精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


by open-to-love
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30

カテゴリ:社会的入院( 11 )

コンボお知らせメール便:「住まい」がテーマのこんぼ亭~事前申込み締切間近!

盛岡ハートネットのみなさま

 こんにちは。コンボ広報チームです。ノーベル物理学賞受賞で、昨日から盛り上がっていますね。受賞者のおひとり、赤崎先生はご自分の研究生活について、「好きこそものの上手なれ」とおっしゃっていたそうですが、あらためて、いい言葉だなあと思っています。さて10/18(土)、次回こんぼ亭の事前申込み締切は今週の金曜日(10/10)です。出演者のおひとり、阪井ひとみさんから、皆さまへのメッセージをいただきました。ご参加をお待ちしております!

★HEADLINES★
 (1) こんぼ亭(10/18):「住まいをめぐる支援」阪井さんからのメッセージ
 (2) コンボ後援イベント:ACT全国研修福岡大会
 (3) ピアサポートグループ開催情報
 (4) コンボイベント最新情報

●~●~●~●~●~●~●~●~●~●~●~●~●
  ★第23回こんぼ亭月例会★
   『住まいをめぐる支援~一人で暮らす方法~』
       2014年10月18日(土)
   事前申込みは10/10(金)まで!
●~●~●~●~●~●~●~●~●~●~●~●~●
  ☆詳細はコンボのHPから
  → http://www.comhbo.net/event/report/report_20140805.html
  ☆チラシのダウンロードはこちらから(裏面が申込用紙になっています)
  → http://www.comhbo.net/event/pdf_data/20141018_23_remedy_flyer.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 どんな人でも必ず部屋をみつける
 すごい人が岡山からやってくる!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 こんにちは。コンボの丹羽です。10月18日(土)のゲストは、自称「地上げ屋のおばちゃん」こと阪井ひとみさん。阪井さんの名誉のために申し上げておきますが、もちろん「地上げ屋さん」では
ありません。岡山の「不動産屋さんのおばちゃん」です。昨年度のリリー賞(精神障害自立支援活動賞)を受賞した方なのですが、阪井さんのお名前はたぶん知らない人の方が多いと思います。一言で言えば、パワフルな方です。長年にわたり、入院生活を続ける方達を病院から出て、地域で暮らせるように、ということで、なんと450人もの人たちをアパートで暮らせるように支援してきました。
 先日、電話で「こんぼ亭」の会議をしたときに、こんなことを語っていました。
 「私はあんまり、制度は利用していません。それよりも、町の中での応援する人を増やしています。入居が決まった人を近所の人に会ってもらって、気に掛けるようにお願いしたり、交番のおまわりさんに顔見知りになってもらったり、そうやって、地域との絆をつくっています。どこの不動産屋さんでも入居を断られる人であっても、絶対に断りません。とことん部屋をさがします。今までアパートの壁をなぐって穴をあけまくっていた人でも、ぜったいに穴を空けなくなります。なぜなら、自分が気に入った部屋だから大切に使おうと思うようになるんですよ」
 そんなようなお話が次から次へと出てきます。今度のこんぼ亭「住まいをめぐる支援~一人で暮らす方法」はきっと、最初から最後まで目からウロコだと思います。だから、ウロコの落ちすぎにご注意ください。
 以下は阪井さんからのメッセージです!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 「自分らしく生きる」
 阪井ひとみ(阪井土地開発株式会社)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 人らしく生きる。人として生きたいと思っている人がいる。いつのころからかわからないが、精神病というだけでその人を否定されたり、生きる権利まで奪われて終焉を迎えた人のことをみんなは知っているのだろうか。最後まで自分らしく生きていけることができるまちづくりに向かって、みんなで歩き出しましょう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 お客様(出演者)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ★阪井ひとみ(阪井土地開発株式会社)福祉・医療・行政関係者などと連携して、長期入院をしている誰もが地域で暮らせるように、様々な入居支援活動を行う。そういった活動が評価され、2013年度精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)を受賞(支援者部門)。
 ★黒川常治(当事者)さまざまなサービスを活用してひとり暮らし中。ぜんせいれん(全国精神障害者団体連合会)事務局長時代には、数多くの相談電話をうけていた。また、ピアサポーターとしても働いていた。
 ★高野公男(千葉県市川市家族会「松の木会」)ご家族の立場からお話いただく。お子さんは目下ひとり暮らし中。
 ☆ご案内役:伊藤順一郎(こんぼ亭「亭主」:国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 事前申し込みは10/10(金)まで!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【日時】 2014年10月18日(土)12:30開場 13:00~15:30 ※30分程度延長の場合あり
【会場】 グリーンパレス(東京都江戸川区松島1-38-1)
     アクセス:
        (1)JR新小岩駅から徒歩20分ほど
        (2)同駅から都営バスを利用し「江戸川区役所」で下車、徒歩5分以内
     地図&バス利用のご案内
     → http://www.comhbo.net/event/pdf_data/23comhbotei_map.pdf
【参加費】 事前申込3000円(コンボ賛助会員は2000円)、当日3500円
【お問合せ】NPO法人コンボ「こんぼ亭」係
     TEL: 047-320-3870
     FAX: 047-320-3871
     EMAIL: comhbotei@gmail.com

◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆
  ≪コンボ後援イベント≫
  ☆ACT全国ネットワーク主催☆
  第6回ACT全国研修福岡大会
    2014年11月8日(土)~9日(日)
    in 福岡県福岡市
◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆=◆
 ACT(包括型地域生活支援プログラム)の実践は、ACTの制度がない中でも年々広がりを見せており、チームの数も増加しています。ACTの理念や基本構造を守りつつ、各地でどう広げていくべきなのか、改めて考える研修会にもなります。ACTのことはあまり知らないな~という方から、ACTについてもっと学びたい方にも満足いただけるよう、さまざまな分科会もご用意しています。どうぞふるってご参加ください!
  ◎福岡大会の詳細・お申し込みはこちらから(福岡大会ホームページ)
   → http://assertivecommunitytreatment.jp/2014/
 【日時】2014年11月8日(土)~9日(日)
 【会場】九州産業大学(福岡県福岡市東区松香台2-3-1)
      アクセス→ http://www.kyusan-u.ac.jp/guide/map/access.html
 【お問合せ】
     福岡大会事務局:九州産業大学国際文化学部倉知研究室
         担当:倉知(くらち)・新海(しんかい)
         TEL:092-673-5818 / 092-673-5860
         E-mail:actfukuoka2014@yahoo.co.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ACTプログラムと
 その実践についての本
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ACTについてもっと知りたい方はこちらをどうぞ!
 〇『ACTブックレット1 ACTのい・ろ・は』
  https://x172.secure.ne.jp/~x172042/shop/main.cgi?mode=details&sid=1&gid=1S000096
 〇『ACTブックレット2 ACTの立ち上げと成長』
  https://x172.secure.ne.jp/~x172042/shop/main.cgi?mode=details&sid=1&gid=1S000099

●~●~●~●~●~●~●~●~●
 ピアサポートグループ開催情報
●~●~●~●~●~●~●~●~●
 ☆最新情報はウェブサイトから
 → http://comhbo.net/2013/peersupport/genki-plus.html
 ○10/11(土)元気+サークルズ in 秋葉原(東京都千代田区)new!
 ○10/12(土)盛岡ハートネット第26回お茶っこの会(岩手県盛岡市)new!
 ○10/17(金)元気+サークルズ in 清瀬(東京都清瀬市)
 ○11/15(土)元気+サークルズ in パルティ(栃木県宇都宮市)new!

●~●~●~●~●~●
 コンボ★イベント
 最 新 情 報
●~●~●~●~●~●
  ◎学校MHL教員向けセミナー◎
  【日時】2014年10月11日(土)
  【会場】ウイリング横浜 5階501研修室(神奈川県横浜市港南区上大岡西1-6-1)
  ☆詳細はコンボのHPから
  → http://www.comhbo.net/event/report/report_20140807.html
  ◎こんぼ亭第24回月例会◎
  ~申込受付中!~
  『うつ病に効く食生活と運動』
  【日時】2014年11月22日(土)12:30開場 13:00~16:00
  【会場】なかのZERO 小ホール(東京都中野区中野 2-9-7)
  【出演】功刀浩(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所)、
      阿部裕二(国立精神・神経医療研究センター 栄養管理室)、ほか
  ☆詳細はコンボのHPから
  → http://www.comhbo.net/event/report/report_20140805.html
  ☆チラシはこちらから
  → http://www.comhbo.net/event/pdf_data/20141122_24_remedy_flyer.pdf
  ◎PNPP in 札幌◎
  ~申込受付中!~
  『ピア・ネットワーク・プロモーション・プロジェクト in 札幌』
  【日時】2014年11月28日(金)13:00 ~ 16:00(12:30受付開始)
  【会場】かでる2・7(北海道立道民活動センター) 1060会議室(札幌市中央区北2条西7丁目)
  ☆詳細はコンボのHPから
  → http://www.comhbo.net/event/report/report_20141128.html
  ☆チラシ(申込用紙つき)のダウンロードはこちらから
  → http://www.comhbo.net/event/pdf_data/pnpp_sapporo.pdf

○===============================○
  コンボの活動にご協力をお願いします
○===============================○
 さまざまなイベント・研修会や情報提供など、NPO法人コンボの活動は、皆さまからのご理解・ご協力に支えられています。コンボへの皆さまのご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。
 【賛助会員として】
   ☆会費は1年間5,000円です
   ☆賛助会員のお申込みはこちらから
    → https://x172.secure.ne.jp/~x172042/support_member_apply/main.cgi
 【書籍・DVD等の購入を通じて】
   ☆詳しくはこちらから
    → https://x172.secure.ne.jp/~x172042/shop/main.cgi?mode=cart&sid=1
 【寄付を通じて】
   ☆詳しくはこちらから
    → http://www.comhbo.net/main/content003.html
 ※賛助会員のお申込み、書籍・DVD等のご注文、ご寄付はお電話・ファックス・郵送でもお受けしております。
○===============================○
  《競輪 RING!RING!プロジェクトの補助を受けています》
   「こころの元気+」の制作&PNPP(ピア・ネットワーク・プロモーション・プロジェクト)
  《日本財団の助成を受けています》
   ACTチームへの調査及びアウトリーチ支援に係わるスタッフ養成事業
○===============================○
●「こころの元気+」最新号の情報はこちらからご覧になれます。
http://www.comhbo.net/mental_energy/index.html
***********************************************************
特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構(コンボ)
Website: http://comhbo.net
Twitter: http://twitter.com/#!/comhbo/
  〒272-0031 千葉県市川市平田3-5-1 トノックスビル2F
  TEL: 047-320-3870 FAX: 047-320-3871
  EMAIL: info@comhbo.net (コンボ広報チーム)
***********************************************************
下記のサイトより過去のお知らせメール便がご覧になれます。
http://comhbo-mail.blogspot.com/
by open-to-love | 2014-10-08 21:32 | 社会的入院 | Trackback | Comments(0)
コンボお知らせメール便「退院促進・地域定着支援のためのセミナーのお知らせ」

盛岡ハートネットのみなさま
~~~~~~~~~~~~~~~~
年もあけ、「初」お知らせメール便をお届けいたします。
昨年はコンボ関連イベントへのご協力やご参加、また、コンボへのご意見や励ましなどお寄せいただき、どうもありがとうございました。スタッフ一同、心より御礼申し上げます。今年も引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
~~~~~~~~~~~~~~~~
コンボの宇田川です。
皆様、よいお正月をお過ごしになられましたでしょうか。
今年もお知らせメール便を担当させて頂きます。

