精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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カテゴリ:ケアマネジメント( 13 )

野中猛著『心の病 回復への道』
(岩波新書、2012年6月21日刊行、240ページ)
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 職場で学校で、大きな問題となっている心の病。なぜ人は心を病むのか? どのような対処が適切で、回復には何が必要なのか? チームケアに取り組む精神科医が、身近な具体例と共に、精神障害者のおかれた歴史、精神医学の最新知見や、日本・世界の新たな潮流を紹介する。ハウツーにとどまらず、心にしっかり効く一冊。

目次
第1章 心の健康の危機―21世紀の課題としての精神疾患
第2章 対策はどう変わってきたか―小さな精神病院の実践から
第3章 もしも精神疾患を発症したら―相談窓口と治療法
第4章 生活をとり戻す―リハビリテーションの現在
第5章 世界では、いま―精神疾患はどうとらえられているか
第6章 これからの精神保健―真のリカバリーのために

※野中猛先生のご冥福を、心よりお祈り申し上げます。(黒田)
by open-to-love | 2013-08-13 18:22 | ケアマネジメント | Trackback | Comments(0)
『ケアマネジャー』2011年7月号 特集「東日本大震災 被災地の今と新たなニーズ」
(中央法規、2011年6月20日発行)
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 3月11日に発生した東日本大震災から約3カ月が経過した。死者・行方不明者総数が2万人を超える未曾有の大災害。地域では一体何が起こり、ケアマネジャーはどう動いたのか。被災地の今を見据えながら、災害時、相談援助職に何ができるのかを考える。

【カラーグラビア】
■ View Finder:計画的避難区域が線引きされた町
■ ようこそ!:和歌山県介護支援専門員協会西牟婁田辺支部

3.11――地域で何が起き、ケアマネジャーはどう動いたか
災害時、相談援助職に何ができるのかを考える
Chapter1座談会・災害と相談援助
Chapter2福島レポート・いま何が起きているか
Chapter3被災地の職能団体の取り組み
Chapter4災害時の動きと備えておきたいこと

新連載「自分が変わる 職場が変わる きらりと光るプロフェッショナルの仕事のルール」
久田則夫

ルール1:職場をよりよき方向に導くには建設的批判受容力と建設的批判提示力の習得が欠かせない

【ケアマネジメントの現場】
■ 在宅支援の現場から:西原恵子さん(愛知県名古屋市)
  利用者・家族の自立と安心のため 必要な資源・情報をつぶさに整える
■ ルポ・居住系ケアマネジメント:五色・サルビアホール
    「その人らしさ」を現実とするケアを目指して

【スキルを磨く】
■ しごとのエッセンス:吉田光子 アセスメント(3) 絵解き
■ Wノリコのつなぐソーシャルワーク:寺本紀子・馬渡徳子 か・つ・ら?
■ 臨床力・実践力を身につける気づきの事例検討会(3)
  臨床力・実践力を身につける気づきの事例検討会:渡部律子、前川嘉彦
  基本ルールを守り、仲間とともに取り組む

【基礎力を養う】
■ 高室流 10のマネジメント:高室成幸 Vol.3「会議の進行の仕方」
■ 認知症ゼミナール:玉井 顯「先進地域の認知症の早期発見・早期対応システム」
■ ケアプランの書き方・考え方:専門職に無理と見立てられた「在宅復帰」を可能にする挑戦状
■ 訪問医が教える医療知識:苛原 実「関節リウマチ」

【エッセイ&物語】
■ 老いのパンセ:竹中星郎 介護の医療化(4)

【制度の動き】
■ どう変わる?介護保険:平成24年度改正の道筋と論点を整理する(9)
■ 定点観測:介護保険法改正案が衆院通過、総合事業導入に軽度者抑制への懸念
■ 服部万里子の今月のワンテーマ:定期巡回・随時対応型訪問介護看護で充分なケアマネジメントを実践できるのか

【被災地支援レポート】
■ NPOもんじゅ奮闘記(2)
by open-to-love | 2011-08-13 22:32 | ケアマネジメント | Trackback | Comments(0)
野中猛著『ケアマネジメント実践のコツ』
(筒井書房、2001年)

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 日本の現場で各種のケアマネジメントを実行するために重要なチームワーク、カンファレンス、訪問面接、連絡調整、情報の記録と加工などの作業についての技術等の要点を収録。アセスメント表・プランニング表付き。

