精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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カテゴリ:国連障害者権利条約( 9 )

障害者権利条約が発効

障害者権利条約が発効

 世界に6億5000万人いるとされる障害者への差別を禁止し、健常者と同様の権利を補償する「障害者権利条約」が5月3日、発効した。国連によると、現在の条約批准国は25。日本は署名しているが、批准していない。(共同通信他)

「こころの元気+」18号(2008年8月)「ココプラ」コーナー
by open-to-love | 2008-08-18 20:30 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)
 障害者への差別のない共生社会実現へ、国連の「障害者の権利に関する条約」が期待を集めています。日本政府は2007年9月末、条約の批准に向けて署名しました。外務省がまとめた日本語での仮訳文もホームページで公表され、批准に向けた動きが進んでいます。条約の意義や、障害者の権利擁護にかかわる国内外の動向について、県立大社会福祉学部の田中尚准教授(社会福祉士)に聞きました。 

 ―国連障害者権利条約の経緯と意義は?
 「国連は一九七五年の障害者の権利宣言以降、国連障害者年による啓発など、障がい者の権利を擁護し、社会への完全参加と平等実現へ取り組みを進めてきました。より実効性ある取り組みとして条約の必要性が求められ、昨年十二月、国連総会で条約が採択。日本政府は現在、条約の批准に向けた訳語の検討や国内の関連法との調整を進めています」
 「条約は、すべての障がい者の人権、自由、平等を守り、差別をなくすことを掲げています。条約実現に向けて世界中の障がい者が発言し、積極的に参加してきたことに大きな意義があります」

 ―障害者の権利擁護や差別禁止にかんする国際的な動向は?
 「イギリスやアメリカなど世界四十カ国以上に差別禁止法があります。日本は二〇〇一年、国連国際人権規約委員会から、特に障がい者に関する差別条項を廃止し、あらゆる差別を禁止する法律の制定を勧告されましたが、〇四年の障害者基本法改正で差別禁止が盛り込まれたにとどまっています」

 ―国内では昨年十月、全国で初めて「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」が制定されました。
 「差別や偏見の多くは意識的になされるわけではなく、私たちは普段、気付かぬままに障がい者を差別していたり、誤解や偏見を持っていることがあります。千葉県条例は差別を糾弾するのではなく、ゆるやかな話し合いを基本に、社会の側に『気付き』を促す仕組みである点が特徴です」
 「条例は障がい者だけの問題ではなく、障がい者への誤解、偏見や差別のない社会づくりこそ、誰もが安心して暮らせる市民社会であるという広い視点に立脚しています。市民参画型の条例づくりのプロセスも素晴らしい。当事者や市民の声を集め議論を重ねた過程は、誤解や偏見解消への啓発活動でもありました」

 ―障害者の地域移行が進み、社会の理解も進んできました。差別の在り方も、昔と今とで変わっているでしょうか?
 「街のバリアフリー化が進み、障がい者が社会参加しやすい条件は以前より整いました。社会参加の機運が高まり、地域生活実現に向けさまざまな取り組みがされています。でも、人と人とのかかわりにおける差別がなくなったとは言えません。差別や偏見でスムーズに地域生活できない現実は依然としてあります」

 ―本県では先月末「障がい者への差別をなくすための県条例」制定を求める請願が県議会に提出され、十二月定例会で継続審査となりました。
 「あくまで一研究者、ソーシャルワーカーの見解ですが、国際的には差別禁止の動きは待ったなしと言えます。でも、その進展を待つのではなく、われわれの手で、自分たちの地域や生活の中から差別をなくすための取り組みを進めることこそ、真の意味でのノーマライゼーションにつながるのではないかと考えます」
 -なるほどです。どうもありがとうございました。
by open-to-love | 2007-12-27 11:05 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)
外務省仮訳文その3

第二十九条 政治的及び公的活動への参加
 締約国は、障害者に対して政治的権利を保障し、及び他の者と平等にこの権利を享受する機会を保障するものとし、次のことを約束する。

 (a) 特に次のことを行うことにより、障害者が、直接に、又は自由に選んだ代表者を通じて、他の者と平等に政治的及び公的活動に効果的かつ完全に参加することができること(障害者が投票し、及び選挙される権利及び機会を含む。)を確保すること。

 (i) 投票の手続、設備及び資料が適当であり、利用可能であり、並びにその理解及び使用が容易であることを確保すること。

 (ii) 適当な場合には技術支援及び新たな技術の使用を容易にすることにより、障害者が、選挙及び国民投票において脅迫を受けることなく秘密投票によって投票する権利並びに選挙に立候補する権利並びに政府のあらゆる段階において効果的に在職し、及びあらゆる公務を遂行する権利を保護すること。

 (iii) 選挙人としての障害者の意思の自由な表明を保障すること。このため、必要な場合には、障害者の要請に応じて当該障害者が選択する者が投票の際に援助することを認めること。

 (b) 障害者が、差別なしに、かつ、他の者と平等に政治に効果的かつ完全に参加することができる環境を積極的に促進し、及び政治への障害者の参加を奨励すること。政治への参加には、次のことを含む。

 (i) 国の公的及び政治的活動に関係のある非政府機関及び非政府団体に参加し、並びに政党の活動及び運営に参加すること。

 (ii) 国際、国内、地域及び地方の各段階において障害者を代表するための組織を結成し、並びにこれに参加すること。

第三十条 文化的な生活、レクリエーション、余暇及びスポーツへの参加
1 締約国は、障害者が他の者と平等に文化的な生活に参加する権利を認めるものとし、障害者が次のことを行うことを確保するためのすべての適当な措置をとる。

 (a) 利用可能な様式を通じて、文化的な作品を享受すること。

 (b) 利用可能な様式を通じて、テレビジョン番組、映画、演劇その他の文化的な活動を享受すること。

 (c) 文化的な公演又はサービスが行われる場所(例えば、劇場、博物館、映画館、図書館、観光サービス)へのアクセスを享受し、並びにできる限り自国の文化的に重要な記念物及び遺跡へのアクセスを享受すること。

2 締約国は、障害者が、自己の利益のためのみでなく、社会を豊かにするためにも、創造的、芸術的及び知的な潜在能力を開発し、及び活用する機会を有することを可能とするための適当な措置をとる。

3 締約国は、国際法に従い、知的財産権を保護する法律が、障害者が文化的な作品を享受する機会を妨げる不当な又は差別的な障壁とならないことを確保するためのすべての適当な措置をとる。

4 障害者は、他の者と平等に、その独自の文化的及び言語的な同一性(手話及び聴覚障害者の文化を含む。)の承認及び支持を受ける権利を有する。

5 締約国は、障害者が他の者と平等にレクリエーション、余暇及びスポーツの活動に参加することを可能とすることを目的として、次のことのための適当な措置をとる。

 (a) 障害者があらゆる水準の一般のスポーツ活動に可能な限り参加することを奨励し、及び促進すること。

 (b) 障害者が障害に応じたスポーツ活動及びレクリエーション活動を組織し、及び発展させ、並びにこれらに参加する機会を有することを確保すること。このため、適当な指導、研修及び資源が他の者と平等に提供されるよう奨励すること。

 (c) 障害者がスポーツ、レクリエーション及び観光の場所へのアクセスを認められることを確保すること。

 (d) 障害のある児童が遊び、レクリエーション、余暇及びスポーツ活動(学校制度におけるこれらの活動を含む。)への参加について均等な機会を享受することを確保すること。

 (e) 障害者がレクリエーション、観光、余暇及びスポーツ活動の企画に関与する者によるサービスを利用することを確保すること。


第三十一条 統計及び資料の収集
1 締約国は、この条約を実現するための政策を立案し、及び実施することを可能とするための適当な情報(統計資料及び研究資料を含む。)を収集することを約束する。この情報を収集し、及び保存する過程は、次のことを満たさなければならない。

 (a) 障害者の秘密の保持及びプライバシーの尊重を確保するため、法令によって定められた保護(資料の保護に関する法令を含む。)を遵守すること。

 (b) 人権及び基本的自由を保護するための国際的に受け入れられた規範並びに統計の収集及び利用に関する倫理上の原則を遵守すること。

2 この条の規定に従って収集された情報は、適宜分類されるものとし、この条約に基づく締約国の義務の履行の評価に役立てるため、並びに障害者がその権利を行使する際に直面する障壁を特定し、及び当該障壁に対処するために利用される。

3 締約国は、これらの統計の普及について責任を負うものとし、障害者及び他の者が当該統計を利用可能とすることを確保する。

第三十二条 国際協力
1 締約国は、この条約の目的及び趣旨を実現するための自国の努力を支援するために国際協力及びその促進が重要であることを認識し、この点に関し、国家間において並びに適当な場合には関連のある国際的及び地域的機関並びに市民社会(特に障害者の組織)と連携して、適当かつ効果的な措置をとる。これらの措置には、特に次のことを含むことができる。

 (a) 国際協力(国際的な開発計画を含む。)が、障害者を受け入れ、かつ、障害者にとって利用可能なものであることを確保すること。

 (b) 能力の開発(情報、経験、研修計画及び最良の実例の交換及び共有を通じたものを含む。)を容易にし、及び支援すること。

 (c) 研究における協力並びに科学及び技術に関する知識の利用を容易にすること。

 (d) 適当な場合には、技術援助及び経済援助(利用可能な支援技術の利用及び共有を容易にすることによる援助並びに技術移転を通じた援助を含む。)を提供すること。

2 この条の規定は、この条約に基づく義務を履行する各締約国の義務に影響を及ぼすものではない。

第三十三条 国内における実施及び監視
1 締約国は、自国の制度に従い、この条約の実施に関連する事項を取り扱う一又は二以上の中央連絡先を政府内に指定する。また、締約国は、異なる部門及び段階における関連のある活動を容易にするため、政府内における調整のための仕組みの設置又は指定に十分な考慮を払う。