昨年はいろいろなことがありました。
それは今年になっても続いています。
私はおみくじを2度引きました。2回とも良かったです。
でも「なにもかわらないさ」と思いました。
今年もコンボお知らせメール便をよろしくお願いします。

退院促進事業では、各地でピアサポーターの芽が花咲きました。
今年になって制度がかわり、いろいろ難しい問題が出てきそうです。
でも退院促進事業はメンタルヘルスにおける最重要課題の一つです。
下記はコンボが後援している、セミナーのご案内です。
***************************************************************
【ご案内】
これからの退院促進・地域定着支援を より効果的にするための実践セミナー~プログラム評価を用いた効果モデル形成アプローチからの示唆~

http://psilocybe.co.jp/2012/0210/
http://ioshima.com/blog/2011/12/post-9.html

◇日時:2012年 2月10日金曜日 10時~17時00分
◇会場:TKP 東京駅八重洲カンファレンスセンター
(〒104-0031 東京都中央区京橋2-3-19TKP八重洲ビル)

★★趣旨★★
 ☆精神障害者退院促進・地域移行・地域定着支援事業は、長期入院を続ける精神障 害をもつ方々が地域で自分らしい生活を営む「希望」を実現するための有力な取り組みとして、大きな期待を担って全国で実施されて来ました。実践現場には多くの熱い思い持った支援者も存在します。

 ☆しかし事業開始10 年近くが経過しても、未だにこの事業による病床削減や社会的入院の解消などの成果は見えて来ません。その背景には、効果的な実践モデルがいま だ形成されておらず、効果的な取り組みについての共通認識が関係者の間に共有され ていないことがあると考えられます 。

 ☆私たちは、世界的に発展して来たプログラム評価の理論と方法論を用いて、この取り組みを科学的根拠に基づく、効果的なプログラムモデルに構築するためのアプローチ 法を開発して来ました。またその方法を退院促進・地域定着支援プログラムに適用し、 有効性を検証して来ました。

 ☆このたび私たちの研究成果、効果的な退院促進・地域定着支援プログラムの効果 モデルについてご報告させて頂き、皆さま方との意見交換の場を持ちたいと考え、この
「実践セミナー」を開催させて頂きます。同時に実践家参画型で、効果的プログラムモデルを形成するための研究プロジェクトの説明をさせて頂き、関心のある皆 さ んの参加をご相談させて頂きたいと考えます 。

 ☆精神障害をもち長期入院されている皆さまがより良い地域生活を実現し、その希望が叶えられるよう、これまで蓄積してきた知恵や 工夫を持ち寄りましょう。皆さまのご参加をお待ちしています 。

■日時 2012年2月10日金曜日 10時~17時00分
■場所 TKP 東京駅八重洲カンファレンスセンター
〒104-0031 東京都中央区京橋2-3-19TKP八重洲ビル
kashikaigishitsu.net/search/map/130/
■参加費 無料

■内容:

○特別講演:「社会的入院者の地域移行・地域支援の課題」
・高橋清久(精神・神経科学振興財団理事長、国立精神・神経医療研究センター名誉 総長)

○基調報告1「退院促進・地域定着支援プログラムの効果モデル構築とその評価の意 義」
・大島巌(日本社会事業大学教授)

○基調報告2「構築された効果モデルの実践への適用」
・古屋龍太(日本社会事業大学専門職大学院准教授)

■シンポジウム「これからの退院促進・地域定着支援をより効果的にするために」■
■司会・ファシリテーター:
・大島巌(同 上)
・柳瀬敏夫(社会福祉法人やおき福祉会常務理事)
■【シンポジスト】
・古屋 龍太(同 上)、
・贄川信幸(日本社会事業大学特任准教授)、
・道明章乃(日本社会事業大学研究所共同研究員)
・瀧本里香(東京都精神医学総合研究所研究支援員)
■【コメンテーター】
・宇田川健(NPO法人コンボ共同代表)
・大石信弘(社会福祉士事務所「静岡まちとも」)、
・古明地さおり(医 療法 人 財 団 青 溪 会 駒 木 野 病院 )
■【参加者による小グループ意見交換】
■実践家参画型効果的プログラムモデル形成評価プロジェクトについて

■連絡先・セミナー事務局: 日本社会事業大学・大島研究室
〒204-8555 東京都清瀬市竹丘3-1-30
Email: oshima2.jcsw@gmail.com, Fax: 042-496-3126
***********************************************************
以下のリンクから「こころの元気+」創刊号が無料でダウンロードできます。
http://comhbo.net/mental_energy/pdf_data/genkiplusno1_2.pdf

特定非営利活動法人 地域精神保健福祉機構(コンボ)
http://comhbo.net
http://twitter.com/#!/comhbo/
〒272-0031 千葉県市川市平田3-5-1 トノックスビル2F
TEL 047-320-3870 FAX 047-320-3871
info@comhbo.net
コンボお知らせメール便 担当:宇田川健

http://comhbo-mail.blogspot.com/
こちらで過去のお知らせメール便がご覧になれます。
by open-to-love | 2012-01-14 09:10 | 社会的入院 | Trackback(1) | Comments(0)
『精神保健福祉白書』2010年版 流動化する障害福祉施策(2009年12月刊行、中央法規)

