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心神喪失者の入院医療施設

急な立地話に戸惑い 心神喪失犯罪者入院施設 花巻で住民説明会

 心神喪失などの状態で重大な他害行為を行った者の社会復帰を目的とした国立の入院医療施設を花巻市諏訪の国立療養所南花巻病院敷地内に整備を予定している厚生労働省は十七日、同市上諏訪の諏訪公民館で住民説明会を開いた。住民からは「なぜここが選ばれたか納得がいかない」「突然の話で賛成、反対の前にまず理解を深めるため今回だけではなく花南地区全域で説明会を開くべきだ」という要望が出た。
 住民説明会には、諏訪、大谷地地区の住民約四十人、厚労省から四人、市側からも出席した。
 同省障害保健福祉部精神保健福祉課の北川博一精神保健企画官が「裁判官と精神科医が合議をして国公立病院への入退院を指導する心神喪失者等医療観察法(昨年七月公布)に基づく整備で、閉鎖病棟で手厚く万全なスタッフなので心配いらない」としたうえで、指定入院医療機関は国と都道府県(独立行政法人を含む)に限定されており、「北海道・東北の精神疾患政策医療ネットワークの中核的な役割を果たし、春から独立行政法人となる南花巻病院がふさわしい」と説明した。
 これに対し住民からは「なぜ花巻が選ばれたのか理由が分からない」「安全とはいえ、凶悪犯罪者も対象なのでもっと広く住民に説明すべきだ。これは花巻全体の問題だ」「市は厚労省と同じに賛成なのか」など質問や意見が相次いだ。
 北川精神保健企画官は「実施設計が固まったならば、さらに住民説明会を開き具体的に説明して理解を得たい」と述べた。(2004年3月18日付)

新病棟 進まぬ理解 心神喪失で犯罪 更生へ今秋開設 花巻
厚労省計画 地元「詳しい情報を」

 花巻市諏訪の独立行政法人国立病院機構花巻病院敷地内に、心神喪失などの状態で殺人
など重大犯罪を犯した人の社会復帰を目的とした入院医療施設の建設が進んでいる。これまで厚生労働省は計四回の地元説明会を開いたが、地域からは「どんな施設かまだ分からない」との声も上がる。全国各地に建設予定がある同施設は、大半が地元の反対などから思うように進まない中、今秋の開設を目指す花巻は先駆け的存在。住民の不安や要望に応える積極的な情報提供が求められている。
 施設は、七月に施行される心神喪失者等医療観察法に基づき設置される。新病棟は平屋の床面積約2400平方メートルで、病床は三十床。予備病床も三床備える。スタッフは医師四人(非常勤一人)、看護師四十三人、作業療法士や臨床心理技術者ら七人。建物は閉鎖病棟で、二十四時間体制で警備員が付き、フェンス、モニター、赤外線センサーも設置する。
 入院期間は約十八カ月。状態に応じて急性期、回復期、社会復帰期の三段階に分けて治療する。外出訓練時には、複数の職員が付き添う。退院後は、原則として地元に戻り、各都道府県の指定通院機関で治療を受ける。
 昨年三月の国の計画発表以来、十一月まで計四回の地元説明会を開催。「花巻市全体の
問題としてもっと広く説明するべきだ」「なぜ花巻なのか」などの声もあったが、同省などでは「おおむね理解が得られた」として、昨年末に着工した。
 同市諏訪の農業女性(64)は「更生のために必要な施設と理解するが、地元としては外出時などの安全面が一番心配」、同市大谷地の会社員男性(38)は「説明会が平日の昼間だったので参加できなかった」と詳しい情報を求める。
 今年三月に、地域の区長、病院職員、警察や小中学校などによる約三十人の地域連絡会議が発足。地域の声を吸い上げる機関として、病院側は入院者の数や退院状況を随時提供していく。
 同病院の瀬戸興次事務部長は「登下校時は外出を避けるなど、地域の要望にはできる限り配慮する。院内に窓口を設け、住民の不安を解消したい」と理解を求める。
 同省は、同様の施設を全国に計二十四カ所建てる計画だが、地元の反発などから現在は花巻を含めて三カ所しか着工できていない。花巻病院は、東京都の国立精神・神経センター武蔵病院に次いで二番目の開設になる。

 心神喪失者等医療観察法とは  心神喪失など「罪に問われない」状態で重大な犯罪を行った人の社会復帰が目的。これまでは釈放や措置入院となっていたが、入院施設の医療にばらつきがあることや、大阪教育大付属池田小事件をきっかけに体制づくりを求める声が高まった。入院対象者は裁判官と精神科医の合議により決める。全国の対象者は年間約300人で、開設後はすぐに満床になることが予想される。(2005年5月26日付)

