精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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カテゴリ:家族会( 8 )

北和会

北和会にいらっしゃいませんか

心細いのは私だけ?いいえ、そんなことはありません。
同じ悩みを持つ方と、情報交換しませんか。
本人への接し方がわからない、そんなとき、他の人はどうしているのかしら…。
「北和会」は精神障害者を家族に持つ人の会です。
きっと、ほっとできる場所になるはず。
あなたの話を聞かせてください。そして、いっしょに考えてみましょう。
聴くだけ、話すだけでも、座っているだけでも、いいのです。

Q.家族会の活動には何があるのですか?
★定例会へのご案内
毎月第3土曜日午後1時30分~北上市総合福祉センター
★精神障害者小規模作業所「しらゆり工房」を運営しています。現在、15人のメンバーが愉しく集い、生活し、リハビリに励んでいます。
★北上市に「精神障害者通所授産施設」の設置を目指しています。家族や当事者が集まり、願いをひとつにして運動しています。

家族会活動の三本柱
「支えあい・学習・運動」
親が元気で、希望を持って、生きること。
仲間が、集い、学び、偏見と不安から、もっと自由になりましょう!

北上地区精神障害者家族会「北和会」事務局
〒024-0073
北上市上江釣子11の159の1
北上地区共同作業所「しらゆり工房」内
TEL&FAX 0197・73・7192
by open-to-love | 2007-10-21 17:51 | 家族会 | Trackback | Comments(0)
自立支援法の施行による家族会への波紋
 ある地域家族会の現状〜地域家族会からの窮状〜

私たちの地区の家族会は、消滅寸前にあると言っても過言ではないと思います。原因は…
1 障害者自立支援法施行により、従来の家族会立の作業所がNPO法人等で独立しましたが、家族には法人の構成員という新たな役割(負担)が加わりました。家族は、経済的、物理的など二重の役割(負担)を担うことになりました。
2 私たちの地区の家族会は、一部自主的な会もありますが、県健康福祉センター(保健所)主導の家族会です。会が「社団法人」であることや、この自立支援法で福祉の大部分が市町村事業になったことなどを機に、行政側から独立団体としての姿勢を問われる傾向が強まりました。これは正論なのでしょうが、今日まで当事者意識が育つことなくきてしまった家族会は、急に手を離されても一人立ちはできません。ですから、あちこちから「家族会解散」という報告が届いています。
3 会員の激減、即ち会費収入の激減や、平成18年度まであった県からの作業所運営に関する事業費100万円が、平成19年度からはなくなります。現在、事務局専任職員が1名配置されていますが、来年度からは運営費を賄うための収入の見通しはありません。
 家族の方々は、このような状況に対して現実的な危機感をもっているのでしょうか。
 障害者自立支援法は、私たち家族会にもこのような波紋をよせています。全国の家族会は、どのような状況にあるのでしょうか?こういう混乱の時期であるからこそ、家族会の育成、指導、支援というものが求められるのではないでしょうか?
 (追伸)今後、家族会がどのようになるかわかりませんが、県連主催の定例家族会と家族相談会を始めました。回を重ねる度に、手ごたえ(ニーズ)を感じています。個々の家族会と個々を結ぶネットワーク的家族会は必要なんです。でも、それを維持継続できるかどうかは、家族の会員がこの現実をどう思い、どう行動するか問われているように感じます。(ある地域家族会事務局の方から)
「月刊ぜんかれん」2007年3月号 特集「自立支援法はどう波及しているか?」

岩手における現状と、この「ある地区家族会事務局の方」が指摘する現状は、同じようなものだと思われます。ですが、私見をもうせば「今日まで当事者意識が育つことなくきてしまった」のは、当事者意識を育てず、ずっと抱えこんできた行政側の怠慢もあるでしょう。あと、「家族の方々が現実的な危機感をもっているのでしょうか」については、残念ながら多くの家族の方がもってないでしょう。
ゆえに、支援法で福祉の大部分が市町村事業となり、行政側から独立団体としての姿勢を問われる傾向が強まったことは「正論」かといえば、そうは思わない。当事者意識を育てず、法律が変わったからそれに従って、手のひらを返したように「あとは自分たちでどうぞ」、その結果家族会解散が相次げば、当事者も家族もバラバラになって、それぞれが悩みを抱え込み、引きこもり、そしてそれぞれの悲劇を生む。そのとき、結果的には行政に頼るほかない。つまり、今行政が家族会を手放すことは、将来的に行政に依存する家族を増やすことにほかならない。行政のみなさん、それでいいんですか?なんなら、家族会が一斉に解散してみますか?ということです。
むろん、そんなことしないし、させませんけどね。なぜなら、私たちは無責任でいられない現実をそれぞれが抱えていますから。(黒)
by open-to-love | 2007-06-23 09:57 | 家族会 | Trackback | Comments(0)
都道府県連合会事務局 状況報告(その2)

 1月に、全家連より都道府県の家族会事務局の法人化と補助金のアンケート調査をお願いいたしました。前回では、都道府県家族会連合会が法人化を予定しているかどうかを報告しました。(47都道府県のうち16カ所では法人化予定がない)
 その中間集計の後半をお知らせいたします。

