学校でメンタルヘルスの基礎知識を
2008年 08月 28日
「偏見」をなくすための方向性〜学校でメンタルヘルスの基礎知識を
(NPOコンボ代表理事 大島巌)
昨年1月に設立された私たちNPO法人地域精神保健福祉機構・コンボは、団体設立の目標(ビジョン)を次のように定めました。ご記憶の方も多いと思いますが、それは、
「精神障害をもつ人たちが主体的に生きていくことができる社会のしくみをつくりたい。そのために私たちは、地域で活動するさまざまな人たちと連携し、科学的に根拠のあるサービスの普及に貢献します」ということです。
□社会の偏見を正していく
私たちは、精神障害をもつ方々がどうしても社会の中で受け身の立場に置かれがちなのは、そのような立場を強いる社会の仕組みがあるからだと考えています。その「社会の仕組み」を形づくるおおもとになっているのが、実は「社会の偏見」ということができるでしょう。精神障害をもつ方々、およびそのご家族が自信を取り戻し、ご自身が本来やりたかったことや、新しい夢を実現できる社会を築くためには、どうしても「社会の偏見」を正していくことを避けては通れません。
□学校精神保健福祉教育と早期介入プログラム
私たちは、私たちの目標(ビジョン)を達成し、使命(ミッション)を実現するために、当面これから10年の間、力を入れて活動すべき課題を設定しました(こころの元気+創刊1号4〜5頁を参照)。その中の一つが、「学校に精神保健福祉教育を取り入れるための諸活動と早期介入プログラムの導入」です。「社会の偏見」是正には、ご存知のとおりこれまでも公私の各種機関・団体によってさまざまな努力がされてきました。多くの課題が山積しますが、その解決が容易でないことは御承知のとおりです。その中で私たちコンボが注目したのが、「学校精神保健福祉教育と早期介入プログラム」だったのです。
□私たちがこの取り組みに注目する理由
私たちがこの取り組みに注目する理由の第一は、精神疾患の発症時期が小中学校・高校の学齢期が多いにもかかわらず、精神保健福祉の基礎知識すらほとんど教育されていないことが多いことです。そのためメンタルヘルスの問題を経験しても、専門サービスを上手に活用することができません。
第二に、その結果、適切な治療を受けられない未治療期間が延び、多くの本人・家族が多大な苦労を強いられます。
第三に、精神疾患は適切な支援・治療が早期に行われれば、その後の経過が改善する科学的根拠が明かにされています。私たちコンボは、まずは科学的根拠のあるサービスから取り組んで行く使命を持っています。
第四に、学齢期・思春期の頃は誰しも思い悩む年代であり、多くの青少年にとってメンタルヘルスの問題は、人ごとではなく自分たち自身の問題でもあります。
第五に、このことも関連して、学齢期・思春期など若い年代ほど精神疾患に対する「偏見」が少なく改善されやすいと考えられています。
□この取り組みがめざすもの
以上のように、早期にメンタルヘルスの基礎的知識・技能を習得することができれば、自分自身の問題解決に役立つだけでなく、人間が共通に関わる問題であるメンタルヘルスへの共感性を高め、偏見を是正することにつながると考えます。
私たちコンボは、清瀬市などで取り組まれている研究グループの活動と連携しながら、この活動を発展させていきたいと考えます。読者の皆さんも小中学校・高校時代のさまざまな思いと経験が交錯する領域からと思います。この活動へのご支援・ご協力をよろしくお願いします。
コンボ「こころの元気+」通巻18号 2008年8月 特集「偏見をなくしたい 6『偏見』をなくすための方向性」
※なるほど。みなさん、協力しましょうね。(黒)
(NPOコンボ代表理事 大島巌)
昨年1月に設立された私たちNPO法人地域精神保健福祉機構・コンボは、団体設立の目標(ビジョン)を次のように定めました。ご記憶の方も多いと思いますが、それは、
「精神障害をもつ人たちが主体的に生きていくことができる社会のしくみをつくりたい。そのために私たちは、地域で活動するさまざまな人たちと連携し、科学的に根拠のあるサービスの普及に貢献します」ということです。
□社会の偏見を正していく
私たちは、精神障害をもつ方々がどうしても社会の中で受け身の立場に置かれがちなのは、そのような立場を強いる社会の仕組みがあるからだと考えています。その「社会の仕組み」を形づくるおおもとになっているのが、実は「社会の偏見」ということができるでしょう。精神障害をもつ方々、およびそのご家族が自信を取り戻し、ご自身が本来やりたかったことや、新しい夢を実現できる社会を築くためには、どうしても「社会の偏見」を正していくことを避けては通れません。
□学校精神保健福祉教育と早期介入プログラム
私たちは、私たちの目標(ビジョン)を達成し、使命(ミッション)を実現するために、当面これから10年の間、力を入れて活動すべき課題を設定しました(こころの元気+創刊1号4〜5頁を参照)。その中の一つが、「学校に精神保健福祉教育を取り入れるための諸活動と早期介入プログラムの導入」です。「社会の偏見」是正には、ご存知のとおりこれまでも公私の各種機関・団体によってさまざまな努力がされてきました。多くの課題が山積しますが、その解決が容易でないことは御承知のとおりです。その中で私たちコンボが注目したのが、「学校精神保健福祉教育と早期介入プログラム」だったのです。
□私たちがこの取り組みに注目する理由
私たちがこの取り組みに注目する理由の第一は、精神疾患の発症時期が小中学校・高校の学齢期が多いにもかかわらず、精神保健福祉の基礎知識すらほとんど教育されていないことが多いことです。そのためメンタルヘルスの問題を経験しても、専門サービスを上手に活用することができません。
第二に、その結果、適切な治療を受けられない未治療期間が延び、多くの本人・家族が多大な苦労を強いられます。
第三に、精神疾患は適切な支援・治療が早期に行われれば、その後の経過が改善する科学的根拠が明かにされています。私たちコンボは、まずは科学的根拠のあるサービスから取り組んで行く使命を持っています。
第四に、学齢期・思春期の頃は誰しも思い悩む年代であり、多くの青少年にとってメンタルヘルスの問題は、人ごとではなく自分たち自身の問題でもあります。
第五に、このことも関連して、学齢期・思春期など若い年代ほど精神疾患に対する「偏見」が少なく改善されやすいと考えられています。
□この取り組みがめざすもの
以上のように、早期にメンタルヘルスの基礎的知識・技能を習得することができれば、自分自身の問題解決に役立つだけでなく、人間が共通に関わる問題であるメンタルヘルスへの共感性を高め、偏見を是正することにつながると考えます。
私たちコンボは、清瀬市などで取り組まれている研究グループの活動と連携しながら、この活動を発展させていきたいと考えます。読者の皆さんも小中学校・高校時代のさまざまな思いと経験が交錯する領域からと思います。この活動へのご支援・ご協力をよろしくお願いします。
コンボ「こころの元気+」通巻18号 2008年8月 特集「偏見をなくしたい 6『偏見』をなくすための方向性」
※なるほど。みなさん、協力しましょうね。(黒)
by open-to-love
| 2008-08-28 20:43
| 教育
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