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盛岡ハートネット第22回お茶っこの会「草むらを考える」が開かれました

盛岡ハートネット第22回お茶っこの会「草むらを考える」が開かれました

 盛岡ハートネット第22回お茶っこの会「草むらを考える」は2014年3月23日夜、盛岡市総合福祉センターで、増野肇先生(ルーテル学院大名誉教授、精神科医)をゲストに開かれました。大変遅ればせながら、報告です。
 この日は、33人が参加しました。

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 今回も、たくさんお菓子差し入れありがとうございました。

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 増野先生はこの日、日中は盛岡市内で被災地支援のためのサイコドラマワークショップをして、それからお茶っこの会のゲストを引き受けて下さいました。お疲れのところ、ありがとうございました。

 なぜ「草むら」なのか?
 それは、今回のチラシを見ていただければ、豊かなイメージで伝わることと思います。
 付言すれば、増野先生は、著書「精神保健とは何か」(一橋出版、1999年)で、次のように言及されています。

第6章 精神保健活動の実際…コラム「安心できる草むらを作る」

 不安の強い分裂病(現在は統合失調症と呼称が変わりました)の人のリハビリテーションを考える時には、同じように、弱い動物である野うさぎの世界の広げ方をまねすればよいというのが中井先生の話にあります。野うさぎが遠くの人参畑にいくのには、途中に安心できる草むらがあればよいのです。自分の穴と草むらの間を往復していくうちに草むらが自分の巣と同じように安心できる場となります。そうすれば、そこを根拠地にして人参畑にも出向いていけるのです。精神分裂病の人たちには、そのような安心できる草むらとしての共同作業所やソーシャルクラブがあればよいのです。
 精神障害者の全国大会が札幌で開催された時です。一人暮らしの人たちの集まりに出席しました。そこで、一人の女性の発言が印象に残っています。彼女は、退院して2年目になり、もう大丈夫だと言っていました。しかし、1年目の去年は、とても辛かったというのです。仕事から一人で寒いアパートに戻り食事の支度などをしているととても寂しくて、このような生活をするよりは病気になって、入院生活をしたほうがどれだけよかったかとも考えたそうです。その時に保健婦さんが訪問してきて、保健所のソーシャルクラブを紹介してくれました。それからは毎日が楽しくなり、もう入院したいとは思わなくなったというのです。彼女は安心できる草むらを見つけることができたのです。
 登校拒否の子どものためのフリースクールなども同じような意味があるでしょう。セルフヘルプグループの意味もそこにあると言えるでしょう。

 というわけで、増野先生のお話を通じ、みなさんにとっての「草むら」を考えてほしいな、と思ったからでした。アンケートの回答からは、先生の話がすごく心に響いたことが伝わります。
 次回お茶っこの会は、4月下旬にできればいいなあと思ってました。決まったらご案内します。またお会いしましょう。(盛岡ハートネット事務局 黒田大介)
by open-to-love | 2014-04-13 20:23 | お茶っこの会2014 | Trackback | Comments(0)