 47都道府県家族会連合会のうち、
○事務局に専任の事務局員がいる所
  専任がいる  35件
  専任がいない 12件
○専任の事務局員数 平均1・29人

 連合会事務局の3/4に専任の事務局員が在中していることになります。しかし、ほとんどが1名体制でこなしていることが現状です。

○国県市などの行政から、または他団体から助成金を受けている
  助成金を受けている 36件
  助成金はない    11件

○助成金の平均額 おおまかな合計平均額で
  合計平均額 年・約164万円

 連合会事務局の3/4で、助成金を受けていますが、年数万円の所もあり、格差は激しいものがあります。
 この平均額を月額にすると、月14万円弱、人件費も難しい状況であることが想像できます。

 今後、地域主体となっていく中、都道府県家族会連合会への期待が増えることかと思います。例えば、今回から作業所への国庫補助配分の窓口が都道府県の連合会事務局に指定されています。
 しかしながら、その内情は、乏しい運営費の中で、専任の1名が孤軍奮闘して、事務局を支えているのです。また、事務局の住所からも判るように半数が精神保健福祉センター等の行政機関の協力を得て、事務局を置かせてもらっています。専任の事務局員がいない所ではセンターの方にも協力をいただいていることもあります。

最新の事務局一覧を掲載しております。地域での動きなど、お問い合わせください。そして、ぜひ応援してください。

都道府県家族会連合会一覧(2007年3月現在)

社)北海道精神障害者家族連合会 専任○
  青森県精神障害者家族会連合会 専任○ 事務局センター内
NPO)岩手県精神障害者家族会連合会 専任○
  宮城県精神障害者家族連合会 専任○
  秋田県精神障害者家族会連合会 専任○
  山形県精神障害者家族連合会 専任○
  福島県精神障害者家族会連合会 専任○
社)茨城県精神障害者福祉会連合会 専任○ 事務局センター内
社)栃木県精神障害者援護会 専任○ 事務局センター内
  群馬県精神障害者家族会連合会 専任○
  埼玉県精神障害者家族会連合会 専任○
  千葉県精神障害者家族会連合会 専任● 事務局センター内
  東京都精神障害者家族会連合会 専任○
  神奈川県精神障害者家族会連合会 専任○ 事務局センター内
社)新潟県精神障害者家族会連合会 専任○
  富山県精神障害者家族連合会 専任○
  石川県精神障害者家族会連合会 専任● 事務局センター内
  福井県精神障害者家族会連合会 ○ 事務局センター内
  山梨県精神障害者家族会連合会 専任● 事務局センター内
  長野県精神障害者家族会連合会 専任○
NPO)岐阜県精神障害者家族会連合会 専任○ 事務局センター内
社)静岡県精神保健福祉会連合会 専任○
NPO)愛知県精神障害者家族会連合会 専任●
NPO)三重県精神障害者家族会連合会 専任●
NPO)滋賀県精神障害者家族会連合会 専任●
  京都府精神障害者家族会連合会 専任○
社)大阪府精神障害者家族会連合会 専任○
社)兵庫県精神障害者家族会連合会 専任○
NPO)奈良県精神障害者家族会連合会 専任●
NPO)和歌山県精神障害者家族会連合会 専任●
  鳥取県精神障害者家族会連合会 専任○ 事務局センター内
社)島根県精神保健福祉会連合会 専任○
NPO)岡山県精神障害者家族会連合会 専任○
社)広島県精神障害者家族連合会 専任○ 事務局センター内
社)山口県精神障害者福祉会連合会 専任○
  徳島県精神障害者家族会連合会 専任○ 事務局センター内
  香川県精神障害者家族連合会 専任●
社)愛媛県精神障害者家族連合会 専任○
  高知県精神障害者家族会連合会 専任○ 事務局センター内
社)福岡県精神障害者福祉会連合会 専任○
  佐賀県精神障害者家族連合会 専任○
  長崎県精神障害者家族連合会 専任○ 事務局センター内
社)熊本県精神障害者福祉会連合会 専任○
社)大分県精神障害者福祉会連合会 専任○
NPO)宮崎県精神障害者家族会連合会 専任●
NPO)鹿児島県精神福祉推進連合会 専任● 事務局センター内
社)沖縄県精神障害者福祉会連合会 専任○
(「月刊ぜんかれん」2007年3月号所収)

 注:「事務局センター内」とは、事務局の住所が精神保健福祉センター内、という意味です。つまり、かつて岩家連がそうであったように、自前の机がなく、精神保健福祉センターを間借りして細々とやっていることが想像されます。なお、全家連調査には記載されていませんが、東北では宮城県と福島県が法人格を取っているとのことです。
 こうして全国の状況を見ると、岩家連は相当悲惨ですが、法人格取ってるし、自前の机があるし、専従事務局員も1人、安い給料で頑張ってますし、全国的にはまだいい方かもしれません。岩家連事業推進企画部長の八重樫正美さんは「そう悪くない。中の上ぐらいかもしれません。でも、床板一枚下は地獄ですけどね」と、意味深なことを申されておりました。
 全家連が潰れても、個々の家族会としては、都道府県連合会がしっかりしていれば、頑張れる。現に、新たな全国組織が立ち上がっています。でも、都道府県レベルの組織すら、いつ潰れてもおかしくない状況にある、ということは、自覚しておくべきでしょう。さて。どうするか。(黒)
by open-to-love | 2007-06-22 22:42 | 家族会 | Trackback | Comments(0)

助支安の会

助支安(じょしあん)の会

あなたの大切な息子や娘、パートナーや兄弟が心の病になったことで、本人はもとより支える家族も不安な気持ちになったり、相談もできず独り悩んでいませんか?