目次

序章 ケアマネジメントの要点

第1編 ケアマネジメント実践の技術

 1 ケアマネジメント実務に必要な技能
 2 会議室のつくり方
 3 多職種とのつきあい方
 4 面接のしかた
 5 事例検討会の準備
 6 司会の役割
 7 ニーズのアセスメント
 8 セルフケア能力のアセスメント
 9 環境のアセスメント
10 プランニングの手順
11 支援の実行と調整
12 見守りと見直し
13 支援の評価と再設定
14 情報の記録
15 現実的な事例検討の工夫
16 資質の向上
17 スーパービジョンの要点

第2編 ケアマネジメント技術の追究

 1 チームカンファレンスの必要性と進め方
 2 在宅訪問における面接の基本
 3 情報の記録と加工
 4 実践のコツを学ぶコツ

付録 アセスメント表とプランニング表ー佐藤光正

あとがき
by open-to-love | 2011-01-29 21:48 | ケアマネジメント | Trackback | Comments(0)
デイビッド P.マクスリー 著、野中猛・加瀬 裕子訳 『ケースマネジメント入門』
(中央法規、1994年)

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 高齢者の在宅ケアをはじめ、身体や精神に障害をもつ人たちを地域の中で支える大切な活動の新しい技能がケースマネジメントである。その理論と実践が著者の豊富な経験に基いて分かり易く書かれている。

目次

監訳者まえがき
謝辞
著者紹介:この本の著者であるデイビッド・P・マクスリー博士(David P・Moxley Ph.D.)は、ミシガン州デトロイトにあるウェイン州立大学ソーシャルワーク大学院の助教授である。対人サービスの分野における彼の経験は、臨床活動、管理運営業務、研究と評価、そしてコンサルテーション活動にわたる。学校年度の1988年から89年まで、マクスリー博士は、ミシガン大学ソーシャルワーク大学院において、国立精神保健研究所の研究員であった。著者の、ケースマネジメント、コンサルテーション活動、ソーシャルワークの教授法に関する実際の経験が本書に盛り込まれている。

第1章 対人サービスのケースマネジメント

第2章 サービスと支援のニーズに関するアセスメント

第3章 サービス支援計画の展開

第4章 ケースマネジメントの直接サービス機能

第5章 ケースマネジメントの間接サービス機能

第6章 ケースマネジメントのモニタリング機能

第7章 ケースマネジメントの評価機能

第8章 効果的なケースマネジメント:実践の指針

あとがき
索引
訳者一覧
監訳者紹介
by open-to-love | 2011-01-25 21:44 | ケアマネジメント | Trackback | Comments(0)
精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その6

■6■おわりに…その6

 精神障害者に対しては、第一に、未だ社会的偏見、差別も強く、(また、長らく収容医療を中心とした施策が行われてきたため)、その社会復帰・福祉施策については、身体障害者や知的障害者のそれと比べて、著しい遅れがあります。このため、各種の施策を有効に組み合わせて活用を図るというケアマネジメントの理念に対しては、マネジメントすべき施策が整っていない、という基本的背景・状況を重視しなければなりません。
 また、第二に、精神障害者の社会復帰施策は、措置ではなく、施設長と利用者の利用契約の形式をとっています。また身体障害者や知的障害者の福祉施策の実施主体が市町村に一元化されているのと異なり、精神障害者福祉施策の実施主体は、多元的です。このため、ケアマネジメントの実施にあたっては、実施機関の問題が大きな論点となります。
 さらに、ケアガイドラインは、施設サービスの質の向上を目的とした使い方もできます。アセスメントを通して、利用者の抱える問題点が各スタッフに対して明らかとなり、チームアプローチもより的確になるメリットがあります。今後、ケアアセスメントの活用方法と、個別の施設におけるケアの内容についてのガイドラインを検討することも必要と思われます。

大島巌著『ACT ケアマネジメント ホームヘルプサービス 精神障害者地域生活支援の新デザイン』(2004年、精神看護出版)
by open-to-love | 2010-08-19 20:04 | ケアマネジメント | Trackback | Comments(0)
精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その5

■5■ケアマネジメントと医療

(1)ケアマネジメントにおける医療の位置づけ

 本ガイドラインは必要な医療が維持されることを前提としています。精神障害の特徴は障害が固定していないことです。医療の必要性が高まる時期が繰り返されることが少なくありません。それゆえ程度の差があれ、医療サービスが継続して提供されることが重要です。少なくとも長期にわたる服薬が必要であり、症状が軽減した状態で安定していても、再び医療を必要とする状態になる可能性があります。
 すなわち、必要なサービスを医療と福祉に大別すれば、その比率は様々であっても、常に両者が併せて提供される必要があるのです。したがって、ケアマネジメントにおいても必要な医療が確保されていることが重要です。

