精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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カテゴリ:ひきこもり( 15 )

斎藤環、畠中雅子著『ひきこもりのライフプラン―「親亡き後」をどうするか』

(岩波ブックレット、2012年)
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 ひきこもり状態にある人たちの平均年齢は今や30歳を越えている。大半は親の経済的支援のもとで暮らしているが、親の死亡に伴う、長期のひきこもりの人たちの貧困化が懸念されている。ひきこもりが一生続いたとしても、親の現在の資産を最大限に活用して、子を生涯支えられるライフプランの作り方をアドバイスする。

目次
1 ひきこもりの理解と対応
  原因
  ひきこもりのメカニズム
  症状
  鑑別診断
  治療的支援の第一歩
  集団適応支援
  訪問支援活動
  メール、ネットの利用
  「お金」ならびに「ライフプラン」の重要性
  福祉サービスの利用
  家庭内暴力への対応
  おわりに
2 ひきこもりのライフプラン
  親の資産・負債の洗い出し
  親の収入・支出の確認
  親の住み替え
  お子さんの収入・支出
  お子さんの住まい
  リバースモーゲージの活用法
  成年後見制度の利用
  ひきこもりのお子さんの相続
  お子さんのひとり暮らしへの準備
  “ひきこもり相談事例”
  サバイバルプランの作成・分析


by open-to-love | 2017-11-23 21:46 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)
ひきこもり等支援室「ゆきわり」フォーラム
「今、ひきこもり支援に必要なこと―和歌山におけるひきこもり支援の実践から」

日時:2015年3月2日(月)13:30〜16:00
場所:盛岡市・アイーナ6階
対象:ひきこもり支援に関心のある方
参加無料

講師:宮西照夫先生(和歌山大学名誉教授、紀の川病院副院長兼ひきこもり研究センター長)

主催:NPO法人もりおかユースサポート「WAMひきこもり包括的支援事業運営委員会」

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by open-to-love | 2015-02-22 21:16 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)
〖人間塾〗6月講座 NO.66          

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[日時] 平成26年6月14日(土)13:30~15:30
[会場] アピオあおもり Tel 017-732-1010 

「ひきこもり」からの出発~希望のひきこもり論~
講師 評論家 芹沢 俊介 氏

芹沢 俊介 氏[せりざわ・しゅんすけ]
 1942年東京生まれ。1965年上智大学経済学部卒業。文芸・教育・家族など幅広い分野の評論で活躍。現代の家族や学校の切実な課題である不登校、ひきこもりなど子どもたちの問題を独自の視点で捉えている。著書に『殺し殺されることの彼方―少年犯罪ダイアローグ』(雲母書房)、『子供たちの生と死』(筑摩書房)、『子供たちはなぜ暴力に走るのか』(岩波書店)、『いじめ時代の子どもたちへ』(共著、新潮社)、『現代<子ども>暴力論』(春秋社)、『引きこもるという情熱』(雲母書房)、『「いじめ」が終わるとき』(彩流社)、『親殺し』(NTT出版)、『若者はなぜ殺すのか』(小学館101新書)、『「存在論的ひきこもり」論』(雲母書房)、『「孤独」から考える秋葉原無差別殺傷事件』(共著、批評社)、『家族という意志』(岩波新書)、『子どものための親子論』(明石書店)、ほか多数。

「自己間関係― 聞きなれない言葉であろう。文字どおり自分と自分の関係のことだ。たとえばせっかく登校拒否して家にひきこもっても、ひきこもった本人が学校に行かずひきこもっている自分を許せない、だめな自分だと考えてしまう。そんな状態をイメージしてみよう。ひきこもっている自分を自分が肯定できない状態である。そのような場合、親がひきこもりを肯定し、子どもにいくら学校に行かなくてもあなたはあなたなのだといっても、子どもはやすらぐことはできない。なぜなら自分が自分を許せないからだ。ひきこもった自分を許せない自分とは、ひきこもりを悪とみなす価値観をもった自分である。こういう状態はひきこもりとしては正しくない状態である。正しくひきこもるためには、自分を責める自分、ひきこもる自分が許せない自分からも撤退しなくてはならない。そうしないかぎり、いつまでもひきこもっている本人が、ひきこもったことに罪悪感を覚え、それに囚われてしまう。果ては自傷行為に進んで、命を断ってしまうところまで突き進みかねない。これではひきこもった意味がない・・・」

 芹沢氏が、ひきこもることの肯定性へ向けての新しい道筋―希望のひきこもり論を提示する。

受講料 一般2,000円 学生500円(学生証の呈示必要)
    あおもり県民カレッジの単位認定講座です!