当会は、盛岡市近郊の家族で2006年春に結成した地域家族会です。毎月1回の定例会のほか専門家を招いて学習会なども開催しています。

助支安の会理念

わたしたちは心の病について深く学びあい
安心して家族の悩みや苦しみを語り合い
お互いを支えあい生きることの素晴らしさを
共有しあいます

あなたも心安らぐ仲間と共に、助け合い支えあいませんか?
参加を希望される方は外来受付までお問い合わせ下さい。

岩手県精神障害者家族会連合会加盟団体
(「助支安の会」リーフレット全文。なお、その画像もアップしましたが、回転する仕方が判りません。横の写真が縦にしか置けません。みなさん、横になって見て下さいね)

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by open-to-love | 2007-06-22 00:41 | 家族会 | Trackback | Comments(0)

家族会をご存じですか?

今はなき全家連のパンフレットによる、家族会の紹介です。

家族会をご存じですか?
家族会は、精神疾患(障害)がある人の家族の集まりです。家族としての悩みを語り合い、互いに励まし合い、助け合う会です。家族同士の体験や情報を好感する場でもあります。また、病気(障害)がある人が住みやすい地域にするための活動を行います。
 家族会は全国に1600カ所ほどあり、6万世帯以上の家族が地域や病院などで定期的な活動をしています。
 精神疾患の回復を支えるためには、正しい知識を身に付けることが大変重要です。そのため治療や対応についての学習をしたり、福祉制度を学んだりすることも家族会の活動の一つです。全国各地にある家族会によって都道府県連合会が組織され、地域独自の講座を開いているところもあります。
 都道府県連合会はそうした活動や精神保健福祉行政に関する情報がありますので、お近くの都道府県の連合会事務局へお問い合わせ下さい。

全国の家族会はこのようにつながっています。
地域家族会・病院家族会
地域の保健所やセンター等で定期的に活動(入院・通院している病院や通所している社会復帰施設にも家族会があるところもあります)
●勉強会などの定期活動(相談業務や施設運営をしているところも)
●懇談会・情報交換(月刊誌の配布や地域の情報交換、悩み相談)

都道府県連合会(県連事務局)
全国各地で家族会は活動しています。その地域家族会同士で都道府県レベルの連携をし、事務局を運営しています。
●都道府県の精神保健福祉行政への働きかけ、啓発活動
●都道府県での家族大会を開催
●相談業務や施設の運営をしている所もあります

財団法人全国精神障害者家族会連合会(全家連)
 47都道府県と連携して全国レベルの連合会事務局を運営しています。

 全家連は1965年、精神障害者の家族によって設立された団体です。全国に精神障害者の家族会がありますが、全家連は家族会の連合体です。設立以来、精神疾患に対する偏見や差別をなくすための啓発活動や知識の普及をはかるための出版活動も積極的に行っています。また、厚生労働省など行政に対して、さまざまな働き掛けを行い、法律や制度の改正や創設に大きな役割を果たしています。
●国の行政への働きかけ、啓発活動
●全国家族大会や全国8ブロックで研修会を開催
●精神障害者に対する社会理解の促進・啓発に関する活動
●月刊「ぜんかれん」、季刊情報誌「Review」発行、各種の出版物を発行、ビデオ制作
●全国からの電話相談
●精神障害者福祉への啓発活動として、ラジオ番組「こころのボイスマガジン きっと元気に!」の提供
●授産施設や共同作業所の設置・運営(東京都台東区)
●「ハートピアきつれ川」…精神障害者が働く温泉ホテル/福祉施設の設置・運営(栃木県)

(全家連相談室編「知っておきたい福祉制度~精神疾患をかかえる人のために」(2006年4月1日発行、定価100円)より引用)

 ちなみに、全家連がさまざま手掛けていたことがらのうち、国への働き掛け等については、全福連が引き継ぎました。授産施設、共同作業所、ハートピアきつれ川については、2007年春から、別の運営主体の下で活動を継続しています。(黒)
by open-to-love | 2007-05-25 09:20 | 家族会 | Trackback | Comments(0)
県内の精神障害者家族会一覧(圏域別)

【盛岡】
NPO法人ユリノキ会(コスモス作業所内)
プラタナスの会(岩手保養院内)
みやま会(盛岡観山荘病院内)
クローバー会(都南病院内)
たんぽぽの会(喫茶ひだまり内)
ハートピュア盛岡(風の又三郎内)
助支安の会
福寿草の会(玉山支所健康福祉課内)
カッコウの会(滝沢村健康推進課内)
みやま寮いちごの会
しずくの会(雫石町保健センター内)
紫幸会(紫波町生活部福祉課内)
矢巾町あすなろ会(さわやかハウス内)
しらかば会(葛巻町健康福祉課内)
せせらぎ会(岩手町健康福祉課内)
ナナカマドの会(松尾村保健福祉課内)

【岩手中部】
花巻あけぼの会(ハッピー作業所内)
東和やまなみの会(東和三障がい連絡会)
杉生会
北和会(しらゆり工房内)
ゆだほっとの会(西和賀町保健福祉課内)
沢内家族会