(2)主治医の位置づけ

 主治医が利用者に医療を提供していますので、多くの場合、ケアマネジメント中でも継続的に必要な医療が提供されます。原則として、医療を受けていない者は、ケアマネジメントの対象となりません。もし、医療を受けていない者、あるいは医療との関係でなんらかの支障がある者がケアマネジメントを希望した場合には、利用者の同意を得て、保健所への紹介等、できるだけ早期に適切な医療に結びつけることが必要です。また、医療については、主治医の方針に従うものとします。

①申請時

 ケアマネジメント従事者は、利用者の同意を得て主治医の意見書を求めなければいけません。主治医は、ケアマネジメント従事者からの求めに応じて意見書を提出します。もし、ケアマネジメントの適応に関して問題があれば、主治医はその旨を意見書に記載し、利用者を交えケアマネジメント従事者と話し合います。

②ケア計画作成時

 ケア計画の作成は、ケアマネジメント従事者が利用者と話し合いながら進めますが、主治医の医学的観点からの留意事項が示されているときは、これを尊重してケア計画を作成します。その過程で必要に応じて、主治医や家族等身近な援助者は、ケアマネジメント従事者から報告を受けます。この間、仮計画書を活用します。最終的にはケア会議を開催し、ケア提供に関わる専門職と利用者の話し合いの結果ケア計画が作成されます。ケア計画が出来上がった時に、主治医や家族等身近な援助者は、ケアマネジメント従事者から報告を受け、了承するかを判断します。その時点で変更がある場合には、利用者を含めた関係者が十分に話し合って、最終的には利用者の意向に沿ってケア計画を決定します。

③ケア会議

 主治医と利用者は、ケア会議への参加が望まれます。また主治医が参加できない場合は、主治医の治療方針を理解する専門職(同じ施設の精神保健福祉士、看護師など)が代わって参加することも可能です。ケア会議の責任者はケアマネジメント従事者です。

④定期報告

 医療との良好な連携を図るため、ケアマネジメントに基づくサービス提供の開始後、一定期間を経て、ケアマネジメント従事者は、利用者と話し合い、その結果を主治医に報告します。

大島巌著『ACT ケアマネジメント ホームヘルプサービス 精神障害者地域生活支援の新デザイン』(2004年、精神看護出版)
by open-to-love | 2010-08-19 20:01 | ケアマネジメント | Trackback | Comments(0)
精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その4

■4■ケアサービスの提供方法

 以下に、ケアマネジメントにもとづくケアサービスの具体的な提供方法を記します。

(1)実施体制について

①ケアマネジメントの実施主体等

 ケアサービスの斡旋、調整に関しては、市町村が第一義的に責任を負うことになりますから、市町村は自ら障害者担当窓口・福祉事務所・保健センター等においてケアマネジメントを実施するか、あるいは、精神障害者地域生活支援センターにおける相談支援においても実施します。また、一定の基準を満たす精神障害者社会復帰施設、精神科医療機関等でも実施できます。保健所や精神保健福祉センターにおける社会復帰に関する相談においてもケアマネジメントを活用すべきです。
 利用者はケアマネジメント実施機関を選択できます。実施期間中でも本人の申し出によって変更することができます。

②関係機関・団体との連携

 ケアマネジメントを実施するには、担当窓口と関係諸機関・団体との連携が不可欠です。医療機関や社会復帰施設などの民間機関が実施機関となる場合でも、可能な限り市町村(保健センターや市福祉事務所など)や、保健所などの行政機関と連携しながら進めます。
 ケアアセスメントやケア計画作成時に、あるいはケア計画の実施後にも、随時ケア会議を開催して、地域の多様なサービス提供者が参加できるよう配慮します。
 連携すべき関係機関・団体は以下のとおりです。

【関係機関・団体】市町村(保健センター、市福祉事務所など)、保健所、精神保健福祉センター、医療機関、地域医師会、訪問看護ステーション、精神障害者社会復帰施設、地域生活支援センター、グループホーム、小規模作業所、社会福祉協議会、児童相談所、公共職業安定所、障害者職業センター、ボランティア団体、障害者団体など

 ケアマネジメント従事者には専門職としての高い資質が求められます。精神障害に関する医学的知識、障害者の心理、保健・医療・福祉の制度等に関する一定水準以上の知識を持っていなければなりません。さらに障害者に対する人権の尊重といった倫理面からも資質が問われます。そのために研修会などを通じて、知識と技術を高めると同時に、ケース検討会などを通じて自己研鑽の機会を得ることが推奨されます。

