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カテゴリ:ADHD( 2 )

 ヤンセンファーマが、日本初の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬 「コンサータ®錠」を発売した、と2007年12月19日、発表しました。

ヤンセンファーマ株式会社
日本初の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬 「コンサータ®錠」を発売
~適正使用を図るための流通管理の実施を徹底~

 米ジョンソン・エンド・ジョンソンの医療用医薬品日本法人、ヤンセンファーマ株式会社(東京都千代田区、社長:関口 康)は、小児期における注意欠陥/多動性障害(以下AD/HD)を適応症とする中枢神経刺激剤「コンサータ錠18mg、同27mg」(一般名:塩酸メチルフェニデート)を本日発売いたします。
 コンサータ錠の発売にあたっては、去る10月26日の本剤承認時における厚生労働大臣の承認条件及び同日付課長通知によって、当社は本剤の適正使用を図るための流通管理等を発売にあわせて適切に実施するよう義務付けられていました。本剤の発売は、「コンサータ錠適正流通管理委員会」による「コンサータ錠適正流通管理基準」の策定と、同基準に基づく流通管理の履行開始を受けてのものです。
 <コンサータ錠について>
 コンサータ錠は、AD/HDに対する世界的な標準治療薬としての位置付けを確立している塩酸メチルフェニデートを主成分とする、放出制御型の徐放錠で、日本初のAD/HDへの適応を有する薬剤です。その作用機序については完全には解明されていませんが、脳内の神経細胞の間で情報を伝える役割を果たしている神経伝達物質(ドパミン、ノルアドレナリン)の働きを活性化することにより、AD/HDの諸症状を改善すると考えられています。
 <主たる特長>
1. 日本初となるAD/HD脚注への適応を有する薬剤です。
2. 有効成分は、AD/HDの標準治療薬として、世界的なコンセンサスが得られている塩酸メチルフェニデートです。
3. AD/HDの中核症状である不注意、多動性、衝動性のいずれに対しても改善作用を示します。
4. 1日1回、朝に服用することで、速やかに効果が発現し、服用後12時間効果が持続するよう設計された長時間作用型の徐放錠で、昼間、学校等での服用は不要です。
 脚注 :国内で承認された効能・効果は「小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)」です。
 コンサータ錠は2000年8月に米国ではじめて承認された後、今日まで世界70ヵ国以上で小児期または青年期におけるAD/HD治療薬として承認されています。当社は適切に診断された患者さんに対して本剤が適正に使用されるよう、流通管理の履行に努めてまいります。
 <AD/HDについて>
 AD/HDは、主に学齢期の児童に認められる不注意、多動性、衝動性を中核症状とする発達障害として分類される精神疾患であり、米国精神医学会による精神疾患の診断・統計マニュアル第Ⅳ改訂版(DSM-Ⅳ-TR)では、AD/HDの推定有病率として学齢期児童の3~7%に存在すると記載されています。
 不注意とは、注意力や集中力の持続が困難な状態で、何かを最後までやりとげることが苦手で、ケアレスミスや忘れ物、紛失なども多くなります。多動性とは、例えば授業中じっと席に着いていることができない、また席に着いていてもひっきりなしに体を揺らしたり、物をいじったりしている状態をいいます。衝動性とは、結果を考えずに行動する衝動を抑えられない状態のことで、順番を守れない、いきなり道路に飛び出すなどの問題行動となって表れます。
 AD/HDは、主な症状だけでなく、付随する症状や問題に対して適切な対処がなされないと、子供に十分な自尊心が育たず、やがては抑うつや情緒障害、非行、頻繁な転職といった二次的な問題を引き起こす可能性があります。従って、早期に総合的な治療を開始し、AD/HDに対する症状や問題に注意を払いながら、本人や周囲の関係者が適切な対応を学んでいくことが重要とされています。
 <コンサータ錠の概要>
【承認取得日】
2007年10月26日
【薬価収載日】
2007年12月14日
【発売日】
2007年12月19日
【薬価】
コンサータ錠18mg 336.60円
コンサータ錠27mg 373.00円
【製造販売】
ヤンセン ファーマ株式会社
【販売名】
コンサータ®錠18mg コンサータ®錠27mg
【一般名】
塩酸メチルフェニデート(JAN)
【薬効分類】
中枢神経刺激剤
【効能・効果】
小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)
【用法・用量】
通常、小児には塩酸メチルフェニデートとして18mgを初回用量、18~45mgを維持用量として、1日1回朝経口投与する。増量が必要な場合は、1週間以上の間隔をあけて1日用量として9mg又は18mgの増量を行う。なお、症状により適宜増減する。ただし、1日用量は54mgを超えないこと。
【承認条件】
本剤の投与が、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の診断、治療に精通し、薬物依存を含む本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ行われるとともに、それら薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。

