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盛岡ハートネット第12回例会「自殺予防 私たちにできること」第3部:キララメンバーの手記

盛岡ハートネット第12回例会「自殺予防 私たちにできること」

第1部:未遂者の手記、第2部:精神科医智田文徳さんの講演に続き、第3部のグループワークでは、北川明子さん(県精神保健福祉センター保健師)と、東磐井の当事者会「心の病と共に生きる仲間達連合会キララ」(キララ)のメンバーに講師をお願いしました。
その際、キララメンバーSさんにお寄せいただいた手記全文を紹介します。Sさん、そして、北川さん、ありがとうございました。

「自殺予防 私たちにできること」に際して

(キララメンバー Sさんの手記)

1.私自身の自殺未遂について

1回目、南光病院に入院する前の自殺未遂
入水自殺→失敗
2回目以降
南光病院内(首吊り)
その後
(1)、生活訓練施設内で
首を引っ掛ける物を見つけられず
(2)グループホーム内で
同居利用者の目があり実行できず
(3)県営アパートで
ベランダから飛び降り→同じアパートに入居する当事者に迷惑をかけるので実行できず
橋からの飛び降り→高さが足りず断念

2.なぜ自殺しようとするのか
入院中→退院できない為
生活訓練施設→将来の見通しが立たず
アパート→将来への不安、彼女との別れ、生きる希望の喪失

3.なぜ死ななかったか
おととしまで→愛し合い信頼できる元彼女の存在(彼女を残して死ねない)
現在
信頼できる当事者会の存在
信頼できる保健師(北川さん)
当事者会以外の当事者、仲間の存在
ふれあい会、グループホーム、授産施設、支援センター等の仲間たち、そのほかの友人たち
信頼できる職員
信頼できるグループホームの世話人

結局、「相談できる人」が多かったことに加えて、単に「相談できる」のではなく、「心から信頼できる人、信用できる人」がいたことが大きかった。とはいえ、これから先絶対に自殺しないとは言えない。私にも死の誘惑は残ってる。

4.私個人の思い
 ここ2、3年私の友人、知人の当事者で、自殺や病死する人が多かった。もう仲間の死は見たくないという思いがある。その一方で、彼ら、彼女らの死は、一歩違えば、私の死ではないかとも思う。死者への痛切の念。

5.ではどうやって自殺を止めるか
(1)精神、心理的アプローチ
医師によるうつ等の精神病の治療
保健師、関係機関による心のケア、相談および啓発活動
当事者による相談活動も重要になるのではないか→当事者会の活動の重要性
(2)司法、行政的アプローチ
弁護士、司法書士による相談
自己破産の申し立て→免責決定。債務整理
生活保護の申請等
※一見、心理の問題に見えても、経済的問題が絡んでいる場合があり

6.本当に心から、相談でき、信頼できる人の重要性
本人もつくろうとすべきだし、相談機関もそうあるべき

7.まとめにかえて
もちろん、自殺の原因は様々で、しかも複雑であり、その予防は難しい。一概にいえないが、先のような心構えが必要ではないかと思う。そのためには、関係者、関係機関のみならず、当事者会の活動は重要だと思う。

8.最後に、私たちキララの演劇のセリフをもって私の話の締めとします。
「雨宿りかあ。やまない雨はないんですよ!人生、雨もないと潤い少ないし!雨があるから晴れが輝くんですよ。俺たち結構輝いている。輝いていけるようにしよう!つらいこと経験してるからこそ、できることあるよ!」と。
by open-to-love | 2009-12-08 11:27 | 第12回例会:自殺予防 | Trackback | Comments(0)