③ケアマネジメント従事者とチームアプローチ

 ケアマネジメントの過程を通じて・利用者に対する援助を進める上で中心的な役割を担うケアマネジメント従事者を決めます。
 ケアマネジメント従事者は、ケアアセスメントの実施やケア計画立案のほか、計画されたサービスを依頼して利用につなげること(リンケージ)、サービス利用の調整をすること(ケアコーディネーション)、利用者の権利が守られるように社会資源を開発・改善すること(アドボカシー)、サービスが適切に実施されているか確認し調整すること(モニタリング)などの役割が期待されています。
 ケアマネジメント従事者は、利用者に対して自分が以上のような役割を持つ担当者であることを明らかにし、いつでも利用者の相談に乗ることができることを伝える必要があります。
 ケアマネジメントを進めるに当たり、必要に応じて多職種の援助者からなる援助チームを作り、ケアマネジメント全過程の責任者となります。
 ケアマネジメント従事者およびケアマネジメントチームは、必要に応じて利用者と直接的に関わり、具体的な援助を提供します。

 ケアマネジメント従事者には以下のような職種が考慮されます。
 精神保健福祉士、精神科ソーシャルワーカー、精神保健福祉相談員、保健師、看護師、准看護師、臨床心理技術者、作業療法士、公的扶助ワーカー、社会福祉士、介護福祉士、職業相談員など

(2)ケアサービスの内容

①既存の精神保健福祉サービスの利用

 精神障害者のために用意された既存の保健福祉サービス(精神障害者社会復帰施設や保健所の報恩、社会適応訓練事業など)を積極的に活用します。

②新規社会資源の開発

 新規に利用可能な社会資源を積極的に開発します。
 市町村等が行う一般的な保健福祉サービスを活用します。たとえば、ホームヘルプサービスや通所サービス、訪問看護(ステーション)、福祉のボランティア組織、公営住宅、福祉型公共借上住宅などです。
 特にホームヘルプサービス(公的サービスおよび民間非営利団体、営利企業の実施するサービスを含む)は積極的な利用を考慮します。

③インフォーマルケアの活用

 新規社会資源の開発を含めて、地域関係者の援助や当事者・家族の相互支援などのインフォーマルな援助資源をできる限り活用します。

④セルフケアの尊重

 利用者が自立的な生活を営むことができるよう、利用者の意志を尊重しながら、セルフケアの能力を高めるよう援助します。

(3)利用者

①ケアマネジメントが必要な利用者

 複数のサービスを総合的かつ継続的に利用する必要がある精神障害者が対象となります。
 障害者手帳や手当などの申請、他機関の紹介、1回だけの相談などで相談窓口を訪れる人は対象となりませんが、ケアサービスのニーズの有無には常に注意して対応します。

②明確な意思表示

 利用者のニーズに基づいてサービスを提供します。ケアマネジメントの各過程では、サービス利用に関する明確な意思表示がされ、それを確認することが必要です。

(4)ケアマネジメントの過程と使用用具

 ①ケアマネジメントの導入(主治医への報告)
 ↓
 ②ケアアセスメント
 ↓
 ③ケア計画の作成(主治医への報告)
 ↓
 ④ケア計画の実施(主治医への報告)
 ↓
 ⑤実施効果の評価
 ↓(ここで、再アセスメントが必要な場合は②へ戻る)
 ⑥終了と事後評価

 ケアマネジメントはいくつかの過程を経て行われます。
 まず、①利用者の確認が行われ、次に②利用者に必要なニーズのアセスメントが行われます。この過程で、利用者の生活全般にわたる情報が把握されます。
 集められた情報をもとに、③利用者の意向を踏まえてケア計画が作成されます。
 次いで、④ケア計画の実施とモニタリング、⑤実施効果の評価が行われ、ニーズの変化に伴って再アセスメントが必要な場合には②に戻ります。これらの過程を経てケア計画の目的が達せられたとき、ケアマネジメントは⑥終了します。
 このようなケアマネジメントの過程を図示すると上の通りです。
 以下に、各過程ごとの内容を説明します。