第3章 地域生活支援

3ー1ー9 精神障害者退院促進支援事業ー仙台市の場合

 仙台市は、平成17年度に市内の精神科病院入院患者に関する調査を行い、認知症性疾患等専門病院以外の精神科病院に長期在院する患者の中に、症状以外の理由で入院が長期化している者がかなりの割合で含まれていることを明らかにした。これを踏まえて本市は、平成18年度より、仙台市精神保健福祉総合センターを実施機関に「精神障害者退院促進支援事業」を独自事業として開始、展開してきた。事業開始当初は、対象者を、①仙台市内の精神科病院におおむね3年以上継続して入院している者、②症状面では、おおむね半年以内の退院が見込める程度の安定が得られている者、③仙台市に住所を有する者または退院後に仙台市に居住を希望する者、としていたが、平成19年度に①の要件を撤廃し、支援の拡大を図ってきた。
 事業実施体制は、事業の全体的な在り方を検討し円滑な実施を進めるために精神保健医療福祉関係機関および諸団体の代表者等により構成される事業運営委員会と、事業の具体的な実施に関するスーパービジョン等を行うために精神保健医療福祉関係機関の専門職員等により構成される事業実施委員会を柱としている。当センターでは職員3名を担当として配置し、支援職員として2名(精神保健福祉士、保健師)が実際の支援に従事している。
 実施方法は、利用者に対する個別支援のほかにも、支援の前段階としての、受け入れ条件が整えば退院可能な支援対象者全体に対する退院の動機づけ、地域支援体制の整備など多岐にわたる。支援対象者の動機づけを高めるためには、病院職員との連携の下で支援職員が患者と直接面接し、適宜必要な情報提供を行い不安の解消に努めながら、退院を視野に入れられるよう動機づけをする。また、病棟内啓発活動として、希望する患者が自由に参加し将来等について話し合うグループワークを、支援職員が病棟内にて月2回開催している病院もある。個別支援では、支援職員が病院に直接出向き、ケアマネジメントの手法を活用して利用者とともに支援計画を作成し、外出同行、居住支援、地域支援体制の構築等を行って、地域生活への移行とその定着を図る。地域支援体制の整備としては、入院時からのホームヘルプサービスの実施、ならびに外泊・日常生活等の生活訓練を実施する自立体験施設の整備(委託)を、市の単独事業として実施している。さらに、地域生活移行に関する病院職員の理解を高めるための研修会、および地域生活支援の質の向上を目指してホームヘルパーやグループホーム世話人等を対象とする研修会を実施している。
 当事業は仙台市障害者保健福祉計画の重点事業の一つであり、平成23年度末までの数値目標として275名をあげている。実績には、事業自体の数値に加えて精神科病院自体の取り組みによる地域生活以降者も計上しており、宮城県の退院可能精神障害者等調査結果によると、平成18年度は72名、平成19年度33名である。事業自体の利用相談者数は、平成18年度9名、平成19年度14名、平成20年度4名で、平成20年度末までの地域生活以降者数は4名である。
 3年間の取り組みを通じ、利用者には重複障害を有する困難事例が多いことや、居住サポート事業等の支援体制のさらなる整備の必要性などの課題が浮かび上がってきた。今後はこれらの課題を踏まえ、本市全体における精神障害者の地域移行支援に向けてシステム化を図る予定である。(林みづ穂)
by open-to-love | 2010-04-09 21:23 | 社会的入院 | Trackback | Comments(0)
『精神保健福祉白書』2010年版 流動化する障害福祉施策(2009年12月刊行、中央法規)

第3章 地域生活支援

3ー1ー8 精神障害者退院促進支援事業ー香川県の場合

 香川県での退院促進事業の取り組みは平成15年に始まった。事業のねらいどおり、この取り組みがわが県にもたらした産物は大きい。多くの対象者の退院が実現したこと、波及効果として精神保健福祉のネットワークが広がり新たな資源が開発されたことが成果である。
 本県の事業の特徴をあげると、一つ目は、実施運営主体を県障害福祉課におき、全県レベルで事業を展開したことである。県が積極的に推進することで、保健福祉事務所、市町、県内ほぼすべての精神科病院、精神関係機関等が、官民を問わず本事業へ参加、協力する体制ができた。2つ目は、事業構造が重層的なことである。直接対象者支援にかかわる「支援チーム」、保健福祉事務所ごとに地域実務者が集まる「圏域部会」(月1回)、各圏域部会代表からなる「退院促進支援協議会」(年4回)、県内の長レベルが集まる「運営委員会」(年1回)などがあり、個々の支援の検討、事業評価、地域課題まで事業全体をあらゆる方向から討議検討できる。「支援チーム」は、自立支援員、病院スタッフ(主にPSW)、県や市町保健師などで構成され事業の核となっている。対象者の意欲と自己決定を支え、退院先を検討し、共に出掛け、ケア計画やケア会議を開催しながら退院までの紆余曲折の道のりを根気強く共に歩む。多くの関係者がかかわることで、家族の不安が軽減するなど退院を阻んできた要因が変化することはこの事業の醍醐味といえる。3つ目は、専門職ではなく市民が活躍していることである。精神保健福祉ボランティア、民生委員、元看護師、元教員などが知事の委嘱を受けて自立支援員となる。生活者としてのスタンスや対象者のペースに合わせた支援はとても有意義である。なかには事業終了後もボランティアとしてかかわりを続ける方もある。4つ目に、事業に併せて強化事業を実施し、地域基盤の整備に役立てたことも大きい。精神保健福祉センターが市民向けに自立支援員養成講座を開催したり、保健福祉事務所が専門職向けにケアマネジメント研修会などを実施した。また、当事者も各病院へ退院促進キャラバン隊として出向いたり、歴代の退院した対象者で交流会を実施したりした。
 6年間の事業結果は表の通りである。

平成15〜20年度支援結果
対象者 108人
退院 77人
入院継続 28人
中止 3人

平成15〜20年度退院先
対象者 108人
生活訓練施設 25人
福祉ホーム 3人
グループホーム 13人
老人施設 4人
退院支援施設 1人
アパート 15人
公営住宅 5人
自宅 10人

