精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


by open-to-love
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

医師に「薬が効かない」と言っても気分を損ねない?

向精神病薬を正しく理解していますか…薬物治療に不安や疑問を持っていませんか?
第1部 こころのお薬Q&A集

Q.46:医師からいい薬だからと言われて飲んで効かないとき、効かないと言っても医師は気分を損ねないでしょうか?

A.大丈夫です。
 お薬を飲んでいるのは、患者さんです。飲んだ感触を医師に伝えることは、とても大事なことです。しっかりと、医師に伝えましょう。ただ、漠然と薬が効かないと言っても医師には伝わりにくいことがあります。そこで大事なポイントがいくつかあります。
 まず、改善したい症状に対して、どの程度の効果が感じられているか具体的に説明しましょう。たとえば、睡眠の薬であれば、「薬をのんでもまったく眠れない」とか、「寝つきは良いが、2〜3時間で起きてしまう」とか、抗うつ薬であれば、「本を読んでも頭にはいらない」「好きなテレビを見ても楽しくない」「家事ができない」とか。また、そのことで、どの程度困っているのか、もしくは辛いのかも伝えましょう。
 次に、大事なことは、抗不安薬や睡眠薬は、割と早く効き目の判定をすることができますが、抗精神病薬や抗うつ薬は、効果発現に時間が必要で、効果の判定がすぐにはできないということを理解しましょう。また、その患者さんに合う薬、合う用量を見つけるための時間も必要です。そこで大事なのは、病気の治療経過を理解し、現在の治療段階がどの段階にあるのかを、医師や薬剤師の説明を聞き、よく理解しておくことです。
 たとえば、うつ病の治療中であれば、抗うつ薬を飲み始めて、うつ症状が改善するまで、4〜6週間かかります。そして、良くなった状態を維持できるまでに、さらに約6カ月程度維持療法(良くなった時と同量の薬を飲み続けます)が必要です。はじめの4〜6週間で、症状が良くなったからといって薬をやめてしまうと再発する可能性があります。治療には、時間が必要ですが、きちんと治療すれば、しっかりと良くなります。自分が今どの段階にいるか、よく理解しておきましょう。


星和書店「こころのりんしょう a・la・carte」Vol.27 No.3(2008年9月)
by open-to-love | 2009-08-24 20:14 | 薬物療法 | Trackback | Comments(0)