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バスはぼくらにとってもスニーカー(CILもりおか)

 障害者が社会参加する際、バスは大切な交通手段。バリアフリー新法の下、バスや社会のバリアフリー化推進が求められている。盛岡市盛岡駅西通一丁目のいわて県民情報交流センター(アイーナ)で「第二回 バスはぼくらにとってもスニーカー」が2007年6月22日開かれ、DPI(障害者インターナショナル)日本会議交通問題担当常任委員の今福義明さん(東京都)が「障害当事者が積極的にバスに乗ることで、社会をバリアフリーに変えよう」と呼び掛けた。

 CIL(自立生活支援センター)もりおか(川畑昌子代表)主催。約二十人が参加した。今福さんは、電動車いすで国内各地のあらゆる公共交通の乗り物を利用しバリアフリーについて積極的に発言している。
 「バスに乗って自由に出掛けられることは素晴らしい。通勤、通学、通院、観光、映画…どれも私たち障害者にとって、大切な社会参加。社会参加すれば成長できる。個性も発揮できる」
 障害者がバスに乗ることは勇気がいる。だが「乗り続けなければ、バスの必要性が広く認知されない。無理してでも乗り続ければ、バスはどんどん使いやすく乗りやすくなる。乗り続けると同時に、事業者や自治体にノンステップバスの増車を求めよう」と呼び掛けた。
 全国各地で起きた乗降時の車いす転倒事故や乗車拒否の事例を挙げ「私たちの権利として、乗車拒否に立ち向かい、乗務員の接遇サービス徹底を要求しなければならない」と強調した。
 バリアフリー新法は身体障害者だけではなく、すべての障害者が対象。川畑代表はあいさつの中で「車いす利用者の私たちは、低床かリフト付きバスでなければ乗れないが、他の障害者がバスに乗るケースは多いと思う。バスに乗る行為を通して、歩道や情報に関するバリアーや街が改善され、一般客とのふれあいを重ねることで、障害者への理解が深まってほしい」と願った。

 CILもりおかによると、障害のある人たちの、盛岡周辺の移動手段は車が主流。軽度な身体障害者は自ら車を運転して移動し、家族と同居の重度障害者は家族が福祉車両で送迎することが多い。だが、自らバスに乗る障害者も、少しずつ増えている。今川幸子さん(27)=CILもりおか事務局長=と滝沢村の伊五沢博司さん(27)が、パネルディスカッションで思いを語った。
 今川さんは「これまで、言葉で乗車拒否された経験はない。でも、低床バスなのに乗務員が乗降口のスロープの掛け方などを分からないこともある。使い方が分からないのに一生懸命スロープを掛けようとする乗務員の姿を見ると悲しい」と接遇サービス充実を訴えた。
 伊五沢さんは「低床バス台数が少ないため、事前に予約して乗らなければならない。もっと増えてほしい」と、一言一言絞り出すように語った。また、自宅近くの歩道について「道幅が狭く、車いすでは非常に通りにくい。その上、歩行者とすれ違うとき(自分の車いすが歩道をふさいでいるため)歩行者が車道を歩かなければならず、車が来ると危険」と障害者のみならず健常者のためにも歩道拡幅などバリアフリー化の推進を訴えた。

 バリアフリー新法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)とは 交通バリアフリー法とハートビル法が一体化し、2006年12月施行。その基本方針では乗り合いバスについて、2015年を目標年に100%低床バス(ノンステップバス、ワンステップバス)にすることを挙げる。県バス協会によると、県内の乗り合いバスは07年3月末現在で811台。うち、ワンステップバス120台、ノンステップバス7台、リフト付きバスは5台。
by open-to-love | 2007-07-09 16:41 | CILもりおか | Trackback | Comments(0)