精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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第4分科会(当事者活動推進)・初森さんレジュメ

第4分科会(当事者活動推進)・初森さんレジュメ

・皆さん始めまして。「初森 旦(はつもり あきら)」と申します。昭和43年1月1日で生まれた日も性格も御目出度い41才です。(笑)岩手県の県北は二戸市と言う所に住んでいます。我が家は山の中の一軒家で自然に囲まれて両親と騒ぎながら生活しています。
・私は「うつ病」です。。何時発症したかは覚えて居ません。18歳で県立福岡工業高等学校を出て某企業に就職してから「自分が崩壊して行く」のが分かりました。多分その頃から気付かぬ内に「うつ」と同居していたと思います。
・父親も母親も、重い病気を患っていて「障がい者」で、私は「当事者」であり「家族」でもります。
・皆さん。御自分や御身内が「障がい者・当事者」になった時どうしましたか?私はいわゆる「精神病」になった人間に「頑張れ」とは言って欲しくありません。何故なら「本人が一番頑張っている」筈だから。。私の経験ですがの家族や親類・友人になったら必要以上に干渉するのは良くないと思います。「当事者」は「自分の心に壁」を作ってしまう事が多いので、それを取り払う必要があります。「貴方だけじゃない、私達も居る」事を、押し付けずに見守る事が大切ではないでしょうか?でも甘やかしても良くありません。「自分でする事」を放棄しますから。。
・私は「うつ」が表面化した時、それを隠そうとする「地域性」に悩みました。完全に「うつ」になった私を両親は隠そうとした。「車は見えない所に置いてくれ」とか。。「何処かに行った事にしてくれ」とか。。これは「当事者」にはとても辛い。「自分だけ」と追い詰められてしまいます。
・人はどうしても、相手の悪い所に目が行きがちです。これは私もそうです。でも、良い所が一つも無い人間は居ないと思います。何でも良いです。その人の良い所を探して欲しいです。それが人を知る事だと思うし、人を分かる事だと思うのです。
・ここから一寸余談です。(笑)「井の中の蛙、大海を知らず」って言いますよね?古の識者「壮子」の笑い話から来た言葉らしく、辞書等を調べると一般的に「自分の狭い知識や見解に囚われ、他に広い世界があることを知らないで得々と振る舞っている人の事を蛙に例えた」言葉だそうですが日本人は、この「荘子」の言葉からあるフレーズをつけたそうです。「されど、天の深さを知る」若しくは「されど、空の青さを知る」と続きが有ると言うんです。井戸の中の事しか知らない人にも一つの他人に誇れるモノを持っている。私は勝手にそう解釈しています。「何が言いたいの?」と言う事になりますが、先に出した私の「良い所が一つも無い人間なんて居ない」と言う事に成りませんか?
・「知って欲しいです。分かって欲しいです。」これが私の今の希望です。

・私が「うつ」に成り、塞ぎ込んでいた時、私が人生の師匠と仰いでいる方から一言のE-Mailを頂きました。『明けない夜は無い。』と。。
・生きていれば「夜」の時期は必ずありますよね?人によってはそれは、とてつもなく長く。辛いと思います。私も辛かった。。でも、私の夜は明けた。。と、勝手に思ってます。今は、「多機能事業所・はあとすぽっと」の「就労継続支援B型事業」の利用者であり、同事業所の「施設外就労支援員」です。前に進む気があれば「夜は明けます。」。。と思います。(笑)
・そして、今私は「明けない夜は無い。」に「曲がらない道は無い。上りや下りの無い道も無い」を付け足して座右の銘にしています。如何ですか?人生と言う道を歩いて曲がったり上ったり下ったりして、また踏ん張って上った時。。朝日を拝めるかも知れない。「夜が明ける」んです。

・一番肝心の「当事者」はどうしたら良いのか? とても難しい問題です。。「当事者」は一時期「休む期間」が必要だと感じます。骨折したらギプスをあてて一時期はそこは動かないようにしますよね?ですから、「休む必要」が有るんです。この「休む期間」は人によって違います。休む必要が有るときは休みましょう。。
・でも、「休んだら」「お日様を見る」ようにしてみましょうか?気が滅入って自分の殻に閉じ篭った「当事者」に何故それが必要か?
・またまた、ここで話が反れます。算数です。-1と-1は掛ければ何になる?答えは+1になる。不思議ですね?大抵の人はマイナスにマイナスを「足して」若しくは「積み重ねて」いる。だから、前に進めなくなると思うんですが、どう思いますか?
・休んだら一寸だけ嫌な事をやってみる。これがマイナスを「掛ける」事になる。だから、「お日様を見てみよう」と言いました。それが出来たら「日向ぼっこ」をして見る。更にそれが出来たら、お日様のあたる「外」に出てみる。それも出来たら「お散歩」。それも出来たら「公園」とかに出掛けて見る。そこまで出来たら誰か他人と関わって見ましょう。作業所とか。。何かが変わって来ると思います。

・更にまた話が一寸それますね。
たいぶ前に何処かのテレビ番組でモノマネタレントさんの奥様が脳の腫瘍で手術をして悲しいかな「障害者」に成った言う内容の話がありました。あれは御涙頂戴モノです。そのタレントさんは大変です。奥様の面倒も見なきゃいけないし子供の世話もしなきゃ成らない。当然事後自分の仕事もしなければ成らない。。その話を私が通う事業所の職員さんが作業の合間に出しました。「泣いた。もう、可哀想で泣いた。子供たちも可哀想で。。」とか言う内容の話をしたんです。私もその番組は見たんですが、泣けませんでした。冷たいですかね?私は、こう思ったんです。「良かったじゃない。脳腫瘍で死ななかったんだよ。奥様は生きているし子供たちとしても母親が居なくならずに済んだんだもの。それ以上なにを望むのか?」そう思いました。
・マイナスで見ちゃ駄目です。プラスです。プラス!!は~い。これ大事。次の試験に出るかもしれませんよぉ~。(笑)人の悪い所ばかりを見るんじゃなくて、良い所も探しましょ。先ほども言いました。それが人を知る事だと思うし人を分かる事だと思うのです。

・最後に。。私は「障害者」「当事者」になったら休んで下さいと言いました。でも、それを理由に色んな事から逃げ続けるのは駄目です。「障害者」「当事者」で有る事を「免罪符」に色んな理由をこじつけて逃げ道を作っている人を良く見ます。折角色んな場所に出られるまで回復したのに勿体無いです。貴重な人生を無駄にし兼ねない。それこそ「マイナスにマイナスを足して」しまいます。。
・知って下さい。分かってください。休んでも良いから逃げないで。。「当事者」も「周りの皆さん」も。。私からの希望・そしてお願いです。
・有難う御座いました。
by open-to-love | 2009-09-09 22:55 | 岩家連 | Trackback | Comments(0)