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カテゴリ:精神保健医療福祉の更なる改革…( 3 )

精神保健医療福祉の更なる改革に向けて(概要)…2

■精神保健医療体系の再構築

□①入院医療の再編・重点化

○患者の状態像や病棟の機能に応じた人員基準・評価の充実、医療法に基づく人員配置標準の見直し等による 精神病床の医療の質の向上。

<統合失調症>

○今後減少が見込まれる統合失調症の入院患者の減少を一層加速。

※入院医療の充実による一層の地域移行、精神科救急医療や在宅医療等の地域医療の充実、障害福祉サービスの一層の計画的な整備等の施策を推進。

※平成26年の改革ビジョンの終期において、平成27年以降における更なる減少目標値を設定し、各般の施策を展開。

○高齢精神障害者の適切な生活の場を確保するため、介護保険サービスの活用等について検討。

<認知症>

○認知症高齢者をできる限り地域・生活の場で支えるという観点や、認知症の専門医療機関の機能を更に明確化・重点化する観点も踏まえて、精神病床や介護保険施設等の入院・入所機能とその必要量等を明確化。

○BPSD(認知症の行動・心理症状)や、急性期の身体合併症を伴う患者に対応する専門医療機関の確保。

○介護保険施設等の生活の場の更なる確保と適切な医療の提供、介護保険サービスの機能の充実等について検討。

※生活の場の更なる確保に当たっては、既存の施設に必要な機能を確保した上で、その活用を図るという視点も必要。

<身体合併症>

○いわゆる総合病院精神科における、精神病床の確保、機能の充実等、一般病床における精神・身体合併症患者の診療体制を確保。

□②疾患等に応じた精神医療等の充実

○気分障害の早期発見、診断のための、内科医や小児科医等との連携の推進、診療ガイドライン等の作成等による医療の 質の向上。

○依存症に対する医療の機能強化、依存症のリハビリ施設や自助グループの支援のあり方の検討等、依存症患者の回復に向けた支援に係る総合的な取組の強化。

○児童・思春期精神医療に専門的に対応できる医師数の拡大、専門病床・専門医療機関の確保や身体合併症への対応等の医療提供体制の拡充。

□③早期支援体制の検討

○ 若年者が統合失調症を発症した場合の重症化の予防等のため早期支援体制の構築に向けた段階的な検討の実施。

※ まず、モデル的な実施に着手。その検証を踏まえ、普及について検討。

○精神医療の質の向上の取組とあわせて、支援を適切に行うことのできる体制の整備を進めつつ、慎重に早期支援体制の検討・具体化を進める。

□④地域精神保健医療提供体制の再編と精神科医療機関の機能の強化

○救急医療、在宅医療等の充実を通じた、患者の身近な地域を単位とする地域医療体制の整備・確保。

○加えて、大まかに次のような機能を担う精神科医療機関が必要(あわせて地域医療体制との連携体制の構築)。
・ 高次の精神科救急を行う精神科病院
・ いわゆる総合病院精神科
・ 高齢者の診療を行う精神科病院
・ 極めて重症な患者に対し手厚い治療を行う精神科病院(ただし、若年患者の入院率や、諸外国の例から考えると、必要な病床数はごく限定的)
・ その他の専門的な医療機能(児童思春期、依存症等)を有する精神科医療機関

○医療計画のいわゆる「4疾病5事業」(特に5事業)として精神医療を位置付けることについて検討。

○地域精神保健の機能の底上げを図るため、地域精神保健を担う行政機関である市町村、保健所、精神保健福祉セ ンターの機能のあり方と連携体制の明確化、機能強化等について検討。

○自殺防止対策の観点も踏まえた、地域精神保健の機能の充実を図るための地域レベルでの連携の強化。

□⑤精神科医療機関における従事者の確保

 精神病床における人員の充実・確保に加え、長期入院患者の病棟等の医療従事者と比べ、在宅医療、救急・急性期医療、 精神・身体合併症に対する医療、各領域の専門医療など、今後需要の見込まれる分野の医療従事者が相対的に増加するよう施策を推進。