 <ご参考:メンタルナビ>
こころの病気や脳の働きに関連する病気の理解をサポートするメンタルヘルスサイト「メンタルナビ」にアクセスください。AD/HDについても、サイト内サイト、「AD/HD」ナビとして、疾患の概念や診断、治療等についてわかりやすく解説されています。
アクセス方法; 下記URLを入力いただくか、「メンタルナビ」と検索してください。 http://www.mental-navi.net
by open-to-love | 2007-12-27 10:52 | ADHD | Trackback | Comments(0)

ADHD→アダルトADHD

ADHD→アダルトADHD

 現在は23歳の男性。就学前は休みなくぐるぐる走り回り、だれかれなしに話しかけたりしゃべり続け、ぬり絵やお絵描きといった一定の時間に静かに集中することが困難であった。小学校のときに、よく上履き、教科書、絵の具セットなどを忘れて、親にもってきてもらうことが多かった。始めは集中していてもすぐに気が散ってしまったり、次々と興味の対象が移り変わっていった。授業中など、自分が受け身の状態のときは、ジッとしているのに耐えられず空想にひたり、座っていても絶えず体を動かし、ささいなことでもかんしゃくを起こし衝動的なことをした。買い物を頼まれても、家から数十メートル先に行く途中で何を買うのか忘れたことがよくある(よく、「おっちょこちょい」な子どもといわれた)。
 青年期に入っても、忘れ物が多く、気が散りやすくがまんができないため欲求不満になりやすい。本を読むのも苦手で、特にまわりに音(テレビ、車の音など)があると、何回も同じ所を読み直さなければ理解できず、イライラして本を読むことに飽きてしまう。現在の仕事においても、とりあえず一つひとつ終らせてからということができず、とっさに思い付いた時点でそっちを優先してしまう。そういったことの繰り返しで、結局何も完成できず、すぐに脱線してしまったりする。そもそも人の話をじっくり聞けない。最近自分は「他人とはどこか違う、仕事もどうしてもうまくいかない」と強く感じている。

●アダルト(成人)ADHD/ADDとは?
「ADHD」または「ADD」は、正式には「注意欠陥多動性障害」といい、脳神経学的な障害といわれています。最近、この用語が児童精神科医や教育関係者のみならず、一般の方々にも認知されてきています。
 ADHDは7歳未満に発症し、脳神経学的な機能不全が原因で、多動性や衝動性を伴い、情報をまとめたり注意を集中する能力がうまくはたらかないなどの症状が起こります。アダルトADHDは、ADHD児が児童・思春期以降も持続しているものを指します。研究が進んでいる欧米の報告によると、ADHD児の70〜80%が思春期以降も、症状は多少変わりつつも、特に不注意の症状を主体に持続するといわれています。
 アダルトADHDは「幼少期くらいから医療機関を受診して診断された群」と、「症状はあったものの幼少期には医療機関を受診せず、成人になって初めて受診した群」の2つに大別されます。

