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管理人より
カテゴリー案内 1~16群
1群:心の病入門
2群:盛岡ハートネットその1
2群:盛岡ハートネットその2
3群:盛岡ハートネット事務局
4群・東日本大震災
5群:精神保健福祉と女性問題
6群:自傷/自殺未遂/自殺
7群:当事者
8群:家族
9群:精神保健医療
10群:精神障害福祉
11群:社会資源
12群:歴史/事件/差別
13群:精神疾患
14群:治療法
15群:条約&憲法&法律&条例
16群:所蔵書籍一覧
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心の病入門編
心の病と映画
映画『精神』
心の病とアート
るんびにい美術館
アートギャラリー
心の病と文学
心の病とマンガ
心の病と能・舞台
心の病と音楽
花の写真ギャラリー
投稿写真ギャラリー
作ろう『こころの病入門』
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盛岡ハートネット
盛岡ハートネットの軌跡
第1回例会:盛岡の精神保健福祉
第2回例会:SSCM
第3回例会:紫波の精神保健福祉
第4回例会:家族SST
第5回例会:多剤大量処方
第6回例会:心とお金シンポ
第7回例会:奥家連と交流
第8回例会:キララin盛岡
第9回例会:カウンセリング
第10回例会:増野先生
第11回例会:もりここ
第12回例会:自殺予防
第13回例会:心とお金セミナー
映画『精神』盛岡上映会
第15回例会:薬と行動認知療法
第16回例会:ACTを学ぼう
第17回例会:働くために
第18回例会:リカバリー
第19回例会:リカバリー福島編
後藤雅博先生講演会
第20回例会:リカバリー仲間編
精リハ学会いわて大会
お茶っこの会2011
お茶っこの会2012
お茶っこの会2013
お茶っこの会2014
盛岡ハートネット刊行物
盛岡ハートネットニュース
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阿部稲子
山口みどり
山口:ゆったりごはん
黒田:家族会長会議講演
黒田:キララシンポ発表
黒田:自殺対策連携シンポ
黒田:八幡平講演
黒田:二戸地域生活セミナー講演
黒田:ヘルパー研修講義
黒田:民生委員協議会講演
黒田:盛岡大講義
黒田:盛岡社会福祉専門学校講義
黒田:社会福祉士会フォーラム
黒田:岩手大学術講演会
黒田:みんなねっと岩手大会
黒田:メディア文化論
黒田:PS養成講座
黒田:リカバリーフォーラム2011
黒田:宮古地区家族懇談会
黒田:心のケアと報道
黒田:岩泉町家族懇談会
盛岡圏域家族交流会
山田町家族懇談会
県立大精神保健福祉援助実習
宮古&気仙圏域家族学習会
山田町家族懇談会
県立大精神保健福祉援助実習
黒田:日本精神神経学会
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盛岡ハートネット被災地家族支援
東日本大震災トピック
東日本大震災関連書籍
もりおか復興支援ネットワーク
震災からのリカバリー
岩手日報心のケア関係記事
応援してます久慈市
応援してます野田村
応援してます田野畑村
応援してます宮古市
みっこ倶楽部
応援してます山田町
応援してます大槌町
ときどき海沿い便り
応援してます釜石市
応援してます大船渡
応援してます陸前高田
公衆衛生ねっと
応援してます気仙沼
応援してます南三陸町
応援してます女川町
応援してます石巻
シャローム石巻
応援してます東松島市
応援してます塩釜市
応援してます名取市
相双地域の精神医療保健福祉新生
応援してます福島県
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障害福祉と女性問題
優生思想
保護者制度
DV(IPV)
モラルハラスメント
パターナリズム
恋愛・結婚・離婚
トランスジェンダー
チャイルドラインいわて
インクルいわて
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自傷
自殺未遂/自殺
自死遺族支援
自殺予防ニュースレター
県精神保健福祉センター
いのちの電話
岩手自殺防止センター
金銭管理・多重債務
盛岡市消費生活センター
さん・Sunねっと
ほほえみの会
いわて生活者サポートセンター
これからのくらし仕事支援室
社会的包摂サポートセンター
湯浅誠
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当事者として
キララ