①ケアマネジメントの導入

a)ケアマネジメントの実施を確認

 対象となるケアサービスの利用者を最初に確認し、ケアマネジメントに導入します。
 通常、障害者本人やその家族から相談を受けますが、紹介される場合やケアマネジメント従事者自ら利用者を把握する場合もあります。
 ケアマネジメントを実施するのは、複数のサービスを総合的かつ継続的に提供する必要がある精神障害者です。アセスメントを行う前に、利用者の状況を良く把握するとともに、提供できるサービスを例示して本人に選択権があることを丁寧に説明します。
 以上の確認は、「相談票」を用いて行います。

b)主治医への報告

 ケアマネジメント従事者は利用者了解の上で、申請があったことを主治医に報告します。もし、利用申請者が医療を受けていない場合には、利用者と話し合い、その了解のもとで、できるだけ早期に適切な医療に結びつけるよう努力します。

c)ケアマネジメント実施の同意

 ケアマネジメントが必要と判断されると、利用者にはケアマネジメント(アセスメント、ケア計画、ケア計画の実施など)の内容と趣旨を、利用者本人が理解できるように丁寧に伝え、実施の同意を得ます。
 この手順には、「説明書」と「ケアサービスに関する申込書」を用います。

②ケアアセスメント

 ケアマネジメントの利用者が確認され、ケアアセスメントの同意が取れた後に、ニーズのアセスメントを行います。ここでは、本人(および家族)の具体的なニーズ、真のニーズを明らかにするために、利用者本人の希望と、現在利用している社会資源、ケアの必要度に関する専門職の評価、社会的不利に関する専門職評価、本人を取り巻く環境要因などを多角的な視点からアセスメントします。
 アセスメントに用いる用具は「ケアアセスメント票」です。

a)利用者側の参加について

 アセスメントには利用者本人が参加するとともに、必要に応じて本人の状況を良く知る家族や地域関係者、専門職が同席します。
 家族や地域関係者、専門職が同席する場合には、利用者本人の了解を得る必要があります。

b)アセスメント実施時の留意点

 アセスメントを行うためには、日常生活面の詳細について聞くことができる良好な関係を形成することが不可欠です。
 アセスメント面接は、一度にすべてを行う必要はありません。本人の状態に合わせて話を聞いたり、周囲からの必要な情報も得ながら無理のない範囲で進めます。

c)ケアアセスメントのまとめとケア目標の明確化

 アセスメントの結果を包括的に判断して「ニーズのまとめ」を作成します。また、ニーズに応じたケアの目標を明らかにします。

③ケア計画の作成

 アセスメントによって明らかにされたニーズを解決するために、公的サービス、民間サービス等の社会資源を活用し、また利用者(および家族)ができることを明確にして、仮のケア計画書(ケアマネジメント従事者素案)を作成します。仮のケア計画に基づいて、利用者と相談しながらケア計画書(ケア会議提出用)を作成します。

a)利用者の参加と同意

 ケア計画策定に当たって、利用者本人および可能な限り家族等身近な援助者の参加を得ます。
 ケア計画を作成する際には、利用者との同意により、ケアの内容や実施方法、期間などを設定します。
 ケア計画書が作成できたら、ケア計画書に基づいて提供されるケアサービスを利用者に改めて具体的に説明します。
 ケア計画の内容に、利用者本人の納得が得られれば、「ケアサービスに関する申込書」の記入を求め、利用者とケア計画の契約を結びます。その際、ケア計画の内容を途中で変更したり中断したりできることなどを説明書を用いて説明します。
 ケアマネジメント従事者は作成されたケア計画を、主治医や家族など身近な援助者に報告します。その時点で変更がある場合には、利用者を含めた関係者が十分に話し合って、最終的には、利用者の意向にそってケア計画を決定します。

b)ケア会議の実施

 ケア計画の作成に当たって、仮のケア計画書に記載されたサービス提供が想定される関係者に呼びかけて、ケア会議を開催します。
 ケア会議は、地域のさまざまな関係機関に働きかけて実施します。できるだけ1機関の中で完結することのないよう配慮します。また、利用者およびその家族も可能な限り参加して開催するようにします。
 ケア会議は、チームアプローチの現実的な一形態です。ケア会議は、ケア計画作成時のみならず、ケア会議が実施された後も、援助チームの調整が必要になれば随時開催します。

c)活用するサービス

 ケア計画を作成する際には、利用者本人の能力を最大限活かすよう配慮します。何ができるかによって必要な援助が決まってくるからです。
 利用するサービスには、公的サービスのほかに、民間のサービス、ボランティア、親類、近隣の人々等によるインフォーマルなサービスも検討します。
 可能な限り、市町村を中心とした一般の保健福祉サービスの活用を図ります。具体的には、主に高齢者や他の障害者を対象にしたホームヘルプサービス、他障害の通所施設、訪問看護(ステーション)、老人憩いの家、ボランティア組織、公営住宅、福祉型公共借上住宅などです。特に、市町村および住民参加型団体等のホームヘルプサービスは、利用を積極的に考慮します。
 それとともに、地域関係者の援助や当事者・家族の相互支援などのインフォーマルな援助資源を開発し、活用します。インフォーマルな援助資源の開発については、市町村や保健所などが利用可能な援助資源の情報を持っていることが多いため、連携しながら進めます。また別途、新規利用可能社会資源の開発を目指します。

d)満たされないニーズおよびその解決方法

 アセスメントによって明らかにされたニーズのうち、現在の社会資源では満たされないニーズ領域を明らかにし、その問題に対して、どのようなサービスが存在すれば良いのか明確にしておきます。
 日頃から、満たされないニーズに対応する社会資源の開発を行うよう心掛けるようにします。

