妊娠・出産・授乳と抗精神病薬
2009年 02月 24日
妊娠・出産・授乳と抗精神病薬
【Rさんの質問】
妊娠、出産のことについて聞きたいです。妊娠および出産の際の薬の副作用についてのリスクなどについて教えてほしいです。
【Jさんの質問】
子どもを産むなら薬はやめないといけないのでしょうか? どれっぐらいで薬が抜けるのか、母乳はあげられるのでしょうか?
【回答】
抗精神病薬を飲みながら妊娠、出産は可能です。ただし、いくつか注意しなければいけないことがあります。
妊娠、出産に関して、リスク(危険性)がまったくない薬はありません。大多数の抗精神病薬は、動物実験で催奇形性(奇形を起こす性質)が認められているので、皆さんが心配になるのも無理からぬことです。
しかし、その割合は大きなものではありません、。少し古いデータですが、先天性奇形のリスクが薬を飲んでいない人たちで2%ぐらいであるのが、定型抗精神病薬(低力価薬)をのむことで、2・4%と少し増えたという報告があります。
しかし各薬剤の添付文書によると、定型抗精神病薬の場合、妊婦への投与は禁忌(使ってはいけない)、もしくは、妊婦には投与しないことが望ましいと記載されています。
つまり定型抗精神病薬は妊娠、出産を希望する場合は使わない方がいいということになると思います。
それに対して非定型抗精神病薬は、安全性が確立されているとはいえませんが、定型抗精神病薬より催奇形性は少ないと考えられています。もちろん添付文書上では、「有益性が危険性を上回る場合に投与可能」という記載になっています。
どのようにすればいいか
では、妊娠を希望する場合、どのようにすればよいかということですが、非定型抗精神病薬での治療がよいと思います。
非定型抗精神病薬の至適用量での治療は、高プロラクチン血症も回避でき、妊娠に至る確率も高くなると思います。しかし、2つのことに注意してほしいです。
1つは非定型抗精神病薬の副作用で、代謝異常がありますが、糖尿病は妊娠の経過に重大な悪影響を与えます。病院で、代謝異常を常にチェックしながら使用してください。
2つ目は、妊娠似悪影響を与えることとして、喫煙や飲酒があります。禁煙などの生活習慣の改善を行い、妊娠することが望ましいです。
授乳は控える方がいい
抗精神病薬の一部は母乳に分泌されます。しかし、それで授乳した赤ちゃんに悪影響が出たという報告は多くはありません。しかしわずかですが、母乳を介して赤ちゃんが抗精神病薬を摂取することになりますし、添付文書では「授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること」と明記してありますので、授乳は控えるべきです。
人生の一大イベント
妊娠、出産は、人生の一大イベントです。家族や主治医と相談しながら、連携をとり、みんなで取り組むとよいでしょう。精神科医、産科医、栄養士などのチームで援助してもらえるとよいですね。
まずはお母さんになるあなたの状態が落ち着いていることが大切です。それには支え合う家族が大切です。そして、それを支援する医療関係者の輪が欠かせません。
コンボ「こころの元気+」内科医がすすめる ココ・カラ主義で行こう! vol.24 読者からの質問にお答えします(長嶺敬彦=文)
【Rさんの質問】
妊娠、出産のことについて聞きたいです。妊娠および出産の際の薬の副作用についてのリスクなどについて教えてほしいです。
【Jさんの質問】
子どもを産むなら薬はやめないといけないのでしょうか? どれっぐらいで薬が抜けるのか、母乳はあげられるのでしょうか?
【回答】
抗精神病薬を飲みながら妊娠、出産は可能です。ただし、いくつか注意しなければいけないことがあります。
妊娠、出産に関して、リスク(危険性)がまったくない薬はありません。大多数の抗精神病薬は、動物実験で催奇形性(奇形を起こす性質)が認められているので、皆さんが心配になるのも無理からぬことです。
しかし、その割合は大きなものではありません、。少し古いデータですが、先天性奇形のリスクが薬を飲んでいない人たちで2%ぐらいであるのが、定型抗精神病薬(低力価薬)をのむことで、2・4%と少し増えたという報告があります。
しかし各薬剤の添付文書によると、定型抗精神病薬の場合、妊婦への投与は禁忌(使ってはいけない)、もしくは、妊婦には投与しないことが望ましいと記載されています。
つまり定型抗精神病薬は妊娠、出産を希望する場合は使わない方がいいということになると思います。
それに対して非定型抗精神病薬は、安全性が確立されているとはいえませんが、定型抗精神病薬より催奇形性は少ないと考えられています。もちろん添付文書上では、「有益性が危険性を上回る場合に投与可能」という記載になっています。
どのようにすればいいか
では、妊娠を希望する場合、どのようにすればよいかということですが、非定型抗精神病薬での治療がよいと思います。
非定型抗精神病薬の至適用量での治療は、高プロラクチン血症も回避でき、妊娠に至る確率も高くなると思います。しかし、2つのことに注意してほしいです。
1つは非定型抗精神病薬の副作用で、代謝異常がありますが、糖尿病は妊娠の経過に重大な悪影響を与えます。病院で、代謝異常を常にチェックしながら使用してください。
2つ目は、妊娠似悪影響を与えることとして、喫煙や飲酒があります。禁煙などの生活習慣の改善を行い、妊娠することが望ましいです。
授乳は控える方がいい
抗精神病薬の一部は母乳に分泌されます。しかし、それで授乳した赤ちゃんに悪影響が出たという報告は多くはありません。しかしわずかですが、母乳を介して赤ちゃんが抗精神病薬を摂取することになりますし、添付文書では「授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること」と明記してありますので、授乳は控えるべきです。
人生の一大イベント
妊娠、出産は、人生の一大イベントです。家族や主治医と相談しながら、連携をとり、みんなで取り組むとよいでしょう。精神科医、産科医、栄養士などのチームで援助してもらえるとよいですね。
まずはお母さんになるあなたの状態が落ち着いていることが大切です。それには支え合う家族が大切です。そして、それを支援する医療関係者の輪が欠かせません。
コンボ「こころの元気+」内科医がすすめる ココ・カラ主義で行こう! vol.24 読者からの質問にお答えします(長嶺敬彦=文)
by open-to-love
| 2009-02-24 23:26
| 恋愛・結婚・離婚
|
Trackback
|
Comments(0)