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全福連トピックス 2009年2月

全福連トピックス 2009年2月

■知っておきたい精神保健福祉の動き

□障害を理由とする差別の禁止とはー労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会

 第9回が2月4日に行われました。主な論点ごとの検討に入り、今回は「基本的枠組み」と「障害を理由とする差別の禁止」について意見交換がされました。「基本的枠組み」では、障害者雇用率制度の位置づけが議論され、この制度は差別禁止の枠組みと矛盾しない、積極的差別是正措置にあたるとの意見が大勢でした。当会が要望している精神障がいを実雇用率に算入することに関しては、多くの委員から賛同されました。雇用率を引き上げるべきとの意見も出されましたが、更なる検討が必要とされました。また、障がい者の範囲は雇用率制度の対象となる障がい者(手帳保持者)に限定せず、広範な障がい者を対象とすべきとの意見が多い中、対象者を確定するにはどうすべきかは、検討の余地を残しました。
 「障害を理由とする差別の禁止」については、差別の定義が議論されました。「労働能力に基づく差異」が差別にあたるかどうかが問題とされましたが、合理的配慮が提供された上で、労働能力が適切に評価されたものならば、結果として差異が生じても差別には該当しないのではないかとの意見で一致しました。
 主な論点検討はあと2回ほどで終るようです。「障害者権利条約」批准にむけての検討、研究会ですが、障がい者の雇用の権利が侵害されないように十分に議論されるべきと思って参加しています。

□自民党ヒアリングで要望ー障害者基本法の改正

 障害者基本法は、前回改正(平成16年)の際、施行後5年をめどとして、見直すことが附則に盛り込まれました。平成21年がその見直し時期にあたります。現在、内閣府が改正内容を整理しています。障害者基本法は議員立法であるため、内閣府から提示された改正の方向案を、政府が受け、改正案を作ることになります。
 2月5日、自由民主党の「障害者特別委員会」において、障害関係団体のヒアリングが実施され、当会も参加し以下の要望をしました。
 障害者基本法は、平成5年に、心身障害者対策基本法から「障害者基本法」に改正され、初めて身体障害、知的障害と並んで「精神障害」が法の対象となった。それから15年余りを経て、精神障がい者に対する施策や社会全体の理解が進んだかどうか改めて検証する機会を持つこと。
 国連の「障害者権利条約」批准にむけて、国は「障害者基本法」の理念に基づき、法を整備し、施策をすすめること。
 精神障がい者への差別や権利侵害をなくし、遅れている精神障がい者の自立と社会参加が実現すること。
 基本理念について、精神障がい者には世界に類を見ない差別である「保護者制度」があり、また他の障害者と比べ医療と合併した福祉に関する法律しかない。一日も早くこうした不平等をなくすこと。
 年金について、「特別障害給付金」の額は年金の額の半分であり、まだ依然として無年金障害者が存在する。年金手当は、自立と生活の安定に資するため十分な年金・手当の額にすること。また無年金者をなくすこと。

 主催者(自民党)からは、保護者制度について、今後の検討課題としていきたい旨の発言がありました。当会としても、今後も要望をしていく必要があります。
 参加団体の多くからは、障害者基本法の改正とともに、「障害者差別禁止法」のような実効性のある法律制定の要望が出され、今後の課題とされました。

全福連「みんなねっと」通巻23号(2009年3月)
by open-to-love | 2009-03-18 22:16 | 精神保健福祉トピックス | Trackback | Comments(0)