精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


by open-to-love
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

心理教育プログラム(基礎編)家族相談会の開き方

心理教育プログラム(基礎編)〜家族相談会の開き方〜

はじめに
 わたしたち(国立精神・神経センター国府台病院)が行っている「家族相談会」には、病院の医師・看護婦をはじめ、近隣の施設のコメディカルなど多くのスタッフが参加しています。しかし、保健所や市町村が主催していたり、地域で活動している団体の「家族相談会」では、スタッフの人数に限りがあり、保健婦や相談員・ボランティアなどが他の業務と掛け持ちでおこなうことが多いのが現状です。(医療機関でも多くはこのような現状だと思います)また、職員の移動等に伴って、同じスタッフが業務に続けて関わっていけないということもあります。
 医療機関などで行われる10回程度の相談会や毎月行われる相談会では、家族から提出されたテーマを続けて取り上げていくことも可能です。しかし、短期間で行われる相談会では、参加した家族同士の「情報交換の場」になったり、社会資源とのつながりや、普段感じられない「気づき」を得られることが大切になると思います。
 今回の研修では、国府台病院で行われている家族相談会の運営についてはもちろん、保健所・地域の家族会などでも、短期間に「気軽にできる相談会」の運営についても紹介していきたいと思います。

「家族相談会」で大切なこと

1)スタッフについて
 スタッフは、グループに2名以上参加していただきたいと思います。
 役割はグループを進行していく「リーダー」、グループ内で提出されたことをみんなに見えるように黒板やホワイトボードに書く「板書」です。その他に余裕があれば「コリーダー」と呼ばれるグループを一緒にすすめていく役割があります。
 グループは、リーダーが1人で進めていくというよりは、コリーダーや板書など、他のスタッフと共にグループを作り上げていけるとよいと思います。リーダーやスタッフがグループを手とり足とり進めていくという役割が強いと、家族がスタッフに依存的になってしまう事があります。最終的には家族が中心となってグループが進められる事が目標です。わからないことはグループの中で相談していく、スタッフの数がたりなかったら役割を家族が分担する、というような「自分たちで作り上げていくグループ」を心がけていってもよいと思います。

2)場と構造について
 患者さんを抱えながら生活し、ストレスや不安等を感じている家族にとって、家族相談会に参加すること・家から出て他の人と話をすることは大変なことです。
 家族相談会では、そのような家族にとって「役にたつ」「リラックスできる」「元気になれる」というような場を作っていかなければなりません。ここでは私たちが実際に行っている工夫を少し紹介します。
●名札の用意
●お茶の用意
●会報やニュースレターをつくる
●ご家族へのお誘いの電話
●毎回のアンケート
●情報提供の内容や、グループのルール・進め方をはっきりさせる

3)情報提供について
 国府台病院の家族相談会では、毎回パンフレットを用いて情報提供を行っています。OHPを用いて行うこともあります。大切なことはわかりやすい図やイラスト等をもちいて、情報が耳からだけではなく、目からも入っていくような講義をすることです。
 また、情報として伝えることの量を多くしないで、やや少な目にしています。ある家族から、「もっと教えてほしい。」と言われたこともありますが、かなり高齢の方も多く、「今日はこれが知れて良かった。」ということが毎回1つか2つあればいいいと思います。もっと知りたいということについては、例えば、そのことが載っている本を紹介するとか、薬についてもっと知りたかったら、どこに行って、誰に聞けば薬のことをより多く学べるのかというように、単に情報だけを伝えるのでなく、家族に「情報を得るための手段」等を伝えることによって、より多くのコメディカルや、施設の人等との交流をもつように促していくことも大切だと思います。
 情報提供は、4〜5回に分けて行うことができる場合もありますが、会の運営方法によっては1回か2回で行わなくてはならないこともあります。その運営方法に合わせた情報提供を行いましょう。
 国府台病院では4回で1クール、保健所では5回シリーズで情報提供を行っています。