心神喪失者医療観察法 入院施設整備に遅れ あす施行 運用に危機感も

 重大事件を起こしながら心神喪失などを理由に刑罰を科されなかった精神障害者について、地裁の判断で入院・通院による治療を強制的に受けさせ、再発を防止することを目的とした心神喪失者医療観察法が十五日、施行される。
 二〇〇三年七月の成立から既に二年。入院施設の整備が大幅に遅れており、法が定める施行期限ぎりぎりのスタートとなった。入院施設確保のため、施設の要件を一時的に緩和する法改正が早くも取りざたされ、関係者には「制度は十分機能するのか」との危機感が強い。
 心神喪失・耗弱状態で殺人、強盗などの事件を起こし不起訴とされたり、起訴されたものの無罪や執行猶予判決を受けた精神障害者が対象。検察官の申し立てを受け、地裁(裁判官と精神科医各一人による合議)が精神鑑定を実施した上で審判を開き、入院・通院などを決定する。審判は非公開だが、事件の被害者や遺族は地裁の許可を得て傍聴することが可能だ。
 入院決定を受けた場合、国公立病院などに新設される専門病棟で治療を受ける。病院は半年ごとに入院継続の申し立てをし、地裁が判断。退院の可否についても、地裁が病院や本人の申し立てに基づき決定する。
 通院決定を受けた場合や退院が認められた場合は、保護観察所の「精神保健観察」を受けながら、専門病院に通院する。期間は原則三年。
 法務省の推計では、心神喪失者医療観察法による新規の入院対象者は年間三百人程度。厚生労働省は、法施行後三年間で入院施設二十四カ所(計約七百二十床)を整備する予定だったが、地元住民による反発が強く、本年度中に整備の見通しが立っているのは国立の三カ所(計九十九床)だけだ。
 秋以降に入院決定が出始めるとみられるが、年末には専門病棟の病床数が不足する可能性が高く、厚労省は精神保健福祉法に基づく措置入院の精神障害者を受け入れている公立病院を利用できるようにする法改正を検討している。

全国2番目、花巻に今秋開設

 本県では、花巻市諏訪の独立行政法人国立病院機構花巻病院敷地内に、今秋の開設を目指し入院施設の建設が進んでいる。最も着工が早かった東京都の国立精神・神経センター武蔵病院に次いで二番目の開設となる。
 施設は、平屋の床面積約2400平方メートルで病床は三十床。予備病床も三床備える。スタッフは医師四人(非常勤一人)、看護師四十三人、作業療法士や臨床心理技術者ら七人。建物は閉鎖病棟で、二十四時間体制で警備員が付き、赤外線センサーなども設置する。
 地元説明会では「安全面は大丈夫か」「市全体に説明するべきだ」などの声が出た。今後は、住民や警察、小中学校などでつくる「地域連絡会議」が中心となり、病院側と随時情報交換する。

心神喪失者医療観察法とは…
 2001年6月に大阪教育大付属池田小学校(大阪府池田市)で起きた児童殺傷事件で精神障害による入通院歴がある男が逮捕されたのを機に、入退院の判断が実質的に医師に任され、退院後の通院などの措置も未整備だった現行措置入院制度の抜本的見直しを求める声が強まり02年3月に法案を閣議決定。日弁連や野党などは「対象者が必要以上に長期間入院させられる恐れがある」と反発、国会審議は3会期にまたがり、参院法務委員会で与党による強行採決などを経て03年7月に成立した。(2005年7月14日付)

心神喪失者の入院医療施設 不安解消へ病棟公開 患者管理手厚い体制
 花巻病院敷地内に来月開設 住民「万全対応を」

 花巻市諏訪の独立行政法人国立病院機構花巻病院(澁谷治男院長)の敷地内に建設されていた心神喪失者等医療観察法(今年七月施行)に基づく入院医療施設がほぼ完成し、十六日、報道関係者や地域住民らに公開された。開設は十月一日。重大犯罪を犯した人が入院対象となることから、不安を訴える住民もおり、その解消へ最大限の対策が求められる。
 同病棟は、心神喪失など罪に問われない状態で殺人など重大犯罪を犯した人の社会復帰を目的に、厚生労働省が全国二十四カ所に建設を計画する中の一つ。国立精神・神経センター武蔵病院(東京都)に次ぎ全国二番目の開設となる。
 施設は鉄筋コンクリートの平屋、延べ床面積約2400平方メートル。「十字」形の構造で、患者の状態に応じた急性期(六床)、回復期(十四床)、社会復帰期(八床)と、身体障害者と女性用の共用(五床)に区分されている。
 スタッフは精神科医三人(常勤)と看護師四十三人のほか、臨床心理士や作業療法士ら七人。二十四時間体制で警備員が付き、カードキーや生体(血流)認証による施錠で入出を管理する。窓は強化ガラス。周囲は高さ3メートルのフェンスが二重に囲み、監視カメラや赤外線センサーも設置した。
 入院期間は約十八カ月。社会復帰期には複数職員が付き添って外出訓練も行う。
 これまで四度の住民説明会のほか、病院や警察、学校関係者、住民代表らで構成する地域連絡会議も開き、地域理解促進に努めてきた。開設後は有識者による外部評価会議を設置し、意見を運営に反映させる。
 澁谷院長は「連絡会議などを通し、地域住民の方々にはかなり理解いただけたと思う。今後は個人情報に留意しながら情報開示に努め、順調に、事故のないよう運営したい」としている。
 一方、近くに住む六十代男性は「決して歓迎はしていない。建物自体は大丈夫かもしれないが、問題は外出時。万一の際の対応策がよく分からない。病院や警察がしっかり連携して対応し、状況もきちんと説明してほしい」と厳しく注文する。(2005年9月17日付)