2 締約国は、自国の法律上及び行政上の制度に従い、この条約の実施を促進し、保護し、及び監視するための枠組み(適当な場合には、一又は二以上の独立した仕組みを含む。)を自国内において維持し、強化し、指定し、又は設置する。締約国は、このような仕組みを指定し、又は設置する場合には、人権の保護及び促進のための国内機構の地位及び役割に関する原則を考慮に入れる。

3 市民社会(特に、障害者及び障害者を代表する団体)は、監視の過程に十分に関与し、かつ、参加する。

第三十四条 障害者の権利に関する委員会
1 障害者の権利に関する委員会(以下「委員会」という。)を設置する。委員会は、以下に定める任務を遂行する。

2 委員会は、この条約の効力発生の時は十二人の専門家で構成する。更に六十の国がこの条約を批准し、又はこれに加入した後は、委員会の委員の数を六人まで増加させ、最大で十八人とする。

3 委員会の委員は、個人の資格で職務を遂行するものとし、徳望が高く、かつ、この条約が対象とする分野において能力及び経験を認められた者とする。締約国は、委員の候補者を指名するに当たり、第四条3の規定に十分な考慮を払うよう要請される。

4 委員会の委員については、締約国が、委員の配分が地理的に衡平に行われること、異なる文明形態及び主要な法体系が代表されること、男女が衡平に代表されること並びに障害のある専門家が参加することを考慮に入れて選出する。

5 委員会の委員は、締約国会議の会合において、締約国により当該締約国の国民の中から指名された者の名簿の中から秘密投票により選出される。締約国会議の会合は、締約国の三分の二をもって定足数とする。これらの会合においては、出席し、かつ、投票する締約国の代表によって投じられた票の最多数で、かつ、過半数の票を得た者をもって委員会に選出された委員とする。

6 委員会の委員の最初の選挙は、この条約の効力発生の日の後六箇月以内に行う。国際連合事務総長は、委員会の委員の選挙の日の遅くとも四箇月前までに、締約国に対し、自国が指名する者の氏名を二箇月以内に提出するよう書簡で要請する。その後、同事務総長は、指名された者のアルファベット順による名簿(これらの者を指名した締約国名を表示した名簿とする。)を作成し、この条約の締約国に送付する。

7 委員会の委員は、四年の任期で選出される。委員は、一回のみ再選される資格を有する。ただし、最初の選挙において選出された委員のうち六人の委員の任期は、二年で終了するものとし、これらの六人の委員は、最初の選挙の後直ちに、5に規定する会合の議長によりくじ引で選ばれる。

8 委員会の六人の追加的な委員の選挙は、この条の関連する規定に従って定期選挙の際に行われる。

9 委員会の委員が死亡し、辞任し、又は他の理由のために職務を遂行することができなくなったことを宣言した場合には、当該委員を指名した締約国は、残余の期間職務を遂行する他の専門家であって、資格を有し、かつ、この条の関連規定に定める条件を満たすものを任命する。

10 委員会は、その手続規則を定める。

11 国際連合事務総長は、委員会がこの条約に定める任務を効果的に遂行するために必要な職員及び便益を提供するものとし、委員会の最初の会合を招集する。

12 この条約に基づいて設置される委員会の委員は、国際連合総会が委員会の任務の重要性を考慮して決定する条件に従い、同総会の承認を得て、国際連合の財源から報酬を受ける。

13 委員会の委員は、国際連合の特権及び免除に関する条約の関連規定に規定する国際連合のための職務を遂行する専門家の便益、特権及び免除を享受する。

第三十五条 締約国による報告
1 各締約国は、この条約に基づく義務を履行するためにとった措置及びこれらの措置によりもたらされた進歩に関する包括的な報告を、この条約が自国について効力を生じた後二年以内に国際連合事務総長を通じて委員会に提出する。

2 その後、締約国は、少なくとも四年ごとに、更に委員会が要請するときはいつでも、その後の報告を提出する。

3 委員会は、報告の内容について適用される指針を決定する。

4 委員会に対して包括的な最初の報告を提出した締約国は、その後の報告においては、既に提供した情報を繰り返す必要はない。締約国は、委員会に対する報告を作成するに当たり、公開され、かつ、透明性のある過程において作成することを検討し、及び第四条3の規定に十分な考慮を払うよう要請される。

5 報告には、この条約に基づく義務の履行の程度に影響を及ぼす要因及び障害を記載することができる。

第三十六条 報告の検討
1 委員会は、各報告を検討する。委員会は、当該報告について、適当と認める提案及び一般的な性格を有する勧告を行うことができるものとし、これらの提案及び一般的な性格を有する勧告を関係締約国に送付する。当該関係締約国は、委員会に対し、自国が選択する情報を提供することにより回答することができる。委員会は、この条約の実施に関連する追加の情報を当該関係締約国に要請することができる。

2 いずれかの締約国による報告の提出が著しく遅延している場合には、委員会は、委員会にとって利用可能な信頼し得る情報を基礎として当該締約国におけるこの条約の実施状況を審査することが必要であることを当該締約国に通報することができる。ただし、この審査は、関連する報告がその通報の後三箇月以内に提出されない場合にのみ行われる。委員会は、当該締約国がその審査に参加するよう要請する。当該締約国が関連する報告を提出することにより回答する場合には、1の規定を適用する。

3 国際連合事務総長は、1の報告をすべての締約国が利用することができるようにする。

4 締約国は、1の報告を自国において公衆が広く利用することができるようにし、これらの報告に関連する提案及び一般的な性格を有する勧告の利用を容易にする。

5 委員会は、適当と認める場合には、締約国からの報告に記載されている技術的な助言若しくは援助の要請又はこれらの必要性の記載に対処するため、これらの要請又は必要性の記載に関する委員会の見解及び勧告がある場合には当該見解及び勧告とともに、国際連合の専門機関、基金及び計画その他の権限のある機関に当該報告を送付する。

第三十七条 締約国と委員会との間の協力
1 各締約国は、委員会と協力するものとし、委員の任務の遂行を支援する。

2 委員会は、締約国との関係において、この条約の実施のための当該締約国の能力を向上させる方法及び手段(国際協力を通じたものを含む。)に十分な考慮を払う。

第三十八条 委員会と他の機関との関係
 この条約の効果的な実施を促進し、及びこの条約が対象とする分野における国際協力を奨励するため、

 (a) 専門機関その他の国際連合の機関は、その任務の範囲内にある事項に関するこの条約の規定の実施についての検討に際し、代表を出す権利を有する。委員会は、適当と認める場合には、専門機関その他の権限のある機関に対し、これらの機関の任務の範囲内にある事項に関するこの条約の実施について専門家の助言を提供するよう要請することができる。委員会は、専門機関その他の国際連合の機関に対し、これらの機関の任務の範囲内にある事項に関するこの条約の実施について報告を提出するよう要請することができる。

 (b) 委員会は、その任務を遂行するに当たり、それぞれの報告に係る指針、提案及び一般的な性格を有する勧告の整合性を確保し、並びにその任務の遂行における重複を避けるため、適当な場合には、人権に関する国際条約によって設置された他の関連する組織と協議する。

第三十九条 委員会の報告
 委員会は、その活動につき二年ごとに国際連合総会及び経済社会理事会に報告するものとし、また、締約国から得た報告及び情報の検討に基づく提案及び一般的な性格を有する勧告を行うことができる。これらの提案及び一般的な性格を有する勧告は、締約国から意見がある場合にはその意見とともに、委員会の報告に記載する。

第四十条 締約国会議
1 締約国は、この条約の実施に関する事項を検討するため、定期的に締約国会議を開催する。

2 締約国会議は、この条約が効力を生じた後六箇月以内に国際連合事務総長が招集する。その後の締約国会議は、二年ごとに又は締約国会議の決定に基づき同事務総長が招集する。

第四十一条 寄託
 この条約の寄託者は、国際連合事務総長とする。

第四十二条 署名
 この条約は、二千七年三月三十日から、ニューヨークにある国際連合本部において、すべての国及び地域的な統合のための機関による署名のために開放しておく。

第四十三条 拘束されることについての同意
 この条約は、署名国によって批准されなければならず、また、署名した地域的な統合のための機関によって正式確認されなければならない。この条約は、これに署名していない国及び地域的な統合のための機関による加入のために開放しておく。

第四十四条 地域的な統合のための機関
1 「地域的な統合のための機関」とは、特定の地域の主権国家によって構成される機関であって、この条約が規律する事項に関してその構成国から権限の委譲を受けたものをいう。地域的な統合のための機関は、この条約の規律する事項に関するその権限の範囲をこの条約の正式確認書又は加入書において宣言する。その後、当該機関は、その権限の範囲の実質的な変更を寄託者に通報する。

2 この条約において「締約国」についての規定は、地域的な統合のための機関の権限の範囲内で当該機関について適用する。

3 次条1並びに第四十七条2及び3の規定の適用上、地域的な統合のための機関が寄託する文書は、これを数に加えてはならない。

4 地域的な統合のための機関は、その権限の範囲内の事項について、この条約の締約国であるその構成国の数と同数の票を締約国会議において投ずる権利を行使することができる。当該機関は、その構成国が自国の投票権を行使する場合には、投票権を行使してはならない。その逆の場合も、同様とする。

第四十五条 効力発生
1 この条約は、二十番目の批准書又は加入書が寄託された後三十日目の日に効力を生ずる。

2 この条約は、二十番目の批准書、正式確認書又は加入書が寄託された後にこれを批准し、若しくは正式確認し、又はこれに加入する国又は地域的な統合のための機関については、その批准書、正式確認書又は加入書の寄託の後三十日目の日に効力を生ずる。