【胆江】
水沢地区精神障害者家族会あゆみの会(ワーク水沢第2内)
えさしあすなろ会(えさしふれあい工房内)
いさわ福祉会(健康増進プラザ悠々館内)
和みの会(衣川区保健福祉センター内)

【両磐】
一関地区菜の花の会
県立南光病院家族会(県立南光病院内)
けやきの会(けやき工房内)
ふじの輪会(藤沢町役場内)
千厩むつみ会(千厩町保健センター内)
ひがしやま家族会(東山町保健福祉センター内)
むろねつつじ会(室根村保健福祉センター内)
かわさき虹の会(川崎村保健福祉課内)

【気仙】
大船渡あすなろ会(つばき工房内)
藤沢病院家族会(藤沢病院内)

【釜石】
つくし会(つくし共同作業所内)
さくら会(夢工房内)
遠野市精神障害者家族会連合会(多賀の里内)

【宮古】
いずみ会(宮古保健所内)
宮古山口病院家族会(宮古山口病院内)
龍泉会(きぼうハウス内)
新里精神障害者家族会やまびこの会(工房まんさく内)
川井村子供を守る親の会
コスモス家族会(田老保健センター内)
のんびり会(山田町社会福祉協議会内)

【久慈】
祐慈の会
はまゆりの会(普代村保健センター内)
さざなみの会(種市町保健センター内)
わさらびの会(野田村保健センター内)
ひばりの会(大野村保健センター内)

【二戸】
しあわせ友の会(しあわせ作業所内)
ふれあいの会(ふれあい作業所内)
すみれの会(九戸村役場内)
つばさの会(ほほえみセンター内)
北陽みちのく会(県立一戸病院内)
by open-to-love | 2007-05-06 13:25 | 家族会 | Trackback | Comments(0)
心理教育プログラム(基礎編)〜家族相談会の開き方〜

はじめに
 わたしたち(国立精神・神経センター国府台病院)が行っている「家族相談会」には、病院の医師・看護婦をはじめ、近隣の施設のコメディカルなど多くのスタッフが参加しています。しかし、保健所や市町村が主催していたり、地域で活動している団体の「家族相談会」では、スタッフの人数に限りがあり、保健婦や相談員・ボランティアなどが他の業務と掛け持ちでおこなうことが多いのが現状です。(医療機関でも多くはこのような現状だと思います)また、職員の移動等に伴って、同じスタッフが業務に続けて関わっていけないということもあります。
 医療機関などで行われる10回程度の相談会や毎月行われる相談会では、家族から提出されたテーマを続けて取り上げていくことも可能です。しかし、短期間で行われる相談会では、参加した家族同士の「情報交換の場」になったり、社会資源とのつながりや、普段感じられない「気づき」を得られることが大切になると思います。
 今回の研修では、国府台病院で行われている家族相談会の運営についてはもちろん、保健所・地域の家族会などでも、短期間に「気軽にできる相談会」の運営についても紹介していきたいと思います。

「家族相談会」で大切なこと

1)スタッフについて
 スタッフは、グループに2名以上参加していただきたいと思います。
 役割はグループを進行していく「リーダー」、グループ内で提出されたことをみんなに見えるように黒板やホワイトボードに書く「板書」です。その他に余裕があれば「コリーダー」と呼ばれるグループを一緒にすすめていく役割があります。
 グループは、リーダーが1人で進めていくというよりは、コリーダーや板書など、他のスタッフと共にグループを作り上げていけるとよいと思います。リーダーやスタッフがグループを手とり足とり進めていくという役割が強いと、家族がスタッフに依存的になってしまう事があります。最終的には家族が中心となってグループが進められる事が目標です。わからないことはグループの中で相談していく、スタッフの数がたりなかったら役割を家族が分担する、というような「自分たちで作り上げていくグループ」を心がけていってもよいと思います。

2)場と構造について
 患者さんを抱えながら生活し、ストレスや不安等を感じている家族にとって、家族相談会に参加すること・家から出て他の人と話をすることは大変なことです。
 家族相談会では、そのような家族にとって「役にたつ」「リラックスできる」「元気になれる」というような場を作っていかなければなりません。ここでは私たちが実際に行っている工夫を少し紹介します。
●名札の用意
●お茶の用意
●会報やニュースレターをつくる
●ご家族へのお誘いの電話
●毎回のアンケート
●情報提供の内容や、グループのルール・進め方をはっきりさせる

3)情報提供について
 国府台病院の家族相談会では、毎回パンフレットを用いて情報提供を行っています。OHPを用いて行うこともあります。大切なことはわかりやすい図やイラスト等をもちいて、情報が耳からだけではなく、目からも入っていくような講義をすることです。
 また、情報として伝えることの量を多くしないで、やや少な目にしています。ある家族から、「もっと教えてほしい。」と言われたこともありますが、かなり高齢の方も多く、「今日はこれが知れて良かった。」ということが毎回1つか2つあればいいいと思います。もっと知りたいということについては、例えば、そのことが載っている本を紹介するとか、薬についてもっと知りたかったら、どこに行って、誰に聞けば薬のことをより多く学べるのかというように、単に情報だけを伝えるのでなく、家族に「情報を得るための手段」等を伝えることによって、より多くのコメディカルや、施設の人等との交流をもつように促していくことも大切だと思います。
 情報提供は、4〜5回に分けて行うことができる場合もありますが、会の運営方法によっては1回か2回で行わなくてはならないこともあります。その運営方法に合わせた情報提供を行いましょう。
 国府台病院では4回で1クール、保健所では5回シリーズで情報提供を行っています。

