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条約と条例について聞きました

 障害者への差別のない共生社会実現へ、国連の「障害者の権利に関する条約」が期待を集めています。日本政府は2007年9月末、条約の批准に向けて署名しました。外務省がまとめた日本語での仮訳文もホームページで公表され、批准に向けた動きが進んでいます。条約の意義や、障害者の権利擁護にかかわる国内外の動向について、県立大社会福祉学部の田中尚准教授(社会福祉士)に聞きました。 

 ―国連障害者権利条約の経緯と意義は?
 「国連は一九七五年の障害者の権利宣言以降、国連障害者年による啓発など、障がい者の権利を擁護し、社会への完全参加と平等実現へ取り組みを進めてきました。より実効性ある取り組みとして条約の必要性が求められ、昨年十二月、国連総会で条約が採択。日本政府は現在、条約の批准に向けた訳語の検討や国内の関連法との調整を進めています」
 「条約は、すべての障がい者の人権、自由、平等を守り、差別をなくすことを掲げています。条約実現に向けて世界中の障がい者が発言し、積極的に参加してきたことに大きな意義があります」

 ―障害者の権利擁護や差別禁止にかんする国際的な動向は?
 「イギリスやアメリカなど世界四十カ国以上に差別禁止法があります。日本は二〇〇一年、国連国際人権規約委員会から、特に障がい者に関する差別条項を廃止し、あらゆる差別を禁止する法律の制定を勧告されましたが、〇四年の障害者基本法改正で差別禁止が盛り込まれたにとどまっています」

 ―国内では昨年十月、全国で初めて「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」が制定されました。
 「差別や偏見の多くは意識的になされるわけではなく、私たちは普段、気付かぬままに障がい者を差別していたり、誤解や偏見を持っていることがあります。千葉県条例は差別を糾弾するのではなく、ゆるやかな話し合いを基本に、社会の側に『気付き』を促す仕組みである点が特徴です」
 「条例は障がい者だけの問題ではなく、障がい者への誤解、偏見や差別のない社会づくりこそ、誰もが安心して暮らせる市民社会であるという広い視点に立脚しています。市民参画型の条例づくりのプロセスも素晴らしい。当事者や市民の声を集め議論を重ねた過程は、誤解や偏見解消への啓発活動でもありました」

 ―障害者の地域移行が進み、社会の理解も進んできました。差別の在り方も、昔と今とで変わっているでしょうか?
 「街のバリアフリー化が進み、障がい者が社会参加しやすい条件は以前より整いました。社会参加の機運が高まり、地域生活実現に向けさまざまな取り組みがされています。でも、人と人とのかかわりにおける差別がなくなったとは言えません。差別や偏見でスムーズに地域生活できない現実は依然としてあります」

 ―本県では先月末「障がい者への差別をなくすための県条例」制定を求める請願が県議会に提出され、十二月定例会で継続審査となりました。
 「あくまで一研究者、ソーシャルワーカーの見解ですが、国際的には差別禁止の動きは待ったなしと言えます。でも、その進展を待つのではなく、われわれの手で、自分たちの地域や生活の中から差別をなくすための取り組みを進めることこそ、真の意味でのノーマライゼーションにつながるのではないかと考えます」
 -なるほどです。どうもありがとうございました。
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by open-to-love | 2007-12-27 11:05 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)