第四十六条 留保
1 この条約の趣旨及び目的と両立しない留保は、認められない。

2 留保は、いつでも撤回することができる。

第四十七条 改正
1 いずれの締約国も、この条約の改正を提案し、及び改正案を国際連合事務総長に提出することができる。同事務総長は、締約国に対し、改正案を送付するものとし、締約国による改正案の審議及び決定のための締約国の会議の開催についての賛否を通報するよう要請する。その送付の日から四箇月以内に締約国の三分の一以上が会議の開催に賛成する場合には、同事務総長は、国際連合の主催の下に会議を招集する。会議において出席し、かつ、投票する締約国の三分の二以上の多数によって採択された改正案は、同事務総長により、承認のために国際連合総会に送付され、その後受諾のためにすべての締約国に送付される。

2 1の規定により採択され、かつ、承認された改正は、当該改正の採択の日における締約国の三分の二以上が受諾書を寄託した後三十日目の日に効力を生ずる。その後は、当該改正は、いずれの締約国についても、その受諾書の寄託の後三十日目の日に効力を生ずる。改正は、それを受諾した締約国のみを拘束する。

3 締約国会議がコンセンサス方式によって決定する場合には、1の規定により採択され、かつ、承認された改正であって、第三十四条及び第三十八条から第四十条までにのみ関連するものは、当該改正の採択の日における締約国の三分の二以上が受諾書を寄託した後三十日目の日に効力を生ずる。

第四十八条 廃棄
 締約国は、国際連合事務総長に対して書面による通告を行うことにより、この条約を廃棄することができる。廃棄は、同事務総長がその通告を受領した日の後一年で効力を生ずる。

第四十九条 利用可能な様式
 この条約は、利用可能な様式で提供される。

第五十条 正文
 この条約は、アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語及びスペイン語をひとしく正文とする。

 以上の証拠として、下名の全権委員は、各自の政府から正当に委任を受けてこの条約に署名した。
by open-to-love | 2007-12-14 14:33 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)
外務省仮訳文その2

第十二条 法律の前にひとしく認められる権利
1 締約国は、障害者がすべての場所において法律の前に人として認められる権利を有することを再確認する。

2 締約国は、障害者が生活のあらゆる側面において他の者と平等に法的能力を享有することを認める。

3 締約国は、障害者がその法的能力の行使に当たって必要とする支援を利用することができるようにするための適当な措置をとる。

4 締約国は、法的能力の行使に関連するすべての措置において、濫用を防止するための適当かつ効果的な保護を国際人権法に従って定めることを確保する。当該保護は、法的能力の行使に関連する措置が、障害者の権利、意思及び選好を尊重すること、利益相反を生じさせず、及び不当な影響を及ぼさないこと、障害者の状況に応じ、かつ、適合すること、可能な限り短い期間に適用すること並びに権限のある、独立の、かつ、公平な当局又は司法機関による定期的な審査の対象とすることを確保するものとする。当該保護は、当該措置が障害者の権利及び利益に及ぼす影響の程度に応じたものとする。

5 締約国は、この条の規定に従うことを条件として、障害者が財産を所有し、又は相続し、自己の会計を管理し、及び銀行貸付け、抵当その他の形態の金融上の信用について均等な機会を有することについての平等の権利を確保するためのすべての適当かつ効果的な措置をとるものとし、障害者がその財産を恣意的に奪われないことを確保する。

第十三条 司法手続の利用
1 締約国は、障害者がすべての法的手続(捜査段階その他予備的な段階を含む。)において直接及び間接の参加者(証人を含む。)として効果的な役割を果たすことを容易にするため、手続上の配慮及び年齢に適した配慮が提供されること等により、障害者が他の者と平等に司法手続を効果的に利用することを確保する。

2 締約国は、障害者が司法手続を効果的に利用することに役立てるため、司法に係る分野に携わる者(警察官及び刑務官を含む。)に対する適当な研修を促進する。

第十四条 身体の自由及び安全
1 締約国は、障害者に対し、他の者と平等に次のことを確保する。

 (a) 身体の自由及び安全についての権利を享有すること。

 (b) 不法に又は恣意的に自由を奪われないこと、いかなる自由のはく奪も法律に従って行われること及びいかなる場合においても自由のはく奪が障害の存在によって正当化されないこと。

2 締約国は、障害者がいずれの手続を通じて自由を奪われた場合であっても、当該障害者が、他の者と平等に国際人権法による保障を受ける権利を有すること並びにこの条約の目的及び原則に従って取り扱われること(合理的配慮の提供によるものを含む。)を確保する。

第十五条 拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰からの自由
1 いかなる者も、拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けない。特に、いかなる者も、その自由な同意なしに医学的又は科学的実験を受けない。

2 締約国は、障害者が拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰を受けることを防止するため、他の者との平等を基礎として、すべての効果的な立法上、行政上、司法上その他の措置をとる。

第十六条 搾取、暴力及び虐待からの自由
1 締約国は、家庭の内外におけるあらゆる形態の搾取、暴力及び虐待(性別を理由とするものを含む。)から障害者を保護するためのすべての適当な立法上、行政上、社会上、教育上その他の措置をとる。

2 また、締約国は、特に、障害者及びその家族並びに介護者に対する適当な形態の性別及び年齢に配慮した援助及び支援(搾取、暴力及び虐待の事案を防止し、認識し、及び報告する方法に関する情報及び教育を提供することによるものを含む。)を確保することにより、あらゆる形態の搾取、暴力及び虐待を防止するためのすべての適当な措置をとる。締約国は、保護事業が年齢、性別及び障害に配慮したものであることを確保する。

3 締約国は、あらゆる形態の搾取、暴力及び虐待の発生を防止するため、障害者に役立つことを意図したすべての施設及び計画が独立した当局により効果的に監視されることを確保する。

4 締約国は、あらゆる形態の搾取、暴力又は虐待の被害者となる障害者の身体的、認知的及び心理的な回復及びリハビリテーション並びに社会復帰を促進するためのすべての適当な措置(保護事業の提供によるものを含む。)をとる。このような回復及び復帰は、障害者の健康、福祉、自尊心、尊厳及び自律を育成する環境において行われるものとし、性別及び年齢に応じたニーズを考慮に入れる。

5 締約国は、障害者に対する搾取、暴力及び虐待の事案が特定され、捜査され、及び適当な場合には訴追されることを確保するための効果的な法令及び政策(女子及び児童に重点を置いた法令及び政策を含む。)を実施する。

第十七条 個人が健全であることの保護
 すべての障害者は、他の者と平等に、その心身が健全であることを尊重される権利を有する。

第十八条 移動の自由及び国籍についての権利
1 締約国は、障害者に対して次のことを確保すること等により、障害者が他の者と平等に移動の自由、居住の自由及び国籍についての権利を有することを認める。

 (a) 国籍を取得し、及び変更する権利を有すること並びにその国籍を恣意的に又は障害を理由として奪われないこと。

 (b) 国籍に係る文書若しくは身元に係る他の文書を入手し、所有し、及び利用すること又は移動の自由についての権利の行使を容易にするために必要とされる関連手続(例えば、出入国の手続)を利用することを、障害を理由として奪われないこと。

 (c) いずれの国(自国を含む。)からも自由に離れることができること。

 (d) 自国に戻る権利を恣意的に又は障害を理由として奪われないこと。

2 障害のある児童は、出生の後直ちに登録される。障害のある児童は、出生の時から氏名を有する権利及び国籍を取得する権利を有するものとし、また、できる限りその父母を知り、かつ、その父母によって養育される権利を有する。

第十九条 自立した生活及び地域社会に受け入れられること
 この条約の締約国は、すべての障害者が他の者と平等の選択の機会をもって地域社会で生活する平等の権利を認めるものとし、障害者が、この権利を完全に享受し、並びに地域社会に完全に受け入れられ、及び参加することを容易にするための効果的かつ適当な措置をとる。この措置には、次のことを確保することによるものを含む。

 (a) 障害者が、他の者と平等に、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の居住施設で生活する義務を負わないこと。

 (b) 地域社会における生活及び地域社会への受入れを支援し、並びに地域社会からの孤立及び隔離を防止するために必要な在宅サービス、居住サービスその他の地域社会支援サービス(人的支援を含む。)を障害者が利用することができること。

 (c) 一般住民向けの地域社会サービス及び施設が、障害者にとって他の者と平等に利用可能であり、かつ、障害者のニーズに対応していること。

第二十条 個人的な移動を容易にすること
 締約国は、障害者ができる限り自立して移動することを容易にすることを確保するための効果的な措置をとる。この措置には、次のことによるものを含む。

 (a) 障害者が、自ら選択する方法で、自ら選択する時に、かつ、妥当な費用で個人的に移動することを容易にすること。

 (b) 障害者が質の高い移動補助具、装置、支援技術、生活支援及び仲介する者を利用することを容易にすること(これらを妥当な費用で利用可能なものとすることを含む。)。

 (c) 障害者及び障害者と共に行動する専門職員に対し、移動技術に関する研修を提供すること。

 (d) 移動補助具、装置及び支援技術を生産する事業体に対し、障害者の移動のあらゆる側面を考慮するよう奨励すること。


第二十一条 表現及び意見の自由並びに情報の利用
 締約国は、障害者が、第二条に定めるあらゆる形態の意思疎通であって自ら選択するものにより、表現及び意見の自由(他の者と平等に情報及び考えを求め、受け、及び伝える自由を含む。)についての権利を行使することができることを確保するためのすべての適当な措置をとる。この措置には、次のことによるものを含む。

 (a) 障害者に対し、様々な種類の障害に相応した利用可能な様式及び技術により、適時に、かつ、追加の費用を伴わず、一般公衆向けの情報を提供すること。

 (b) 公的な活動において、手話、点字、補助的及び代替的な意思疎通並びに障害者が自ら選択する他のすべての利用可能な意思疎通の手段、形態及び様式を用いることを受け入れ、及び容易にすること。

 (c) 一般公衆に対してサービス(インターネットによるものを含む。)を提供する民間の団体が情報及びサービスを障害者にとって利用可能又は使用可能な様式で提供するよう要請すること。