●症状の現れ方(DSM-Ⅳによる)
児童期以降のADHD→アダルトADHD
 ADHDの予後研究から、「不注意の症状は比較的長く残るが、多動性や衝動性は年齢が高くなるにつれて減少傾向にある」といわれています。その一方で、多動性、特に衝動性はその症状の質を変えて存続するという報告もあるようです。おおまかにいえば、年齢とともに多くの人は多動性は改善するものの、不注意は長く持続し、衝動性については個人差もありさまざまな経過をたどりやすいといえます。
 アダルトADHDの日常生活上あるいは仕事上問題となる具体的な症状は、主に以下のようなものです。
①集中力を持続することが苦手
 すぐに集中がそれやすいが、一方で自分が興味あることや目新しいことには集中できる。
②忘れ物・なくし物が多い
 たとえば携帯電話をこれまでに2つ以上なくしているなど。
③物事を先延ばしすることが多く、最後までやり遂げられない
 整理整頓が苦手で、優先順位がつけられない。
④結果的に、仕事上のさまざまなミスが多く、遅刻も多い

鑑別が必要な(似たような症状を示す)ほかの病気
 ADHDは幼少時から症状は続いています。ある時期から、もしくは一時的に症状が現れている場合には、別の病気を疑う必要があるでしょう。

過労
 体や脳が疲れ切っているときは、当然集中力がなくなり、じっくりと落ち着いてものを考えたりはできなくなるでしょう。

過剰なストレス(適応障害)
 過剰なストレスにさらされているときも、集中力が低下したり、落ち着きがなくなったりすることがあります。

うつ病
 集中力・記憶力の低下などADHDと共通する症状が多くあります。特に、仕事上では、今まで簡単に(数分で)できていた作業が、なかなかすぐにできず、ときには何時間もかかってしまうなどということもよくみられます。ADHDでは症状がほぼ一定であまり変化しないのに対し、うつ病では重くなったり、軽くなったりと変動が激しいのが特徴です。
 ただし、ADHDの二次障害としてうつ病を発症していることも多く、たとえうつ病と診断されたとしてもADHDでないとはいい切れません。

統合失調症
 注意が持続しない、落ち着きがないなど似たような症状が現れますが、統合失調症ではほとんどの人が幻覚妄想など、ほかの症状も伴います。

人格障害(パーソナリティーの障害)
 気分が変わりやすい、無気力など、共通する症状が多くあります。ADHDを疑って受診した人のなかには、確かにパーソナリティーの障害をもつ人もいると考えられます。また、これまでADHDが見落とされていたことも多く、新たに人格障害と診断されるケースもあるでしょう。
 なお、パーソナリティーの障害があるといわれる例において、その基盤に軽度の「発達障害」や「ADHD」が存在すると思われるケースもあると考えられます。

躁うつ病(気分変調症や気分循環症を含む)
 最近の指摘では、躁うつ病の患者さんが、その病前性格が「お天気屋で、枠にはめられるのが苦手」であるのを「わがままで自分勝手」と見間違われて、人格障害と診断されてしまっている例が多いともいわれています。さらに安易な抗不安薬の多用も、そのような誤診を増やす原因になっているという指摘もあります。
 こういった躁うつ病(あるいは気分変調症)の躁状態での、気分爽快や観念奔走(楽天的な思考が次々と現れること)からくる多弁や多動などとADHDとの鑑別が必要です。

アダルトADHDの診断と二次障害について
 アダルトADHDの人は、「自分には他人と違って集中力がなく不注意なために、日常生活や仕事の遂行に困難さを来している」と感じています。したがって彼らが青年期以降に初めて受診しその診断を下された場合、「これでかえって心の整理がついた」という感想を述べることもあるといわれています。一方では、後に述べる薬物治療について心配する方もいますが、基本的には、現在の日常の生活範囲を著しく狭めるような、あるいは本人にとってきわめて不利益をもたらすような、物忘れと集中力低下や落ち着きのなさなどの症状がない限りは、必ずしも通院や服薬は必要ないと思われます。
 つまり、今現在は何とか仕事もやれている、社会生活上多少の不便があっても何とか楽しくやれているという場合は、とりたてて「自分がADHDではないか?」「絶対に薬物治療を受けなければならないか?」といった心配は要らないのではないでしょうか。
 また、ADHDはその症状によりストレスを抱えたり生きにくさを感じることが多いため、さまざまな二次障害を発症することもあります。ですから、もしご自分が深刻な二次障害を抱えていると思われる方は、二次障害の症状を念頭において治療することをおすすめします。主な二次障害については以下に説明します。

