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湯浅誠のメルマガ(2015年5月3日)

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湯浅誠の近況報告
2015.05.03

 こんにちは。湯浅誠です。ご無沙汰しております。初夏の雰囲気がただようGWですが、いかがお過ごしでしょうか。毎日新聞の連載で、「平和のための戦争」という一文を寄稿しました。日頃から社会問題について考えていますが、民主主義を再考する上でも重要なテーマなので。今日は憲法記念日でもあります。

━━━Topics ━━━
1. 寄稿「平和のための戦争」
2. おしらせ
3. メディア情報
……………………………………………………………
【1】 寄稿「平和のための戦争」
毎日新聞 2015年4月29日 くらしの明日 掲載
……………………………………………………………
象徴的なネーミングだと思った。
「国際平和支援法」のことだ。
内容は、有事の際に米国等に後方支援を行うこと。
要は、空爆するための戦闘機が飛び立つ空母に弾薬を運ぶ仕事を自衛隊がやります、ということだ。
世の中には「戦争を支援するのに『平和』とはごまかしだ」という意見もあるようだが、私の印象は違う。
ストレートな、体を表した名だと思った。
古今東西、戦争は「平和のため」にやるものだった。
「戦争したいからするんだ」と戦争を始めた人がいるとは思えない。それはいつも、「やむにやまれず」「相手の理不尽にこれ以上耐えられず」「圧政に苦しんでいる人々を救うため」「○○という崇高な理念を実現するため」に行われてきたんじゃないだろうか。
少なくとも主観的には。
戦争と平和は対立しない。
戦争は平和を確立するために避けては通れない一プロセスである。平和は黙って待っていれば訪れるものではない。不断の、あらゆる努力によってつくられ、維持されるものだ。あらゆる努力には戦争も含まれる。平和のためにこそ戦争をするのだ。
少なくとも主観的には。
だから、空爆する空母に弾薬を持っていくのは、平和をつくる行為を支援することだ。
ときにはそういうこともやらなければ、平和はつくれない。だって相手には理屈や説得は通じないのだから。基本的な価値観をまったく共有せず、人を人とも思わないモンスターなのだから。
少なくとも主観的には。
そうして、世界各地で戦争は繰り返されてきた。
別に特別なことではない。多くの国がやってきた、ふつうのことだ。私たちの日本もふつうの国だ。だから平和のためには戦争をする。
だから「国際平和支援法」。何の問題もない。このネーミングには一片のごまかしもない。
少なくとも主観的には。
――こう考えてくると、つくづく思うのは憲法9条の特殊性だ。
あれは「平和のためであっても戦争はしません」と謳っている。
たしかにふつうじゃない。だから世界を見渡しても稀にしかない。
平和のためには戦争すると謳った「国際平和支援法」の精神、そこに表れた政府の意向とは相容れない。
だから変えなきゃいけない。
少なくとも主観的には。
……となるのか、どうか。
私たちが決断を迫られる日は近い。
空母に弾薬運ぶ行為から一緒に空爆に飛び立つ行為まではあと一歩、というのと同じくらい近い。
あなたの主観はどうだろうか。

※本文は元原稿です。掲載文と一部異なるところがあります。

……………………
【2】 おしらせ
……………………
◆「はるまち」7号できました。
http://harumachi.info/

はるまちを知らない方へ

『はるまち』が目指しているのは、シンプルなことです。生活保護を利用している人たち、過去に利用していた人たちの「顔が見える」こと。「顔が見えない」と、私たちは悪気はなくても、相手に対して漠然とした不安を感じ、警戒感・不信感を抱きます。「顔が見える」ことが、信頼の基礎を築きます。しかし、顔を出すことに、とても勇気のいる人たちもいます。すでにあるイメージをべったりと張りつけられてしまっている人たちです。そうなると、顔を出すことはたいへんなリスクをともなうこととなり、多くの人たちが躊躇せざるを得なくなります。「顔が見える」ことが信頼の基礎なのに、信頼の基礎がないために顔を出せず、よって信頼の基礎も築かれない、という悪循環です。『はるまち』は、この悪循環を断ち切るためのチャレンジです。

◆NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」が日経ソーシャルイニシアチブ大賞ファイナリストに選ばれました。
 http://bit.ly/1EKzu2R


◆公立小学校でもここまでできる! 映画「みんなの学校」全国好評上映中
http://minna-movie.com/

◆署名キャンペーン実施中。「2014年4月以前に妻を亡くし遺族年金の対象とならない父子家庭の父と子を救いたい!特例法にて救済を求めます!」
 http://chn.ge/1zlGKBO

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【3】 メディア情報
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◆NHK「マイあさラジオ」「今週のオピニオン」
 今年度のレギュラーコメンテーターとなりました。
 5月8日(金)朝6:15頃~
http://bit.ly/1zBr7qh

◆NHK・Eテレ「東北発☆未来塾」6月
塾生らとともに、岩手県野田村を訪れました。
毎週月曜 23:00~23:20
再放送 毎週水曜 11:05~11:25(一部の地域を除く)、毎週土曜 11:20~11:40
 http://bit.ly/1EEnFdg

◆市民メディア「ラジオフォーラム」
 AM6局・コミュニティFM43局・海外1局で放送中。毎月1回パーソナリティを勤めています。

・第117回「住民投票で市民の声を届ける」
ゲスト/大原隆広さん、関原明子さん(埼玉県所沢市で行われた住民投票の請求代表者)
http://bit.ly/1I0eIgH

・第113回「認知症とともに生きる」
ゲスト/佐藤雅彦さん(日本認知症ワーキンググループ共同代表)、永田久美子さん(同パートナー、 認知症介護研究・研修東京センター研究部長)
http://bit.ly/1FEGJu4

・第109回「ホームレスをファーマーに~農業から社会を変える」
ゲスト/小島希世子さん(株式会社えと菜園・NPO法人農スクール代表)
 http://bit.ly/1DQOQyW

・第104回「コンピューターが、未来をどう変えるのか~人工知能の最前線から~」
ゲスト/新井紀子さん(国立情報学研究所教授)
http://bit.ly/1JHhrOb

◆大竹まことゴールデンラジオ「大竹メインディッシュ」
 毎月レギュラーで生出演しています。
文化放送(AMラジオ1134kHz)
次回5月26日(火)14:25~14:50
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by open-to-love | 2015-05-04 18:52 | 湯浅誠 | Trackback | Comments(0)