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カテゴリ:こころの健康基本法( 1 )

特集「こころの健康基本法(仮称)制定に向けて」

 「こころの健康を守り推進する基本法の制定を求める請願書」の署名活動に全国の家族会が取り組んできました(通称:100万人署名)。法案成立に向けて、請願書名は5〜6月中に国会に提出される予定です。今期通常国会の会期中の法案成立を目指し、国会内でも超党派議員連盟の取り組みが進んでいます。
 今回の特集では、請願書で制定を求めている「こころの健康を守り推進する基本法」(以下、こころの健康基本法)とはどのようなものなのか、見ていきたいと思います。

“こころの健康推進”を日本の基本政策に!

●「こころの健康政策構想会議」とは

 自殺の現状を含む、日本のメンタルヘルスの問題について、長妻厚生労働大臣(当時)が強い問題意識を持ち、当事者や家族の視点を踏まえたうえで今後の精神保健医療の在り方に関する政策提言をするように、と東京都立松沢病院長の岡崎祐士氏をはじめとする精神科医療関係者に依頼したのがきっかけでした。これを機にわが国の精神科医療と精神保健の現状を改革しなくてはならないと、多くの関係者が立ち上がり、改革のための提言を作成する「こころの健康政策構想会議」(以下、構想会議)が設立されました。

●発足式の心意気

 平成22年4月3日に長妻大臣参列のもと、都立松沢病院講堂で発足式がおこなわれました。会場は参加者の熱気で興奮気味でした。いままで差別されてきた精神障がい者とその家族の現状を変えるため、そして精神科医療の一般医療化により精神科医療サービスの質の向上を図らなくてはならない、そのための改革提言を私たちがするのだという参加者の決意がみなぎっていました。

●当事者・家族の意見を丁寧に取り入れる作業体制

 構想会議を構成する委員には、当事者・家族が27名入り、全体の委員の30%を占めました。提言をまとめるまでに、全体会議(ほぼ毎週土曜日午後1時から5時)、当事者・家族委員会は全体会議の他に毎週土曜日午前2時間、日曜午後2時間以上がおこなわれました。大変に過密な厳しい会議が続きましたが、当事者・家族委員はほとんど全員が毎回参加しました。いまこそ、改革の時、この時を逸したら、精神障がい者とその家族の状況は変わらない、何とかしなくては、という全員の強い思いの表れでした。

●「精神保健・医療改革に関する提言」が求めた精神保健医療改革

 こうしてまとめられた提言は、平成22年5月28日に長妻大臣に提出されました。提言は“こころの健康推進”をわが国の基本政策とし、「こころの健康基本法」を制定することを要望しています。
 緊急改革の提言としては、①精神医療改革(アウトリーチ医療、救急医療の整備、一般医療化・病床削減)、②精神保健改革(地域こころの健康推進チームの創設、学校精神保健の充実)、③家族支援(家族支援専門員の創設、保護者制度の廃止)などがあげられています。

●100万人署名運動が全国に広がる!

 長妻大臣に提言を提出後、構想会議は「こころの健康政策実現会議」に発展し、提言にもとづく「こころの健康基本法」制定に向けて、100万人署名運動をスタートしました。当会も協力体制をとり、全国の家族会が精力的に活動しました。全国一斉街頭署名活動も実施され、協力団体とともに家族会が街頭署名に参加した意義は大きかったと考えます。100万人署名推進委員会の報告では3月までの集計数は62万筆で、そのうち、全国の家族会が取り組んだ署名数は31万筆となっています。

●地方議員、国会議員の理解を広めるための行動を提起

 「こころの健康基本法」の制定と精神保健医療改革の必要を広く国民に理解してもらうために100万人署名推進委員会は、地方議員、国会議員への働きかけを提起しました。これに伴い、県連はじめ、単会家族会は地元の国会議員への理解を広めるとともに、地元議会へ意見書を提出し、意見書の採択に向けて大きく行動しています。地元議会の構成労働委員会へ出向き、意見書を受理してもらい、その後、議会の傍聴にも多くの家族会が出席しています。4月2日時点で、意見書採択議会は166議会、採択議会傘下の人口は5725万人となっています。これから採択される議会もあるとのことで、まだ増えていくと考えられます。

●超党派による「こころの健康推進議員連盟」が発足

 また、平成23年12月1日に超党派の国会議員による「こころの健康推進議員連盟」が発足しました。会長は石毛英子氏で、最高顧問には、元厚生労働大臣の尾辻秀久氏、顧問には厚生労働大臣・副大臣経験者の鴨下一郎氏、坂口力氏、長妻昭氏、細川律夫氏や、山口那津男氏、渡辺嘉美氏が名を連ね、こころ強い限りです。精神保健福祉の総合的な推進、学校・職場での精神保健教育の充実などを実施し、そのための財源の確保を目指しています。私たち家族会は地元選出議員と協力関係をもち、この改革運動を成功させるために、さらなる活動の飛躍を必要としています。一人でも多くの家族がこのことに関心を持ち一緒に活動して、現状を変えるために努力していきたいと思います。
(本会理事長 川崎洋子)

全福連「みんなねっと」2012年5月号(通巻61号)
by open-to-love | 2012-05-02 20:28 | こころの健康基本法 | Trackback | Comments(0)