 数字に表れない部分は、地域のネットワークがいかに進んだか、開発された資源や不足している資源は何か、解決されない地域課題は何かと記述式に毎年評価をまとめている。病院の取り組みが加速、活性する一方で、その受け手となる地域の社会資源の不足や退院後の支援の継続性、家族支援、地域の住民レベルでの理解促進等が大きな課題となっている。今年度は、これらの積み残した課題を地域自立支援協議会と連携して解決に近づける必要がある。ある程度退院促進が進んだ結果、今後はより多く支援を要する方が対象となっていく。地域づくりと退院促進は一体であることを認識し、地域生活支援の体制づくりにつなげていきたい。(山田智子)
by open-to-love | 2010-04-09 20:50 | 社会的入院 | Trackback(1) | Comments(0)
『精神保健福祉白書』2010年版 流動化する障害福祉施策(2009年12月刊行、中央法規)

第8章 精神科医療

8ー1ー3 社会的入院問題

 2004年9月、国は「精神保健医療福祉の改革ビジョン」を策定し、「受け入れ条件が整えば退院可能な者約7万人」について、精神保健医療福祉体系の再編と基盤整備により、10年後にその解消を図る。以来、今年で6年目を迎えているが、いわゆる社会的入院者はこれまでどの程度解消が進んだのであろうか。
 2009年3月に開催された障害保健福祉関係主管課長会議によれば、障害者地域移行促進強化事業について、「いわゆる退院可能な精神障害者の地域移行を図ることは急務であり、従来より地域移行を推進してきたところであるが、長期入院患者の動態等について大きな変化がみられていない」とその解消が進展していないことを率直に認めている。そして今年度、これまでの事業に加え、①地域移行に関する専門家等の養成研修、②地域移行に関する理解促進のための基礎研修を2009年度から2011年度の3年間にわたって全額国庫負担で実施するとしている。
 ちなみに、同会議の資料によれば、精神障害者地域移行支援特別対策事業の実績は以下のとおりであり、退院者は6年間でわずか2010名にすぎない。

平成15年度
実施自治体数16(含指定都市1)
事業対象者数(人)226
退院者数(人)72

平成16年度
実施自治体数28(含指定都市3)
事業対象者数(人)478
退院者数(人)149

平成17年度
実施自治体数29(含指定都市5)
事業対象者数(人)612
退院者数(人)258

平成18年度
実施自治体数 26都道府県
事業対象者数(人)786
退院者数(人)261

平成19年度
実施自治体数 42都道府県
事業対象者数(人)1508
退院者数(人)544

平成20年度見込み
実施自治体数 45都道府県
事業対象者数(人)2037
退院者数(人)726
(平成15〜17年度はモデル事業、平成18〜19年度は精神障害者退院促進事業として実施。退院者数については、当該年度内に退院した者の数であり、年度を越えて退院した者の数は含まれていない)

 2008年11月の今後の精神保健福祉のあり方等に関する検討会「中間まとめ」では、精神障害者の地域生活への移行および地域生活の支援に関して、①相談支援の強化、②地域生活を支える福祉サービス等の充実、③入院中から退院までの支援等の充実をあげている。
 2008年宮城県は県内35病院の協力を得て、退院可能精神障害者の調査を行い、全入院患者の11.2%にあたる622人が退院可能とする結果を得ている。疾患別では統合失調症圏(F2)が368名(59.2%)、器質性精神障害(F0)が91名、気分障害(F3)が86名(13.8%)等となっており、その年齢をみると50代166名(26.7%)、60代163名(26.2%)、70代119名(19.1%)、80代67名(10.8%)となっており、60代以上の高齢者全体の56.1%を占めている。社会的入院解消に向けては、きめ細かなより実効性のあるシステムを構築するとともに、何よりも精神障害者が地域で安心して生活できる基盤、すなわち住まいや日中活動の場、地域支援体制の整備充実こそが必要といえよう。(白澤英勝)
by open-to-love | 2010-04-09 20:43 | 社会的入院 | Trackback | Comments(0)
退院支援施設要望書

2007年6月21日

都道府県知事宛

NPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会
全国「精神病」者集団
全国ピアサポートネットワーク
大阪精神障害者連絡会(ぼちぼちクラブ)
八王子精神障害者ピアサポートセンター 
NPO法人こらーるたいとう
NPO法人DPI日本会議
全国自立生活センター協議会
ピープルファーストジャパン
障害者欠格条項をなくす会
きょうされん
NPO法人全国精神障害者地域生活支援協議会
東京都地域精神医療業務研究会
東京精神医療人権センター

