キラりん一座演劇「心 天気になあれ! Part2」用語解説
2009年 01月 09日
キラりん一座演劇「心 天気になあれ! Part2」用語解説
(2009年1月31日、プラザおでって 盛岡ハートネット第8回例会)
※キラりん一座に盛岡で演劇を上演していただくにあたり、一般の人にはちょっと解りづらい専門用語について、解説します(例会チラシ下段にも載ってます)。解らなくても十分演劇を楽しめますが、解っているとなお楽しめますよ。
ちなみに、チラシに載せるにあたり、行数を揃えた方が見栄えがいいという関係上、ちょっと短い解説文については、黒田がちょっとだけ付け足しました。悪しからず。
■ケアマネジメント■
生活の困難さを持っている人々を対象とした支援の手法です。支援を受けた人が力を取り戻すこと、社会に新しい支援のネットワークを形成することを目的とし、地域で提供できるさまざまなサービスや制度を計画的に適切に組み合わせた支援を提供するものです。本人や周囲の人々が希望を持って元気になるような具体的で実行可能なプランが求められますが、それが最大の課題です。障害者自立支援法では,市町村や相談支援事業所で障がい者へのケアマネジメントを実施することになっています。(用語解説・北川明子)
■当事者会■
共通する病気や障がいなどによって、生活上の課題がある者同士(当事者)が集まり、共に生き方を模索する仲間との語り合いや自分たちの置かれた状況を変えようとする活動を通して、自己肯定し、生きる自信や生きる力を獲得していく活動をするグループです。自助グループやセルフヘルプグループともいわれます。ピア・サポート(対等な仲間同士による支えあい)が共感性を高める重要な要素となりますが、レクレーション中心のグループ、当事者自身による当事者のための調査研究をするグループなど、活動は多様です。(北川)
※たぶんキララは、県内で一番頑張っている、そして社会へ開かれた当事者会ではないでしょうか。(黒田)
■SST■
社会生活技能訓練(ソーシャル・スキルズ・トレーニング=Social Skills Training)。精神障害を持つ人たちが社会の中で受けるストレスに対応していく力をつけ、地域生活を維持していくために用いられる、心理社会的なリハビリテーションの一つです。精神障害者だけでなく、知的障害者や家族を対象としたSSTも行われており、岩手県では平成2年頃から導入され始めました(が、行っているところは??)。困難に感じていること、もっとうまくできるようになりたいこと(課題)を具体的にあげ、グループ(あるいは1対1でも可)で話し合い(問題解決)や、実際の場面を作り演じるなどの練習(ロールプレイ)を行い、肯定的な評価をしながら本人の力量をアップしていくものです。(北川)
※SSTのロールプレイを、「実際の場面を作り演じる」のみならず、演劇として社会に精神障害への理解を訴える取り組みへと発展させたのが、まさにキラりん一座です。(黒田)
■リハビリテーション■
可能な限り普通の社会的枠組みの中で、残された機能を最大限に発揮して、生活の質を高めることを支援する過程をいいます。デイケアや作業療法、レクレーション療法、集団精神療法、SST、家族教育プログラムなどがあげられ、これまでは、就労復帰、運動機能回復、退院後の在宅生活がそれぞれ注目されてきましたが、近年ではQOL(生活の質・人生の質)の向上、障害を受け入れ、主体的な人生の喜びと能力の回復をめざすことが目標とされるようになりました。当事者によるセルフヘルプ活動も、広い意味ではリハビリテーションに含まれます。(北川)
■統合失調症■
脳神経系のトラブル(ドーパミン系のニューロンの過活動)で脳が異常に興奮した状態となるため、幻覚や妄想などが出現すると考えられている病気です。おおよそ100人に1人、思春期から30歳代ごろまでに多く発症します。幻視や幻聴などの「幻覚」、「妄想」、「焦燥感」、「精神運動興奮」(激しい興奮)、「奇異な行動」、「支離滅裂な思考や返答」などのほかに、「自閉」、「意欲の低下」、「情動の平板化」、「感情鈍麻」、「思考の貧困」、「緘黙」(話をしなくなること)、「意欲と発動性の欠如」、「注意力障害」(集中力低下)などの症状があります。抗精神病薬により症状が安定しますが、脳の不調で人とのかかわりや会話、柔軟な対応が苦手になるなど生活上の障害、社会の偏見から閉じこもってしまうなどの障害が生じることが少なくありません。(北川)
■うつ病■