レジオン・ラポール:フランス語で、地域の信頼関係という意味です。

――――――――お申し込み・お問い合わせ――――――――
〖人間塾〗NPO法人レジオン・ラポール
〒030-0944 青森市筒井八ツ橋1225-4
Tel017-728-2068 Fax017-728-2085 E-mail:region@pure.ocn.ne.jp
http://ningenjyuku.blogspot.com

※ほほえみの会さんからの情報提供です。
by open-to-love | 2014-05-22 22:49 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)
人間塾1月講座(ほほえみの会より情報提供)

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 人間塾では、添付のとおり1月講座を開催いたします。
 講師は、「ひきこもり」問題の第一人者で筑波大学医学医療系社会精神保健学教授の斎藤 環 氏が『「ひきこもり」とどう向き合うか~理論と実践~』と題して講演します。
 いま、ひきこもりの高年齢化が急速に進行しています。ひきこもり状態にある人たちの平均年齢は30歳を超えています。40歳を超える事例も珍しくなく少しずつ増え始めています。
 現在、ひきこもる青年たちの大半は、家族によって生活を支えられていますが、家族もいずれ高年齢化し、あるいは病に倒れたり、亡くなったりすることもあります。ひきこもり問題の真の悲劇は、その後にやってくるといわれています。
 ひきこもり問題の第一人者が、正しい理解と対処の方法を最先端の知見も含め判り易く解説します。
 折角の機会でございます。是非ご来場賜わりますようご案内申し上げます。

人間塾NPO法人レジオン・ラポール
E-mail : region@pure.ocn.ne.jp
〒030-0944青森市筒井八ツ橋1225-4
℡017-728-2068 Fax017-728-2085
by open-to-love | 2014-01-04 21:36 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)
お母さん幸せですか
〜ひとりで悩まないで出かけていらっしゃいませんか?〜

第25回全国親の会盛岡大会

主催 NPO法人SEPY倶楽部
後援 岩手県・盛岡市・ 岩手県教育委員会・盛岡市教育委員会

2010年11月28日(日)
参加費:無料(申し込み制)
~アイーナ いわて県民情報交流センター~
( JR盛岡駅より徒歩4分 )

講師:金盛 浦子(東京心理教育研究所所長 臨床心理士・芸術療法士・認定カウンセラー)

 子育てがなんとなく上手くいかない、そんな自分にいらいらしてしまうお母さん、不登校や引きこもり・ニート・非行・家庭内暴力・摂食障害などのお子さんを持つ親御さん、又母親としてのあり方を勉強されたい方、ご自身の生き方を考えてみたい方、ご一緒にそれぞれの問題を考えてみませんか?

AM10:00 開場受付
第1部  AM10:30~PM1:00 体験談と質疑応答
第2部  PM2:00~PM4:15  自律訓練法とグループディスカッション                           
定員 350名 申し込み制 (第1部のみの参加も可)          
保育あり (第1部のみ 申し込み制 定員あり)

◎ お申込みは、右記の“参加申込書”をハガキに貼付の上郵送、またはFAXしてください。
◎ 保育をご希望の方は、申込書に○をつけてください。

お申し込み・お問い合わせはお気軽に…
〒170-0005 東京都豊島区南大塚1-49-7 
NPO法人 SEPY(セピィ) 倶楽部      
担当 千葉
TEL 03-3942-5006/TEL・FAX 03-5940-4030  
<火~土曜日の10:30~3:00>
(留守番電話の場合にはお名前、連絡先を入れて下さい。追ってご連絡いたします)
by open-to-love | 2010-11-24 19:44 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)
家族のための相談コーナー

「外に出る働きかけが欲しい」

「みんなねっと」編集委員 良田かおり

Q.今日は息子のことでお話しさせていただきたいのですが、よろしいですか?