 (d) マスメディア(インターネットを通じて情報を提供する者を含む。)がそのサービスを障害者にとって利用可能なものとするよう奨励すること。

 (e) 手話の使用を認め、及び促進すること。

第二十二条 プライバシーの尊重
1 いかなる障害者も、居住地又は居住施設のいかんを問わず、そのプライバシー、家族、住居又は通信その他の形態の意思疎通に対して恣意的に又は不法に干渉されず、また、名誉及び信用を不法に攻撃されない。障害者は、このような干渉又は攻撃に対する法律の保護を受ける権利を有する。

2 締約国は、他の者と平等に、障害者の個人、健康及びリハビリテーションに関する情報に係るプライバシーを保護する。

第二十三条 家庭及び家族の尊重
1 締約国は、他の者と平等に、婚姻、家族及び親子関係に係るすべての事項に関し、障害者に対する差別を撤廃するための効果的かつ適当な措置をとる。この措置は、次のことを確保することを目的とする。

 (a) 婚姻をすることができる年齢のすべての障害者が、両当事者の自由かつ完全な合意に基づいて婚姻をし、かつ、家族を形成する権利を認めること。

 (b) 障害者が子の数及び出産の間隔を自由にかつ責任をもって決定する権利並びに障害者が年齢に適した情報、生殖及び家族計画に係る教育を享受する権利を認め、並びに障害者がこれらの権利を行使することを可能とするために必要な手段を提供されること。

 (c) 障害者(児童を含む。)が、他の者と平等に生殖能力を保持すること。

2 締約国は、子の後見、養子縁組又はこれらに類する制度が国内法令に存在する場合には、それらの制度に係る障害者の権利及び責任を確保する。あらゆる場合において、子の最善の利益は至上である。締約国は、障害者が子の養育についての責任を遂行するに当たり、当該障害者に対して適当な援助を与える。

3 締約国は、障害のある児童が家庭生活について平等の権利を有することを確保する。締約国は、この権利を実現し、並びに障害のある児童の隠匿、遺棄、放置及び隔離を防止するため、障害のある児童及びその家族に対し、包括的な情報、サービス及び支援を早期に提供することを約束する。

4 締約国は、児童がその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が児童の最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない。いかなる場合にも、児童は、自己が障害を有すること又は父母の一方若しくは双方が障害を有することを理由として父母から分離されない。

5 締約国は、近親の家族が障害のある児童を監護することができない場合には、一層広い範囲の家族の中で代替的な監護を提供し、及びこれが不可能なときは、地域社会の中で家庭的な環境により代替的な監護を提供するようあらゆる努力を払うことを約束する。

第二十四条 教育
1 締約国は、教育についての障害者の権利を認める。締約国は、この権利を差別なしに、かつ、機会の均等を基礎として実現するため、次のことを目的とするあらゆる段階における障害者を包容する教育制度及び生涯学習を確保する。

 (a) 人間の潜在能力並びに尊厳及び自己の価値についての意識を十分に発達させ、並びに人権、基本的自由及び人間の多様性の尊重を強化すること。

 (b) 障害者が、その人格、才能及び創造力並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度まで発達させること。

 (c) 障害者が自由な社会に効果的に参加することを可能とすること。

2 締約国は、1の権利の実現に当たり、次のことを確保する。

 (a) 障害者が障害を理由として教育制度一般から排除されないこと及び障害のある児童が障害を理由として無償のかつ義務的な初等教育から又は中等教育から排除されないこと。

 (b) 障害者が、他の者と平等に、自己の生活する地域社会において、包容され、質が高く、かつ、無償の初等教育の機会及び中等教育の機会を与えられること。

 (c) 個人に必要とされる合理的配慮が提供されること。

 (d) 障害者が、その効果的な教育を容易にするために必要な支援を教育制度一般の下で受けること。

 (e) 学問的及び社会的な発達を最大にする環境において、完全な包容という目標に合致する効果的で個別化された支援措置がとられることを確保すること。

3 締約国は、障害者が地域社会の構成員として教育に完全かつ平等に参加することを容易にするため、障害者が生活する上での技能及び社会的な発達のための技能を習得することを可能とする。このため、締約国は、次のことを含む適当な措置をとる。

 (a) 点字、代替的な文字、意思疎通の補助的及び代替的な形態、手段及び様式並びに適応及び移動のための技能の習得並びに障害者相互による支援及び助言を容易にすること。

 (b) 手話の習得及び聴覚障害者の社会の言語的な同一性の促進を容易にすること。

 (c) 視覚障害若しくは聴覚障害又はこれらの重複障害のある者(特に児童)の教育が、その個人にとって最も適当な言語並びに意思疎通の形態及び手段で、かつ、学問的及び社会的な発達を最大にする環境において行われることを確保すること。

4 締約国は、1の権利の実現の確保を助長することを目的として、手話又は点字について能力を有する教員(障害のある教員を含む。)を雇用し、並びに教育のすべての段階に従事する専門家及び職員に対する研修を行うための適当な措置をとる。この研修には、障害についての意識の向上を組み入れ、また、適当な意思疎通の補助的及び代替的な形態、手段及び様式の使用並びに障害者を支援するための教育技法及び教材の使用を組み入れるものとする。

5 締約国は、障害者が、差別なしに、かつ、他の者と平等に高等教育一般、職業訓練、成人教育及び生涯学習の機会を与えられることを確保する。このため、締約国は、合理的配慮が障害者に提供されることを確保する。

第二十五条 健康
 締約国は、障害者が障害を理由とする差別なしに到達可能な最高水準の健康を享受する権利を有することを認める。締約国は、障害者が性別に配慮した保健サービス(保健に関連するリハビリテーションを含む。)を利用することができることを確保するためのすべての適当な措置をとる。締約国は、特に、次のことを行う。

 (a) 障害者に対して他の者に提供されるものと同一の範囲、質及び水準の無償の又は妥当な保健及び保健計画(性及び生殖に係る健康並びに住民のための公衆衛生計画の分野を含む。)を提供すること。

 (b) 障害者が特にその障害のために必要とする保健サービス(適当な場合には、早期発見及び早期関与を含む。)並びに特に児童及び高齢者の間で障害の悪化を最小限にし、及び防止するためのサービスを提供すること。

 (c) これらの保健サービスを、障害者自身が属する地域社会(農村を含む。)の可能な限り近くにおいて提供すること。

 (d) 保健に従事する者に対し、特に、研修を通じて及び公私の保健に関する倫理基準を定めることによって障害者の人権、尊厳、自立及びニーズに関する意識を高めることにより、他の者と同一の質の医療(例えば、情報に基づく自由な同意を基礎とした医療)を障害者に提供するよう要請すること。

 (e) 健康保険及び国内法により認められている場合には生命保険の提供に当たり、公正かつ妥当な方法で行い、及び障害者に対する差別を禁止すること。

 (f) 保健若しくは保健サービス又は食糧及び飲料の提供に関し、障害を理由とする差別的な拒否を防止すること。

第二十六条 リハビリテーション
1 締約国は、障害者が、最大限の自立並びに十分な身体的、精神的、社会的及び職業的な能力を達成し、及び維持し、並びに生活のあらゆる側面に完全に受け入れられ、及び参加することを達成し、及び維持することを可能とするための効果的かつ適当な措置(障害者相互による支援を通じたものを含む。)をとる。このため、締約国は、特に、保健、雇用、教育及び社会に係るサービスの分野において、包括的なリハビリテーションのサービス及びプログラムを企画し、強化し、及び拡張する。この場合において、これらのサービス及びプログラムは、次のようなものとする。

 (a) 可能な限り初期の段階において開始し、並びに個人のニーズ及び長所に関する総合的な評価を基礎とすること。

 (b) 地域社会及び社会のあらゆる側面への参加及び受入れを支援し、自発的なものとし、並びに障害者自身が属する地域社会(農村を含む。)の可能な限り近くにおいて利用可能なものとすること。

2 締約国は、リハビリテーションのサービスに従事する専門家及び職員に対する初期研修及び継続的な研修の充実を促進する。

3 締約国は、障害者のために設計された支援装置及び支援技術であって、リハビリテーションに関連するものの利用可能性、知識及び使用を促進する。

第二十七条 労働及び雇用
1 締約国は、障害者が他の者と平等に労働についての権利を有することを認める。この権利には、障害者に対して開放され、障害者を受け入れ、及び障害者にとって利用可能な労働市場及び労働環境において、障害者が自由に選択し、又は承諾する労働によって生計を立てる機会を有する権利を含む。締約国は、特に次のことのための適当な措置(立法によるものを含む。)をとることにより、労働についての障害者(雇用の過程で障害を有することとなった者を含む。)の権利が実現されることを保障し、及び促進する。

 (a) あらゆる形態の雇用に係るすべての事項(募集、採用及び雇用の条件、雇用の継続、昇進並びに安全かつ健康的な作業条件を含む。)に関し、障害を理由とする差別を禁止すること。

 (b) 他の者と平等に、公正かつ良好な労働条件(例えば、均等な機会及び同一価値の労働についての同一報酬)、安全かつ健康的な作業条件(例えば、嫌がらせからの保護)及び苦情に対する救済についての障害者の権利を保護すること。

 (c) 障害者が他の者と平等に労働組合についての権利を行使することができることを確保すること。

 (d) 障害者が技術及び職業の指導に関する一般的な計画、職業紹介サービス並びに職業訓練及び継続的な訓練を効果的に利用することを可能とすること。

 (e) 労働市場において障害者の雇用機会の増大を図り、及びその昇進を促進すること並びに職業を求め、これに就き、これを継続し、及びその職業に復帰する際の支援を促進すること。