■精神医療の質の向上

□①精神科における診療の質の向上

○難治例等を除き標準的な治療が実施されるよう、広く普及できる精神医療における診療ガイドラインの作成・普及等を実施。

○ 特に、統合失調症に対する抗精神病薬の多剤・大量投与については、改善を促すための方策について検討。

□②精神科医をはじめとした医療従事者の資質の向上

 精神科領域における専門医制度の定着、医療従事者の資質の向上のための研修等の一層の推進。精神保健医療の現場でニーズの高まっている心理職の一層の活用のための方策等についても検討。

□③研究開発の更なる推進・重点化

 国民の疾病負荷の軽減のための精神疾患の病態の解明や診断・治療法に関する研究をはじめ、基幹的な研究機関を最大限に活用しつつ、研究を推進。
by open-to-love | 2010-08-03 21:27 | 精神保健医療福祉の更なる改革… | Trackback(1) | Comments(0)
精神保健医療福祉の更なる改革に向けて(概要)…3

■地域生活支援体制の強化

□①地域を支える医療機能の充実・強化

○都道府県による精神科救急医療体制の確保等の制度上の位置付け、精神科救急と一般救急との連携の強化、精神 科医療施設の機能強化等による精神科救急医療体制の充実。

○都道府県等による精神科救急医療体制の確保への精神保健指定医の協力に関する制度上の規定の追加。

○未受診者や治療中断者等の在宅の患者への訪問診療、家族への支援等を行う多職種チームによる危機介入等の支援体制の強化
※モデル的な事業の実施・検証を経て、整備を推進。

○訪問看護ステーションの一層の活用をはじめとする訪問看護の機能強化等の在宅医療の充実

○急性期や回復期における医療としての機能を強化したデイ・ケア等の整備等の精神科デイ・ケア等の重点化。

□②障害福祉サービス等の拡充

○総合的な相談を行う拠点的な機関の設置、病院からの退院等に向けた支援・民間住宅等への入居時の支援や地域 生活における24時間の支援等の充実等の相談支援の充実・サービス利用計画の対象者の拡大等によるケアマネジメント機能の充実。

○グループホーム・ケアホームの整備促進、公営住宅への入居促進等による住まいの場の確保。

○国・地方自治体における行政プロセスへの参画の促進、ピアサポートの普及、地域移行支援の取組への参画の促進等、精神障害者の視点に立った支援体制の充実。

○家族同士のピアサポートの普及、交流の促進を図る場の確保や一時的な休息(レスパイト)を提供する機能の普及等を通じた、効果的な家族支援の一層の推進。

■普及啓発(国民の理解の深化)の重点的実施

○精神障害者同士のピアサポートの推進等を通じた精神障害者本人への啓発の推進

○地域移行の着実な実施、地域レベルでの精神障害者と住民との交流活動の推進等、精神障害者の視点を重視した啓発や精神障害者本人から学ぶ機会の充実

○精神疾患の重症化の防止を図る観点から、学校の生徒等の若年層とそれを取り巻く者を対象とした、適切なメッセージと媒体による普及啓発の実施
※学校教育分野との連携や必要なサービスの確保等が必要。

○ 新聞、テレビ、雑誌等の報道関係者に向けたものを含めた、治療法、支援策や研究成果等についての情報発信の充実

■改革の目標値

□①改革ビジョンの目標設定に関する評価

<「受入条件が整えば退院可能な者」について>

○3年に1回実施される調査における主観的な調査項目に基づいており、以下のような課題がある。
・ 入院医療の急性期への重点化や精神医療の質の向上により、退院のハードルが下がるほど、かえって数値が大 きくなることが予想され、その数値が統計上ゼロとなることは期待できない。

○経年的な施策の根拠としては、その効果や達成状況を適時に把握することができる別の客観的な指標が必要。

<精神病床数について>
○病床数の適正化による人員配置の充実、医療の質の向上に向けて、今後も引き続き誘導目標として掲げることが適当。

□②今後の目標設定に関する考え方

○「受入条件が整えば退院可能な者」に替わる指標として、「統合失調症による入院患者数」を、特に重点的な指標として位置付け目標値を設定し、定期的かつ適時に把握できる仕組みを導入。
○認知症については、精神病床や介護保険施設等の入院・入所機能のあり方とその必要量等や、介護保険施設等の生活の場の更なる確保と介護保険サービスの機能の充実について検討を行い、平成23年度までに適切な目標値を設定。
○障害福祉計画における目標値についても、新たな目標値や、障害福祉サービスの整備量に関する目標との整合性を図りつつ、見直しを実施。
○上記の目標達成に資するような個々の施策の実施状況等についても別に目標値を設定。

