精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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いのちとこころを支えるいわて 第32号

いのちとこころを支えるいわて 第32号

平成2 1年10月5日発行
発行:岩手県精神保健福祉センター
岩手県自殺予防情報センター

 このニュースレターは自殺対策に関わる担当者、関係者の方々に配信しています。皆様からの情報やご意見をお待ちしております。 また、配信先を募集しております。関係者や機関の方々のご紹介をお願いいたします。

NEWS 緊急警報:自殺者が毎月増え続けています

単位:人
全国総数 青森 秋田 岩手
平成20 年4 月 全国9,871  青森170  秋田139  岩手148
平成21 年4 月 全国10,363  青森149  秋田139  岩手160
前年比 全国492  青森-21 秋田0  岩手+12

 厚生労働省は、人口動態統計月報(概数)平成21年4月分を公表しました。昨年同時期と比較すると、岩手県の自殺者は12人増加しています。
 岩手県では、平成21年1 月~4月までに385人が亡くなっており、昨年同時期の4 ヶ月間と比較して35人増加しています。一方、青森県は74人減少、秋田県も13人減少しています。9月の自殺防止月間では県内で様々な取り組みが行われましたが、一人でも自殺者を減らす効果が上がる取り組みの展開が求められています。

毎月の自殺者数の推移
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/everymonth/index.html

 N P O法人いわて生活者サポートセンターが「経済的事由・生活困窮からの自殺防止対策事業」(厚生労働省補助金)を開始します

 NPO 法人いわて生活者サポートセンターは平成14年に設立され、DV被害者支援に取り組む一方、離婚や親権の問題をはじめ、借金などによる生活苦、財産・相続問題など様々な悩みの解決に取り組んでいます。
 働き盛り世代の自殺の要因の1つには、多重債務等の経済問題や失職による生活問題があげられます。同センターでは、自殺の未然防止につなげるために、相談の際にスクリーニングを行って、自殺の危険性の高い人を発見し、関係機関や保健所、精神保健福祉センターにつないでいく「経済的事由・生活困窮からの自殺防止対策事業」を開始しています。9 月14 日に同センター主催の第1 回自殺防止対策事業スクリーニングツール開発検討委員会が開催されました。
 委員会では、K6を用いたスクリーニングの作成、経済相談場面でみられる危険因子の把握(生命保険加入や借金督促の不安、健康状態)など相談員による観察のポイントが検討されました。年間約8,000 件の相談の機会を自殺防止対策に応用していくチャレンジとなります。

NPO 法人 いわて生活者サポートセンター
電話:019-606-8610
http://www.iwate-ss.com/

県民生活センターによる多重債務対策

 県民生活センターでは平成20年度において、岩手弁護士会と協力して県内12ヶ所で年間360回の多重債務者弁護士無料相談を実施し、相談件数は1465件でした。平成21年度も同様に12ヶ所で年間300回の相談を実施中です。4月から6月までに、301件の相談を受けています。借入のきっかけは、ギャンブル・遊興費は1割にも満たず、生活費補填や収入減少が約5割になっています。また、家族に内緒で借金をしているため、誰にも相談できず、一人で解決しようとして更に負債額を増やしている例もあります。自転車操業状態に陥っている人は自力で解決することは難しいため、県民生活センターでは早めの相談を呼びかけています。
 相談窓口は、県民生活センターのほか、各振興局、盛岡市消費生活センター、岩手県消費者信用生活協同組合などがあります。

県民生活センター多重債務者弁護士無料相談
電話:019-624-2586

フィールドレポート  自殺予防ボランティア・民間団体等活動交流会を開催しました

 9月11日(金)、アイーナにおいて自殺予防ボランティア・民間団体等交流会を開催しました。県内で活動している24団体、関係機関19機関の方々約140名が参加しました。関西国際大学人間学部人間心理学科教授の渡邉直樹先生による「こころと命を支える地域づくり~安心して生活するためにわたしたちにできること~」と題しての講演がありました。講師から「“安心して暮らせるまち”というのは、どのようなまちですか?」との問いかけをいただき、参加者で話し合いを行いました。このほかに、ボランティア5団体からの活動報告やネットワークについての話題提供があり、渡邉先生と聖マリアンナ医科大学研究員の田口先生から助言をいただきました。各団体がノウハウを交換して、交流をとおして活動を活発化する機会が今後も必要です。

岩手県青年司法書士会によるいわて生活者支援相談会が開催されました

 9月12日(土)、岩手県青年司法書士会、全国青年司法書士協議会共催による無料相談会がさくらホール(北上市)と県司法書士会館(盛岡市)を会場に開催されました。借金や契約、メンタルヘルス、消費者被害など様々な生活相談について、解決の糸口を探し、専門的なアドバイスが行われました。今回の生活者支援相談会は、県内で初めての機会でしたが、司法書士会では10月1日には「法の日」全国一斉無料相談を県内各地で開催するなどこれまでにも多くの相談活動に取組んでいます。問い合わせ先は岩手県司法書士会事務局となっています。

岩手県司法書士会事務局
電話(019)622-3372

資料紹介

司法書士業務のためのメンタルヘルスハンドブック ―自殺予防と遺族支援の取組に向けてー
司法書士会連合会 消費者問題等対策本部 地域連携対策部 自死対策WT

 司法書士は登記、供託及び訴訟の手続きに関する業務を行っていますが、援助を求めている相談者にメンタルヘルスの問題を抱えている人が少なくないことから、業務を行ううえで必要な基礎知識をまとめたハンドブックを平成21 年3 月に制作しました。うつ病や自殺念慮のある相談者や自死遺族を含めて追い詰められた気持ちで相談に訪れる人への対応が具体的に記載されています。
※同様の取組みを希望される団体がありましたなら、当センターまでご連絡ください。

ダウンロードできます↓
http://www.shihoshoshi.or.jp/association/info_disclosure/data_report/data_report04
/data/handbook.pdf

インフォメーション
★ 第49回精神保健福祉東北大会兼第36回岩手県精神保健福祉大会
「生きぬく力」 こころのバリアフリーを求めて
10月30日(金) 12:30~16:00 岩手県民会館大ホール
特別講演:「表現することの意味について」
ボーダレス・アートミュージアムNO-MA(滋賀県) アートディレクター はたよしこ氏
シンポジウム:「地域に生きる障がい者の絵画活動をとおして豊かさの表現」
お問合せ:岩手県精神保健福祉協会事務局 019-629-9617
★ 第5回自殺予防活動団体地域交流会
「つなげよう、地域の力で自殺予防の輪」 主催:内閣府・同交流会 後援:岩手県ほか
11月22日(日) 10:30~16:30(受付10:00~) アイーナ7階
特別講演:「和歌山県白浜レスキューネットワークの活動」 藤藪庸一氏
フォーラム:平谷国子氏、奥寺三枝子氏、大塚耕太郎氏、藤澤俊樹氏、小野寺久穂氏
アトラクション:三世代上田子どもさんさ
特別ゲスト:パラリンピックメダリスト 大井利江氏
特別公演:青森県東北町の劇団の上演
ワークショップ:医療、遺族、地域ボランティア、教育の立場からの発表と話し合い
*全国各地から団体が集まります。ボランティア・関係団体への声かけをお願いいたします。

地域交流会の詳細は↓
http://www.geocities.jp/chiki_kouryu_kai/program09.html
by open-to-love | 2009-10-07 16:50 | 自殺予防ニュースレター | Trackback | Comments(0)