4)時間について
 家族相談会は、1日かけて行うものと、午前か午後の半日で行うものとがあると思います。ここでは、両方についての時間の流れを紹介したいと思います。

1日
9時30分〜 全体ミーティング 各グループに別れて打ち合わせ
11時〜講義(情報提供)
12時〜 昼食と休憩
13時〜 グループワーク(120分)(終了後、各グループで振り返り)
16時〜 全体でクロージング(60分)
※グループワークに休憩が10分程度あり

午後
13時〜スタッフミーティング
13時30分〜 講義(30〜40分程度)
休憩・お茶などをはさむ
14時30分〜 グループワーク(90分)
16時〜 クロージング(30分程度)
※グループワークに休憩が10分程度あり

 はじめのミーティングでは、参加する家族やアンケートなどからの情報を確認したりします。参加するスタッフ全員が、どの家族が何の情報がほしいのか?どんなことを相談したいのか?など、「今日ここに来る」家族の情報を持っていることで、家族相談会の運営がスムーズになります。
 相談会の中では、昼食や休憩・お茶の時間のときなどに家族同士の交流があったりします。相談会は、ただ講義を聴いたり相談をするということだけではなく、家族同士が交流する時間を設けるということも大切です。意外にそのような時間で情報を得たり、家族同士のコミュニケーションがはかられ、楽になっていくということもあります。
 スタッフはこのような時間に場を離れて、家族同士がどのようなコミュニケーションをとっているかを観たり、孤立している家族がいたら、軽く声をかけてみることなどを心がけましょう。
 クロージングでは、グループやメンバーの様子について振り返り、次回の相談会などにつなげていきましょう。

5)スタッフの関わり
 家族相談会への関わりは、当日だけでなくその前から始まっています。
●ニューズレターや会報・アンケートを作成し郵送する
●アンケート結果や参加状況をまとめる
●電話で相談会への参加をお誘いする
●資料の準備
●会場準備
●お茶の準備
●受け付け
●講義の進行役
※その他にも役割があると思います。

グループでの役割を紹介します。
a)リーダー
 1人ですべて進める役割ではなく「グループの進行役」だと思ってください。グループの進め方やルールに沿って進めていきます。しかし、グループでは途中で迷ったり、止まったりすることもあります。そのような時は悩まず、リーダーがみんなに相談するようなモデルを示してもかまいません。また、時には場を進めるだけではなく、メンバーを笑わせたり、和ませたりするようなことをしてもよいでしょう。参加しているメンバーがリラックスできる環境を作っていくのも役割です。

b)コリーダー(CO:共)
 グループにおけるコリーダーとは、リーダーの補佐をするというよりは、リーダーとともにグループを進めていくという役割です。
 リーダーはグループの場を動かす(進行役)という事を中心に行いますので、先走ったり、余裕がなくなったりすることがあります。しかしコリーダーは複数で参加しているので、リーダーの進行のペースを調整したり(タイムキーパー)、参加しているメンバーの様子を見ながら話しをふってみたりします。
●リーダーとともに場を動かす。
●リーダーの言葉を補足したり、リーダーの言ったことを強調する。
●リーダーと言葉のキャッチボールをする。
●メンバーの様子をみる。参加しているメンバーの様子をみながら、声をかけたり話しをふったりする。
●話をふる。
●アイデアやアドバイスをメンバーとともに出す。選択肢が広がるように、ちょっと方向の変わったことを言ってみる。
●保護的な役割をする。一人で参加した家族や、孤立しているような家族に対し、近くに座ったりしながら安心してグループに参加できるようにする。
●進行のペースを確認する。タイムキーパーの役割。休憩のタイミングに注意する。
●言葉がけの例:どうですか? 同じような経験はありますか? 「それがどのように役立ったんですか」 そのような立場になったらどうしますか? 「あ、そんなこともありますよね」

c)板書
 心理教育では、板書を用いてグループを進行します。板書は、グループの中で進行をスムーズに行うための重要な役割の一つです。グループは板書のスピードに合わせて、進行します。メンバーが感情的になったり、話しが広がらないように、板書に注目させ、話題の焦点をあわせやすくします。グループが「今ここで、なにを」というように話題を共有する事に役立ちます。現在の状況・状態を書くことで、自分自身を振り返ることができます。相談者の事を書くのですから、もちろん、〝患者さん〟ではなく、〝私のこと〟という事に注目させるようにします。
言葉がけの仕方
●最初に「なるべくまとめて言ってくださいね。」「不慣れなので、ゆっくり話してくださいね」等言っておくと、メンバーは意外にまとめて言ってくれるときがあります。
●板書はなるべくメンバーの言ったことをそのまま書きます。スタッフがまとめようとしたり、感情が入ったりすると、メンバーが言ったことと違う事が板書されてしまうことがあります。
●患者さんの事を言っても、相談者の対応・問題・対処というように置き換えるように相談者に伝えましょう。
●「〜ですか?」「こんな感じですか?」と聞き返しましょう。
●何を書いていいのかわからなくなったら、一人で迷っていないで意見を出した方や、他のスタッフに聞き返しましょう。