A.どうぞおっしゃってください。息子さんに関するお悩みですか?

Q.はあ。息子は32歳です。統合失調症と言われました。初めのころは幻聴とか妄想とかあったのですが、今はいくらか治まっています。たまに幻聴があって大声で叫ぶこともありますけど、大体静かに家で過ごしています。横になっていることが多くて、たまに絵を描くくらいでこれといったことはしていません。

A.そうですか。病気のほうは幾分落ち着いたんですね。通院はお一人で行かれるのですか?

■人が怖くてひきこもっている

Q.私が車で一緒に行きます。一人ではだめなんです。年に2回ぐらいとても具合が悪くなる時があって、その時は病院にも行けないので私が薬をもらってきます。その時は大変です。家族もくたくたになります。それにほとんど家から出ませんのでね、これから先どうなるのかと思って不安なんです。人が怖いようで、電話にも出ませんし、もちろんチャイムが鳴ると逃げるように奥の部屋に行ってしまうんです。もう4、5年こういう状態が続いています。最初の頃はデイケアに行ったりしてたんですけど、対人関係がうまくいかなかったらしくて、今はどこにも行きたがりません。

A.なるほど、それがお悩みなんですね。息子さんは全く家から出られないのですか?

Q.たばこやコーヒーを買いに近くのコンビニには時々行きます。暗くなってからですね。近所の人と顔を合わすのが嫌みたいなんです。子どものころから住んでるところですし、あの子の友達もみんな結婚したり就職したりしてますから、そんなこともあるかもしれません。
 あの子は学校に行ってた時はスポーツもできるし、まあ成績もいいほうだったので、結構人気者だったんです。それが病気になってしまって、太ってしまいましたし。本人も悩んでいると思います。

■将来のことを考えて

A.お母さんご自身は、そこらへんのことは気持ちも整理がついておられるのですか?

Q.正直言って初めのころは隠したい気持ちで一杯でした。でも病気になって10年以上になります。親もだんだん歳をとっていきますし、将来のことが心配です。このままどこにも行かない生活でどうなるのだろうかと不安です。生活支援センターというところもわりと近くにありますし、どこかにつながってほしいなと思います。私も5年前に家族会に入会しました。今はあの子がもっと生活を広げてほしいと願っています。今は隠したい気持ちもそれほどありません。仕方がないと思っています。

A.そうですか。ご自身で少しずつ克服されてきたのですね。ご立派だと思います。将来一人になった時が心配というのはもっともですね。デイケアでお友達はできませんでしたか。職員の方との関係はどうでしょう。何かつながりはありませんか?

Q.お友達から今もたまに携帯に電話があるようです。でも会ったりはしていません。職員の方も最初はお誘いの電話もありましたが、もう5年になりますから、今は全くありません。

A.なるほど、今はご家族との交渉はあっても、社会的には孤立してしまっている状況なのですね。お母さんのご心配はよくわかります。外に出られないということについて、主治医の先生はどうおっしゃっているのですか?

■症状があっても自立できる?

Q.家でなんとかなっているからいいほうだよとおっしゃいます。でも私は親はいつまでも生きていられませんから、症状があっても、具合が悪くなることがあっても、一人で生活できるようになってほしいんです。そうしないと、息子は親がいなくなったら、入院しなくてはならないかもしれません。それはかわいそうだと思うんです。

A.全くその通りですね。症状がなくなることが自立の要件になったら、自立は遠い話になってしまいますね。症状が変化しても、社会とつながりを持つことはできるはずですからそれを目指したいですね。
 ご本人が外出を望んでいれば、障害者自立支援法の行動援護というサービスを利用して買い物などに出掛けられるのですが、ご本人に希望がないとできませんね。それに息子さんの場合は、なじみのない人との行動は無理なようです。誰か少しずつ息子さんの気持ちをほぐしていって、外出につなげていく必要があります。
 訪問看護というサービスもありますが、通院先の病院にありませんか?地域の訪問看護ステーションが精神障がいのある人にも訪問している場合がありますから調べてみるといいですね。残念ですがいま日本ではこうした訪問型のサービスがあまり用意されていないのです。

Q.そうなんですか。以前「みんなねっと」で、訪問していろいろな働きかけをしているクリニックの話を読みましたけど、いろいろな所にあるわけじゃないんですね。残念です。ちょっと期待していたのですが。

■とっかかりは好きなことから

A.ところで息子さんは絵を描かれるということですが、絵がお好きなんですか?