べてるの家
コンボ(地域精神保健福祉機構)
コンボ『こころの元気+』
リリー賞
全精連
CILもりおか
欠格条項
DPI日本会議
地域生活
リカバリー
WRAP研究会いわて
『当事者主権』
ピアサポート
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家族として
全家連
全福連(みんなねっと)
機関誌『みんなねっと』
みんなねっと岩手大会
岩家連
家族会
奥家連
家族のスキルアップ
高森信子先生の家族SST
滝沢武久
家族支援
家族による家族学習会
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精神保健福祉トピックス
世界のトピック
精神障害予防
救急・急性期
相談機関
ケアマネジメント
『図説ケアマネジメント』
ACT
地域生活支援&ACT学習会
精神科病院
多剤大量処方
入院
社会的入院
リハビリテーション
ひきこもり
児童虐待・虐待
教育
災害
コンコーダンス
増野肇『精神保健とは何か』
SST
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精神保健福祉サービス
障害年金
特別障害給付金
生活保護
障害者手帳
手当制度
雇用・労災保険制度
医療保険制度
自立支援医療
ホームヘルプ
グループホーム
ショートステイ
就労・復職
成年後見制度
精神障がい者運賃割引県連絡会議
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全国・全県
盛岡圏域:盛岡市
盛岡市保健所
SSCM
もりおか心のクリニック
未来の風せいわ病院
盛岡市立病院
三田記念病院
喫茶ひだまり
My夢
スローキュアナチュラルハウス
You-Meゆいっこ
すまいる倶楽部
ハーモニー
もりきたエコムネット
ファーム仁王
盛岡圏域:矢巾町
盛岡圏域:紫波町
盛岡圏域:滝沢村
盛岡圏域:雫石町
盛岡圏域:八幡平市
盛岡圏域:岩手町
盛岡圏域:葛巻町
岩手中部圏域:花巻市
岩手中部圏域:北上市
岩手中部圏域:遠野市
岩手中部圏域:西和賀町
胆江圏域:奥州市
胆江圏域:金ヶ崎町
両磐圏域:一関市
工房てんとう虫
両磐圏域:平泉町
気仙圏域:大船渡市
気仙圏域:陸前高田市
気仙圏域:住田町
釜石圏域:釜石市
釜石圏域:大槌町
宮古圏域:宮古市
宮古圏域:山田町
宮古圏域:岩泉町
宮古圏域:田野畑村
久慈圏域:久慈市
久慈圏域:野田村
久慈圏域:普代村
久慈圏域:洋野町
二戸圏域:二戸市
二戸圏域:一戸町
二戸圏域:九戸村
二戸圏域:軽米町
精神の関係団体
日精看県支部
就労支援事業所
地域活動支援センターetc
さまざまな団体・居場所
重症心身障害児者を守る会
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池田小学校事件
事件
差別 偏見 スティグマ
考古学・歴史
マスコミ報道
呉秀三
クラーク報告
『犯罪と精神医療』
『狂気の歴史』
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ICD-10
DSM-Ⅳ-TR
統合失調症
統合失調症関連書籍
うつ病・躁うつ病(気分障害)
解離性障害
パーソナリティ障害
ADHD
パニック障害
依存症
摂食障害
発達障害
認知症
PTSD
強迫性障害
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薬物療法
抗精神病薬
抗パーキンソン薬
副作用
睡眠薬(眠剤)
抗躁薬
抗不安薬
抗てんかん薬
抗うつ薬
抗酒薬
心理療法・精神療法
カウンセリング
ストレス対処法
増野肇
精神分析
認知(行動)療法
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日本国憲法
国連障害者権利条約
障害者基本法
精神保健福祉法
障害者自立支援法
心神喪失者等医療観察法
障害者差別をなくす条例
精神保健医療福祉の更なる改革…
自殺対策基本法&対策大綱
こころの健康基本法
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「自立支援の名の下に」
「共生社会へ」
「伸ばそう遊び力」
「プリズム」「展望台」
「直言」
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所蔵書籍一覧
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風化させるな宇都宮病院事件