板書で気をつけること

●板書することは、相談者の事です。テーマを共有したり、質問をしたときなど、意外に他のメンバーの状況や状態を書いてしまうものです。しかし、ここではあくまでも相談を出した人の状況・状態などを板書します。
●あれも、これもではなく、相談者の言葉を使ってみんなにわかりやすく書きましょう。

板書の1例(国府台病院)

相談したいこと

今の状況・状態




どのように進めたいかetc

アイデア・意見・アドバイスetc




本人の評価


グループセッションについて

 グループの進め方について説明していきます。
●グループが実際に動き始めるのは、準備の段階からです。「ルール・目的や進め方」を貼り、ホワイトボードを用意したり、椅子を馬蹄形に並べたりします。スタッフの座る位置を考えておく事もあります。ここでは、進め方の1例を出しますので、自分たちd相談会を行うときの参考にしてください。
a)グループのルールと目的を読む
 はじめにルールと目的を読みます。メンバーから見やすい場所にあるとは思いますが、最初はスタッフが示しながら行います。実際に読むのはスタッフでもメンバーでもかまいません。参加している全員が「このルールと目的」に沿ってグループを行っていくという確認が行えればいいと思います。
b)「よかったこと」を言いましょう
 ウオーミングアップとして行います。普段の生活の中で、よかったことやうれしかったことを言ってもらいます。家族は困難を抱えて参加される方が多く、どうしても悪い方へ考えがちです。しかし、グループの中では「悪い面」より「よい面」に注目していきます。明るい話題を出すということで、場の雰囲気を和やかにし、気軽に話せる環境を作ります。
 最初からなかなか「よかったこと」を話せるメンバーは多くありません。そこで、スタッフがモデルとして「よかったこと」「うれしかったこと」を言ってみましょう。大きなことより、小さなことで十分です。「食事がおいしかった。」「ここにこれて良かった」など身近なことでOKです。
 メンバーは悪い面を出すこともありますが、回数を重ねるごとに変化していくでしょう。患者さんのことも大切ですが、ご自分の事を語れるようにスタッフは聞いていきましょう。
c)相談したいことを出しましょう
 相談したいことを出してもらいます。「普段の生活で困っていること・知りたいこと・うまくなりたいこと」などです。
 最初は「患者さんのこと」を出す家族が多くみられます。しかし、家族相談会ということなので、家族自身の話ができるといいでしょう。もし、「患者さんが〜になったらいい。」とか、「患者さんの〜が困っている。」と提出したら、「それにどのように関わっているのですか?」「〜ということに対してどのようにご自分がなられたらいいのですか?」というような質問をして、問題を「ご自分自身のこと」というように変化させていきましょう。
 ここでは、語り始めると次から次へと話が終らなく、広がっていく方がいます。話を途中で切ったり、まとめていったりする工夫も大切です。そこで、この場面から板書を使っていきます。書いてわからなくなったり、長くなったりしてきたときは、板書役が「ちょっとゆっくり言ってください」とか、「まとめてくださいね」といったりしましょう。
 相談したいことは参加している家族に一通り聞いてみましょう。遠慮していたり提出するのが恥ずかしいというメンバーもいると思いますので。

d)取り上げる順番を決めましょう
 相談する順番を決めるのですが、大体2つから3つくらいが時間内で取り扱うには適当です。
 順番は全員で決めましょう。スタッフが決めてしまったり、リーダーシップを取って居るメンバーの意見だけで決めないようにしてください。いくつか提出されたテーマは、記録に残しておくといいでしょう。後日に持ち越したりすることもあります。
 ここまでで前半として考えてもいいでしょう。休憩を入れて後半に備えます。スタッフは提出されたテーマをどのように扱っていくのかということなど、休憩のうちに話していくといいでしょう。また、家族同士では、休憩時間に入ると提出したテーマについて話しているものです。

e)状況を整理していきます
 ここでは、テーマを参加者全員で共有するために、テーマを出した人の状況や、状態を板書していきます。
 スタッフは、「状況を説明してもらえますか?」と言い、まず本人から話してもらいます。ここですべての状況が他の人に伝わるわけではありません。自分で話せる範囲でいいと思います。次に参加しているメンバーがテーマについてわからない点を質問します。ここでは、一方的な話にならないようにします。自分の経験や体験を話してもらいながら、テーマを出した人がどうなのか聞いていきます。
 例えば、患者さんへの接し方についてのテーマで、「うちでは、ごろごろしているのを見ると、つい文句を言ってしまうんです」と他のメンバーが語った場合は、スタッフは「〜さんの家ではどうですか?」というように尋ねて相談を出した人から情報を出してもらいます。
 状況を整理していくときに、プラスの事・マイナスの事にわけて板書してもいいでしょう。あとでアドバイスなどをもらうときに、役に立ちます。

f)テーマについてみんなで話します
 状況が整理されたら、みんなで取り組んでいきます。質問などで自分の経験や体験を語ったりすることで、テーマが共有されてきたと思います。
①本人に状況を整理して、あらためてこのグループでどのようにしたいのか聞いてみる
 本人がある程度状況を整理してみて、自分がどうしたいのか答えられたら、それにそって他のメンバーからアドバイスや意見を聞きます。
②状況を整理しても、何となくどうしていいかわからないような時には、メンバーに「状況を見て、思ったこと、感じたこと等を言って下さい」と言う。
 なんだかわからない・はっきりしていないときには、メンバーから思ったことや感じたことを言ってもらいます。これは、テーマについて自分がどうしたらいいのかわからないときに、「本人の気づき」を引き出すのに役立ちます。グループに参加して、問題について気づくことで何かのきっかけになるのではないかと思います。