④ケア計画の実施

a)サービスの依頼(リンケージ)

 同意の得られたケア計画を実施するために、ケア提供者にケアの実施を依頼します。
 サービスの依頼は、ケアマネジメント従事者が支援して利用者が行う方法、ケアマネジメント従事者が利用者と同行して行う方法、ケアマネジメント従事者が利用者に代わって行う方法等があります。

b)ケア計画実施過程における調整(モニタリング)

 ケアマネジメント従事者は、実際にサービスが実施されてからこれらのサービスが支障なく提供されているかどうか確認をする必要があります。
 その結果、サービスが計画通りに実施されていない場合には、ケア会議を開催するなどして、調整をする必要があります。
 ケアマネジメント従事者は、利用者とケア提供者の間に調整すべき問題が発生したら、速やかに対応します。

c)チームアプローチ

 ケア計画の実施は、関係諸機関・団体と連携して進めることが重要であり、必要に応じて随時ケア会議を開催します。

⑤実施効果の評価

 契約したケアマネジメントの実施期間が経過した場合、あるいはケア計画実施後のニーズの変化や新たにニーズが発生した場合、適宜フォローアップを行い、ケアマネジメントの実施の効果や解決されていない問題やニーズを評価し、実施したケア計画を見直します。
 評価においては、ニーズが適切に満たされているか、利用者がサービスに満足しているかなどを把握することが必要です。

⑥ケアマネジメントの終了と事後評価

 フォローアップと評価の結果、利用者のニーズが解消し、サービスの必要性がなくなったと判断される場合には、ケアマネジメントは終了します。
 ケアマネジメント実施期間中に、利用者が他地区に転出した場合にケアマネジメントは終了しますが、利用者の希望があれば転出先の機関に連絡を取り、必要に応じて利用者本人の同意の上関係書類を送付します。
 ケアマネジメントが終了した後には、サービス提供の過程を振り返り、ケアマネジメントの全過程において改善すべきことがあったかどうかを検討することが、今後のケアマネジメントの技術を向上させるために必要とされます。

(5)個人情報について

 ケアマネジメントの全過程を通じて、利用者の個人情報保護には特別な配慮を要します。
 ケアアセスメント票やケア計画書は、重要な個人情報が記載されていますので、保管方法に十分に注意します。
 得られた個人情報は、ケアマネジメントの目的以外に使用することはできません。
 利用者の個人情報をケアマネジメントチームで共有する場合は、必ず利用者本人の同意を必要とします。
 しかし、利用者の個人情報を提示できるのは、ケアサービスの提供を業務としている公的あるいは民間のサービス提供者です。インフォーマルな援助者は原則として個人情報の提示はしません。
 利用者の個人情報は、利用者に求められれば開示しなければなりません。

大島巌著『ACT ケアマネジメント ホームヘルプサービス 精神障害者地域生活支援の新デザイン』(2004年、精神看護出版)
by open-to-love | 2010-08-19 20:00 | ケアマネジメント | Trackback(1) | Comments(0)
精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その3

■3■ケアマネジメントの意義と原則

(1)ケアマネジメントに基づくサービス提供

 このガイドラインでは、欧米等で発達してきたケアマネジメントの技法に基づくケアサービスの提供方法が示されています。
 ケアマネジメントは、地域社会の中で、サービスを提供する際に、利用者の生活全般にわたるニーズと、公私にわたる様々な社会資源との間に立って、複数のサービスを適切に結び付け、調整を図りつつ、包括的かつ継続的にサービス供給を確保する手法です。
 ケアマネジメントの理念は、サービス利用者やその家族が望んでいる暮らし、生活を実現するための「ケア」をマネジメントするものです。そのためには、利用者の主体性、自立性、選択性を尊重し、ケアマネジメントのすべての過程において、利用者(及び家族)の意向を十分に活かした上で支援します。この意味において、障害者を対象とするケアマネジメントは専門家主導のモデルではなく、利用者主体の「生活モデル」でなければなりません。