風化させるな宇都宮病院事件
(宇都宮地方裁判所 1986(昭和61)年3月20日 判決)

 宇都宮病院事件が発生し20年が経過し、同事件を知らない看護者が多くなっていることに筆者は一抹の危惧を抱くものである。なぜなら、それは看護職員が起こした大変残酷な事件であり、国の内外から日本の精神科医療に対する批判が集中し、その結果として当時の精神衛生法が患者の人権尊重を基本にした精神保健法へと改正(1987年)されるに至った、忘れてはならない事件だからである。
 1984年、栃木県宇都宮市の報徳会宇都宮病院で発覚した事件はあまりにも大きく、法に触れた問題だけでも、①看護職員による入院患者リンチ殺人事件、②無資格者による検査・診療、③極端な医師・看護不足、④患者の使役、⑤通信・面会の自由を剥奪、⑥不必要な強制入院、⑦不正経理(患者から預かっていた現金をどんぶり勘定で処理し、現金は3300万円も不足していた。また、生活保護患者の看護料を不正請求し、1億円を騙し取っていた有印私文書偽造、同公使、詐欺)、⑧知事の認可を受けないで施設を病棟として使用、⑨脳の違法摘出(死体解剖保存法違反)、⑩人件費の水増しなどで2億円の所得隠し、などがあった。栃木県警は347人を取り調べ、石川院長をはじめ9人が逮捕され、送検された被疑者は延べ111人、17の罪名で立件された。(1)
 ここでは、この事件の中でも特に「入院患者リンチ殺人事件」について改めて検討することで、人権侵害事件の再発防止になることを願うものである。

1)事件の概要
 裁判記録(2)にできるだけ忠実に、暴行の状況を詳細に再現する。
 被告人A(看護助手として1981年1月から勤務)は、1983年4月24日午後4時過ぎごろ、入院患者K(当時32歳。統合失調症で1969年12月から措置入院)が食事に少し手をつけただけでほとんど食べないのを見かけ、「食べなきゃだめだ」と注意しながらKの頭を左手拳で2〜3回殴打したところ、Kが「食いたかねえんだ」と答え、Aの「捨てるんじゃない」という言葉を無視して残飯入れに捨ててしまったことに腹を立て、Kの頬を右手拳で2〜3回殴打しようとしたところ、Kはさらに殴打されるのを避けようとして、Aの、数日前に怪我をして包帯をしていた右手首を掴んだため、Aはその右手首に痛みを感じ、また、多数の他の患者が見ている前でKに抵抗されたため、看護人としての面子をつぶされたと感じ、その制裁としてKに暴行を加えようと決意し、Kの腰のあたりを2回、力をいれて回し蹴りし、さらにKの手をつかんで隣接する小ホールに連行し、「何で手を離さなかったんだ、怪我をしているんだぞ」と怒鳴ったが、Kが「食いたかねえんだ」と見当違いの返事をしたためますます興奮し、思い切り回し蹴りした。
 この様子を看護人室で見ていたB(看護助手として1983年2月から勤務)、C(躁病で1981年3月から入院していたが、事件当時は、院長に命じられて看護助手の手伝いをしていた)、D(1983年1月から看護助手として勤務)も小ホールに駆けつけ、何が原因か具体的にはわからなかったが、KがAの指示に従わなかったため制裁として暴行を受けているものと考え、自らも看護人ないし看護人手伝いとしてAに加勢してKに制裁として暴行を加えようと決意し、まずDが、Kに対し、「何をしたんだ」と問いただしたのに、KがDの顔を見返しただけで何も答えなかったので、その態度を反抗的と感じて殴りかかった。その間にAは、リネン室から金属製のパイプを持ち出し、Kが「助けてくれ」と哀願するにもかかわらず、これでかわるがわる殴りつけた。Kが大ホールに逃げるのをAはさらに追いかけまわして小ホールに連れ戻したが、その際にAは椅子につまづいて転んだため、多数の患者の見ている前で恥をかかされ、このままでは示しがつかないなどと考えてますます激昂し、Kを徹底的に痛めつけてやろうと考えるようになっていった。Kが「痛え。やめてくれよ。助けてくれよ」などと泣き叫ぶのをかまわず、Kの肩の上に乗って肩車をするように命じたが、弱っていて立ち上がることができなかったため、床の上に四つん這いにさせ、背中の上にサンダル履きのまま飛び乗って3、4回踏みつけた。B、C(80キロの体重)もこれに続いて同様に踏みつけた。Kは重さに耐えられず床の上にうつ伏せにつぶれてしまったため、Cは弾みで背中の上で正座する形になり、Kは背中に打撃を受けた。さらに、A、Bはうつ伏せになったKに尻の方から乗って腰、背中と踏み歩き、ついにKはうめき声も上げなくなって、その場にぐったりと倒れていた。しばらくして自力で立ち上がり、小ホール内にあるベッドに腰をおろしたが、Cは後ろから蹴りつけて突き落とし、横向きに倒れたKに飛び降り、暴行を加えた。
 Kは暴行を受けた後しばらくは床に倒れ込んだまま立ち上がることもできずにいた後、ようやく立ち上がって自力でどうにか自室に戻り、上半身を投げ出すようにベッドにうつ伏せに倒れ込み、同室の患者たちに仰向けに寝かされたが、腰や脇腹あたりを抑えて苦しそうに顔を歪めながら、「ウー、ウー」とか「痛え、痛え」とうめき声を上げ、水を要求したので患者の1人が飲ませてやったのにほとんど飲む力もなく、やがて口から血混じりのよだれをたらしたり、血混じりの便をした。同室の患者たちはKの背中をぬれたタオルで冷やしたりしたが、次第に動かなくなり、脈をとっても触れず身体も冷たくなった。午後8時ごろ看護人を呼びに行き、Aらが駆けつけて人工呼吸や吐物の吸引などをしたが、蘇生しなかった。
 以上の暴行により、Kの背部及び腰部等に多数の打撲挫傷、筋肉挫滅等の障害を負わせ、よって、同人をして、同日午後8時ごろまでの間に、同病院内において、上記障害にもとづく外傷性ショックにより死亡するに至らしめた。
 判決は、傷害致死、暴行行為等処罰に関する法律違反でAが懲役4年、Bが懲役3年、Cが懲役3年、Dが懲役1年6月であった。(B、C、Dは執行猶予。Cは犯行当時躁病のため心神耗弱の状態にあったとした)。