 (f) 自営活動の機会、起業能力、協同組合の発展及び自己の事業の開始を促進すること。

 (g) 公的部門において障害者を雇用すること。

 (h) 適当な政策及び措置(積極的差別是正措置、奨励措置その他の措置を含めることができる。)を通じて、民間部門における障害者の雇用を促進すること。

 (i) 職場において合理的配慮が障害者に提供されることを確保すること。

 (j) 開かれた労働市場において障害者が実務経験を取得することを促進すること。

 (k) 障害者の職業リハビリテーション、職業の保持及び職場復帰計画を促進すること。

2 締約国は、障害者が、奴隷の状態又は隷属状態に置かれないこと及び他の者と平等に強制労働から保護されることを確保する。

第二十八条 相当な生活水準及び社会的な保障
1 締約国は、障害者及びその家族の相当な生活水準(相当な食糧、衣類及び住居を含む。)についての障害者の権利並びに生活条件の不断の改善についての障害者の権利を認めるものとし、障害を理由とする差別なしにこの権利を実現することを保障し、及び促進するための適当な措置をとる。

2 締約国は、社会的な保障についての障害者の権利及び障害を理由とする差別なしにこの権利を享受することについての障害者の権利を認めるものとし、この権利の実現を保障し、及び促進するための適当な措置をとる。この措置には、次の措置を含む。

 (a) 障害者が清浄な水のサービスを平等に利用することを確保し、及び障害者が障害に関連するニーズに係る適当かつ利用可能なサービス、装置その他の援助を利用することを確保するための措置

 (b) 障害者(特に、障害のある女子及び高齢者)が社会的な保障及び貧困削減に関する計画を利用することを確保するための措置

 (c) 貧困の状況において生活している障害者及びその家族が障害に関連する費用を伴った国の援助(適当な研修、カウンセリング、財政的援助及び休息介護を含む。)を利用することを確保するための措置

 (d) 障害者が公営住宅計画を利用することを確保するための措置

 (e) 障害者が退職に伴う給付及び計画を平等に利用することを確保するための措置
by open-to-love | 2007-12-14 14:32 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)
障害者の権利に関する条約和文テキスト(仮訳文)その1

障害者の権利に関する条約
前文
 この条約の締約国は、

 (a) 国際連合憲章において宣明された原則が、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び価値並びに平等のかつ奪い得ない権利が世界における自由、正義及び平和の基礎を成すものであると認めていることを想起し、

 (b) 国際連合が、世界人権宣言及び人権に関する国際規約において、すべての人はいかなる差別もなしに同宣言及びこれらの規約に掲げるすべての権利及び自由を享有することができることを宣明し、及び合意したことを認め、

 (c) すべての人権及び基本的自由が普遍的であり、不可分のものであり、相互に依存し、かつ、相互に関連を有すること並びに障害者がすべての人権及び基本的自由を差別なしに完全に享有することを保障することが必要であることを再確認し、

 (d) 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約、児童の権利に関する条約及びすべての移住労働者及びその家族の構成員の権利の保護に関する国際条約を想起し、

 (e) 障害が、発展する概念であり、並びに障害者と障害者に対する態度及び環境による障壁との間の相互作用であって、障害者が他の者と平等に社会に完全かつ効果的に参加することを妨げるものによって生ずることを認め、

 (f) 障害者に関する世界行動計画及び障害者の機会均等化に関する標準規則に定める原則及び政策上の指針が、障害者の機会均等を更に促進するための国内的、地域的及び国際的な政策、計画及び行動の促進、作成及び評価に影響を及ぼす上で重要であることを認め、

 (g) 持続可能な開発の関連戦略の不可分の一部として障害に関する問題を主流に組み入れることが重要であることを強調し、

 (h) また、いかなる者に対する障害を理由とする差別も、人間の固有の尊厳及び価値を侵害するものであることを認め、

 (i) さらに、障害者の多様性を認め、

 (j) すべての障害者(より多くの支援を必要とする障害者を含む。)の人権を促進し、及び保護することが必要であることを認め、

 (k) これらの種々の文書及び約束にもかかわらず、障害者が、世界のすべての地域において、社会の平等な構成員としての参加を妨げる障壁及び人権侵害に依然として直面していることを憂慮し、

 (l) あらゆる国(特に開発途上国)における障害者の生活条件を改善するための国際協力が重要であることを認め、

 (m) 障害者が地域社会における全般的な福祉及び多様性に対して既に又は潜在的に貢献していることを認め、また、障害者による人権及び基本的自由の完全な享有並びに完全な参加を促進することにより、その帰属意識が高められること並びに社会の人的、社会的及び経済的開発並びに貧困の撲滅に大きな前進がもたらされることを認め、

 (n) 障害者にとって、個人の自律(自ら選択する自由を含む。)及び自立が重要であることを認め、

 (o) 障害者が、政策及び計画(障害者に直接関連する政策及び計画を含む。)に係る意思決定の過程に積極的に関与する機会を有すべきであることを考慮し、

 (p) 人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的な、種族的な、原住民としての若しくは社会的な出身、財産、出生、年齢又は他の地位に基づく複合的又は加重的な形態の差別を受けている障害者が直面する困難な状況を憂慮し、

 (q) 障害のある女子が、家庭の内外で暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取を受ける一層大きな危険にしばしばさらされていることを認め、

 (r) 障害のある児童が、他の児童と平等にすべての人権及び基本的自由を完全に享有すべきであることを認め、また、このため、児童の権利に関する条約の締約国が負う義務を想起し、

 (s) 障害者による人権及び基本的自由の完全な享有を促進するためのあらゆる努力に性別の視点を組み込む必要があることを強調し、

 (t) 障害者の大多数が貧困の状況下で生活している事実を強調し、また、この点に関し、貧困が障害者に及ぼす悪影響に対処することが真に必要であることを認め、

 (u) 国際連合憲章に定める目的及び原則の十分な尊重並びに人権に関する適用可能な文書の遵守に基づく平和で安全な状況が、特に武力紛争及び外国による占領の期間中における障害者の十分な保護に不可欠であることに留意し、

 (v) 障害者がすべての人権及び基本的自由を完全に享有することを可能とするに当たっては、物理的、社会的、経済的及び文化的な環境、健康及び教育並びに情報及び通信についての機会が提供されることが重要であることを認め、

 (w) 個人が、他人に対し及びその属する地域社会に対して義務を負うこと並びに人権に関する国際的な文書において認められる権利の増進及び擁護のために努力する責任を有することを認識し、

 (x) 家族が、社会の自然かつ基礎的な単位であること並びに社会及び国家による保護を受ける権利を有することを確信し、また、障害者及びその家族の構成員が、障害者の権利の完全かつ平等な享有に向けて家族が貢献することを可能とするために必要な保護及び支援を受けるべきであることを確信し、

 (y) 障害者の権利及び尊厳を促進し、及び保護するための包括的かつ総合的な国際条約が、開発途上国及び先進国において、障害者の社会的に著しく不利な立場を是正することに重要な貢献を行うこと並びに障害者が市民的、政治的、経済的、社会的及び文化的分野に均等な機会により参加することを促進することを確信して、

 次のとおり協定した。

第一条 目的
 この条約は、すべての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とする。
 障害者には、長期的な身体的、精神的、知的又は感覚的な障害を有する者であって、様々な障壁との相互作用により他の者と平等に社会に完全かつ効果的に参加することを妨げられることのあるものを含む。

第二条 定義
 この条約の適用上、
 「意思疎通」とは、言語、文字表記、点字、触覚を使った意思疎通、拡大文字、利用可能なマルチメディア並びに筆記、聴覚、平易な言葉及び朗読者による意思疎通の形態、手段及び様式並びに補助的及び代替的な意思疎通の形態、手段及び様式(利用可能な情報通信技術を含む。)をいう。
 「言語」とは、音声言語及び手話その他の形態の非音声言語をいう。
 「障害を理由とする差別」とは、障害を理由とするあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のあらゆる分野において、他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は効果を有するものをいう。障害を理由とする差別には、あらゆる形態の差別(合理的配慮の否定を含む。)を含む。
 「合理的配慮」とは、障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。
 「ユニバーサルデザイン」とは、調整又は特別な設計を必要とすることなく、最大限可能な範囲ですべての人が使用することのできる製品、環境、計画及びサービスの設計をいう。ユニバーサルデザインは、特定の障害者の集団のための支援装置が必要な場合には、これを排除するものではない。

第三条 一般原則
 この条約の原則は、次のとおりとする。

 (a) 固有の尊厳、個人の自律(自ら選択する自由を含む。)及び個人の自立を尊重すること。

 (b) 差別されないこと。

 (c) 社会に完全かつ効果的に参加し、及び社会に受け入れられること。

 (d) 人間の多様性及び人間性の一部として、障害者の差異を尊重し、及び障害者を受け入れること。

 (e) 機会の均等

 (f) 施設及びサービスの利用を可能にすること。

 (g) 男女の平等

 (h) 障害のある児童の発達しつつある能力を尊重し、及び障害のある児童がその同一性を保持する権利を尊重すること。

第四条 一般的義務
1 締約国は、障害を理由とするいかなる差別もなしに、すべての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及び促進することを約束する。このため、締約国は、次のことを約束する。

 (a) この条約において認められる権利の実現のため、すべての適当な立法措置、行政措置その他の措置をとること。

 (b) 障害者に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し、又は廃止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとること。

 (c) すべての政策及び計画において障害者の人権の保護及び促進を考慮に入れること。

 (d) この条約と両立しないいかなる行為又は慣行も差し控え、かつ、公の当局及び機関がこの条約に従って行動することを確保すること。

 (e) 個人、団体又は民間企業による障害を理由とする差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとること。

 (f) 障害者による利用可能性及び使用を促進し、並びに基準及び指針の整備に当たりユニバーサルデザインを促進するため、第二条に定めるすべての人が使用することのできる製品、サービス、設備及び施設であって、障害者に特有のニーズを満たすために可能な限り最低限の調整及び最小限の費用を要するものについての研究及び開発を約束し、又は促進すること。

 (g) 障害者に適した新たな技術(情報通信技術、移動補助具、装置及び支援技術を含む。)であって、妥当な費用であることを優先させたものについての研究及び開発を約束し、又は促進し、並びにその新たな技術の利用可能性及び使用を促進すること。

