わず、問い合わせや相談が寄せられます。
 個人情報保護法施行以来、何でもかんでも「個人情報」という大義名分で隠したがる風潮には違和感を覚える私ではありますが、盛岡ハートネットの個人情報は、これぞ文字通り、外部に漏れたらとんでもない、人の生き死ににかかわる個人情報ですから、厳密な管理を心がけています。

 アンケートの末尾に、例会案内希望者は連絡先を書いて下さいね、という項目を設けていますよね。そこに記載していただいた方に、例会案内を送っています。例会のたびに、配布希望者は増えていき、現在は250人以上の方にメールや郵送で例会案内を送っていますが、それについてはすべて私が一人でやっています。
 ただし、郵送の方の場合、裏側の送り主=私の住所と名前書きは、女房に手伝ってもらってます。あと、病院や作業所や公共施設については、事務局で手分けしてやってます。つまり、個人宅に郵便を送るのは、すべて私1人でやっているということです。その名簿については、事務局3人の中でも私1人だけで管理しています。
 すると…

Q.えっ! 事務局内でも情報共有してないの? どんな人に例会案内送ってるか、言ってないの? 
A.はい。だって、情報がとってもディープだけに、情報を管理する人が少なければ少ないほど、情報をお寄せ下さる方にとって、安心感があると思いますから。

Q.へえ! もしかして、ハートネット事務局って、仲悪いの?
A.いいえ。仲いいです。互いに信頼関係があるから、こういう方針をとってるんですよ。

Q.250人分をたった1人で管理するって大変じゃない?
A.大変です。だから、早く心の病への世の中の理解が深まればいいですよね!

 ただ、ハートネット事務局の私に寄せられる情報は、例会案内送付のためだけに使うわけではありません。情報=相談内容によっては、あくまで私は素人ですから、その人にとって、きちんと専門機関に相談した方がいい場合もある。そんなときは、私が信頼できる専門機関につなぐこともあります。その際であっても、必ずご本人の了承をとってから、つなぐようにしてます。

 さて、ここで問題。ハートネットは、みなさんご存知の通り、ゆるやかなネットワークです。そもそも個人情報を厳密に守るんなら、例会に一般市民を入れず、当事者だけ、あるいは家族だけで集まって、ドアに鍵かけて例会すればいいですよね。でも、それじゃ世の中に、心の病についての理解は広がらない。だから、いつもオープンに、当事者だけでなく、家族だけでもなく、関係機関も方も、さらには一般市民の方にも、どうぞどうぞと参加を募ってます。そこで、集まったいろんな人が自らを語り、その思いを聞き、その思いを受けて自分の思いを語り…こんな相互対話を積み重ねることで、足下から少しずつ心の病に対する理解を広げていく。そんな「対話の場」を目指しています。
 よって、ハートネット事務局としては、みなさんのニーズに基づき例会のテーマと場を設定し、参加者に受け付けで資料を渡し、参加費をもらう。例会冒頭、プライバシー厳守を呼びかける…までは、個人情報を厳密に守ってます。ただし、例会が始まったら、主役はあなた。どこまであなたが自らを語るか、あなた自身の主体的な判断におまかせです!
 極端に言えば、何も話さなければ、あなたはあなたの個人情報を守れます。でも、それでは、あなたの思いは他者に伝わらない。対話も深まらない。誰かが話すから自分はいいや…では、なかなか世の中変わらない。
 話すのは勇気がいる。そもそも無口な人も、私みたいに声が小さい人もいる。それでも、すぐすぐじゃなくっても、だんだん慣れてきたら、勇気をもって話してみませんか? 最初は、講演を聞いて帰ってもいい。でも、そのうち、講師先生に質問してみたり、おしゃべり交流会(グループワーク)に参加し、自己紹介したり、自分の体験や思いを話したり、隣の人の話を聞いてみたりしてみませんか?
 ハートネット事務局は、ゆくゆくは参加される一人ひとりがそれぞれのかけがえない体験を話してくれることを期待してはいますが、いまいますぐに、むりに話せとは言いません。でも、もし、話したいけどちょっと勇気がない、って方は、サポートします。例えば、名前は明かせないが、思いを伝えたい。そんな方の思いを、このブログで紹介したりとかね。

 盛岡ハートネットは、おかげさまで、結成から3年目。つながりの輪も広がっていますが、同時に、参加される方の意識も、ずいぶんと変わってきているように感じます。2009年12月4日の第12回例会「自殺予防 私たちにできること」は、非常に中身の濃い例会でした。第1部「未遂者の思い」で、匿名ではあっても当事者が声を上げる。第2部で専門家から自殺予防についての話を聞く。さらに第3部でグループワークし、振り返り、語り合い、相互理解を深める…。参加者一人ひとりが、自殺問題を人ごととせず、主体的にかかわったからこそ、このようないい感じの集まりになったのだと思います。アンケートの記述内容も、非常に充実しており、事務局としてもうれしかったです。

 個人情報を守りつつ、参加される方々が自らを語るためにサポートをする。なんだか、相反する命題だけに、非常に難しくはありますが、それを可能にするのは、参加者の意識の高まりです。というわけで、みなさん、本年もよろしくお願いします。(2010年1月6日)

P.S. ちなみに、事務局の黒田のプライバシーはありません。みなさん、好きにしゃべって構いませんよ!
by open-to-love | 2010-01-06 00:25 | 管理人より | Trackback | Comments(0)