2)争点と裁判所の判断
(1)暴行と死亡との因果関係
 被告人A、Cの弁護士は、「本件暴行当時のKの健康状態はクロールプロマジン(CP)等の向精神薬の長期に亘る大量投与により、肝障害、血圧下降、皮膚炎等の全身にわたる広範囲な副作用によって侵されていて、これらの副作用を抑えるためにカルニゲンのような血圧上昇剤を投与しなければ正常な心肺機能を維持できない状態にあり、現に薬疹が治癒しておらず、食欲も減退するなど体調に異常をきたしていた」とし、暴行の内容も必ず死に至るような程度のものではないので、「Kの死因は右被告人らの暴行による外傷性ショック死ではなく、それ以外のCP等の向精神薬の副作用による突然死、てんかん発作、抗てんかん剤の副作用等の可能性を払拭できない」と主張した。
 これに対して裁判所は、①Kの受傷前の身体的健康状態に急死するような問題はなかったこと、②Kの死亡は向精神薬の非投与前に発来したこと、③頻回かつ強力な暴力を連続的に受けたこと、④受傷後、暫時経過後にショック状態に陥り、3時間半ないし4時間で死亡したこと⑤鈍的外力の作用痕跡が明確に存在していたことから、Kの死亡と本件暴力との因果関係は認めざるを得ないと判断し、死因は①外傷性ショック、②後腹膜下出血、③脾臓ないし肝臓ないし腎臓破裂にもとづく出血死、④腸間膜動脈破損にもとづく出血死、⑤外傷に起因する吐物吸引による窒息死、の5つの可能性があるとした。
(2)量刑の理由と病院の状況
 精神科病院内で、本来患者を保護すべき立場にある看護人(助手)が無抵抗な患者に対し暴行を加え死亡させるに至ったことは、極めて重大な犯罪である。しかし裁判所は、その背景にある宇都宮病院の経営の実態、看護・治療体制の問題も考慮すべきとして、以下の点を指摘した。
 ①院長の経営姿勢は、980人の患者を収容し、徹底的に人員の削減を図り、常勤医の数を極端に少なく抑え、無資格の看護人を積極的に雇い入れ、安い給与で有資格者同様の職務に従事させるというものだった。
 ②院長は、回診の際、患者を蔑視するような言動が多く、病院批判をした患者は、長期間保護室に入れたりしていた。
 ③患者に対しては、作業療法の名目で配膳の仕事から看護人の手伝い、各種検査まで行わせていた。
 ④入院患者の中には、薬物中毒等の治療・看護のむずかしい患者が多数存在したにもかかわらず、医師、看護人がはなはだしく不足していたので、看護人らの間には、患者に対し威圧的に押さえ、暴力もやむなしとの風潮が生まれ、院長もこれを黙認していた。
 ⑤看護人が患者に対して暴行を加えることが相当頻繁に行われ、患者らは看護人を恐れていた。
 ⑥看護人らは、病棟内の秩序を維持するために患者に対し威圧的な態度で押さえつける以外になかった。
 ⑦同病院は、まったく経験のない無資格の看護人を積極的に雇い入れ、何らの適切な教育、訓練を施さないまま勤務させ、先輩から「患者になめられるな。言うことを聞かない患者は殴ってもよい」と教えられ、暴力的な体質を当然とし、批判すると解雇されるという状況であった。
 ⑧しかし、あまりにも残虐かつ執拗な暴力を長時間にわたって続けたのは、私的制裁の色合いが濃厚である。