Q.はい。発病する前に少しパステル画を習ったことがあるんです。今も思い出して描いています。親が言うのも何ですが結構上手なんです。

A.そうですか、それはいいですね。何か好きなことがあるというのはよいことだと思います。作品を生活支援センターに展示してもらうなどして、本人が行くきっかけになるといいですね。褒めてもらったりするのは気持ちがいいことですから、今まで描いたものをとっておいてください。役に立つかもしれません。生活支援センターでは絵画教室などをやっていませんからね。やっぱりとっかかりは好きなことだと思います。

Q.そうですね。今まであきらめていたので調べてみることもありませんでした。センターのほうにも相談してみようと思います。息子も親が言うと動きませんけど、どなたかに誘っていただければ変化があるかもしれません。少し気持ちが楽になりました。ありがとうございました。
(よしだ かおり)
全福連「みんなねっと」2010年8月 通巻40号

※全福連事務局長の良田かおりさんは2010年10月6、7日に盛岡市のマリオス・アイーナで開かれる第3回全国精神保健福祉家族大会(みんなねっと岩手大会)の2日目(7日)午前9時30分から、マリオス小ホールでの第1分科会「家族会活動」の司会を務められます。なお、話題提供者は盛岡ハートネット事務局の山口みどりさんです。みなさん、応援に来てくださいね!(黒田)
by open-to-love | 2010-09-25 20:33 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)
ひきこもり、3分の1が精神疾患 厚労省調査

 精神障害がある当事者・家族にとって、ひきこもりはとても身近なことですが、その若者を厚生労働省の研究班が調査したところ、専門施設に相談してきた「ひきこもり」に悩む人の3分の1が、統合失調症など薬物治療を必要とする精神疾患を抱えていたことも分かっています(2010年5月)。他の相談者も何らかの精神疾患を抱えていたそうです。
 調査は2007~2009年度に行われ、精神科医ら専門家がいる全国5カ所の精神保健福祉センターに、16~35歳までのひきこもり本人が直接相談にきた184件を検討。その結果、診断が確定した149件のうち、49件が統合失調症や不安障害、気分障害など薬物治療が必要とされる精神疾患だったことが判明。さらに48件が広汎性発達障害や精神遅滞と診断され、51件は専門家のカウンセリングなどが治療の中心となるパーソナリティ障害や適応障害などだったそうです。
 今回の調査結果を受け、厚労省は「診断や治療を受けないまま、症状を悪化させる恐れがある」として、ひきこもりの背景に精神疾患があるケースが多いことを明確化しました。
 研究班は、ひきこもりの長期化を防ぐためには、できるだけ早く当事者が専門機関に相談・受診することが重要…などとする「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」を公表。ガイドラインでは現在全国の約26万世帯でひきこもりの子どもがいると推計し、ひきこもりの長期化を防ぐため、できるだけ早く当事者が専門機関に赴いて受診をすることが重要とした。専門機関は長期的な関与を続け、精神疾患の有無を判断すべきだとしています。
by open-to-love | 2010-07-24 22:32 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)
ひきこもり、全国で70推計万人 内閣府初の全国調査

