精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


by open-to-love
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滝沢武久著『こころの病いと家族のこころ』………その44

滝沢武久著『こころの病いと家族のこころ』………その44

滝沢武久著『こころの病いと家族のこころ』(1993年、中央法規)

四 医療保護入院について
 ここでは私が県立、市立の保健所相談員として数多くの同意、措置(鑑定)入院に立ち会った感想を述べます。「あまりに適切な告知が少なかった」との一語に尽きます。「良くなれば分かるから」という理由で、説明の努力が一定で切り上げられることが多く、例えば、鑑定にしても「自傷他害」のおそれの診断が立てられるだけ十分の予測検討がなされるとは思いにくいことでした。しかも措置入院などは後刻「自傷他害」というレッテルが対外的に一人歩きし「病識のない危険な病人」と法曹界や政治家、市民に解釈されていくのです。実際のところでは、医療保護入院より病状が鮮明で、かつ前後の状況が粗暴度の高い場合が多いでしょうが、一般解釈はそうではありません。また現在圧倒的多数の医療保護入院も、医師の主体的・客観的診療による診断として告げられるよりも、時には「両親(またはそのどちらか)の依頼で入院させた」かのごとく本人に伝えられることが多かったと言えないでしょうか。
 診察に至るプロセスで、あなたの状態はここがこうした病状とみられ、それを判断(見立て)した医師の責任で入院を告知されることが少なかったと思うのは私の体験が特異だからでしょうか。文字どおり医療保護の必要があることを、精神医学が科学であるなら明確(言語と文書など)に告げられることが必要です。病識(問題意識)が欠けがちであったことで告知、医療保護の本人に対する説明(その仕方も非常に微妙!)が省略されすぎたのではないでしょうか。「行動制限をすることができる医師」の指定にしても、人間の行動制限を宣告するには、患者側や社会通念から十分に客観的に納得がいくことを判断できる洞察力と識見経験をもつ医師であるべきであり、そこが精神科医療の特徴だとするなら理解できます。
Tracked from 強迫性障害と向き合うには at 2010-01-08 06:03
タイトル : 強迫性障害の具体的症状
強迫性障害とは、どのような病気なのが探ってみる事にしましょう。強迫性障害になると、頭の中に何度も同じ観念が浮かんできて、意志の力では止める事が出来なくなります。こうなると集中力が妨げられ、非常に苦痛に感じます。ひどくなると、日常生活に支障を来たす場合もあるようです。強迫観念の具体的例としては、家の鍵をちゃんとかけてきたかどうかとか、ガスの元栓を閉めたかどうかなど、気になりだすとそうした考え何度も繰り返され、止められなくなってしまいます。強迫性障害の人は、頭の中だけでこうした不...... more
by open-to-love | 2009-12-28 17:52 | 滝沢武久 | Trackback(1) | Comments(0)