3)判例からの学び
 宇都宮病院事件は、精神障害者の人権が無惨に踏みにじられた許されざる事件であった。本件では、K氏のみでなくもう1人の死亡患者O氏に対する暴力も問われたが、O氏の死因と暴力行為との因果関係が認められなかったので、ここでは触れなかった。しかし、暴力行為が行われたことは事実である。裁判の記録には、目を覆いたくなる事実が描写されている。平素おとなしい人であったというAをこのような変貌させたのは何だったのだろうか。
(1)宇都宮病院事件以降もつづく入院患者への暴力事件
 残念なことは、宇都宮病院事件後もなお、精神科病院の不祥事が毎年のように発生していることで、新聞紙上に掲載されたものだけでも多数にのぼる。宇都宮病院事件のような暴行死事件も、1997年に山本病院事件と大和川病院事件があり、入院患者の人権はいまも守られていない状況にあるといっても過言ではない。
 精神科病院での入院患者に対する人権侵害、特に暴力行為はなぜ発生するのだろうか。理由として、①看護者の中で患者の人権尊重の意識が低下している、②精神科病院内が密室で、そこで発生したことがなかなか第三者の目に触れない、③家族も病院にお任せで、患者の人権侵害に関心が及ばない、④患者から訴えられない、⑤精神科病院では、職員の人数が一般病院に比べ少ない(精神科特例)、などが考えられる。このような状況が今後も継続するであろうことを懸念するのは、筆者だけではあるまい。
(2)精神科病院の人権侵害をなくすために
 いま、精神科看護に携わっている人々の力で精神科病院での人権侵害をストップさせなければならない。そのためには、何をなすべきか。1999年の精神保健福祉法の改正では、精神保健指定医の役割を強化した。しかし、それで十分とはいえない。なぜなら、その後も不法拘束などが継続しているからだ。
 精神科病院に勤務する看護者は、自分が人権侵害行為を行っていないかを常に点検する必要がある。暴力行為だけが人権侵害ではない。不当な隔離・拘束はないか、任意入院の患者は本人が望めば退院できるような状況であろうか、望むときは外出することができているだろうか、などを点検することが必要であろう。
 点検事項を整理してみると、以下のようになる。
 ①入院患者の意思は尊重されているだろうか。
 ②入院患者の行動の制限は、治療上必要最小限だろうか。
 ③いま実施している行為は患者の人権を侵害する行為ではないか。
 ④いま行っている行為は社会規範に合っているだろうか。
 ⑤患者の日常生活の自由はどこまで保障されているか、されていないことは何か、それはどうしてか。
 宇都宮病院事件では、院長の精神医療に対する姿勢に問題があったことは明確である。しかし、このリンチ殺人事件では院長の刑事責任は問われていない。それは実行者ではないからである。院長の姿勢に暴力を容認するムードがあったにせよ、看護行為の判断は各人がしなければならないし、その行為の責任は行為者がとらなければならない。したがって、いま行っていることは患者の人権侵害になっていないか、看護者自身が点検する必要がある。
 私たちの手は「患者の人権侵害」という色に染まっていないか、いま、改めて確認しよう。
〈引用・参考文献〉
(1)橋本聡:宇都宮病院その後、法学セミナー増刊 総合特集シリーズ37 これからの精神医療,p.33,1987年
(2)刑事裁判月報18(3),197,1987年
(「裁判事例に学ぶ精神科看護の倫理と責任」精神看護出版)
by open-to-love | 2008-01-07 21:55 | 事件 | Trackback | Comments(0)
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精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して
by open-to-love
盛岡ハートネット
●●●「明るく生きる2014こころのシンポジウム」のご案内●●●