 内閣府は2010年7月23日、初の全国実態調査を発表。家や自室に閉じこもって外に出ない若者の「ひきこもり」が全国で70万人に上ると推計されることが分かりました。将来ひきこもりになる可能性のある「ひきこもり親和群」も155万人と推計。「今後さらに増える可能性がある」としていることが、各紙で報道されています。
 調査は2月18~28日、全国の15~39歳の男女5000人を対象に行われ、3287人(65・7%)が回答。「普段は家にいるが、自分の趣味に関する用事の時だけ外出」「普段は家にいるが、近所のコンビニなどには出かける」「自室からは出るが、家からは出ない」「自室からほとんど出ない」状態が6か月以上続いている人をひきこもり群と定義。また「家や自室に閉じこもっていて外に出ない人たちの気持ちが分かる」「自分も家や自室に閉じこもりたいと思うことがある」「嫌な出来事があると、外に出たくなくなる」「理由があるなら家や自室に閉じこもるのも仕方がないと思う」の4項目すべてに「はい」と答えたか、3項目を「はい」、1項目を「どちらかといえば、はい」と回答した人を、ひきこもり親和群と分類しました。
 その結果、ひきこもり群は有効回答の1・8%、親和群は同4・0%との結果が。総務省の2009年の人口推計で15~39歳人口は3880万人なので、ひきこもり群は70万人、親和群は155万人と推計…という結果が出ました。
 ひきこもり群は男性が66%と多く、年齢別では30歳代が46%を占めました。一方、親和群は女性が63%を占め、10歳代の割合が31%。ひきこもりとなったきっかけは、最多が「職場になじめなかった」と「病気」がともに24%、続いて「就職活動がうまくいかなかった」が20%でした。
by open-to-love | 2010-07-24 22:25 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)
書評「ひきこもりはなぜ「治る」のか? 精神分析的アプローチ」斎藤 環著

 北上市出身で「『ひきこもり』救出マニュアル」など実践的知識の普及に努めてきた著者が、ひきこもりの精神病理、支援や治療のあり方について、理論的な裏付けや具体的な対応方法をまとめた。
 理論を学べば、内面が複雑になる。そこから、膠着(こうちゃく)した家族関係を「快い意外性」でほぐしてくれるようなアイデアが生まれる―。こんな思いから、著者はジャック・ラカン、ハインツ・コフート、メラニー・クライン、ウィルフレッド・ビオンの難解な精神分析理論を分かりやすく紹介。
 それらの共通した考えは「子どもの成長の過程というのは、親との関係性において、『安心』を基盤とした自立の試みの繰り返し」ということ。
 まずは、安心と共感から。それから、回復へ向け、本人がくつろげる関係を他者と持つことの重要性を説き、親が本人に対しべったりでも突き放しでもなく「ほどほど」の関係を保つこと、メールではなく対面での誠実な会話を勧める。
 「ひきこもりの個人精神療法」の章も示唆に富む。本章で著者は自らの治療手順を包み隠さず開示。自身が常に心掛けていることとして「治療の享楽」への禁欲を掲げ、治療者のカリスマ志向を排し「極論すれば、最終的には忘れられてしまうのが理想」とする。
 さらに「ひきこもりの社会参加をめざすなら、一人の治療者にできることはあまりにも限られている」として、臨床心理士や精神保健福祉士、民間NPO団体などとの積極的な連携を呼び掛ける。
 こうした、権威主義とは無縁の開かれた姿勢こそ、著者がひきこもり研究の第一人者たるゆえんであろう。
 その多年の臨床経験と理論的考察の到達点としての「治るとは『自由』になるということ」という指摘は、実に深い。
(中央法規出版・一三六五円)
by open-to-love | 2008-02-02 17:12 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)
ひきこもり本人への対応についてー統合失調症とひきこもり
(東洋大学教授 白石弘巳)

1.ひきこもりは突然おこってくること
 統合失調症では、幻覚や妄想が活発な急性期に引続いて、元気がなくなる消耗期、その後徐々に活動の質や量が元に戻ってくる回復期に区別されます。この時期には、多くの人が、睡眠時間1日10時間以上、起きた後も自分の好きなことしかせず、外出は2週間に一度の通院や近所の買物だけ、話をするのは家族と主治医だけ、といった状況になります。こうした状況が「ひきこもり」といわれる状況です。
 統合失調症から回復するまでの間に、ひきこもりがちになる時期があることは避けられません。しかも、この状態は、薬を服用してもすぐには回復しないことが多く、人によって違いますが、数カ月から場合によっては数年続くことがあります。従って、気をつけていないと、この時期にご本人が無理をして再発したり、生活習慣が乱れたり、心配する家族との間で関係がうまくいかなくなってしまうといったことが起きてきます。
 ですから問題は、ひきこもりがよくないのではなくて、ひきこもりの時期を乗り切る前に別の問題が発生してくることにあります。ご本人やご家族の早くよくなりたいという気持ちは当然ですが、ひきこもりを乗り切る基本は「今以上に悪くしない」ということです。つまり、意外に思われるかもしれませんが、悪くしなければいつかよくなると信じて、回復までの間、安心してひきこもれる生活環境を整えることが大切なのです。