4)時間について
 家族相談会は、1日かけて行うものと、午前か午後の半日で行うものとがあると思います。ここでは、両方についての時間の流れを紹介したいと思います。

1日
9時30分〜 全体ミーティング 各グループに別れて打ち合わせ
11時〜講義(情報提供)
12時〜 昼食と休憩
13時〜 グループワーク(120分)(終了後、各グループで振り返り)
16時〜 全体でクロージング(60分)
※グループワークに休憩が10分程度あり

午後
13時〜スタッフミーティング
13時30分〜 講義(30〜40分程度)
休憩・お茶などをはさむ
14時30分〜 グループワーク(90分)
16時〜 クロージング(30分程度)
※グループワークに休憩が10分程度あり

 はじめのミーティングでは、参加する家族やアンケートなどからの情報を確認したりします。参加するスタッフ全員が、どの家族が何の情報がほしいのか?どんなことを相談したいのか?など、「今日ここに来る」家族の情報を持っていることで、家族相談会の運営がスムーズになります。
 相談会の中では、昼食や休憩・お茶の時間のときなどに家族同士の交流があったりします。相談会は、ただ講義を聴いたり相談をするということだけではなく、家族同士が交流する時間を設けるということも大切です。意外にそのような時間で情報を得たり、家族同士のコミュニケーションがはかられ、楽になっていくということもあります。
 スタッフはこのような時間に場を離れて、家族同士がどのようなコミュニケーションをとっているかを観たり、孤立している家族がいたら、軽く声をかけてみることなどを心がけましょう。
 クロージングでは、グループやメンバーの様子について振り返り、次回の相談会などにつなげていきましょう。

5)スタッフの関わり
 家族相談会への関わりは、当日だけでなくその前から始まっています。
●ニューズレターや会報・アンケートを作成し郵送する
●アンケート結果や参加状況をまとめる
●電話で相談会への参加をお誘いする
●資料の準備
●会場準備
●お茶の準備
●受け付け
●講義の進行役
※その他にも役割があると思います。

グループでの役割を紹介します。
a)リーダー
 1人ですべて進める役割ではなく「グループの進行役」だと思ってください。グループの進め方やルールに沿って進めていきます。しかし、グループでは途中で迷ったり、止まったりすることもあります。そのような時は悩まず、リーダーがみんなに相談するようなモデルを示してもかまいません。また、時には場を進めるだけではなく、メンバーを笑わせたり、和ませたりするようなことをしてもよいでしょう。参加しているメンバーがリラックスできる環境を作っていくのも役割です。

b)コリーダー(CO:共)
 グループにおけるコリーダーとは、リーダーの補佐をするというよりは、リーダーとともにグループを進めていくという役割です。
 リーダーはグループの場を動かす(進行役)という事を中心に行いますので、先走ったり、余裕がなくなったりすることがあります。しかしコリーダーは複数で参加しているので、リーダーの進行のペースを調整したり(タイムキーパー)、参加しているメンバーの様子を見ながら話しをふってみたりします。
●リーダーとともに場を動かす。
●リーダーの言葉を補足したり、リーダーの言ったことを強調する。
●リーダーと言葉のキャッチボールをする。
●メンバーの様子をみる。参加しているメンバーの様子をみながら、声をかけたり話しをふったりする。
●話をふる。
●アイデアやアドバイスをメンバーとともに出す。選択肢が広がるように、ちょっと方向の変わったことを言ってみる。
●保護的な役割をする。一人で参加した家族や、孤立しているような家族に対し、近くに座ったりしながら安心してグループに参加できるようにする。
●進行のペースを確認する。タイムキーパーの役割。休憩のタイミングに注意する。
●言葉がけの例:どうですか? 同じような経験はありますか? 「それがどのように役立ったんですか」 そのような立場になったらどうしますか? 「あ、そんなこともありますよね」