2014年11月29日(土)13:30〜16:00
会場:一関市大東コミュニティセンター
  (一関市大東町摺沢字街道下25ー3)
主催:心の病と共に生きる仲間達連合会キララ
後援:盛岡ハートネット

※11月のお茶っこの会はお休みです。ハートネットのみなさん、キララのシンポにご参加下さい。

●●●盛岡ハートネット●●●

 盛岡ハートネットは「精神障害当事者・家族・関係機関・市民のネットワーク」です。2007年10月発足。2〜3カ月に1回ペースで、保健師や精神科医や臨床心理士らの講演会とグループワーク、自殺予防のシンポジウム、岩手の誇る当事者演劇集団「キラりん一座」盛岡公演などさまざまなテーマで例会を開催。2012年4月21日には前田ケイ・ルーテル学院大名誉教授を講師に第18回例会「精神の病からのリカバリー、震災からのリカバリー」。2013年7月には「リカバリー…福島と共に」を開きました。
 参加資格はありません。どなたでもどうぞ!規約も年会費もない(集まりごとに参加費数百円)、実にゆるやかな集まりではありますが…強いて言えば、下記4つのルール。

 ◎代表は選びません。参加された皆さん一人一人が主役です。
 ◎お金ない人は参加費払わなくてもいいです。世の中お互い様。
 ◎安心し楽しくおしゃべりしましょう。プライバシー厳守です。
 ◎大事なことはみんなで決めよう。みんなのハートネットです(→参加される方のニーズに応じた例会テーマ設定を心掛けてます)。

 そして、2011年3月11日の東日本大震災以降は、当事者を中心として、みんなが安心しておしゃべりできる小さな集まり「お茶っこの会」を、月1回ペースで開いています。震災で失ったものは多い。でも、少しずつ、新たなつながりをつくっていきませんか?

☆ハートネット登録者数(例会案内送付者数)=560人・団体(2011年6月現在)

☆ブログへのPC訪問者数=35万人(2014年7月現在)

精神障害当事者・家族・関係機関・市民のネットワーク「盛岡ハートネット」
問い合わせ:事務局・黒田大介
携帯:090-2883-9043
パソコンメール:yukapyon@estate.ocn.ne.jp
携帯メール:opentolove@ezweb.ne.jp
ブログ「Open, to Love」http://opentolove.exblog.jp/
(運転中などすぐ携帯に出れないときがあります。必ずかけ直しますので怒らないでくださいね^^)

★東日本大震災に際し、盛岡ハートネットのブログに「東日本大震災」「東日本大震災関連書籍」のカテゴリーを設け、いろんな取り組みや本を紹介しています。2011年7月から始めた「お茶っこの会」は、「お茶っこの会」のカテゴリーをご覧ください。(事務局・黒田)

★精神障がい者の運賃割引を進める岩手県連絡会議

 日本の44都道府県では、常にバスでの精神障がい者の割引が実現していますが、岩手県ではまだ割引になっておりません。統合失調症や双極性障がいなど精神障がい者の多くは、一般社会での適応が難しく、多くは入院・デイケア通い・福祉事業所利用・在宅療養をしています。精神障がい者の多くは、低所得者で健常者並みの収入を得ることが困難なことから、精神障がい者も割引が必要です。
 私たち、「精神障がい者運賃割引県連絡会議」のFacebookページができました。まだまだ、内容が少ないですが、今後少しずつ充実させていきます。
 あなたが通院中の精神科・心療内科、あなたが通っているデイケアや支援団体はもちろんのこと、Twitterやブログ、SNSでもぜひ広めてくださいね。精神に障がいを持つ人が、明日を信じ生きる希望の灯になるよう私たちは活動しています。今後も私たちの活動にご声援とご協力をどうかよろしくお願いします。