□③今後の目標値について

I 新たな目標値(後期5か年の重点施策群において追加するもの)

◎ 統合失調症による入院患者数:
 約15万人 (平成17年との比較:4.6万人減)

◎ 認知症に関する目標値(例:入院患者数 等):
 平成23年度までに具体化する。

II 改革ビジョンにおける目標値(今後も引き続き掲げるもの)

◆ 各都道府県の平均残存率(1年未満群)に関する目標:24%以下

◆各都道府県の退院率(1年以上群)に関する目標:29%以上
・ 上記目標の達成により、約7万床相当の減少が促される。〔誘導目標〕
・ 基準病床数の試算

平成21年現在:31.3万床
平成27年(試算):28.2万床
※現在の病床数(平成19年10月)との差:6.9万床

※精神病床数については、都道府県が医療計画の達成を図り、又は、個々の医療機関が患者の療養環境の改善、人員配置等の充実を通じて医療の質を向上させる取組を直接に支援し促す方策の具体化を目指す。

※疾患毎の目標値等の策定・進捗状況等を踏まえて、医療計画の基準病床数算定式について、更なる見直しを検討する。
by open-to-love | 2010-08-03 21:27 | 精神保健医療福祉の更なる改革… | Trackback | Comments(0)
精神保健医療福祉の更なる改革に向けて(概要)…1

精神保健医療福祉の更なる改革に向けて (今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会報告書)概要

 平成16年9月に策定されました「精神保健医療福祉の改革ビジョン」における「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本的方策を更に推し進め、精神保健医療福祉施策の抜本的見直しのための改革ビジョンの後期5か年(平成21年9月以降)の重点施策群の策定に向けて、昨年4月より、「今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会」を開催し、検討を行ってきたところですが、今般、別添の通り「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて」(今後の精神保健医療福祉のあり方等に関する検討会報告書)が取りまとめられましたので、お知らせいたします。(2009年9月24日・厚生労働省)

■今後の精神保健医療福祉改革に関する基本的考え方

 「地域を拠点とする共生社会の実現」に向けて、「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本理念に基づく施策の立案・ 実施を更に加速。