うつ状態
 ADHDでは仕事上のミスの多さや段取りの悪さからもさまざまなストレスを抱えます。その結果、うつは二次障害としてよくみられるようです。うつ病や躁うつ病などの根本的な疾病との鑑別も必要ですが、うつ状態はストレスフルな環境では誰でもがなりえる症状なので、できるだけ「自分にとって快適な環境になるよう」心がけましょう。

自信のなさ
 ADHDの人は子どものころから「だらしない」「わがまま」などといわれていたり、多くの失敗経験のために自尊心が低下し、自信をなくしている人が多いようです。もし診断がついて、障害についての知識を得たら、過去の失敗は「教育に問題があったり、自分の努力が足りない」せいではなかったことを理解し、現在の生活を工夫して改善するなどしてなるべく「気分よく」考えるようにして、自信を取り戻すようにしましょう。

依存症
 ADHDでは、脳を刺激するアルコールやカフェイン、ニコチンなどの薬物乱用に陥りやすくなるという指摘もあります。

●相談できる機関など
就学前や学童期の場合
 まずは大学病院などの精神神経科の児童思春期専門外来、小児科(児童精神科)、あるいは児童思春期精神医学が専門の医師のいる精神科クリニック、精神科病院に相談されることをおすすめします。あるいは近くの精神保健福祉センターでも相談を受け付けています。

青年期以降で未受診の場合
 二次障害のうつ状態やほかの疾患との鑑別も含めて、大学病院などの精神神経科や、しかるべき精神科病院や精神科クリニックへの受診をおすすめします。受診の際は担当医に、子どものころの不注意や多動性、衝動性の度合いを話し、しっかりと訴えることが重要です。この訴えをよく聞いてくれる治療者に診てもらうことで、患者さんご本人も納得がいくはずです。

●アダルトADHD/ADDの薬物治療
治療に用いられる薬剤
①メチルフェニデート(商品名リタリン)
 ADHDに対する日本での第一選択薬としては、多動がおさまり落ち着いたり思考ができるようになったりするという理由から、中枢刺激薬のリタリンがよく使われます。
 この薬は一般的に、依存形成しやすく(この薬がないと身体的にも精神的にも不安になりやすくなる)、耐性(次第に効きが悪くなる)もできやすいといわれているので、主治医とよく相談して、そういった問題に対して十分に注意しましょう。ただ、これまでの医療現場からの報告では、ADHDの患者さんにおけるリタリンの治療では、集中力や落ち着きに対する効果が現れやすく、依存については特に問題になる人が多いという報告はありません。外来での処方量はあくまでも2週間分が基本で、それ以上は出せないのがルールです。
②ペモリン(商品名ベタナミン)
 そのほかで治療に用いられるのは、リタリンと同じ中枢刺激薬のベタナミンです。問題となる副作用として肝障害と再生不良性貧血があり、ベタナミンを服用するときは、主治医ともよく相談し、定期的に肝機能を検査する必要があります。
③SSRIとイミプラミン
 ストレスに対する脆弱さと実生活で直面する挫折などが複雑にからんで起こるうつ症状には、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)であるパロキセチン(商品名オアキシル)やイミプラミン(商品名トフラニール)があります。
④そのほか
 併用薬として用いられるものに、降圧薬としても用いられるクロニジン(商品名カタプレス)があります。この薬はリタリンなどと併用すると攻撃的な子どものADHDに効果があるという報告があります。ちなみにドーパミン作動薬といわれる薬も海外では使われているようですが、国内では現在使われていません。
(『精神科医療サービスを上手に受ける方法』法研、2006年)
by open-to-love | 2007-07-27 00:04 | ADHD | Trackback | Comments(0)