精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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地域生活支援セミナーINにのへ 初森さん講演

※2009年2月1日、二戸市で開かれた「地域生活支援セミナーINにのへ」に行ってきたのですが、その際、私と一緒に講演し、対談したのが、初森さんでした。すごくいい話でしたので、本人の承諾を得て、全文を紹介させていただきます。(黒)


初森さん発表

・皆さん始めまして。私は「初森 旦」です。知ってる人居ますか~?
 昭和43年1月1日生まれ。今日で丁度41歳と一ヶ月になります。
 えー。。御誕生日のお祝いの受付は今年の元日から既に始まっております。
 今年の12月31日の夜11時59分59秒まで受け付けておりますので
 どうぞ、御気兼ねなくお祝いを頂ければな~。。と思って居ります。(笑)
 気が向いたら、なんか下さい。(笑)

 で、元日生まれなんで私の親父が元旦から旦の字を取って「あきら」と名付けてくれました。
 この元旦の「旦」の字は、お日様が地面から顔を出した所を取って出来た字だそうですね。
 で、夜が明けて明るくなったから元旦の「旦」の字で「あきら」と付けたそうです。
 実はこの名前、お気に入りなんです。こう言う意味を聞かされると良いと思いますよね?
 有難う親父。。

 さて、私が何処に住んでるのかって言いますと。。二戸の上斗米の「上野(蛇沼)」に住んでます。
 先ほど演劇を発表した「上斗米中学校」の生徒さん達は私の後輩。
 ごめんなさいね。変な先輩がここで喋っちゃってま~す。(笑)
 でも、とても心強い。「障害者」を分かってくれて有難う御座います。

・自分は「うつ病」。。何時発症したかは覚えては居ない。
 でも、19歳で福岡工業高校を出て就職してから「自分が崩壊して行く」のが分かりました。
 だから、多分その頃から気付かぬ内に「うつ」と同居していたと思います。
 父親も母親も、重い病気を患っています。
 
 つまり「私」は「当事者」であり「家族」でも有るんですよ。

・さて、そろそろ本題に入りますね。
 皆さん。御自分や御身内がいわゆる「障害者・当事者」になったらどうしますか?
 いや、どうしましたか?

・先ず私としては、いわゆる「精神病」になった人間に「頑張れ」とは言って欲しくない。
 何故なら「当事者が一番頑張っている」筈だから。。

 私の経験上ですがの家族や親類・友人になったら必要以上に干渉するのは良くないと思う。
 「当事者」は「自分の心に壁」を作ってしまう事が多いので、それを取り払う必要があります。

 「貴方だけじゃない、私達も居る」事を、押し付けずに見守る事が大切ではないでしょうか?
 でも甘やかしても良くありません。「自分でする事」を放棄しますから。。
 
 さて、実は一番問題なのが、それを隠そうとする、この「地域性」の問題。
 私は、これに悩んだ。。本当に苦しみました。
 完全に「うつ」に成った私を両親が隠そうとした。「車は見えない所に置いてくれ」とか。。
 これは「当事者」にはとても辛い事。
 「自分だけ」と追い詰められてしまう。
 (だから県北の自殺者率が高い理由になっていないだろうか?)

・人はどうしても、相手の悪い所に目が行きがちです。これは私もそうです。
 でも、良い所が一つも無い人間なんて居ないんですよ。
 何でも良いです。その人の良い所を探して見て下さい。
 それが人を知る事だと思うし、人を分かる事だと思います。
 今日の「知って、分かって」の「お題」は私のこの気持ちに一番近い事です。

 余談になりますが、あることわざがあります。
 「井の中の蛙」このフレーズ聞いた事がありますか?
 「井の中の蛙、大海を知らず」って言いますね。
 古の識者「壮子」の笑い話から来た言葉だそうです。
 一般的には「自分の狭い知識や見解に囚(とら)われ、
 他に広い世界があることを知らないで、得々と振る舞っている人の事を蛙に例えた」
 言葉ですよね。
 でも、日本人はこの「荘子」の言葉から有るフレーズをつけたそうです。
 「されど、天の深さを知る」若しくは「されど、空の青さを知る」と続き有ると言うんです。
 これは面白いですよ。
 井戸の中のことしか知らない人にも一つの人に誇れるモノを持っている。
 私は勝手にそう解釈しています。
 まぁ、本当の意味は違うとは思いますが、そう言う解釈の仕方もあると思って下さいね。
 
 さて、「んじゃー、何が言いたいの?」と言う事に成りますが
 さっきの私の話したこと「良い所が一つも無い人間なんて居ない」と言う事に成りませんかね?
 