日常的なストレスからくる悲しみや、不安・ゆううつな気分などのこころの状態がいつまでも回復せず、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。「憂うつで、喜びも悲しみも感じられない」「 意欲がわかず悪いことばかり考える」「ぐるぐる思考に陥り、発想の転換ができない」などの症状があります。一生のうちに約12~15人に1人がうつ病になるとされるくらい誰にでも起こる可能性のある病気です。休養(何もしないこと)、薬物療法(抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬など)が治療の基本。一進一退を繰り返しながら快方に向かうため、自己判断で治療をやめないことが大切です。(北川)
※日本ではうつ病患者が急増中。治療はもとよりストレス社会をなんとかしましょう。(黒田)
■抗精神病薬■
抗精神病薬とは、「精神病に効く薬」という意味で、統合失調症、そう病、中毒性精神病などの精神病状態の治療に用いられ、幻覚妄想を抑えたり、精神興奮を抑えたりするのが目的です。その他、抗不安薬や睡眠薬などの薬もあり、症状に応じて併用されます。当然、副作用もありますし、病気を治すというよりも症状のコントロールが目的となります。(北)
※日本の精神医療の課題に、先進国でダントツの「抗精神病薬の多剤大量処方」があります。それを変えていくために、まずは当事者や家族が薬のことを学びましょう。(黒田)
■社会的入院■
病状が安定して入院の必要性が低いのに、家族の事情や地域の福祉体制の不備で療養先がないといった理由で入院を続けている状態。高齢者や精神疾患の患者に多いとされ、全国で10万人程度いるとの推計もありますが、2003年に厚生労働省では、精神障害者の入院から地域生活への政策転換を打ち出し、社会的入院の7万2000人について10年以内の解消を掲げました。最近の調査では、精神科病院の入院5年以上の患者が43%、20年以上の患者も15%を占めるという結果もあります。(北川)
※家族や社会の無理解で傷付き、短期の入院を繰り返すケースも、広い意味では社会的入院だと思われます。(黒田)
■障害者自立支援法■
「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができる」ようにすることを目的とする法律です。障害者に費用の原則1割負担を求め、障害者の福祉サービスを一元化し、保護から自立に向けた支援をねらいとしています。 障害者がもっと働ける社会にすること、公平なサービス利用のための手続きや基準の透明化・明確化 、支援の増大する福祉サービス等の費用を皆で負担し支え合う仕組みの強化 などがあげられています。(北川)
(2009年1月31日、プラザおでって 盛岡ハートネット第8回例会)
※キラりん一座に盛岡で演劇を上演していただくにあたり、一般の人にはちょっと解りづらい専門用語について、解説します(例会チラシ下段にも載ってます)。解らなくても十分演劇を楽しめますが、解っているとなお楽しめますよ。
ちなみに、チラシに載せるにあたり、行数を揃えた方が見栄えがいいという関係上、ちょっと短い解説文については、黒田がちょっとだけ付け足しました。悪しからず。
■ケアマネジメント■
生活の困難さを持っている人々を対象とした支援の手法です。支援を受けた人が力を取り戻すこと、社会に新しい支援のネットワークを形成することを目的とし、地域で提供できるさまざまなサービスや制度を計画的に適切に組み合わせた支援を提供するものです。本人や周囲の人々が希望を持って元気になるような具体的で実行可能なプランが求められますが、それが最大の課題です。障害者自立支援法では,市町村や相談支援事業所で障がい者へのケアマネジメントを実施することになっています。(用語解説・北川明子)
■当事者会■
共通する病気や障がいなどによって、生活上の課題がある者同士(当事者)が集まり、共に生き方を模索する仲間との語り合いや自分たちの置かれた状況を変えようとする活動を通して、自己肯定し、生きる自信や生きる力を獲得していく活動をするグループです。自助グループやセルフヘルプグループともいわれます。ピア・サポート(対等な仲間同士による支えあい)が共感性を高める重要な要素となりますが、レクレーション中心のグループ、当事者自身による当事者のための調査研究をするグループなど、活動は多様です。(北川)
※たぶんキララは、県内で一番頑張っている、そして社会へ開かれた当事者会ではないでしょうか。(黒田)
■SST■
社会生活技能訓練(ソーシャル・スキルズ・トレーニング=Social Skills Training)。精神障害を持つ人たちが社会の中で受けるストレスに対応していく力をつけ、地域生活を維持していくために用いられる、心理社会的なリハビリテーションの一つです。精神障害者だけでなく、知的障害者や家族を対象としたSSTも行われており、岩手県では平成2年頃から導入され始めました(が、行っているところは??)。困難に感じていること、もっとうまくできるようになりたいこと(課題)を具体的にあげ、グループ(あるいは1対1でも可)で話し合い(問題解決)や、実際の場面を作り演じるなどの練習(ロールプレイ)を行い、肯定的な評価をしながら本人の力量をアップしていくものです。(北川)