心神喪失者入院施設を公開 国立病院機構 花巻病院30日に内覧会

 花巻市諏訪の独立行政法人国立病院機構花巻病院(澁谷治男院長)は三十日、市民らを対象に、同病院敷地内に建設された心神喪失者等医療観察法に基づく入院医療施設の内覧会を開く。
 同病棟は、心神喪失など罪に問われない状態で殺人など重大犯罪を犯した人の社会復帰を目的に、厚生労働省が全国二十四カ所に建設を計画する中の一つ。開設は十月一日で、全国二番目となる。
 内覧会は今月十六日に続き二度目で、三十日午前十時―正午、午後一―三時の二回。管理体制などを広く公開し、運営への理解促進に努める。同病院は「人数把握のため、できれば事前に申し込んでほしい」としている。2005年9月27日付)

心神喪失者医療に理解を 花巻で施設開設前夜祭

 花巻市諏訪の独立行政法人国立病院機構花巻病院(澁谷治男院長)は一日、心神喪失者等医療観察法(今年七月施行)に基づく入院医療施設を開設する。三十日には内覧会と前夜祭を開き、住民理解の促進を図った。
 前夜祭のうち作業療法棟体育館で開かれた講演・交流会には関係者、住民ら約二百人が参加。交流会は、退院後を支える指定通院医療機関の医師や県弁護士会所属の弁護士、盛岡保護観察所の社会復帰調整官がパネリストを務め、それぞれの立場から病棟開設後の課題を指摘した。
 参加者からは「情報の透明性を高め、地域と共有してほしい」「(社会復帰期に実施する)外出は登下校時を避け、万一に備え連絡網整備を」などの要望が出た。澁谷院長は「不安は遠慮なく常設の相談窓口に伝えてほしい」と強調した。
 同病棟は、心神喪失など罪に問われない状態で重大犯罪を犯した人の社会復帰を目的に、厚生労働省が全国二十四カ所に建設を計画。開設は全国二番目となる。(2005年10月1日付)

月内にも受け入れ 国立病院機構花巻病院 心神喪失者の病棟

 花巻市諏訪の独立行政法人国立病院機構花巻病院(澁谷治男院長)は一日、心神喪失者等医療観察法に基づく入院医療施設の開設式典を行った。同様の施設は全国二番目。三日には職員配置など体制が整い、月内にも初の入院対象者を受け入れる見込みだ。
 新病棟体育館で行った式典には来賓、関係者、地域住民代表ら約百三十人が出席。澁谷院長は「入院医療の目的は対象者の精神症状改善と同様の行為の再発防止、社会復帰促進。職員一同、病棟の歴史的意味合いと責務を自覚し、円滑な運営に努力する」とあいさつした。
 国立病院機構本部の河村博江副理事長が式辞。赤羽卓朗県保健福祉部長、渡辺勉花巻市長らが祝辞を述べ、関係者がテープカットした。同病棟の入院対象は、心神喪失など罪に問われない状態で殺人など重大犯罪を犯した人。今後は地域の理解と協力を得ながら総合的・専門的医療を行う。

 ○…心神喪失者等医療観察法に基づく全国二番目の入院医療施設を一日開設した花巻市の国立病院機構花巻病院。澁谷治男院長は「わが国の司法精神医療は、先進諸国より数十年の遅れが指摘されている」と述べた上で「厚いマンパワー、恵まれた施設環境が用意された。質の高い、透明性を確保した理想的な司法精神医療が行われると信じている」と強調。新たなモデル医療を、全国に情報発信する構えだ。(2005年10月2日付)
by open-to-love | 2007-05-06 12:42 | 心神喪失者等医療観察法 | Trackback | Comments(0)