g)結論を言います
 ここでは相談者が〝自分がどのようにしていきたいか〟という事をみんなに伝えてもらいます。
 必ず「こうしていく」という事ではなく、相談をして気づいたことや、役立つと思えることなどを伝えてもらいます。この時にスタッフにとって「えー、それは…。」と思うようなことを選んだとしても、その人の選択した結論として尊重しましょう。
 大切なのは、選んだことや気づいたことを、この先どのように取り組んだり、体験していくかだと思います。次の会で報告してもらったりすることで、次の段階に進んでいくと思います。

h)感想を言いましょう
 参加した人全員に、グループの感想を言ってもらって終わりにします。グループは日常と違う場ですので、少し気持ちが高ぶっていたりすることもありますから、クールダウンして日常にかえるようにします。スタッフは感想に対して、一言でいいですからかえすようにしましょう。グループでのこと、発言についてのことをねぎらったりしましょう。肯定的にかえすことで次回もグループに参加したいな。という感じが生まれます。

症例から
 ここでは、保健所で行われた家族相談会で提出されたテーマについて事例を出してみます。
 事例は、子供について困っているとテーマを出した、お母さんの事例です。実際に板書したことを書いてみました。

テーマ
注意をすると「せめる」と言われる
※注意の仕方が知りたい
状況)
●「お風呂に入りなさい」と言うと、本人は自分を責めると言ってしない
●たばこは1日4箱吸っている
●服の着替えをしない(昼夜同じである)本人は困ってないようだ
●食事の後片付けをしない
●歯磨き洗面をしない
●本人に言わないこともあるが、気になってしまう
●トイレの流しの後始末が気になる
●外出はしっぱなしである

結論(気づいたこと)
自然に任せ、自分自身の健康を守って行く
思ったこと・感じたこと)
●かまいしすぎではないか
●両親が楽しみを見つける
●がみがみ言わない
●少しづつ言う
●明るく声をかける
●自然に任せる
●今はこのような時期である
●気長に待つ
●いいところを見つける
●自分のことを大事に思う

※このお母さんは、注意の仕方が知りたいということでしたが、状況から他のメンバーが気づいた点からの結論は「自然に任せ、自分自身の健康をまもっていく」でした。
 グループのあとに話をしたら、「近頃自分自身が疲れていたんですよね。本人をどうしようというより、自分の健康管理を今は考えることですよね。それに気づきました」と言っていました。

グループのプロセス
 家族グループでは、家族相互の交流を重視しながらグループを進めていくように心がけます。
 参加している家族がグループの進め方やパターンに慣れて、お互いの経験や体験を知ったり、助け合うというような体験をできるようにしていきます。家族相談会はいつまでもスタッフが手助けすることもありますが、自分たちで相談できるということを考えていくことも大切です。
 ここでは、10回程度で行う相談会についてまとめました。

導入 1から2回
●グループの構造や、雰囲気などに慣れてもらう時期
「悩みを抱えているのは、我が家だけではない。参加しているメンバーも同じような悩みや、辛い気持ちがあるんだ」ということを感じる。
 この場では、責められることはない、安心して自分を語れることができる。
 家族の孤立感・罪悪感・偏見をもたれている気持ちを和らげることができる。
●このグループに参加して「何ができるようになれるといいか」「どんなことがかかわれるといいか」等、最初に聞いておくといいでしょう。
スタッフのかかわり:家族が病気になり、「これからどうしていけばいいのか」という気持ちを持ちながら相談会に参加します。初めて会ったメンバーやスタッフに心を許せる余裕もないでしょう。この時期にスタッフはメンバーに、出席してくれた事への感謝や、励ましなどする事によって、安心感を持たせるように心掛けます。
 また、一人で参加した家族に疎外感を受けさせないように接したり、構造をていねいに紹介することによって、みんなが語れるような場をつくり、交流しやすいようにもっていきます。

中盤 3から6回
●進め方に沿って、個々の問題をみんなで一緒に考えていこうという時期
 お互いにテーマを出し合ったり、問題を考えたりします。テーマを出した人は、「助けられた・役にたった」という気持ちになり、意見を出した人は、「助けた・役に立った」という気持ちになります。この時期では、それぞれの問題について参加している家族同士で相談しあっていくことで、家族の相互交流も活発になってきます。
 また、他の家族に対して、助言したり関与したりする体験を通して、自らの家族の逸脱したコミュニケーションを修正するのに役立ちます。
スタッフのかかわり:この時期になると、家族同士で話を始めたり、中心的存在になる家族が出てきたりします。スタッフは家族同士の調整役をしたり、グループを進めること・場を動かすことを行い、家族同士の相互交流を促進するように心掛けます。