(2)ケアマネジメントの必要性と留意点

 精神保健福祉分野のケアマネジメントは、入院中心主義から地域ケアへの移行、地域ケアの分散化、リハビリテーション機能の多様化などから、その必要性が高まっています。さらに、精神障害者は、社会性や対人関係の弱体化、自己表現の乏しさ等から、単に情報が公開されているだけでは、本人の複合的ニーズに応じた支援を得ることが難しく、さまざまなサービスを有効に活用することに限界があると考えられます。これらのことから、精神障害者を対象とするケアマネジメントは、ニーズを本人及び家族あるいは代弁者から的確に把握し、十分に対応できるものでなければなりません。
 ケアにあたるものは必要な医療の継続性を維持することに配慮することはもちろんですが、本人の日常生活を含め、社会経済活動への参加を視野に入れた幅広いケアサービスの提供を心掛けなければなりません。

(3)適用と対象

 このケアガイドラインは、原則として精神保健福祉法に定義されたすべての精神障害者を対象としています。ただし、精神障害と診断されていない者の援助も含まれます。また、主として地域社会において生活しているものが対象となりますが、社会復帰を目指して医療機関その他を生活の場としている精神障害者も含まれます。

(4)人権への配慮

 すべての人は良質で有用な精神保健ケアを利用する権利を有しています。このような権利が損なわれるような差別、区別、排除などがあってはなりません。そして、精神障害者のすべての人は人間固有の尊厳を十分に尊重して処遇されます。このような観点からケアガイドラインの施行においても、本人に対する十分な説明と同意なしにはケアマネジメントの対象にはなりません。その説明は本院が理解できる言葉と方法で行います。本人は書面で同意を示しますが、その際自己決定の原則から本人の選択の自由が保証されなければなりません。この説明と同意はアセスメントの段階及びケア計画の作成と実施の段階で必要です。もし、本人が一時的あるいは持続的に理解力と判断力を欠くような場合には、法的、社会的な権利擁護制度・機関およびガーディアンシップなどが早急に必要になります。
 説明と同意がなされたうえで、複合的なニーズに対応する総合的なサービスを提供するためには、各種専門職によるチームアプローチが必要とされます。そのためには、情報の共有化が前提条件となります。地域で生活していく障害者の生活を支援するためには、専門職の他、民生委員、障害者相談員、ボランティア等の支援を活用していくこともありますが、その際に、利用者および家族のプライバシー保護が重要な課題となります。
 支援活動で知り得た事項は、他に口外してはならないことを十分に徹底する必要があります。

(5)ニーズの把握とアセスメント

 地域での生活をトータルに支援していくためには、利用者の身体的・精神的側面のみならず、日常生活や社会生活を含めた総合的なアセスメントを実施しなければなりません。利用者を総合的に把握するためには、援助者は利用者と十分にコミュニケーションを図り信頼関係を築くことが必要です。
 また、日常生活場面でのニーズを的確に把握するためには、家庭訪問等を通して、実際の生活の場面でニーズを把握することが必要です。ただし、家庭訪問等については、その必要性を十分に説明し、利用者の了解を得た上で実施することが重要です。

(6)ケアの目標設定と計画的実施

 アセスメントの結果に基づき、利用者及び援助チームの担当者が話し合い、具体的なケアの目標と期間を設定し、計画的にケアを実施していきます。提供したケアが生活状況の安定・改善につながっているかどうか、自分の望む生活に向かっているか(自己実現)を定期的に見直し、必要に応じてケアの内容を変更します。ニーズが継続していれば、期間を延長します。

(7)保健、医療、福祉、労働等の包括的なサービスの実現

 障害者が地域で生活するためには保健、医療、福祉、労働等のサービスが包括的に提供されなければなりません。これまで、保健については保健所や市町村保健センター、医療については病院や診療所、福祉は福祉事務所等、労働は公共職業安定所と、サービスの提供機関が異なるために、サービスを利用しにくい状況がありました。これらのニーズが総合的に満たされることが肝要です。
 複合的なニーズに対応するために、医師、精神保健福祉士、精神科ソーシャルワーカー、保健師、看護師、准看護師、作業療法士、職業相談員等、各種領域の専門職によるチームアプローチが必要とされ、ケア会議において協議の上、包括的なサービスが提供されるシステムにしなければなりません。この場合、専門家に偏ることなく、地域の人々の支援、必要であれば既成の枠を超えた広がり、新たな援助機能を作り出していく発想も欠くことのできないものです。
 障害者本人のニーズに応じた十分なケアサービスが、常にその地域に存在するものではありません。ケアマネジメントでは、不足するケアサービスに関して、新たなサービス提供者の確保とサービス資源の積極的開発や造成、他の障害者のケアサービスの共同利用のための調整が同時に行われる必要があります。

