精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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第7章「わが国の精神保健に関するシステム」5…専門家以外のサポートシステム

増野肇著、一番ヶ瀬康子監修『精神保健とは何か』
(介護福祉ハンドブックシリーズ、一橋出版、1997年)

第7章 わが国の精神保健に関するシステム

5 専門家以外のサポートシステム

 ボランティアによるものとしては、精神保健ボランティアと「いのちの電話」による電話相談があります。危機の時には、とりあえず、「いのちの電話」に相談することで危機を乗り越えることが期待されます。現在、ほとんどの県で「いのちの電話」が活動しており、地域の精神障害者からの電話も多くなってきていますが、本来の目的である自殺予防にも大きな働きを示しています。
 現在の保健および医療は、自分の問題は自分が責任を持って治していくという方向に向かっています。精神保健においても同じです。同じ課題を持った人たちのグループであるセルフヘルプグループは、そこで仲間を見いだし、支持やアドバイスを受けられること、医療などに関する適切な情報が得られること、医療の消費者として、医療サイドに要求を出していけることなどの利点があります。もちろん、自分たちの行動決定や態度変容にも役立ちます。てんかんの人たちの「波の会」、精神障害者のソーシャルクラブ、森田療法を実践していく「生活の発見会」、アルコール依存の「断酒会」、およびAA(アルコール依存の匿名者の会)、過食拒食者のNABA、薬物依存者のDARC、嗜癖(アディクション)を考える会AKKなどが、それぞれの地域で活躍しています。
 当事者以上に苦しいのが家族でもあります。知的障害者の「日本精神薄弱者育成会」(「手をつなぐ親の会」)、精神障害者の「全国精神障害者家族会連合会」、自閉症者の「日本自閉症協会」(「自閉症者親の会」)、「ダウン症親の会」、そして「痴呆性老人家族会」などがそれぞれ活動をしていますが、これらの組織に入れば、セルフヘルプグループと同じく、支持と情報を得ることができ、家族としての役割を実践しやすくなるでしょう。
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タイトル : てんかん てんかん薬治療と様々な対応策
てんかんの解説しています。... more
by open-to-love | 2011-02-11 23:22 | 増野肇『精神保健とは何か』 | Trackback(1) | Comments(0)