c)板書
 心理教育では、板書を用いてグループを進行します。板書は、グループの中で進行をスムーズに行うための重要な役割の一つです。グループは板書のスピードに合わせて、進行します。メンバーが感情的になったり、話しが広がらないように、板書に注目させ、話題の焦点をあわせやすくします。グループが「今ここで、なにを」というように話題を共有する事に役立ちます。現在の状況・状態を書くことで、自分自身を振り返ることができます。相談者の事を書くのですから、もちろん、〝患者さん〟ではなく、〝私のこと〟という事に注目させるようにします。
言葉がけの仕方
●最初に「なるべくまとめて言ってくださいね。」「不慣れなので、ゆっくり話してくださいね」等言っておくと、メンバーは意外にまとめて言ってくれるときがあります。
●板書はなるべくメンバーの言ったことをそのまま書きます。スタッフがまとめようとしたり、感情が入ったりすると、メンバーが言ったことと違う事が板書されてしまうことがあります。
●患者さんの事を言っても、相談者の対応・問題・対処というように置き換えるように相談者に伝えましょう。
●「〜ですか?」「こんな感じですか?」と聞き返しましょう。
●何を書いていいのかわからなくなったら、一人で迷っていないで意見を出した方や、他のスタッフに聞き返しましょう。

板書で気をつけること

●板書することは、相談者の事です。テーマを共有したり、質問をしたときなど、意外に他のメンバーの状況や状態を書いてしまうものです。しかし、ここではあくまでも相談を出した人の状況・状態などを板書します。
●あれも、これもではなく、相談者の言葉を使ってみんなにわかりやすく書きましょう。

板書の1例(国府台病院)

相談したいこと

今の状況・状態




どのように進めたいかetc

アイデア・意見・アドバイスetc




本人の評価


グループセッションについて

 グループの進め方について説明していきます。
●グループが実際に動き始めるのは、準備の段階からです。「ルール・目的や進め方」を貼り、ホワイトボードを用意したり、椅子を馬蹄形に並べたりします。スタッフの座る位置を考えておく事もあります。ここでは、進め方の1例を出しますので、自分たちd相談会を行うときの参考にしてください。
a)グループのルールと目的を読む
 はじめにルールと目的を読みます。メンバーから見やすい場所にあるとは思いますが、最初はスタッフが示しながら行います。実際に読むのはスタッフでもメンバーでもかまいません。参加している全員が「このルールと目的」に沿ってグループを行っていくという確認が行えればいいと思います。
b)「よかったこと」を言いましょう
 ウオーミングアップとして行います。普段の生活の中で、よかったことやうれしかったことを言ってもらいます。家族は困難を抱えて参加される方が多く、どうしても悪い方へ考えがちです。しかし、グループの中では「悪い面」より「よい面」に注目していきます。明るい話題を出すということで、場の雰囲気を和やかにし、気軽に話せる環境を作ります。
 最初からなかなか「よかったこと」を話せるメンバーは多くありません。そこで、スタッフがモデルとして「よかったこと」「うれしかったこと」を言ってみましょう。大きなことより、小さなことで十分です。「食事がおいしかった。」「ここにこれて良かった」など身近なことでOKです。
 メンバーは悪い面を出すこともありますが、回数を重ねるごとに変化していくでしょう。患者さんのことも大切ですが、ご自分の事を語れるようにスタッフは聞いていきましょう。
c)相談したいことを出しましょう
 相談したいことを出してもらいます。「普段の生活で困っていること・知りたいこと・うまくなりたいこと」などです。
 最初は「患者さんのこと」を出す家族が多くみられます。しかし、家族相談会ということなので、家族自身の話ができるといいでしょう。もし、「患者さんが〜になったらいい。」とか、「患者さんの〜が困っている。」と提出したら、「それにどのように関わっているのですか?」「〜ということに対してどのようにご自分がなられたらいいのですか?」というような質問をして、問題を「ご自分自身のこと」というように変化させていきましょう。
 ここでは、語り始めると次から次へと話が終らなく、広がっていく方がいます。話を途中で切ったり、まとめていったりする工夫も大切です。そこで、この場面から板書を使っていきます。書いてわからなくなったり、長くなったりしてきたときは、板書役が「ちょっとゆっくり言ってください」とか、「まとめてくださいね」といったりしましょう。
 相談したいことは参加している家族に一通り聞いてみましょう。遠慮していたり提出するのが恥ずかしいというメンバーもいると思いますので。

