マーク・レーガン著、前田ケイ訳『ビレッジから学ぶリカバリーへの道』
2009年 12月 24日
マーク・レーガン著、前田ケイ訳『ビレッジから学ぶリカバリーへの道―精神の病から立ち直ることを支援する』(金剛出版、2005年)
統合失調症などの重い精神の病を持っていても、人は立ち直ることができる。人として尊重され、希望を取り戻し、社会に生活し、自分の目標に向かって挑戦しながら、かけがえのない人生を歩むこと、それが「リカバリー」である。本書で紹介されている「ビレッジ」は、精神保健福祉サービスの統合的ケアモデルのパイオニアであり、リカバリー・コミュニティとして活躍しているカリフォルニア州の団体である。ここでは「メンバー」と呼ばれる利用者が、職員と一緒に自分用のリハビリテーション・プログラムを作成しつつ、それぞれのリカバリーを体験している。ビレッジの設立スタッフである著者は、本書において、多くのメンバーの物語を織り交ぜながら、個人がどのような過程でリカバリーを経験していくか、専門家がその過程にどう参与していくかについて、具体的な実践原則を述べている。
目次
日本の友に贈る言葉:ロバート・ポール・リバーマン
日本語版へのまえがき:マーク・レーガン
本書をお読みいただく前に:リカバリーについて:前田ケイ
序 章 はじめに
第1章 リカバリーの段階を考える
リカバリーの四つの段階
第2章 第1段階:希望
伝統的な見方に疑問を持つ
治療に成功することの再検討
可能性を信じる
将来への明確なイメージを持つ
気持ちの内側に入り込む
第3章 第2段階:エンパワメント
事例としてでなく人として見る
医師の役割を再評価する
薬物治療を協働で進める
役に立つ情報と選択肢を提供する
産科とガン治療の分野から学ぶ
エンパワメントを実行する
敬意と誠実を示す
第4章 第3段階:自己責任
ストレスを避けるのではなく,リスクをサポートする
強制ではなく働きかけを続ける
メンバーの選択をサポートする
準備ができているかどうかに関係なく,トライする
私たち自身の内にある差別をみつめて
失敗を覚悟で挑戦するのは,たやすいことではない
リスクに挑むにはよい関係作りが必要
ほかの人への思いやりを増す
第5章 第4段階:生活のなかの有意義な役割
新たな役割を探す
●仕 事
期待を高める
●愛とセックス
●家 族
家族のもとへ帰るということ
●子ども
家族と支援を拡大する
●スピリチュアリティ
道を探し求めて
スピリチュアルな雰囲気を創る
●生きがいのある生活
障害となるものを取り除く
生活を失うということ
有意義な役割を持つ人として関わる
役割を変える
コミュニティを築く
終 章 リカバリー・ビジョンを広める
リカバリー・ワーカーになる
態度の変化に影響を与える
【モーリス・ウィークスさんの手記】ワルの俺にはさよならだ
前田ケイ(ルーテル学院大名誉教授 学術顧問 SST普及協会認定講師)
本書刊行時の略歴:ルーテル学院大学大学院総合人間学研究科臨床心理学専攻教授。ハワイ大学社会学科卒業、BA。コロンビア大学大学院ソーシャルワーク修士課程修了、MS。SST普及協会運営委員および研修委員、日本心理劇学会理事。1988年より東京大学病院精神神経科デイホスピタルにおいて、SSTの日本への導入に尽力し、現在は日本各地の精神科病院、社会復帰施設、少年院などで、SSTの指導とリーダーの養成にあたっている。
統合失調症などの重い精神の病を持っていても、人は立ち直ることができる。人として尊重され、希望を取り戻し、社会に生活し、自分の目標に向かって挑戦しながら、かけがえのない人生を歩むこと、それが「リカバリー」である。本書で紹介されている「ビレッジ」は、精神保健福祉サービスの統合的ケアモデルのパイオニアであり、リカバリー・コミュニティとして活躍しているカリフォルニア州の団体である。ここでは「メンバー」と呼ばれる利用者が、職員と一緒に自分用のリハビリテーション・プログラムを作成しつつ、それぞれのリカバリーを体験している。ビレッジの設立スタッフである著者は、本書において、多くのメンバーの物語を織り交ぜながら、個人がどのような過程でリカバリーを経験していくか、専門家がその過程にどう参与していくかについて、具体的な実践原則を述べている。
目次
日本の友に贈る言葉:ロバート・ポール・リバーマン
日本語版へのまえがき:マーク・レーガン
本書をお読みいただく前に:リカバリーについて:前田ケイ
序 章 はじめに
第1章 リカバリーの段階を考える
リカバリーの四つの段階
第2章 第1段階:希望
伝統的な見方に疑問を持つ
治療に成功することの再検討
可能性を信じる
将来への明確なイメージを持つ
気持ちの内側に入り込む
第3章 第2段階:エンパワメント
事例としてでなく人として見る
医師の役割を再評価する
薬物治療を協働で進める
役に立つ情報と選択肢を提供する
産科とガン治療の分野から学ぶ
エンパワメントを実行する
敬意と誠実を示す
第4章 第3段階:自己責任
ストレスを避けるのではなく,リスクをサポートする
強制ではなく働きかけを続ける
メンバーの選択をサポートする
準備ができているかどうかに関係なく,トライする
私たち自身の内にある差別をみつめて
失敗を覚悟で挑戦するのは,たやすいことではない
リスクに挑むにはよい関係作りが必要
ほかの人への思いやりを増す
第5章 第4段階:生活のなかの有意義な役割
新たな役割を探す
●仕 事
期待を高める
●愛とセックス
●家 族
家族のもとへ帰るということ
●子ども
家族と支援を拡大する
●スピリチュアリティ
道を探し求めて
スピリチュアルな雰囲気を創る
●生きがいのある生活
障害となるものを取り除く
生活を失うということ
有意義な役割を持つ人として関わる
役割を変える
コミュニティを築く
終 章 リカバリー・ビジョンを広める
リカバリー・ワーカーになる
態度の変化に影響を与える
【モーリス・ウィークスさんの手記】ワルの俺にはさよならだ
前田ケイ(ルーテル学院大名誉教授 学術顧問 SST普及協会認定講師)
本書刊行時の略歴:ルーテル学院大学大学院総合人間学研究科臨床心理学専攻教授。ハワイ大学社会学科卒業、BA。コロンビア大学大学院ソーシャルワーク修士課程修了、MS。SST普及協会運営委員および研修委員、日本心理劇学会理事。1988年より東京大学病院精神神経科デイホスピタルにおいて、SSTの日本への導入に尽力し、現在は日本各地の精神科病院、社会復帰施設、少年院などで、SSTの指導とリーダーの養成にあたっている。
by open-to-love
| 2009-12-24 10:05
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