 (h) 移動補助具、装置及び支援技術(新たな技術を含む。)並びに他の形態の援助、支援サービス及び施設に関する情報であって、障害者にとって利用可能なものを提供すること。

 (i) この条約において認められる権利によって保障される支援及びサービスをより良く提供するため、障害者と共に行動する専門家及び職員に対する研修を促進すること。

2 締約国は、経済的、社会的及び文化的権利に関しては、これらの権利の完全な実現を漸進的に達成するため、自国における利用可能な手段を最大限に用いることにより、また、必要な場合には国際協力の枠内で、措置をとることを約束する。ただし、この条約に定める義務であって、国際法に従って直ちに適用可能なものに影響を及ぼすものではない。

3 締約国は、この条約を実施するための法令及び政策の作成及び実施に当たり、並びにその他の障害者に関する問題についての意思決定過程において、障害者(障害のある児童を含む。)を代表する団体を通じ、障害者と緊密に協議し、及び障害者を積極的に関与させる。

4 この条約のいかなる規定も、締約国の法律又は締約国について効力を有する国際法に含まれる規定であって障害者の権利の実現に一層貢献するものに影響を及ぼすものではない。この条約のいずれかの締約国において法律、条約、規則又は慣習によって認められ、又は存する人権及び基本的自由については、この条約がそれらの権利若しくは自由を認めていないこと又はその認める範囲がより狭いことを理由として、それらの権利及び自由を制限し、又は侵してはならない。

5 この条約は、いかなる制限又は例外もなしに、連邦国家のすべての地域について適用する。

第五条 平等及び差別されないこと
1 締約国は、すべての者が、法律の前に又は法律に基づいて平等であり、並びにいかなる差別もなしに法律による平等の保護及び利益を受ける権利を有することを認める。

2 締約国は、障害を理由とするあらゆる差別を禁止するものとし、いかなる理由による差別に対しても平等のかつ効果的な法的保護を障害者に保障する。

3 締約国は、平等を促進し、及び差別を撤廃することを目的として、合理的配慮が提供されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。

4 障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、この条約に規定する差別と解してはならない。

第六条 障害のある女子
1 締約国は、障害のある女子が複合的な差別を受けていることを認識し、及びこの点に関し、障害のある女子がすべての人権及び基本的自由を完全かつ平等に享有することを確保するための措置をとる。

2 締約国は、女子に対してこの条約に定める人権及び基本的自由を行使し、及び享有することを保障することを目的として、女子の完全な能力開発、向上及び自律的な意思決定力を確保するためのすべての適当な措置をとる。

第七条 障害のある児童
1 締約国は、障害のある児童が他の児童と平等にすべての人権及び基本的自由を完全に享有することを確保するためのすべての必要な措置をとる。

2 障害のある児童に関するすべての措置をとるに当たっては、児童の最善の利益が主として考慮されるものとする。

3 締約国は、障害のある児童が、自己に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利並びにこの権利を実現するための障害及び年齢に適した支援を提供される権利を有することを確保する。この場合において、障害のある児童の意見は、他の児童と平等に、その児童の年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。

第八条 意識の向上
1 締約国は、次のことのための即時の、効果的なかつ適当な措置をとることを約束する。

 (a) 障害者に関する社会全体(家族を含む。)の意識を向上させ、並びに障害者の権利及び尊厳に対する尊重を育成すること。

 (b) あらゆる活動分野における障害者に関する定型化された観念、偏見及び有害な慣行(性及び年齢を理由とするものを含む。)と戦うこと。

 (c) 障害者の能力及び貢献に関する意識を向上させること。

2 このため、1の措置には、次のことを含む。

 (a) 次のことのための効果的な公衆の意識の啓発活動を開始し、及び維持すること。

(i) 障害者の権利に対する理解を育てること。

(ii) 障害者に対する肯定的認識及び一層の社会の啓発を促進すること。

(iii) 障害者の技術、価値及び能力並びに職場及び労働市場に対する障害者の貢献についての認識を促進すること。

 (b) 教育制度のすべての段階(幼年期からのすべての児童に対する教育制度を含む。)において、障害者の権利を尊重する態度を育成すること。

 (c) すべてのメディア機関が、この条約の目的に適合するように障害者を描写するよう奨励すること。

 (d) 障害者及びその権利に関する啓発のための研修計画を促進すること。

第九条 施設及びサービスの利用可能性
1 締約国は、障害者が自立して生活し、及び生活のあらゆる側面に完全に参加することを可能にすることを目的として、障害者が、他の者と平等に、都市及び農村の双方において、自然環境、輸送機関、情報通信(情報通信技術及び情報通信システムを含む。)並びに公衆に開放され、又は提供される他の施設及びサービスを利用することができることを確保するための適当な措置をとる。この措置は、施設及びサービスの利用可能性における障害及び障壁を特定し、及び撤廃することを含むものとし、特に次の事項について適用する。

 (a) 建物、道路、輸送機関その他の屋内及び屋外の施設(学校、住居、医療施設及び職場を含む。)

 (b) 情報、通信その他のサービス(電子サービス及び緊急事態に係るサービスを含む。)

2 締約国は、また、次のことのための適当な措置をとる。

 (a) 公衆に開放され、又は提供される施設及びサービスの利用可能性に関する最低基準及び指針の実施を発展させ、公表し、及び監視すること。

 (b) 公衆に開放され、又は提供される施設及びサービスを提供する民間の団体が、障害者にとっての施設及びサービスの利用可能性のあらゆる側面を考慮することを確保すること。

 (c) 障害者が直面している施設及びサービスの利用可能性に係る問題についての研修を関係者に提供すること。

 (d) 公衆に開放された建物その他の施設において、点字の標識及び読みやすく、かつ、理解しやすい形式の標識を提供すること。

 (e) 公衆に開放された建物その他の施設の利用可能性を容易にするための生活支援及び仲介する者(案内者、朗読者及び専門の手話通訳を含む。)を提供すること。

 (f) 障害者による情報の利用を確保するため、障害者に対する他の適当な形態の援助及び支援を促進すること。

 (g) 障害者による新たな情報通信技術及び情報通信システム(インターネットを含む。)の利用を促進すること。

 (h) 情報通信技術及び情報通信システムを最小限の費用で利用可能とするため、早い段階で、利用可能な情報通信技術及び情報通信システムの設計、開発、生産及び分配を促進すること。

第十条 生命に対する権利
 締約国は、すべての人間が生命に対する固有の権利を有することを再確認するものとし、障害者が他の者と平等にその権利を効果的に享有することを確保するためのすべての必要な措置をとる。

第十一条 危険な状況及び人道上の緊急事態
 締約国は、国際法(国際人道法及び国際人権法を含む。)に基づく自国の義務に従い、危険な状況(武力紛争、人道上の緊急事態及び自然災害の発生を含む。)において障害者の保護及び安全を確保するためのすべての必要な措置をとる。
by open-to-love | 2007-12-14 14:31 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)
障害者権利条約への署名はいつ?
 69の障害者団体からなる日本障害者協議会(JD)の政策会議(6月2日)では、障害者権利条約の最新の動向が寺中誠氏(アムネスティ・インターナショナル日本事務局長)を中心に話し合われました。
 2006年12月に国連総会で採択された障害者権利条約は「障害者の権利宣言」(1975年)から30年の歳月を経て実った「すべての人に保障される権利が障害者にも等しく保障される」ための条約です。
 具体的には、「障害者に対する意識の向上」「法の下の平等」「自立生活および地域への包含」「私生活の尊重」「家庭および家族の尊重」「労働と雇用」「教育」「相当な生活水準及び社会保障」など障害者の権利を向上させ促進する内容が条文として幅広く設けられています。
 今、私たちにとって切実な問題は、精神障がい者の通院医療費や福祉サービス利用に一割負担を導入した「障害者自立支援法」、家族に重い責任を負わせている保護者制度をそのままにしている「精神保健福祉法」、精神障がい者に多い無年金者の救済ができない「国民年金法」、精神障がい者の雇用がなかなか広がらない「障害者雇用促進法」等々です。
 障害者権利条約が日本の障害者施策や精神障がい者の福祉を前進させるものであってほしいと思います。
 現在、96カ国が条約に署名しました(日本はまだ)。
 「署名」とは、条約を「批准」する意思の表明です。「批准」すれば、国は条約の実施に責任をもつことになります。
 日本の場合、条約は憲法より下位で法律よりも上位に位置付けられることになり、現在のさまざまな法律・制度へ大きな影響力をもつことになります。
 日本では、批准後、条約の実施をチェックする国内人権機関の設置や「差別禁止法」の制定などが新たに必要といわれています。
 「署名」「批准」に向けての準備を国が誠実に、積極的に進めることが期待されます。
(月刊「みんなねっと」2007年7月号 知っておきたい精神保健福祉の動き)
by open-to-love | 2007-08-31 23:08 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)