 「退院支援施設」を建設しないでください。そして本来の退院促進支援活動こそ推進してください。

(要望書)
 貴殿におかれましては、精神保健・福祉施策の充実にむけて邁進されておられること、敬意を表します。
 私たちは障害者が地域社会であたりまえに暮らしていくことができることを実現するための取り組みを重ねてきた障害者・支援者団体です。
 これまでの国の精神障害者に対する隔離収容政策が、世界に類を見ない数の精神科病床と長期に及ぶ「社会的入院」を生み出してきました。「社会的入院」を余儀なくされるということ自体、精神障害者の人権侵害に他なりません。
 そうしたことから、各自治体での障害者計画の中でも、社会的入院の解消と精神障害者の地域移行は大きなテーマになっています。
 ところが、厚生労働省は今年4月1日から精神障害者「退院支援施設」を施行に移しました。障害当事者はもとより、精神保健福祉従事者や支援団体等、多くの関係団体の反対を押し切っての実施となっています。
 この「退院支援施設」構想は精神科病床の「看板の書きかえ」と見た目だけの「入院患者の減少」という「数字あわせ」にすぎません。「退院支援施設」構想を進めていくことは、社会的入院患者にとっては病棟転用の「退院支援施設」に移っても生活実態は全く変わらず、単に医療費が減り、その代わり自立支援法による福祉財源が賄うというだけのことです。
 「退院支援施設」を認めることは精神科病院・施設内に移ることだけをもって「退院」とみなすということであり、一生を精神病院・施設内で終える人々がいるということです。このような人権侵害は断じて認めることはできません。それ故に私たち障害者・支援者団体は「退院支援施設」を撤回するよう粘り強い運動を展開してまいりました。「退院支援施設」は精神病棟と「退院支援施設」を患者さんは往復する仕組みではないかと危ぐされます。厚生労働省は私たちの危惧に対して「地域移行推進協議会を事業者に作らせる」としていますが、果たして自分の評価を事業所自らがおこなって質は担保できるのか、第三者性は担保できるのかと疑問です。委員も自分の事業所にとって都合の良い人を選ぶことができますし、市町村が入るにしても利用者全ての出身地域の市町村が入れるわけでもありません。
 誤った精神医療行政のために人生を台無しにしてしまった人々が大勢います。
 日本は世界一の精神病床数〜全世界に1,620,000床が存在しており、そのうちの340,000床がわが国に存在するという異常事態です。またその半数の病床が5年以上の長期入院者で占められています。誤った歴史を繰り返してはならないと思います。社会復帰促進のための本来の事業としての退院促進支援事業の拡充、居住支援系事業(グループホーム・ケアホーム)の増設や「居住サポート事業」の実施、さらに地域生活支援の継続性を担保する訪問系事業(ホームヘルパー派遣)等々を充実させ、社会的支援のインフラ整備、地域基盤の整備・確立に尽力されますよう強く要望させていただきます。

(要望事項)
1,「退院支援施設」を建設しないでください。そして退院支援施設は必要ないという見解を国に主張してください。
2,事業者から「退院支援施設」の指定申請があっても認めないで下さい。
3,本来の退院支援促進事業や介護保障、地域での住居、当事者活動への支援等、地域基盤整備こそ推進して下さい。

連絡先〒131−0033
墨田区向島3−2−1パークハイツ1階
NPO法人こらーるたいとう
03-5819-3651 
FAX03−5819−3652
Eメールkoraru@mub.biglobe.ne.jp

※というわけで、精神にはいろんな団体、いろんな問題に対するせめぎあいが日々起きています。みなさん、関心を持ちましょう。(黒)
by open-to-love | 2008-04-11 21:41 | 社会的入院 | Trackback | Comments(0)
退院促進支援事業とはどのような事業ですか?
(地域生活支援センターMOTA 宮本めぐみ)

 厚生労働省は、受け入れが整えば退院可能な社会的入院者7万2000人の解消に向けて、平成15年から精神障害者退院促進事業を実施しています。
 実施主体は都道府県及び指定都市で、本事業の一部が地域活動支援センターに委託されています。これまでも、病院や地域のスタッフによって、長期在院者の退院に向けた支援はされてきましたが、成果は挙がりませんでした。そういう意味で、行政が地域の関係機関に委託して、本事業に取り組んだことには歴史的な意義があると思います。まだこの制度を実施している地域は限られていますが、年々実施する自治体が増えてきています。

どんな人が対象になりますか
 これから紹介する内容は東京都の場合です。
 精神科病院に長期に入院している方で病状が安定していて、地域の受け入れ条件が整えば退院可能で、本人が退院を希望される方です。入院期間は実施機関によってまちまちですが、一年以上入院されている方の場合が多いようです。筆者が関わっているところは入院期間による限定が外されております。なお、対象者が退院促進支援事業を使うためには病院長の推薦が必要です。

窓口はどこですか
 都道府県によって窓口は異なりますが、地域活動支援センターで委託を受けていることが多いので、保健所や地域活動支援センターに聞いてみるのが良いと思います。

どんな時に使えますか
 子どもや兄弟の入院が長引き、退院させたいけれども家族の力だけでは不安だという方は、病院のソーシャルワーカーに退院促進支援事業を使えるかどうか聞いてみてください。本事業の協力病院だと使いやすいのですが、協力病院になってない場合は保健所等で本制度が使えるかどうか聞いてみましょう。まだまだ動きだしたばかりの制度で、関係者の間で十分に周知されていないので、病院や行政担当者に働きかけていく必要もあると思います。

誰が手伝ってくれ、またどんなことをしてくれるのですか
 本事業の委託を受けてケアマネジメント(退院に向けての計画)を行うコーディネーター(相談役)が相談に乗ります。コーディネーターが病院にうかがって、対象となる患者さんとご家族、そして病院のスタッフと退院についてのケア会議を持ちます。そして対象者が退院をめぐって抱いている気がかりについて、一緒に考えます。長い間入院されている方も多いので、何回かお会いして顔馴染みになり外出の練習などから動き始めます。
 退院したい気持ちがあっても、いざとなると不安になったり気持ちがゆれたりするのは当然です。コーディネーターは、対象者のゆれに付き合いながら支援していきます。退院したい気持ちを確かめながら住居を一緒に探したり、社会復帰施設やグループホームを見学したりします。共に過ごす時間を増やしながら関係作りに努め、退院後の生活についてイメージをつくっていきます。また、関連施設の見学を一つ一つしていくうちに、患者さんもコーディネーターも地域の方々と顔馴染みになれます。
 筆者のところでは、コーディネーターが対象者と一緒に動きますが、具体的な援助は支援院に任せる地域もあります。

どのくらいの期間支援してくれるのですか
 支援の期間は、ケースバイケースだと思います。退院を決心するまでに何年もかかる方もいるので一概には言えないのですが、筆者が関わっている世田谷区では6カ月をめどにして必要時更新しています。

退院後の生活を支えてくれる人はどのような人ですか
 退院後、誰がどのような援助を提供するかについては、退院後の生活を支えてくれる人々が集まり、ケア会議の場で話し合って決めます。
 ケア会議は、本人を中心に、ご家族、病院関係者(デイケア担当者、作業療法士、外来担当医)、地域関係者(地域活動支援センター、作業所、保健所、生活支援課等の職員)で構成され、退院時を皮切りとして、3カ月後、半年後、1年後に継続して開催されます。
 ケア会議では、ご本人にどのような具体的援助を提供するか、ふだん、困ったときは誰に相談したらいいか、危機状況ではどうするか等について話し合います。

