精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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障害者差別禁止法とは

障害者差別禁止法
 障害のある人に対する差別を禁止する法律です。現在、日本にはありません。差別禁止法は、「障害」は個人に内在する機能の障害に基づくというよりも、むしろ社会環境のあり方に基づいているという考え方に立っています。米国の「障害のあるアメリカ人法」(ADA)をはじめ、英国・カナダ・オーストラリアなど、障害のある人に対する差別を禁止する法律を持つ国は世界で43カ国を超えています。
 差別禁止の規定を定める方法としては、憲法・刑事法・民事法あるいは社会福祉法による規定があります。憲法は広範すぎて実用的でない場合が多く、刑事法は重大な差別行為しか対象にしにくいという限界があります。障害のある人に対する差別は住宅の賃借・就労・作業所の設置など市民生活のなかで生じやすいので、民事法で差別の内容や類型(労働・教育・住居・情報・社会活動など)をできる限りくわしく規定する方法がその目的に適しています。民事法では「何が差別として許されないのか」を明らかにし、人々に行動基準を示すとともに裁判の基準を明確に提示することができます。
 差別禁止法の重要な要素として、差別を生じさせないための「合理的配慮義務」があげられます。障害のある人に対する差別は、社会の側から「行わなければならない合理的配慮」を行わないために生じるのであり、障害のある人は他の人と同様に社会参加の機会を与えられる権利をもっており、社会に対して必要な合理的配慮を行うよう要求できるというものです。たとえば、うつ病の人が就労に困難を生じるのは、雇用主が勤務時間や作業内容・作業量・通院や入院のための休暇などを調整することを怠っていることに基づいていると考えます。
 従来の社会制度は、障害のある人が参加・利用することを想定せずに設計されてきました。障害のない健康な壮年期の男性(ミスター・アベレッジ=平均的男性)が想定される場合が多いため、前提として想定されなかった人(女性・老人・病人・障害のある人など)には使い勝手が悪いものとなっています。しかし、性別・年齢をはじめさまざまな身体的・精神的特性を持った人々がいるのが通常の(ノーマルな)現実の人間社会であり、差別禁止法は社会をより現実に認識し、社会制度のあり方に即したものに変革してゆく意味を持っています。
 現在、国連では障害のある人の権利条約の策定を進めており、障害のある人の権利と平等を保障する方向は世界的な規模で進んでいます。
(池原毅和/いけはらよしかず/東京アドヴォカシー法律事務所)
(月刊「ぜんかれん」2004年4月号)
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by open-to-love | 2007-06-23 22:45 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)