大島巌著『ACT ケアマネジメント ホームヘルプサービス 精神障害者地域生活支援の新デザイン』(2004年、精神看護出版)
by open-to-love | 2010-08-19 19:58 | ケアマネジメント | Trackback | Comments(0)
精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その2

■2■ケアの理念

(1)ノーマライゼーション理念に基づくケアサービスの提供

 障害者に対する保健福祉等ケアサービス提供の基本理念は、ノーマライゼーションの理念に基づいたものです。すなわち、障害のある人もない人も、だれもが住み慣れた地域社会で普通の生活を営み、活動できる社会を構築するとともに、障害者が社会活動に参加できるよう必要な援助を必要に応じて受けることができることを基本としています。

(2)ニーズ中心のケアサービスの提供

 国際障害者年行動計画で、障害者は「通常の人間的なニーズを満たすのに特別な困難を持つ普通の市民」とされていますが、自ら必要とするケアサービスは障害者本人が最も良く認識しています。加えて、地域に分散するサービスを障害者に合わせて統合的に享受するためにも、ニーズ中心にケアサービスが提供される必要があります。

(3)自立と質の高い生活実現への支援

 障害者の自立とは、障害者一人ひとりが社会生活力を持ち、責任ある個人として主体的に生きることを意味します。そのための基礎的な要件は、第一に日常的な生活が営めること、第二にその生活を維持していくために必要な生活条件が整備されること、第三は社会参加の機会を可能とする環境条件を整備することです。
 従来、精神障害者に対しては、保健医療の中でサービスが組み立てられ生活者としての視点が希薄であったことは、否定できません。これからは、障害者が可能な限り家族や市民が生活する地域社会の中で共に生活でき、人生や生活のあり方を自らの意志で決定し、身体的、精神的、社会的、文化的に満足できるように支援することが重要です。

(4)自己決定の尊重

 障害者一人ひとりの考え方、生活様式に関する好み、性格等を尊重しながら本人が自分の能力を最大限発揮できるように援助します。サービス提供のすべての経過において、常に情報を本人に伝え、その中から本人が選択できることが必要です。

(5)一般社会の理解の促進

 我が国の現状においてノーマライゼーションの理念を実現するためには、多くの問題が残されていることを指摘しなければなりません。中でも重要な問題は一般社会の偏見や差別意識です。これに対して社会に対する知識の普及、啓発活動が同時に行われなければなりません。

大島巌著『ACT ケアマネジメント ホームヘルプサービス 精神障害者地域生活支援の新デザイン』(2004年、精神看護出版)
by open-to-love | 2010-08-19 19:57 | ケアマネジメント | Trackback | Comments(0)
精神障害者ケアガイドライン(第2版)…その1

■1■ケアガイドラインの趣旨

 このケアガイドラインは、市町村等が精神障害者への保健福祉等ケアサービスを実施していく上での理念、原則を明らかにするとともに、その実施方法を示すものです。これにより、現在分散されている精神障害者へのケアサービスが、障害者のニーズ中心に統合的に提供されるとともに、暮らしている地域に関わりなく一定水準以上のサービスが受けられることが期待できます。また、地域における社会的援助サービスが質的、量的にも著しく立ち後れている精神障害者が、他の障害者や高齢者と同等のサービスを享受できることを目指しています。
 このケアガイドラインは、ニーズ中心のケアサービス提供を目指すものです。ニーズに根ざしたケアサービスを受けることは障害者の権利であり、同時に、自らが抱えるニーズの所在を明らかにするため、ケアアセスメントを受ける権利を精神障害者は持っています。
 このような権利保障に関する法的な根拠は障害者基本法の第3条基本的理念及び精神保健福祉法の第4条にあります。
 なお、精神障害には、特有な問題として、ともすれば病状の変化をきたしやすいことがあるので、ケアサービスを進めるにあたっては必要な医療が維持されなければなりません。本ケアガイドラインはこれを前提として考えます。

※本ケアガイドラインは、1998(平成10)年3月に策定され、2001(平成13)年3月に改訂(第2版)されました。

以下…

■2■ケアの理念…その2

■3■ケアマネジメントの意義と原則…その3

■4■ケアサービスの提供方法…その4

■5■ケアマネジメントと医療…その5

■6■おわりに…その6

大島巌著『ACT ケアマネジメント ホームヘルプサービス 精神障害者地域生活支援の新デザイン』(2004年、精神看護出版)
by open-to-love | 2010-08-19 19:54 | ケアマネジメント | Trackback | Comments(0)