精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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「退院支援施設」を建設しないでください

退院支援施設要望書

2007年6月21日

都道府県知事宛

NPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会
全国「精神病」者集団
全国ピアサポートネットワーク
大阪精神障害者連絡会(ぼちぼちクラブ)
八王子精神障害者ピアサポートセンター 
NPO法人こらーるたいとう
NPO法人DPI日本会議
全国自立生活センター協議会
ピープルファーストジャパン
障害者欠格条項をなくす会
きょうされん
NPO法人全国精神障害者地域生活支援協議会
東京都地域精神医療業務研究会
東京精神医療人権センター

 「退院支援施設」を建設しないでください。そして本来の退院促進支援活動こそ推進してください。

(要望書)
 貴殿におかれましては、精神保健・福祉施策の充実にむけて邁進されておられること、敬意を表します。
 私たちは障害者が地域社会であたりまえに暮らしていくことができることを実現するための取り組みを重ねてきた障害者・支援者団体です。
 これまでの国の精神障害者に対する隔離収容政策が、世界に類を見ない数の精神科病床と長期に及ぶ「社会的入院」を生み出してきました。「社会的入院」を余儀なくされるということ自体、精神障害者の人権侵害に他なりません。
 そうしたことから、各自治体での障害者計画の中でも、社会的入院の解消と精神障害者の地域移行は大きなテーマになっています。
 ところが、厚生労働省は今年4月1日から精神障害者「退院支援施設」を施行に移しました。障害当事者はもとより、精神保健福祉従事者や支援団体等、多くの関係団体の反対を押し切っての実施となっています。
 この「退院支援施設」構想は精神科病床の「看板の書きかえ」と見た目だけの「入院患者の減少」という「数字あわせ」にすぎません。「退院支援施設」構想を進めていくことは、社会的入院患者にとっては病棟転用の「退院支援施設」に移っても生活実態は全く変わらず、単に医療費が減り、その代わり自立支援法による福祉財源が賄うというだけのことです。
 「退院支援施設」を認めることは精神科病院・施設内に移ることだけをもって「退院」とみなすということであり、一生を精神病院・施設内で終える人々がいるということです。このような人権侵害は断じて認めることはできません。それ故に私たち障害者・支援者団体は「退院支援施設」を撤回するよう粘り強い運動を展開してまいりました。「退院支援施設」は精神病棟と「退院支援施設」を患者さんは往復する仕組みではないかと危ぐされます。厚生労働省は私たちの危惧に対して「地域移行推進協議会を事業者に作らせる」としていますが、果たして自分の評価を事業所自らがおこなって質は担保できるのか、第三者性は担保できるのかと疑問です。委員も自分の事業所にとって都合の良い人を選ぶことができますし、市町村が入るにしても利用者全ての出身地域の市町村が入れるわけでもありません。
 誤った精神医療行政のために人生を台無しにしてしまった人々が大勢います。
 日本は世界一の精神病床数〜全世界に1,620,000床が存在しており、そのうちの340,000床がわが国に存在するという異常事態です。またその半数の病床が5年以上の長期入院者で占められています。誤った歴史を繰り返してはならないと思います。社会復帰促進のための本来の事業としての退院促進支援事業の拡充、居住支援系事業(グループホーム・ケアホーム)の増設や「居住サポート事業」の実施、さらに地域生活支援の継続性を担保する訪問系事業(ホームヘルパー派遣)等々を充実させ、社会的支援のインフラ整備、地域基盤の整備・確立に尽力されますよう強く要望させていただきます。

(要望事項)
1,「退院支援施設」を建設しないでください。そして退院支援施設は必要ないという見解を国に主張してください。
2,事業者から「退院支援施設」の指定申請があっても認めないで下さい。
3,本来の退院支援促進事業や介護保障、地域での住居、当事者活動への支援等、地域基盤整備こそ推進して下さい。

連絡先〒131−0033
墨田区向島3−2−1パークハイツ1階
NPO法人こらーるたいとう
03-5819-3651 
FAX03−5819−3652
Eメールkoraru@mub.biglobe.ne.jp

※というわけで、精神にはいろんな団体、いろんな問題に対するせめぎあいが日々起きています。みなさん、関心を持ちましょう。(黒)
by open-to-love | 2008-04-11 21:41 | 社会的入院 | Trackback | Comments(0)