障害者差別禁止法とは

障害者差別禁止法
 障害のある人に対する差別を禁止する法律です。現在、日本にはありません。差別禁止法は、「障害」は個人に内在する機能の障害に基づくというよりも、むしろ社会環境のあり方に基づいているという考え方に立っています。米国の「障害のあるアメリカ人法」(ADA)をはじめ、英国・カナダ・オーストラリアなど、障害のある人に対する差別を禁止する法律を持つ国は世界で43カ国を超えています。
 差別禁止の規定を定める方法としては、憲法・刑事法・民事法あるいは社会福祉法による規定があります。憲法は広範すぎて実用的でない場合が多く、刑事法は重大な差別行為しか対象にしにくいという限界があります。障害のある人に対する差別は住宅の賃借・就労・作業所の設置など市民生活のなかで生じやすいので、民事法で差別の内容や類型(労働・教育・住居・情報・社会活動など)をできる限りくわしく規定する方法がその目的に適しています。民事法では「何が差別として許されないのか」を明らかにし、人々に行動基準を示すとともに裁判の基準を明確に提示することができます。
 差別禁止法の重要な要素として、差別を生じさせないための「合理的配慮義務」があげられます。障害のある人に対する差別は、社会の側から「行わなければならない合理的配慮」を行わないために生じるのであり、障害のある人は他の人と同様に社会参加の機会を与えられる権利をもっており、社会に対して必要な合理的配慮を行うよう要求できるというものです。たとえば、うつ病の人が就労に困難を生じるのは、雇用主が勤務時間や作業内容・作業量・通院や入院のための休暇などを調整することを怠っていることに基づいていると考えます。
 従来の社会制度は、障害のある人が参加・利用することを想定せずに設計されてきました。障害のない健康な壮年期の男性(ミスター・アベレッジ=平均的男性)が想定される場合が多いため、前提として想定されなかった人(女性・老人・病人・障害のある人など)には使い勝手が悪いものとなっています。しかし、性別・年齢をはじめさまざまな身体的・精神的特性を持った人々がいるのが通常の(ノーマルな)現実の人間社会であり、差別禁止法は社会をより現実に認識し、社会制度のあり方に即したものに変革してゆく意味を持っています。
 現在、国連では障害のある人の権利条約の策定を進めており、障害のある人の権利と平等を保障する方向は世界的な規模で進んでいます。
(池原毅和/いけはらよしかず/東京アドヴォカシー法律事務所)
(月刊「ぜんかれん」2004年4月号)
by open-to-love | 2007-06-23 22:45 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)

障害者権利条約が成立

国連委が障害者権利条約を採択 08年にも発効

 【ニューヨーク25日共同】障害者に対する差別を禁止し、健常者と同様の権利を保障する「障害者権利条約」の策定を進めている国連特別委員会(委員長、マッケイ・ニュージーランド国連大使)は二十五日、条約案を採択した。国連の主要な人権条約は七つあるが、障害者を対象にした人権条約は初めて。
 九月からの第六十一回国連総会第三委員会(人権)と本会議の承認を経て、二十カ国が批准した段階で発効。早ければ二〇〇八年ごろ発効する。世界には人口の一割に当たる約六億五千万人の障害者がいるとされる。
 特別委に参加した八代英太元郵政相は「各国の中でも日本が熱心で、日本の障害者にも大きな支えになる」と話した。(2006年8月27日)

障害者権利条約が成立 国連総会、全会一致

 【ニューヨーク13日共同】国連総会本会議は十三日、障害者に対する差別を禁じ、社会参加を促進する「障害者権利条約」を全会一致で採択、同条約は成立した。障害者を対象にした人権条約は初めてで、世界人口の約一割、約六億五千万人(国連推計)とされる障害者の権利拡大に寄与しそうだ。二十カ国が批准した時点で発効する。発効は二〇〇八年ごろになる見通し。
 条約は前文と本文五十条から成り、障害者が「すべての人権や基本的自由を完全かつ平等に享受」できる環境を確保するのが目的。こうした目的を達成するため「すべての適当な立法、行政措置」を講じるよう締約国に求めている。
 条約は①障害者の移動を促進するため建物や道路、交通機関における障害物の除去②教育における機会平等の確保③就職や昇進面での差別禁止―などを盛り込んでいる。
(2006年12月14日夕刊)
by open-to-love | 2007-05-10 17:55 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)
障害のある人の権利に関する条約(前文〜10条まで収録)

前文
 この条約の締約国は、

(a) 世界における自由、正義及び平和の基礎をなすものとして、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び価値並びに平等のかつ奪い得ない権利を認める国際連合憲章において宣明された原則を想起し、

(b) 国際連合が、世界人権宣言及び人権に関する国際規約において、すべての人はいかなる区別もなしに同宣言及び同規約に掲げるすべての権利及び自由を享有することができることを宣明し及び合意したことを認め、

(c) すべての人権及び基本的自由の普遍性、不可分性、相互依存性及び相互関係性並びに障害のある人に対してすべての人権及び基本的自由の差別のない完全な享有を保障する必要性を改めて確認し、

(d) 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、市民的及び政治的権利に関する国際規約、あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約、女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約、拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取扱い又は刑罰に関する条約、子どもの権利に関する条約並びにすべての移住労働者及びその家族構成員の権利保護に関する国際条約を想起し、

(e) 障害(ディスアビリティ)が形成途上にある概念であること、並びに障害が機能障害(インペアメント)のある人と態度上及び環境上の障壁との相互作用であって、それらの者が他の者との平等を基礎として社会に完全かつ効果的に参加することを妨げるものから生じることを認め、

(f) 障害者に関する世界行動計画及び障害のある人の機会均等化に関する基準規則に含まれる原則及び政策指針が、障害のある人の機会を一層平等化するための国内的、地域的及び国際的な政策、立案、計画及び行動の促進、形成及び評価に影響を与えるに当たり重要であることを認め、

(g) 持続可能な開発の関連戦略の不可分の一部として障害問題の主流化が重要であることを強調し、

(h) また、いかなる人に対しても障害に基づく差別は人間の固有の尊厳を侵害するものであることを認め、

(i) 更に、障害のある人の多様性を認め、

(j) 障害のあるすべての人(一層集中的な支援を必要とする人を含む。)の人権を促進し及び保護する必要性を認め、

(k) これらの種々の文書及び約束にもかかわらず、世界のすべての地域において、社会の平等な構成員としての参加を妨げる障壁及び人権侵害に障害のある人が依然として直面していることを憂慮し、

(l) あらゆる国特に開発途上国における障害のある人の生活状況を改善するために国際協力が重要であることを認め、

(m) 地域社会(コミュニティ)の全般的な福利及び多様性への障害のある人の貴重な既存の及び潜在的な貢献を認め、更に、障害のある人による人権及び基本的自由の完全な享有並びに完全な参加を促進することにより、障害のある人の帰属意識が高められること、並びに社会の人間的、社会的及び経済的開発並びに貧困の根絶に多大な前進がもたらされることを強調し、

(n) 障害のある人にとって、その個人の自律及び自立(自ら選択を行う自由を含む。)が重要であることを認め、

(o) 障害のある人が、政策及び計画(障害のある人に直接的に関連する政策及び計画を含む。)に係る意思決定過程に積極的に関与する機会を有するべきであることを考慮し、

(p) 人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、民族的、先住的若しくは社会的出身、財産、出生、年齢又は他の地位に基づく複合的又は加重的な形態の差別を受けている障害のある人の困難な状況を憂慮し、

(q) 障害のある女性及び少女が、家庭の内外で暴力、傷害若しくは虐待、放置若しくは怠慢な取扱い、不当な取扱い又は搾取を度々受ける危険に一層さらされていることを認め、

(r) 障害のある子どもが、他の子どもとの平等を基礎として、すべての人権及び基本的自由を完全に享有すべきであることを認め、また、このために子どもの権利に関する条約の締約国により約束された義務を想起し、

(s) 障害のある人による人権及び基本的自由の完全な享有を促進するためのあらゆる努力にジェンダーの視点を組み込む必要があることを強調し、

(t) 障害のある人の大多数が貧困の状況下で生活している事実を強調し、また、これに関しては、障害のある人に対する貧困の負の影響に取り組むことが必須であることを認め、

(u) 国際連合憲章に含まれる目的及び原則の完全な尊重に基づく平和及び安全の条件並びに適用のある人権文書の遵守が、障害のある人、特に武力紛争下及び外国の占領下の障害のある人の完全な保護に不可欠であることを想起し、

(v) 障害のある人がすべての人権及び基本的自由を完全に享有することを可能とするに当たり、物理的、社会的及び経済的環境のアクセシビリティ、保健及び教育のアクセシビリティ並びに情報及びコミュニケーションのアクセシビリティが重要であることを認め、

(w) 個人が、他人に対し及びその属する地域社会に対して義務を負うこと並びに国際人権章典において認められる権利の促進及び遵守のために努力する責任を有することを認識し、

(x) 家族が、社会の自然かつ基礎的な単位であり、かつ、社会及び国による保護を受ける権利を有すること、また、障害のある人及びその家族の構成員が、障害のある人の権利の完全かつ平等な享有に家族が貢献することを可能とするための必要な保護及び援助を受けるべきであることを確信し、

(y) 開発途上国及び先進国の双方において、障害のある人の権利及び尊厳を促進し及び保護するための包括的かつ総合的な国際条約が、障害のある人の著しく社会的に不利な立場を是正することに重要な貢献をすること、並びに市民的、政治的、経済的、社会的及び文化的分野への障害のある人の平等な機会を伴った参加を促進することを確信して、

次のとおり協定した。

第1条 目的
 この条約は、障害のあるすべての人によるすべての人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し及び確保すること、並びに障害のある人の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とする。
 障害(ディスアビリティ)のある人には、種々の障壁との相互作用により、他の者との平等を基礎とした社会への完全かつ効果的な参加を妨げることのある、長期の身体的、精神的、知的又は感覚的な機能障害(インペアメント)のある人を含む。

第2条 定義
 この条約の適用上、

 「コミュニケーション」には、筆記、音声、簡単な言葉、朗読者及び拡大・代替コミュニケーションの様式、手段及び形態(アクセシブルな情報コミュニケーション機器を含む。)とともに、言語、文字表示、点字、触覚コミュニケーション、拡大文字及びアクセシブルなマルチメディアを含む。

 「言語」には、音声言語、手話及び他の形態の非音声言語を含む。

 「障害に基づく差別」とは、障害に基づくあらゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的その他のいかなる分野においても、他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを害し又は無効にする目的又は効果を有するものをいう。障害に基づく差別には、合理的配慮を行わないことを含むあらゆる形態の差別を含む。

 「合理的配慮」とは、特定の場合において必要とされる、障害のある人に対して他の者との平等を基礎としてすべての人権及び基本的自由を享有し又は行使することを確保するための必要かつ適切な変更及び調整であって、不釣合いな又は過重な負担を課さないものをいう。