終盤 7から8回
●家族会修了後のことを考えながら進めていく時期
 そろそろ相談会の修了が意識され始める時期です。個別のテーマも出ますが、グループ終了後のことが話題に上ったりします。この時期は、スタッフ抜きで家族が個別に交流したり、普段の生活や、患者さんの事や抱えている問題についてを話す事もあります。
 グループが終了すると、専門家と呼ばれる人たちと離れ、自分たちでグループを続ける事を考えたり、地域の家族会などのセルフヘルプグループに結びつけることなどを考えていくようになります。また、参加している個々のメンバーが個人的に今後どのようにしていくかを考えていく時期でもあります。
 グループが終了した後の本人の希望する援助について話し合うことも大切です。
スタッフのかかわり:家族相談会終了後のことについて話が出てきます。終了後に「参加しているスタッフが中心となってグループを続けてもらいたい」とか、「集る場所を確保してほしい」と言うことが多く聞かれます。スタッフは、グループ終了後の事を何でもすべて受け入れてしまうのではなく、グループを運営していくのはあくまでも当事者であり、グループ終了後に自分の関われる範囲を明確に示していかなければいけないと思います。(2007年3月 仙台市での講習会資料)
by open-to-love | 2007-05-06 00:55 | 家族会 | Trackback | Comments(0)

家族会の歴史

 さて、みなさま。そもそも家族会とはなんでしょうか。その役割は、参加したことのある方にとってはいまさら言うまでもありません。発病によって本人も、家族も、親族もしっちゃかめっちゃかになっているとき、その辛さがわかる人たちが寄り添い合って、辛さや悩みを語り合い、ともに支え合う場ですよね。
 その歴史的経緯については、あまり知られていません。ここに、最も客観的であると思われる記述を紹介します。家族向けというより、精神科医を目指す医学生向けの本です。4935円もします。医学コーナーの本、なんでこんなに高いんでしょうね。
精神医学講座担当者会議監修、佐藤光源、井上新平編「統合失調症治療ガイドライン」(医学書院)の第3章「治療法の解説」Ⅲ法的事項、社会制度、社会資源/D自助グループ a.患者会、家族会の歴史、組織、活動からの引用です。

a)家族会の歴史とその特徴

(1)歴史の概要 わが国の精神障害者家族会(主要な構成員は統合失調症の患者をもつ家族)は、1960年前後に誕生した。一部は病院から生まれ、一部は病院外の地域で生まれた。病院から生まれたものは、医療スタッフ主導で取り組まれたものが主流であったが、地域で取り組まれたものは病院。保健所、市町村役場、家族の合作であった。これらの誕生から間もなくの1964年、偶発した統合失調症を患うとされた少年による駐日米国大使刺傷事件(注・いわゆる「ライシャワー事件」)を契機に、管理的手続きを強めようとする政治的圧力に抵抗するために、精神科医と精神障害者の家族による全国組織結成の機運が高まり、1965年、全国精神障害者家族会連合会(全家連)が発足した。その形成過程は、極めて早急、かつ、上部から下部への組織化であったが、その後、主には保健所の活動と平行して、当初は病院家族会が、次いで地域家族会(多くは保健所か市町村役場を基盤とするもの)がしだいに増え、近年は家族会自身の力も加わって今日の数になった。

(2) 特徴 家族のグループには、自主的な家族会以外に、家族教室、社会復帰教室などとよばれる医療施設や保健所、市町村がバックアップする専門家主導の期間を限っての活動もあるが、多くの家族会は単位家族会、連合組織を問わず、一部に要求団体としての機能を持ち、一部で知る・共同して力を蓄えるなどの内部的な機能を備えている。出発点で海外にモデルがなかったこともあり、わが国の伝統的な患者組織の流れを受けている。そのうえで、極めて重要なこととして、患者である家族の病状の不安定さからくるストレス状態からの解放を模索する場ということが加わる。この点は、家族会を考えるうえで忘れてはならない点となっている。

b)家族会の組織と活動
 2002年3月現在、病院家族会188カ所、地域家族会1672カ所を数えるに至っている(精神障害者社会復帰センター:社会資源名簿2002)。1965年の全家連結成当時、家族会はわが国固有の産物という認識が強く、見比べるのは国内の他の当事者活動であった。しかし、その後、アメリカで精神障害者家族、精神障害者本人、ボランティアなどを含むNAMI(the National Alliance for the Mentally Ⅲ、1979)、イギリス、カナダで、親、きょうだいその他の家族、障害者本人、友人らで構成されたNSF(National Schizophrenia Fellowship、1972)、CFOS(Canadian Friends of Schizophrenics、1978)がつくられ、急速に発展してそれぞれ政府に強い影響を及ぼすようになり、全家連も大きな影響を受けるようになった。すなわち、組織として運動の強化とともに、家族のための統合失調症ハンドブックや家族講座シリーズの発刊、機関誌での薬の解説など病気を知る努力に力を注ぐようになった。全家連独自の展開としては、精神障害者本人と家族に関する全国レベルのニーズ調査を繰り返し行っていることなどがある。(285~287ページ)

ポイントは、政治的圧力、極めて早急、上部から下部への組織化、でしょうね。
全国レベルのニーズ調査を繰り返しているとのことですが、この1年はそういう話を聞きません。会員の高齢化とともに組織が形骸化し、なかなかできなくなってるんじゃないでしょうか。
岩手県内のニーズ調査、やらなければならないと思います。こんなに困っていると主情的に訴えるだけじゃダメで、その思いは、やっぱり統計的に裏付けられたものでなければ説得力がない。
by open-to-love | 2007-04-14 13:05 | 家族会 | Trackback | Comments(0)