d)取り上げる順番を決めましょう
 相談する順番を決めるのですが、大体2つから3つくらいが時間内で取り扱うには適当です。
 順番は全員で決めましょう。スタッフが決めてしまったり、リーダーシップを取って居るメンバーの意見だけで決めないようにしてください。いくつか提出されたテーマは、記録に残しておくといいでしょう。後日に持ち越したりすることもあります。
 ここまでで前半として考えてもいいでしょう。休憩を入れて後半に備えます。スタッフは提出されたテーマをどのように扱っていくのかということなど、休憩のうちに話していくといいでしょう。また、家族同士では、休憩時間に入ると提出したテーマについて話しているものです。

e)状況を整理していきます
 ここでは、テーマを参加者全員で共有するために、テーマを出した人の状況や、状態を板書していきます。
 スタッフは、「状況を説明してもらえますか?」と言い、まず本人から話してもらいます。ここですべての状況が他の人に伝わるわけではありません。自分で話せる範囲でいいと思います。次に参加しているメンバーがテーマについてわからない点を質問します。ここでは、一方的な話にならないようにします。自分の経験や体験を話してもらいながら、テーマを出した人がどうなのか聞いていきます。
 例えば、患者さんへの接し方についてのテーマで、「うちでは、ごろごろしているのを見ると、つい文句を言ってしまうんです」と他のメンバーが語った場合は、スタッフは「〜さんの家ではどうですか?」というように尋ねて相談を出した人から情報を出してもらいます。
 状況を整理していくときに、プラスの事・マイナスの事にわけて板書してもいいでしょう。あとでアドバイスなどをもらうときに、役に立ちます。

f)テーマについてみんなで話します
 状況が整理されたら、みんなで取り組んでいきます。質問などで自分の経験や体験を語ったりすることで、テーマが共有されてきたと思います。
①本人に状況を整理して、あらためてこのグループでどのようにしたいのか聞いてみる
 本人がある程度状況を整理してみて、自分がどうしたいのか答えられたら、それにそって他のメンバーからアドバイスや意見を聞きます。
②状況を整理しても、何となくどうしていいかわからないような時には、メンバーに「状況を見て、思ったこと、感じたこと等を言って下さい」と言う。
 なんだかわからない・はっきりしていないときには、メンバーから思ったことや感じたことを言ってもらいます。これは、テーマについて自分がどうしたらいいのかわからないときに、「本人の気づき」を引き出すのに役立ちます。グループに参加して、問題について気づくことで何かのきっかけになるのではないかと思います。

g)結論を言います
 ここでは相談者が〝自分がどのようにしていきたいか〟という事をみんなに伝えてもらいます。
 必ず「こうしていく」という事ではなく、相談をして気づいたことや、役立つと思えることなどを伝えてもらいます。この時にスタッフにとって「えー、それは…。」と思うようなことを選んだとしても、その人の選択した結論として尊重しましょう。
 大切なのは、選んだことや気づいたことを、この先どのように取り組んだり、体験していくかだと思います。次の会で報告してもらったりすることで、次の段階に進んでいくと思います。

h)感想を言いましょう
 参加した人全員に、グループの感想を言ってもらって終わりにします。グループは日常と違う場ですので、少し気持ちが高ぶっていたりすることもありますから、クールダウンして日常にかえるようにします。スタッフは感想に対して、一言でいいですからかえすようにしましょう。グループでのこと、発言についてのことをねぎらったりしましょう。肯定的にかえすことで次回もグループに参加したいな。という感じが生まれます。

症例から
 ここでは、保健所で行われた家族相談会で提出されたテーマについて事例を出してみます。
 事例は、子供について困っているとテーマを出した、お母さんの事例です。実際に板書したことを書いてみました。

テーマ
注意をすると「せめる」と言われる
※注意の仕方が知りたい
状況)
●「お風呂に入りなさい」と言うと、本人は自分を責めると言ってしない
●たばこは1日4箱吸っている
●服の着替えをしない(昼夜同じである)本人は困ってないようだ
●食事の後片付けをしない
●歯磨き洗面をしない
●本人に言わないこともあるが、気になってしまう
●トイレの流しの後始末が気になる
●外出はしっぱなしである