 「ユニバーサルデザイン」とは、改造又は特別な設計を必要とすることなしに、可能な最大限の範囲内で、すべての人が使用することのできる製品、環境、計画及びサービスの設計(デザイン)をいう。「ユニバーサルデザイン」は、特定の範囲の障害のある人のための支援装置が必要とされる場合には、これを排除してはならない。

第3条 一般的原則
 この条約の原則は、次のものとする。

(a) 固有の尊厳、個人の自律(自ら選択を行う自由を含む。)及び人の自立の尊重

(b) 非差別

(c) 社会への完全かつ効果的な参加及びインクルージョン

(d) 差異の尊重、並びに人間の多様性及び人間性の一部としての障害のある人の受容

(e) 機会の平等

(f) アクセシビリティ

(g) 男女の平等

(h) 障害のある子どもの発達しつつある能力の尊重、及び障害のある子どもがそのアイデンティティを保持する権利の尊重

第4条 一般的義務
1 締約国は、障害に基づくいかなる種類の差別もない、障害のあるすべての人のためのすべての人権及び基本的自由の完全な実現を確保し及び促進することを約束する。このため、締約国は、次のことを約束する。

(a) この条約において認められる権利を実施するためにすべての適切な立法措置、行政措置その他の措置をとること。

(b) 障害のある人に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し又は廃止するためのすべての適切な措置(立法措置を含む。)をとること。

(c) すべての政策及び計画において障害のある人の人権の保護及び促進を考慮すること。

(d) この条約に合致しないいかなる活動又は行為をも差し控え、かつ、公の当局及び機関がこの条約に従い行動することを確保すること。

(e) いかなる個人、団体又は民間企業による障害に基づく差別をも撤廃するためのすべての適切な措置をとること。

(f) 第2条に定義するすべての人向けに設計された物品、サービス、備品及び設備であって、障害のある個人に特有の必要を満たし、障害のある人の利用可能性及び使用を促進し、かつ、基準及び指針の開発の際にユニバーサルデザインを促進するための可能な限り最低限の調整及び最小の費用を要すべきものを研究し及び開発することを開始し又は促進すること。

(g) 負担可能な費用の機器を優先させて、障害のある人に適した新機器(情報コミュニケーション機器、移動補助用具、装置及び支援機器を含む。)を研究し及び開発することを開始し又は促進すること、並びに当該新機器の利用可能性及び使用を促進すること。

(h) 移動補助用具、装置及び支援機器(新機器を含む。)に関する並びに他の形態の援助、支援サービス及び設備に関するアクセシブルな情報を障害のある人に提供すること。

(i) この条約において認められる権利により保障される支援及びサービスの提供を一層向上させるために、障害のある人と共に働いている専門家及び職員に対する当該権利に関する訓練を促進すること。

2 各締約国は、経済的、社会的及び文化的権利に関しては、この条約に含まれる義務であって国際法に基づき即時的に適用されるものに違反しない限り、それらの権利の完全な実現を漸進的に達成するという観点から、自国における利用可能な資源の最大限の範囲内で、また、必要な場合には国際協力の枠内で措置をとることを約束する。

3 締約国は、この条約を実施するための法令及び政策を発展させ及び実施するに当たり、並びに障害のある人と関連する事項に係る他の意思決定過程において、障害のある人(障害のある子どもを含む。)を代表する団体を通じて、障害のある人と緊密に協議し、かつ、障害のある人を積極的に関与させる。

4 この条約のいかなる規定も、締約国の法律又は締約国について効力を有する国際法に含まれる規定であって、障害のある人の権利の実現に一層貢献するものに影響を及ぼすものではない。この条約のいずれかの締約国において法律、条約、規則又は慣習によって認められ又は存する人権及び基本的自由については、この条約がそれらの権利若しくは自由を認めていないこと又はその認める範囲がより狭いことを理由として、それらの権利及び自由を制限し又は逸脱してはならない。

5 この条約は、いかなる制限又は例外もなしに連邦国家のすべての地域について適用する。

第5条 平等及び非差別
1 締約国は、すべての人が法の前及び下において平等であり、かつ、いかなる差別もなしに法の平等な保護及び利益を受ける権利を有することを認める。

2 締約国は、障害に基づくあらゆる差別を禁止するものとし、また、障害のある人に対していかなる理由による差別に対しても平等のかつ効果的な保護を保障する。

3 締約国は、平等を促進し及び差別を撤廃するため、合理的配慮が行われることを確保するためのすべての適切な行動をとる。

4 障害のある人の事実上の平等を促進し又は達成するために必要な特定の措置は、この条約に規定する障害に基づく差別と解してはならない。

第6条 障害のある女性
1 締約国は、障害のある女性及び少女が複合的な差別を受けていることを認め、また、これに関しては、障害のある女性及び少女によるすべての人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を確保するための措置をとる。

2 締約国は、この条約に定める人権及び基本的自由の行使及び享有を女性に保障することを目的として、女性の完全な発展、地位の向上及びエンパワーメントを確保するためのすべての適切な措置をとる。

第7条 障害のある子ども
1 締約国は、障害のある子どもによる他の子どもとの平等を基礎としたすべての人権及び基本的自由の完全な享有を確保するためのすべての必要な措置をとる。

2 障害のある子どもに関するあらゆる活動において、子どもの最善の利益が主として考慮されるものとする。

3 締約国は、障害のある子どもが、他の子どもとの平等を基礎として、自己に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を有することを確保する。この場合において、障害のある子どもの意見は、その年齢及び成熟度に従って相応に考慮されるものとする。締約国は、また、障害のある子どもが当該権利を実現するための支援であって障害及び年齢に適したものを提供される権利を有することを確保する。

第8条 意識向上
1 締約国は、次のための即時的、効果的かつ適切な措置をとることを約束する。

(a) 障害のある人に関する社会全体(家族を含む。)の意識の向上、並びに障害のある人の権利及び尊厳の尊重の育成

(b) あらゆる生活領域における障害のある人に関する固定観念、偏見及び有害慣行(性及び年齢に基づくものを含む。)との闘い

(c) 障害のある人の能力及び貢献に関する意識の促進

2 このため、締約国がとる措置には次のことを含む。

(a) 次のことのために計画された効果的な公衆向けの意識向上キャンペーンを開始し及び維持すること。

 (i) 障害のある人の権利の受容を育むこと。

 (ii) 障害のある人に対する肯定的認識及び一層大きな社会的意識を促進すること。

 (iii) 障害のある人の技能、功績及び能力並びに職場及び労働市場への貢献についての認識を促進すること。

(b) 教育制度のあらゆる段階(幼年期からのすべての子どもの教育制度を含む。)において、障害のある人の権利を尊重する態度を育成すること。

(c) すべてのメディア機関が、この条約の目的に合致するように障害のある人を描写することを奨励すること。

(d) 障害のある人及びその権利に関する意識向上のための訓練計画を促進すること。

第9条 アクセシビリティ
1 締約国は、障害のある人が自立して生活すること及び生活のあらゆる側面に完全に参加することを可能にするため、障害のある人に対し、他の者との平等を基礎として、都市及び農村双方において、物理的環境、輸送機関、情報及びコミュニケーション(情報コミュニケーション機器及びシステムを含む。)並びに公衆に開かれた又は提供される他の設備及びサービスへのアクセスを確保するための適切な措置をとる。このような措置は、アクセシビリティにとっての妨害物及び障壁を明らかにし及び撤廃することを含むものとし、特に次に対して適用する。

(a) 建物、道路、輸送機関その他の屋内外の設備(学校、住居、医療設備及び職場を含む。)

(b) 情報サービス、コミュニケーション・サービスその他のサービス(電子サービス及び救急サービスを含む。)

2 締約国は、また、次のことのための適切な措置をとる。

(a) 公衆に開かれた又は提供される設備及びサービスのアクセシビリティに関する最低限度の基準及び指針の実施を発展させ、公表し及び監視すること。

(b) 公衆に開かれた又は提供される設備及びサービスを提供する民間主体が、障害のある人に係るアクセシビリティのあらゆる側面を考慮することを確保すること。

(c) 障害のある人が直面するアクセシビリティに係る事項についての訓練をすべての関係者に提供すること。

(d) 公衆に開かれた建物その他の設備において、点字表示及び読みやすく理解しやすい形態の表示を提供すること。

(e) 公衆に開かれた建物その他の設備のアクセシビリティを容易にするためのライブ・アシスタンス(人又は動物による支援)の諸形態及び媒介者のサービス(ガイド、朗読者及び専門職の手話通訳者を含む。)を提供すること。

(f) 情報への障害のある人のアクセスを確保するため、障害のある人に対する他の適切な形態の援助及び支援を促進すること。

(g) 障害のある人が新たな情報コミュニケーション機器及システム(インターネットを含む。)にアクセスすることを促進すること。

(h) 早期の段階において、アクセシブルな情報コミュニケーション機器及びシステムに関する設計、開発、生産及び分配を、それらを最小の費用でアクセシブルにするようにして促進すること。

第10条 生命に対する権利
 締約国は、すべての人間が生命に対する固有の権利を有することを改めて確認し、また、障害のある人が他の者との平等を基礎として当該権利を効果的に享有することを確保するためのすべての必要な措置をとる。

【訳者より】
(*1)この日本語訳は、「障害のある人の権利に関する条約CONVENTION ON THE RIGHTS OF PERSONS WITH DISABILITIES」及び「障害のある人の権利に関する条約の選択議定書OPTIONAL PROTOCOL TO THE CONVENTION ON THE RIGHTS OF PERSONS WITH DISABILITIES」の全文仮訳である。
(*2)この仮訳の訳出に当たり、国連ウェブサイトに掲載されている“True Certified Copies”の英語版テキストを基本的に利用した他に、必要に応じて、その仏語版等のテキストも利用した。

川島聡・長瀬修 仮訳(2007年3月29日付訳)
by open-to-love | 2007-04-28 21:22 | 国連障害者権利条約 | Trackback | Comments(0)