精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


by open-to-love
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

笑いを生活のなかに取り入れよう!

特集 生活してるとストレス感じます

笑いを生活のなかに取り入れよう!

 日本笑い学会理事・関東支部長 鐘振夫(べる・ふりお)

○恋だってストレスです
 私たちの生活の中にはストレスがたくさんあります。ストレスがたまり過ぎると病気になってしまいますし、精神疾患を再発させる原因にもなります。ですから、「ストレス」と聞くと、「ああイヤだ!」とマイナスのイメージを持つことが多いと思います。
 しかし「ストレス」とは広い意味でいうと「自分に降りかかってくる刺激のようなもの」なので、ストレスも悪いストレスばかりとは限らない、むしろストレス(よい刺激)のまったくない生活というのはつまらないものになるでしょう。
 たとえば「恋をして、その人に会うたびに切ない気持ちになるという状態も、ある意味でストレスがかかっている」といえるのです。恋をすることは悪いことではないですから、「ストレス=悪いもの」ではないことはおわかりいただけると思います。
 寝てもさめても好きな人のことに心を奪われ、仕事にも勉強にも手がつかなくなって、ご飯も食べられなくなって生活に支障が出るようでは、まさに「恋の病におかされている」といえるでしょうから、何らかの治療が必要かもしれませんね(笑)。
 行きていることはストレスを受け続けるようなものですから、よいストレスを受けながら、悪いストレスをためこまない工夫をすることが幸せに生きるコツということができるでしょう。

○笑いが免疫力を高める
 ではストレスをためこまない工夫とはどのようなものなのでしょうか?
 一粒のめばストレスが減り、二粒のめばストレスがなくなって楽しい気分になるという便利な薬はありません(そんな薬は危ない薬かも!)。
 でも、心配ご無用。薬以外に病気を治すためになる「自分でできること」はたくさんあり、人間の身体の中にちゃんとストレスと戦う武器ー免疫ーがあるのです。免疫を自分の力で高める工夫がいくつかありますが、特に最近注目を集めているのが「笑い」です。
 実際に「落語や漫才を聞いて笑うことによって、リウマチの痛みがやわらいだり、ガン細胞をやっつけるNK細胞が適切に働くようになるー免疫機能が正常化する―」ことが示されているのです。このように、笑うことは精神的にも免疫機能を高め、身体的にも健康度を高めるということがいろいろな笑いの研究でわかってきています。
 ドクトル・イチキは本誌の「病気があっても元気!」のコーナーの中で「健康度=病気度+元気度」と書いて、笑いを元気度を上げる方法として使うとともに、元気度を測るバロメーター(物差し)として用いている、と書いていますね。

○笑顔づくりを習慣にしよう
 「つらいときは笑うことはできないよ」という声が聞こえてきますが、確かに「本当につらいとき」は笑えないことはあると思います。しかし多くの場合はまだまだ自分に笑う余裕があるはずなのに、自分自身で「笑っている場合ではない」と決めつけてしまっている場合が少なくないのです。
 実際、日本笑い学会では「にもかかわらず笑う」すなわち「つらいときだから笑わないのではなく、つらいとき『にもかかわらず』、つらいとき『だからこそ』笑う姿勢が大切である」ことを提唱しています。
 「楽しい気分ではなくても笑顔をつくることで効果がある」という報告もあるので、自分で笑顔をつくるトレーニングを行うことは少なくともムダではないと思います。
 それでは具体的にどのようにすればよいのでしょうか。
 具体的には、毎日三回、歯磨きのときに鏡を見て笑顔をつくってみることをおすすめします。そのときにはぜひ、何かしら楽しいことやおもしろいことを思い出しながら鏡の中の自分に笑顔をつくるとさらによいでしょう。
 歯磨きがなくてはならない生活の一部となっている人にとって、歯磨きをしないでいることはなんか口の中が変な気分になりますよね。同じように毎日笑いがないと変な気分になる、そんなふうになると合格です!

(コンボ『こころの元気+』2008年3月号 通巻13号)
by open-to-love | 2008-04-24 21:23 | ストレス対処法 | Trackback | Comments(0)