ここで筆者が関わった事例について報告します
 10代で発病したMさん。入院と退院を繰り返しながら家族と暮らしてきましたが、父親が倒れ、母親は父親の看護でMさんのケアができないため入院が長引き、10年が経過していました。協力病院のW病院の精神保健福祉士から依頼を受け、病院に訪問してMさんに初めて会いました。表情は硬く言葉数は少なかったのですが、「退院したいけど家に帰れない」という明確な言葉を聞くことができました。2度目は病院の庭で散歩しながらの話し合いの中で、グループホームに関心があることがわかりました。
 そこでMさんと一緒に援護寮(生活訓練施設)を見学することになりました。長い間閉鎖病棟での生活で外出も少なかったMさんは見学後疲れてしまい、当支援センターの一室で眠ってしまったことがあります。そのときを境に支援者に本音で話してくれるようになりました。その後、Mさんと一緒に自宅訪問を行い、母親と兄弟に退院したい気持ちを伝えることができました。母親はMさんの入院が長引くことに心を痛めながらも、自分からは動くことができなかったため本制度の活用を喜んでくれました。
 退院のイメージが膨らみ、援護寮に退院したいと決めたMさんは、その直後に幻聴が活発となり病状が悪化しました。今までも退院の話が出ると病状が悪化し、退院準備が中断することがありました。しかし、今回は病状が悪化したものの、Mさんの退院したい気持ちは持続していました。病院スタッフのフォローもあって不安は軽減し、外出を再開することができました。まずは、退院先の候補となっていた援護寮のある駅周辺に慣れるため、Mさんの大好きなラーメン屋めぐりをしました。出会いから6カ月後、援護寮に退院したい意志が明確になり正式に申し込むことができました。Mさんとの出会いから11カ月経過していました。
 援護寮への入所後は、急に自由になったことからくる戸惑いからか、困惑状況が続きました。その時点で、援護寮のスタッフとケア会議を持ち、今後のことについて相談を行いました。入所して2カ月後スタッフに付き添われ当支援センターに見えました。このように本人の支援者が退院後もふえてきました。
 Mさんは、病院スタッフから病状が安定した人として推薦されました。しかし、病因暮らしが長引いてしまい、この時期にいろいろな経験をするチャンスを失ってしまったMさんが退院にまでこぎつけるのは至難の業でした。それでも、何回かゆれながら時間をかけて現実に触れ、自分で決めて退院することができました。退院促進支援事業には退院後の継続的なフォローも含まれ、長期的には当支援センターの相談支援事業につないでいきます。

(月刊『みんなねっと』通巻5号 2007年9月号)
by open-to-love | 2007-12-04 21:37 | 社会的入院 | Trackback | Comments(0)
家族のための相談コーナー 今月のテーマ「退院支援」

長期入院の弟に退院の話が…
(月刊『みんなねっと』編集委員 良田かおり)

10年以上入院していた下の弟の退院話
Qさん ちょっとご相談よろしいですか
Aさん どうぞどうぞ、どのようなことでしょう。
Q 実は私の弟のことなんですが、精神科の病院に10年以上入院しています。3人姉弟で、私は長女で58歳になります。53歳の上の弟、長男と私は結婚して家を出ています。末の弟は10代に統合失調症という病気になってずっと両親と3人で生活していました。今50歳ですけど、40歳くらいまでに5〜6回入退院をしたでしょうか。両親はそのたびに随分苦労してお金もたくさん使いました。母はそんな中で膵臓ガンで亡くなりました。そのあとは父が1人で本人に外泊させたりしていましたが、その父も4年前に他界しました。弟が入院中のことです。
A そうでしたか。ご両親も大変な思いをされたんですね。その末の弟さんのことでしょうか?
Q そうなんです。私も自分の家庭があって、あまり弟に関与していなかったのですが、最近になって病院の方から退院の話が出てきたんです。

本人の希望を叶えてあげたいが心配も…
A なるほど、ご両親の家はどうなっているのですか?
Q 両親のいた小さな古屋は住める状況ではなかったので、父親が亡くなったあと売って、3人で相続しました。本人にも貯金にして渡しましたので、今は病院で管理していただいています。障害年金の1級をいただいていますので、それで入院費も何とかなっているようです。
A そうなのですね。弟さんは退院を希望しているのですか?
Q 今まで退院したいと言ったことはなかったのですが、ここ半年ほど、病院から近くの作業所に行かせてもらっていて、友達もできたものですから、今は退院したいと言っています。病状もここ数年落ち着いている様子です。
A それはよかったですね。お姉さんとして退院をどのように感じておられるのですか?
Q 私としてはせっかく良くなっているので、本人の希望もかなえてあげたいと思います。でも上手くいくかしらという不安と、長男でもある上の弟が反対しています。私は早く家を出ましたので、本人の発病から今までについて、心配でしたが実際にはあまり関われませんでした。長男は歳も近くて、本人の状態が悪くなったときに、両親が凄く辛い思いをしているのを見ていますから、又そうなった時にどうするのか、今の自分には責任が持てないといいます。そういわれると私も同じです。
A 弟さんは辛い状況を知っておられるのですね。今回の退院はどなたから、どのように説明を受けているのですか?
Q 病院のケースワーカーさんからのお話です。何でもその地域では、「退院促進事業」とかいうのがあって、弟がその対象としてどうかという話になったそうです。