※SSTのロールプレイを、「実際の場面を作り演じる」のみならず、演劇として社会に精神障害への理解を訴える取り組みへと発展させたのが、まさにキラりん一座です。(黒田)
■リハビリテーション■
可能な限り普通の社会的枠組みの中で、残された機能を最大限に発揮して、生活の質を高めることを支援する過程をいいます。デイケアや作業療法、レクレーション療法、集団精神療法、SST、家族教育プログラムなどがあげられ、これまでは、就労復帰、運動機能回復、退院後の在宅生活がそれぞれ注目されてきましたが、近年ではQOL(生活の質・人生の質)の向上、障害を受け入れ、主体的な人生の喜びと能力の回復をめざすことが目標とされるようになりました。当事者によるセルフヘルプ活動も、広い意味ではリハビリテーションに含まれます。(北川)
■統合失調症■
脳神経系のトラブル(ドーパミン系のニューロンの過活動)で脳が異常に興奮した状態となるため、幻覚や妄想などが出現すると考えられている病気です。おおよそ100人に1人、思春期から30歳代ごろまでに多く発症します。幻視や幻聴などの「幻覚」、「妄想」、「焦燥感」、「精神運動興奮」(激しい興奮)、「奇異な行動」、「支離滅裂な思考や返答」などのほかに、「自閉」、「意欲の低下」、「情動の平板化」、「感情鈍麻」、「思考の貧困」、「緘黙」(話をしなくなること)、「意欲と発動性の欠如」、「注意力障害」(集中力低下)などの症状があります。抗精神病薬により症状が安定しますが、脳の不調で人とのかかわりや会話、柔軟な対応が苦手になるなど生活上の障害、社会の偏見から閉じこもってしまうなどの障害が生じることが少なくありません。(北川)
■うつ病■
日常的なストレスからくる悲しみや、不安・ゆううつな気分などのこころの状態がいつまでも回復せず、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。「憂うつで、喜びも悲しみも感じられない」「 意欲がわかず悪いことばかり考える」「ぐるぐる思考に陥り、発想の転換ができない」などの症状があります。一生のうちに約12~15人に1人がうつ病になるとされるくらい誰にでも起こる可能性のある病気です。休養(何もしないこと)、薬物療法(抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬など)が治療の基本。一進一退を繰り返しながら快方に向かうため、自己判断で治療をやめないことが大切です。(北川)
※日本ではうつ病患者が急増中。治療はもとよりストレス社会をなんとかしましょう。(黒田)
■抗精神病薬■
抗精神病薬とは、「精神病に効く薬」という意味で、統合失調症、そう病、中毒性精神病などの精神病状態の治療に用いられ、幻覚妄想を抑えたり、精神興奮を抑えたりするのが目的です。その他、抗不安薬や睡眠薬などの薬もあり、症状に応じて併用されます。当然、副作用もありますし、病気を治すというよりも症状のコントロールが目的となります。(北)
※日本の精神医療の課題に、先進国でダントツの「抗精神病薬の多剤大量処方」があります。それを変えていくために、まずは当事者や家族が薬のことを学びましょう。(黒田)
■社会的入院■
病状が安定して入院の必要性が低いのに、家族の事情や地域の福祉体制の不備で療養先がないといった理由で入院を続けている状態。高齢者や精神疾患の患者に多いとされ、全国で10万人程度いるとの推計もありますが、2003年に厚生労働省では、精神障害者の入院から地域生活への政策転換を打ち出し、社会的入院の7万2000人について10年以内の解消を掲げました。最近の調査では、精神科病院の入院5年以上の患者が43%、20年以上の患者も15%を占めるという結果もあります。(北川)
※家族や社会の無理解で傷付き、短期の入院を繰り返すケースも、広い意味では社会的入院だと思われます。(黒田)
■障害者自立支援法■
「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができる」ようにすることを目的とする法律です。障害者に費用の原則1割負担を求め、障害者の福祉サービスを一元化し、保護から自立に向けた支援をねらいとしています。 障害者がもっと働ける社会にすること、公平なサービス利用のための手続きや基準の透明化・明確化 、支援の増大する福祉サービス等の費用を皆で負担し支え合う仕組みの強化 などがあげられています。(北川)
by open-to-love
| 2009-01-09 12:53
| 第8回例会:キララin盛岡
|
Trackback
|
Comments(0)