https://www.facebook.com/basukaigi

●●●●●キララ●●●●●

※心の病と共に生きる仲間達連合会キララ(一関市東磐井、愛称「キララ」)は、岩手県で初めて精神障害者自立支援活動賞(リリー賞)を受賞した団体です。詳しくは、NPO法人地域精神保健福祉機構(コンボ)のホームページ、このブログの「キララ」「リリー賞」のカテゴリーをご覧ください。

●●●●●コンボ●●●●●
NPO法人地域精神保健福祉機構・COMHBO(コンボ)

当事者の声、最新の精神保健医療福祉情報満載の雑誌「こころの元気+」を発行しています。

〒272-0031
千葉県市川市平田3-5-1
トノックスビル2F
電話:047-320-3873
Fax: 047-320-3871

●●●ピアサポサイト●●●

コンボ「ピアサポートグループ支援事業」サイト

http://comhbo.net/2013/peersupport/

●●●●●注意●●●●●
①ブログの記事があんまり増えすぎたんで、すっきりカテゴリー再編中です。読みにくいかと思いますが、ご容赦ください…。

②県内各圏域ごとに、社会資源を紹介するコーナーを充実したいと思っています。掲載希望の方、ご連絡お待ちしてます。

●●●相談窓口電話番号一覧●●●(県自殺防止緊急キャンペーン岩手日報広告より)

□精神障がい、アルコール問題など心の悩みのご相談=こころの健康相談統一ダイヤル(県精神保健福祉センター)
☎0570・064556
(9:00~16:30、定休日:土日祝日)

□多重債務や借金、消費生活のご相談=お金の悩みホットライン(県消費者信用生活協同組合)
☎0120・979・874
(9:00~21:00、定休日・土日祝日)

□いじめ=いじめの相談電話
☎019・623・7830
(9:00~17:00、定休日:土日祝日)

□法的トラブルのご相談=法テラス(日本司法支援センター)
☎0570・078374
(平日9:00~21:00、土曜日9:00~17:00、日曜定休)

□子育て、児童虐待などのご相談=子ども・家庭テレフォン 虐待110番
☎019・652・4152
(9:00~22:00)

□DVや恋人からの暴力などのご相談=DV相談
☎019・652・4152
(9:00~22:00)

□死にたい気持ち、辛い気持ちのご相談=盛岡いのちの電話
☎019・654・7575
(月~土:12:00~21:00・日曜12:00~18:00)

自殺予防いのちの電話
☎0120・738・556
(毎月10日8:00~8:00=24時間)

岩手自殺防止センター
☎019・621・9090
(毎週土曜日20:00~23:00)

□ご家族を自殺で亡くされた方のご相談=精神保健福祉センター
☎019・629・9617
(毎月第2水曜日(祝日除く)14:00~17:00)

□心や体の悩みのご相談
県央保健所
☎019・629・6574

花巻保健所
☎0198・22・2331

北上保健所
☎0197・65・2732

奥州保健所
☎0197・22・2861

一関保健所
☎0191・26・1415

大船渡保健所
☎0192・27・9913

釜石保健所
☎0193・25・2702

宮古保健所
☎0193・64・2218

久慈保健所
☎0194・53・4987

二戸保健所
☎0195・23・9206
(以上9:00~16:30、土日祝日定休)

盛岡市保健所
☎019・603・8309
(9:00~16:00、土日祝日定休)

●東京自殺防止センター●
☎03・5286・9090
(年中無休、夜8時~翌朝6時、毎週火曜日は夕方5時~翌朝6時)

●●●●SSCM●●●●
(盛岡市本町通1丁目・JT本町通ビル3F、ソーシャルサポートセンターもりおか)
☎019・651・6271
(平日午前9時~午後5時、土曜日は午前9時~正午、日曜祝日と年末年始はお休みです)

●●●いわて生活者サポートセンター●●●
☎019−604−8610
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