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盛岡ハートネット第18回例会「リカバリー」趣旨説明…⑤

盛岡ハートネット第18回例会「リカバリー」趣旨説明…⑤

3・11/4・21/リカバリー

※つながり+力+役割=リカバリー

 つながりとは? 力とは? 第3回お茶っこの会(昨年9月)に、盛岡ハートネットがいつもお世話になっている一関市の「心の病と共に生きる仲間達連合会キララ」のみなさんをゲストに招きました。その時の、キララの伴走者である保健師の北川明子さんのメッセージが思い起こされます。

 「キララのメンバーさんを見てると、みんな一人ひとり力を持ってるんですよ。すごく。私なんかが負けるような力がすごく、たくさんたくさん」
 「みなさんもですね、これから先も大きな地震が盛岡に来るかもしれないけど、こうやってこのお茶っこの会に集まったり、誰かと一緒にここに来たり、つながりを自分からも求めたり、求められたら応えたりしていけば、いろんなことは乗り越えていけるかなあと思います」

 1年を振り返り、本当に北川さんの言う通りだなあと思います。震災は、つながりの大切さを、そして、みんなに力があるということを再認識する機会でもありました。
 つながり、そして、役割について、もう一人、大船渡保健所保健師の花崎洋子さんの言葉も、大切にしたいと思います。
 震災で保健師9人中6人が亡くなり、地域保健活動崩壊の瀬戸際に立たされた陸前高田市。全国各地から駆け付けた保健師チームが保健活動の再構築を進め、住民2万人もの心に寄り添いながら健康生活調査を行いました。なぜ、かくも困難な状況下で、これほど大規模な保健活動を展開することができたのか? 不眠不休で保健活動の統括をした花崎さんは、涙ながらに振り返りました。

 「住民は、初対面の応援保健師に心を開いてくれた。それは、保健師に対する信頼があったから。亡くなった6人を含む陸前高田市の保健師が、日ごろから住民との信頼関係を築いていたから…」

 震災以前から、住民とつながり信頼関係を築くという役割を果たしていた陸前高田市の保健師たち。その地道な日々の積み重ねが、震災という危機にこそ真価を発揮しました。6人はもう戻ってきません。でも、花崎さんは、いつも心で6人とつながっている。だからこそ、6人の思いを力に、不眠不休で、保健活動を再構築する役割を担ったのだと思います。
 そこに、県精神保健福祉センターの保健師北川明子さんが応援に入り、花崎さんとつながり、4月21日、気仙地区精神保健福祉担当者等連絡会というつながりを再開するため力を尽くしました。北川さんが連日のように気仙地区入りしている間、キララのメンバーは? 北川さんが不在であっても、自分たちの力でつながり合い、支え合っていました。そして、キララのメンバーと北川さんは、第3回お茶っこの会にゲスト参加。「つながりの大切さ」や「みんなが力を持っている」ことを私たちに伝える役割を担ってくれました…。そう、全部が全部、つながっているのです。

 お茶っこの会は、小さな集まりです。でも、大きな役割があると思います。それは、「精神の病からのリカバリーへの道」と「災害からのリカバリーへの道」という、ときどき別々だったり、ときどき一本になったりする道を、みんなで共に歩んでいく、そのためのつながりをみんなでつくっていく、という役割です。
 私たちが、震災という困難を契機に、自分自身の秘めた力に気づき、力を伸ばし、互いにつながりを深め、なお困難の渦中にある人の支え手となり、精神の病がある人もない人も共に生きる復興への道を歩んでいくため、この例会が役立てば幸いです。
(⑥に続く)
by open-to-love | 2012-04-20 00:16 | 第18回例会:リカバリー | Trackback | Comments(0)