社会的入院は家族の責任ではない
A なるほど。それは都道府県が実施している、社会的入院者を地域で暮らせるように支援する事業です(次のコーナーを読んでください)。
 入院の必要がないのに、病院で生活せざるを得ない状況は、解消しなければならないことですけれど、家族の責任ではありません。家族の状況は変化しますから、病気や障害を持った人の生活の場を家族に依存していると、病状が回復しても帰る場所がないといういわゆる社会的入院を広げてしまいます。 
Q 以前弟に退院の話が出たことがありますが、一人生活させるのは無理だということで、結局姉弟はそれぞれの生活がありますから、そのままになってしまいました。長男は遠くの県に住んでいて、私も夫子どもがいて一緒に生活することはできません。今回はグループホームというところに入るのだそうで、訪問看護もして下さるのだそうです。

地域で支える力が大きくなることが必要
A そうですか。今度は地域の関係者が支えようということですので、以前の話とはだいぶ違うと思います。ただ長男の方の心配ももっともです。「保護者制度」というのがありますから。家族会では本人の治療に家族が責任を持つという「保護者制度」の撤廃を長年求めてきましたが、未だ実現に至りません。制度廃止のためには、地域の支える力が成長し、大きくなることが必要ですし、その実践の積み重ねがものが言える力となるでしょう。特に病状悪化という事態に、困ったときの家族頼みでは、この退院促進事業の意味がなくなります。病状の把握と悪化時の対応については関係者と話を具体的に詰める必要があります。本人の病気や生活状態を誰がどのように把握して、どのように関係者が連携して支えていくかということですね。話し合いが納得のいくものであれば、長男の弟さんも了解なさると思います。退院のチャンスは生かせるといいですね。他に不安なことはどんなことですか?
Q グループホームといっても皆さんどんな生活をされているのか、私は実際そんなに援助できないので、本当に大丈夫か心配です。
A そのお気持ちは良く分かります。実際にグループホームで暮らしている方の様子を見たり、お話しを聞く機会を作られたらどうですか。ケースワーカーや退院促進事業の関係者の方に話してみてください。
Q そうですね、そうしてみます。長男の弟とも良く話し合ってみようと思います。ありがとうございました。
(月刊『みんなねっと』通巻5号 2007年9月号)
by open-to-love | 2007-12-03 22:05 | 社会的入院 | Trackback | Comments(0)

退院支援施設

退院支援施設、2007年4月から実施
 4月から実施された退院支援施設とは、精神科病院の病棟などを改装して、精神障がい者の入所(生活訓練)施設をつくることができるという制度です。病棟の転用なら20~60人規模で4人部屋でも認められ、スタッフは無資格者も可能という内容です。また、その工事には1件1億円前後の補助金が予定され、運営の財源は障害者自立支援法になります。
 これで、患者さんは退院したことになるわけですから、「社会的入院が減った」としても、数字のごまかしに過ぎないのではないかと疑問が寄せられています。
(月刊「みんなねっと」2007年6月号)
by open-to-love | 2007-07-26 11:05 | 社会的入院 | Trackback | Comments(0)
社会的入院問題
 精神医療・保健、福祉の領域で「社会的入院」という言葉ほど概念がひとり歩きしているものはない。「退院が可能な病状であるにもかかわらず、受け入れ条件が整わない等の社会的な事由により入院継続を余儀なくされている」ケースを指すことは衆目の一致するところであり、そうした患者の一郡が存在することを誰も否定しない。しかしその数を明確な基準によって同定し、なおかつ退院促進事業にまで結びつけるには、かなりの力技が要求される。
 旧厚生省が社会的入院という言葉を使い始めたのは1980年代前半といわれる。その後、1999(平成11)年の患者調査を基にした推計値として7万2000人という数が喧伝されるようになった。しかし、これは根拠が不明確であるとの批判が病院業界を中心に起きた。2003(平成15)年の日本精神科病院協会(以下、日精協)「マスタープラン」では、能力障害5段階(精神障害者保健福祉手帳)と精神症状6段階(日精協版)をクロスさせる方式を用いた会員病院調査の結果として、施設移行が可能な入院患者数を3万8600人と推計してみせた(ただし認知症などを除外)。一方、7万2000人でもまだ控えめに見積もり過ぎている、と主張する人々もいる。ちなみに厚生労働省は、2004(平成16)年9月に公表した「精神保健医療福祉の改革ビジョン」のなかで、約7万人と若干下方修正し、また入院期間が1年以内の群(約2万人)とそれ以上の長期群(約5万人)とを分けた対策が必要との考え方を示した。
 このように社会的入院とは、見方を少し変えただけで何割も増減するような脆弱な概念である。しかも肝心の当事者たちの多くがかやの外に置かれた議論である、という現実を忘れてはならない。障害者の自己決定、自己選択がスローガンとなる時代から置き去りにされかねないのが、自己決定の機会を事実上奪われてきたこれらの人々なのである。
 厚生労働省はこれまで、社会的入院者の地域以降促進と病床削減政策とを直結させる表現を慎重に避けてきた。しかし「改革ビジョン」では一歩踏み込んで、両者が不可分であるとの認識を明らかにし、今後10年間で社会的入院の解消を図ることにより、7万床の削減が達成されるとしている。
 社会的入院はその概念からして任意入院であることが前提だが、医療保護入院のままの人もかなりいるといわれる。日本特有の家族制度の影響を濃く残した保護者制度が、時として患者の意志による退院〜地域移行を阻む要因になっているという複雑な事情がある。
 現在でも社会的入院者の3人に1人は65歳以上の高齢者である。したがって対策が遅れれば遅れるほど、身辺自立した地域生活への移行は困難になる。
 障害者自立支援法が施行され、居宅支援サービスが退院促進事業と密接に関連して展開されるとうたわれているが、それがどの程度実効性をもつのか、不透明な部分も多い。(岡崎伸郎)
(「精神保健福祉白書」2006年版 第7部 精神科医療)
by open-to-love | 2007-07-09 23:27 | 社会的入院 | Trackback | Comments(0)