■ 改革の基本的方向性

□精神保健医療体系の再構築

○人員の充実等による精神保健医療水準の向上

○精神医療の提供体制を、入院医療を中心とする体制から、精神障害者の地域生活を支える機能(訪問診療、訪問看護等)を中心とする体制へと再編

○病気や疾患等に応じた、病床の機能分化や地域における精神医療提供体制の姿の提示

○統合失調症、認知症、身体合併症を軸とした入院医療の再編・重点化

○統合失調症患者の地域移行の更なる推進、認知症等の高齢精神障害者への介護保険サービスの活用等を通じた精神病床数の適正化

□精神医療の質の向上

○薬物療法をはじめとする標準的な治療の実施を促すための取組の更なる推進

○精神疾患の原因や実態の解明等の研究開発の推進

□地域生活支援体制の強化

○精神科救急、在宅医療等、精神障害者の地域生活を支える医療体制の一層の充実

○相談支援・ケアマネジメント機能の充実強化、障害福祉サービス(住まいの場の確保、就労支援等)の拡充

○精神障害者同士、家族同士のピアサポートの普及等、精神障害者・家族の視点に立った支援体制の構築

□普及啓発(国民の理解の深化)の重点的実施

○精神障害者本人に対する啓発に加え、地域移行を円滑にするための普及啓発の方策の具体化

○国民一般を広く対象とする普及啓発から、疾患や年代、対象者といったターゲットを明確化した普及啓発への重点化

□今後の課題

○家族の同意による入院制度・保護者制度のあり方、未治療・治療中断者等への医療的介入のあり方等の精神保健福祉法の課題に関する検討に着手すべき。

○改革ビジョンの後期5か年の重点施策群の策定とともに、新たな重点施策群の策定や目標値の設定等の対応を図るべき。

■今後の精神保健医療福祉改革に関する基本的考え方

□地域を拠点とする共生社会の実現

○国民の生活の本拠は住み慣れた地域であり、精神障害者も、当然に、国民・地域住民の一人として、本人が望む生活を安心して送ることができるような地域社会の構築。

○医療、福祉等の支援についても、精神障害者の住み慣れた地域を拠点とし、精神障害者同士の支え合いを重視しながら、本人の意向に即して、本人が充実した地域生活を送ることを見守り、応援するという理念の下で行われることが必要。

□入院医療中心から地域生活中心へ

<精神保健医療福祉の改革ビジョン 基本方針(平成16年9月)>

 当事者・当事者家族も含めた国民各層が精神疾患や精神障害者について正しく理解を深めるよう意識の変革に取り組むとともに、地域間格差の解消を図りつつ、立ち後れた精神保健医療福祉体系の再編と基盤強化を今後10年間で進める。

□今後の精神保健医療福祉改革に関する基本的考え方

○現在の長期入院患者の問題は、入院医療中心であった我が国の精神障害者施策の結果であり、行政、精神保健医療福祉の専門職等の関係者は、その反省に立つべき。

○精神保健医療福祉に関しては、今後、障害者権利条約等の国際的な動向等も踏まえつつ、「地域を拠点とする共生社会の実現」に向けて、「入院医療中心から地域生活中心へ」という基本理念に基づく施策の立案・実施を更に加速すべき。

○長期入院患者等の地域移行の取組を更に強力に推し進めるとともに、今後新たな長期入院を生み出さないという基本的な姿勢に立って、施策を推進すべき。

■精神障害者の状況

□全般的状況(出典)患者調査(平成17年)

○精神疾患患者数:302.8万人(H11年以降、特に、外来患者数が著しく増加)

○精神病床の入院患者数:32.4万人(近年、32万人台で推移)

○外来患者数:267.5万人

□外来患者の状況

○うつ病を含む気分(感情)障害が最も多く(89.6万人)、近年では気分障害と認知症が急増(H11年比:気分障害 115%増、認知症153%増 )

□入院患者の状況

○統合失調症患者が減少する一方、認知症患者が増加(平成11年比:統合失調症7%(1.5万人)減、認知症42%(1.5万 人)増)。

○精神病床における統合失調症入院患者数は、平成26年には17.2万人(対平成17年 2.5万人減少)、更に平成32年に は14.9万人(対平成17年 4.7万人減少)となると推計される。

○65歳以上の高齢者の割合が増加を続けている(13.9万人)。
 →今後は、入院患者の高齢化も念頭に置きながら、統合失調症患者を中心に地域生活への移行及び地域生活の支援を一層推進するとともに、増加する認知症患者への入院医療のあり方の検討を行うことが課題。

○新規入院患者の入院の短期化が進む(ただし、認知症患者では長期化傾向)一方で、長期入院患者の動態は大きく変化していない。
 →急性期医療の充実、地域資源の整備による、早期退院の促進、新たな長期入院の抑止、長期入院患者の地域移行の促進が課題。

○入院患者の約14%が、身体合併症の入院治療が必要、高齢患者のADL、IADLの低下が顕著。
 →精神障害者の高齢化が進む中で、精神・身体合併症への対応機能の強化、高齢精神障害者にふさわしい生活の場の 確保が課題。

□受入条件が整えば退院可能な患者の状況

○改革ビジョンでは、「受入条件が整えば退院可能」な患者(約7万人)について、10年後の解消を図るとしている。

○平成17年の調査では、「受入条件が整えば退院可能な患者」は約7.6万人(精神病床の入院患者の23%)となっている。
・入院期間:5年未満の患者 約6割
 年齢:65歳以上の患者 約4割
 疾患:統合失調症患者 約6割、認知症患者 約2割
by open-to-love | 2010-08-03 21:25 | 精神保健医療福祉の更なる改革… | Trackback | Comments(0)