結論(気づいたこと)
自然に任せ、自分自身の健康を守って行く
思ったこと・感じたこと)
●かまいしすぎではないか
●両親が楽しみを見つける
●がみがみ言わない
●少しづつ言う
●明るく声をかける
●自然に任せる
●今はこのような時期である
●気長に待つ
●いいところを見つける
●自分のことを大事に思う

※このお母さんは、注意の仕方が知りたいということでしたが、状況から他のメンバーが気づいた点からの結論は「自然に任せ、自分自身の健康をまもっていく」でした。
 グループのあとに話をしたら、「近頃自分自身が疲れていたんですよね。本人をどうしようというより、自分の健康管理を今は考えることですよね。それに気づきました」と言っていました。

グループのプロセス
 家族グループでは、家族相互の交流を重視しながらグループを進めていくように心がけます。
 参加している家族がグループの進め方やパターンに慣れて、お互いの経験や体験を知ったり、助け合うというような体験をできるようにしていきます。家族相談会はいつまでもスタッフが手助けすることもありますが、自分たちで相談できるということを考えていくことも大切です。
 ここでは、10回程度で行う相談会についてまとめました。

導入 1から2回
●グループの構造や、雰囲気などに慣れてもらう時期
「悩みを抱えているのは、我が家だけではない。参加しているメンバーも同じような悩みや、辛い気持ちがあるんだ」ということを感じる。
 この場では、責められることはない、安心して自分を語れることができる。
 家族の孤立感・罪悪感・偏見をもたれている気持ちを和らげることができる。
●このグループに参加して「何ができるようになれるといいか」「どんなことがかかわれるといいか」等、最初に聞いておくといいでしょう。
スタッフのかかわり:家族が病気になり、「これからどうしていけばいいのか」という気持ちを持ちながら相談会に参加します。初めて会ったメンバーやスタッフに心を許せる余裕もないでしょう。この時期にスタッフはメンバーに、出席してくれた事への感謝や、励ましなどする事によって、安心感を持たせるように心掛けます。
 また、一人で参加した家族に疎外感を受けさせないように接したり、構造をていねいに紹介することによって、みんなが語れるような場をつくり、交流しやすいようにもっていきます。

中盤 3から6回
●進め方に沿って、個々の問題をみんなで一緒に考えていこうという時期
 お互いにテーマを出し合ったり、問題を考えたりします。テーマを出した人は、「助けられた・役にたった」という気持ちになり、意見を出した人は、「助けた・役に立った」という気持ちになります。この時期では、それぞれの問題について参加している家族同士で相談しあっていくことで、家族の相互交流も活発になってきます。
 また、他の家族に対して、助言したり関与したりする体験を通して、自らの家族の逸脱したコミュニケーションを修正するのに役立ちます。
スタッフのかかわり:この時期になると、家族同士で話を始めたり、中心的存在になる家族が出てきたりします。スタッフは家族同士の調整役をしたり、グループを進めること・場を動かすことを行い、家族同士の相互交流を促進するように心掛けます。

終盤 7から8回
●家族会修了後のことを考えながら進めていく時期
 そろそろ相談会の修了が意識され始める時期です。個別のテーマも出ますが、グループ終了後のことが話題に上ったりします。この時期は、スタッフ抜きで家族が個別に交流したり、普段の生活や、患者さんの事や抱えている問題についてを話す事もあります。
 グループが終了すると、専門家と呼ばれる人たちと離れ、自分たちでグループを続ける事を考えたり、地域の家族会などのセルフヘルプグループに結びつけることなどを考えていくようになります。また、参加している個々のメンバーが個人的に今後どのようにしていくかを考えていく時期でもあります。
 グループが終了した後の本人の希望する援助について話し合うことも大切です。
スタッフのかかわり:家族相談会終了後のことについて話が出てきます。終了後に「参加しているスタッフが中心となってグループを続けてもらいたい」とか、「集る場所を確保してほしい」と言うことが多く聞かれます。スタッフは、グループ終了後の事を何でもすべて受け入れてしまうのではなく、グループを運営していくのはあくまでも当事者であり、グループ終了後に自分の関われる範囲を明確に示していかなければいけないと思います。(2007年3月 仙台市での講習会資料)
by open-to-love | 2007-05-06 00:55 | 家族会 | Trackback | Comments(0)