2.安心してひきこもるために
 それではご本人やご家族が安心して回復を待っていていいのは、どういう状態のときでしょうか?それは、「できること、やるべきことをしっかりやっている」とみんなが思える状態です。この時期には、病気のためにできないことがたくさんあります。でも、わたしは、以下のような点について、できることを見つけてほしいとお願いしています。
①家の中で役割をもちましょう
 病気の療養中でもお世話になるばかりの存在ではいけません。家族が毎日「ありがとう」と声をかけられる機会をまず一つ作るようにしましょう。たとえば食器洗いをする、犬の散歩をさせる、など何でもいいのです。要は、家の中で本人の仕事を決めて、それを続けてもらうことです。いろいろな家事ができるようになることが目標ではないので、矢継ぎ早に仕事を増やす必要はありません。
②起きる時間を決めましょう
 療養生活をする上で、生活習慣はとても大事です。特に、昼夜逆転の生活にならないように注意が必要です。そのためには起床時間を一定にすることを目標にしましょう。人によって起床時間はいろいろでしょうが、遅くとも午前10時くらいまでには起きて、朝ご飯を食べることで生活をスタートさせましょう。眠気が残るときは、カーテンを開けて部屋に光を入れたり、熱いシャワーを浴びたりすると、しゃきっとします。
③楽しく話ができる人を増やしましょう
 この時期、家族ともなかなか話さない人が少なくありません。家族は、率先して本人に挨拶の言葉をかけ、短時間でも楽しく話ができる時間をもちましょう。機会をみつけて外食やカラオケなどに誘ってみてください。最初は断られても、そのうち付き合ってくれるようになることが多いと思います。それから大切なのは、家族以外に話せる人がいることです。いつも家族と一緒だと、誰かと話す機会が生まれません。外来などで話し相手ができることを期待して、一人で通院できるようになることをめざすといいと思います。
④月に一度でも定期的に外出できる場所を作りましょう
 家の中にいて、外来通院以外は外出する機会がない人が少なくないと思いますが、月に一度くらい外出は必要です。本人が本当は行きたいところがあればそこに行きます。ある人にとってはそれはプラモデル屋さんでした。ある人は、月一度保健所のデイケアで料理教室のプログラムがあるときだけ出かけています。一人で行けなければ最初は家族などが付き添ってあげましょう。


3.できることからあせらずに
 今まで述べてきたことを全部できているという人はむしろ少ないかもしれません。でも、それはある意味で当然です。こうしたことを目安にして、できていることを一つでも増やしていくことが大切です。大切なことは、できないことに挑戦すると考えるのではなく、何なら今できるか、と考えることです。できることを確実に行っていくことが回復への道です。ご本人とじっくりお話をしたり、今後の生活についての約束をしたりすることがなかなかできない場合もあるでしょう。そのような場合は、通院先の職員や地域で相談にのってくれる人にも同席してもらったらいいのではないかと思います。

4.変化を受け入れることで生活が変わります
 以上のような生活を続けていると、いつかいつもと違うことが起こります。それは偶然のこともあるでしょう。たとえば、ある人は意を決して運転免許の更新に出かけることができた後、一人で留守番ができるようになり、外に出る機会も増えていきました。
 ただ待っているだけではなく、家族自身が楽になるような方向の依頼をご本人にいろいろしてみたらいかがでしょうか?たとえば、旅行に行きたいから留守番をしているか、一緒に旅行に行くか、どちらか考えてもらいたいとお願いすると、ご本人がどちらを選んだとしても、本人にとっては小さな変化を受け入れることになります。
 こうした小さな変化を経験するうちに、ひきこもっていた人は、再び一歩を踏み出すようになります。あることを機に、急に元気になる人もいますし、一進一退をくり返しながらという人もいますが、いずれにせよ、いずれは変化を楽しむことができるようになって、社会参加の機会が増えていくはずです。家族自身は生活を楽しむゆとりをもって、その変化を待っていればいいのです。

(月刊「みんなねっと」2007年10月号 今月のテーマ「ひきこもり」)
by open-to-love | 2007-10-31 20:32 | ひきこもり | Trackback | Comments(0)