 「知って欲しいです。分かって欲しいです。」

 これが私の今の希望です。

・私は「うつ」に成り、立ち上がれないで居たとき、自分の人生の師匠と仰いでいる方から一言のE-Mailを頂きました。「明けない夜は無い。」と。。
 生きていれば「夜」の時期は必ずありますよね?
 人によってはそれは、とてつもなく長く。辛いと思います。
 私も辛かった。。でも、私の夜は明けました。。。と、勝手に思ってます。
 今は、「多機能型事業所・はぁとすぽっと」の「B型就労支援事業」の利用者であり
 「域生活支援センター・カシオペア」の「生活支援課・施設外就労支援員」です。
 前に進む気さえあれば、ちゃんと「夜は明けます。」。。と思います。
 そして、今自分は「明けない夜は無い。」に
 「曲がらない道は無い。上りや下りの無い道も無い」を付け足して座右の銘にしている。
 如何ですか?
 
 人生と言う道を歩いて曲がったり上ったり下ったりして、また踏ん張って上った時。。
 朝日を拝めるかも知れない。「夜が明ける」んです。

・さてさて。。では一番肝心の「当事者」はどうしたら良いのか? とても難しい。。( ('';)ウーン )
 「当事者」は一時期「休む期間」が必要です。
 骨折したらギプスをあてて一時期はそこは動かないようにしますよね?
 ですから、「休む必要」が有るんです。
 この「休む期間」は人によって違います。
 これも一寸前に話した私が貰ったE-Mail「明けない夜はない」にも繋がるんです。
 休む必要が有るときは休みましょう。。

 でも、「休んだら」「お日様を見る」ようにしてみましょうか。
 気が滅入って自分の殻に閉じ篭った「当事者」に、何故それが必要か?

 またまた、ここで話が一寸それますよ。
 はーい。ここで一寸算数。マイナス1とマイナス1は掛ければ何になる?
 答えはプラス1になる。不思議ですね?
 大抵の人はマイナスにマイナスを「足して」若しくは「積み重ねて」いる。
 だから、前に進めなくなると思うんですが、どう思います?

 休んだら一寸だけ嫌な事をやってみる。これがマイナスを「掛ける」事になる。
 だから、「お日様を見てみよう」と言う事に成るんです。
 実はこれは脳や精神にも良い事なんですよ。
 お日様にあたると「セロトニン」と言う脳内の癒しに関係する物質が出来るとか
 聞いた事があります。
 あ、でも「セロトニン」の話は嘘かも知れないので御医者様にでも聞いてみてくださいね。(笑)

 で、それが出来たら「日向ぼっこ」を一寸づつしていく。
 更にそれが出来たら、お日様のあたる「外」に出てみる。出るだけで良いから。。
 それも出来たら「お散歩」。それも出来たら「公園」とかに出掛けて見る。
 そこまで出来たら、誰かとコミュニケーションが出来る筈だから
 地域生活支援センター・カシオペアに連絡してみる。
 何かが変わって来る筈ですよ。


・また話が一寸それますね。

 一寸前に何処かのテレビ番組で、モノマネタレントさんの「岩本恭省」さんの奥様が
 脳の腫瘍で手術をして悲しいかな「障害者」に成った言う内容の話がありましたね。
 皆さん、見ました?
 あれは御涙頂戴モノですよ。。「岩本恭省」さんは大変です。
 奥様の面倒も見なきゃいけないし、子供の世話もしなきゃ成らないし
 当然事後自分の仕事もしなければ成らない。。
 その話が、私が通う「はぁとすぽっと」の職員が、作業の合間に出しましてね。
 「泣いた。もう、可哀想で泣いた。子供たちも可哀想で。。」とか言う内容の話をしたんです。

 私もその番組は見たんですが、泣けませんでした。
 冷たいですか?

 私は、こう思ったんです。
 「良かったじゃない。脳腫瘍で死ななかったんだよ。奥様は生きているし
 子供たちとしても母親が居なくならずに済んだんだもの。それ以上なにを望むのか?」
 そう思いました。

 マイナスで見ちゃ駄目です。プラスです。プラス!!は~い。これ大事。
 次の試験に出るかもしれませんよぉ~。
 あ、学生さんは少ないか。。(笑)

 人の悪い所ばかりを見るんじゃなくて、良い所も探しましょう。
 先ほども言いましたが、それが人を知る事だと思うし、人を分かる事だと思います。


・最後になります。
 私は「障害者」「当事者」に成ったら休んで下さいと言いました。
 でも、それを理由に色んな事から、逃げ続けるのはいけない。駄目です
 「障害者」「当事者」で有ることを「免罪符」にして色んな理由をこじつけて
 色んな事から逃げ道を作って逃げている人を良く見ます。

 これは勿体無い。折角色んな場所に出られるまで回復したのに
 自分の貴重な人生を無駄にし兼ねませんよ~。。
 ね?それこそ「マイナスにマイナスを足して」しまうから。。


・知って下さい。分かってください。休んでも良いから逃げないで。。
 「当事者」も「周りの皆さん」も。。

 私からの希望・そしてお願いです。 

 有難う御座いました。
by open-to-love | 2009-02-18 18:05 | 黒田:二戸地域生活セミナー講演 | Trackback | Comments(0)