精神障害がある当事者、家族、関係者、市民のネットワークを目指して


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吉田直美さん講演「消費生活センターはこんなところ」…3

吉田直美さん講演「消費生活センターはこんなところ」…3

 消費者市民社会。これっていったい何でしょう。ちょっと耳慣れないですよね。いったいどんな社会なんだろうか。全然ちょっとイメージがね、ばーっと浮かばないですね。私も勉強中で、うまく説明できるか自信ないところもありますけどね、私が知ってる範囲で一所懸命説明しますけどね、消費者市民社会というのは、消費者市民と呼ばれる人達が、いっぱいいる社会です。全員消費者市民になる社会ではないんです。ちょっとありえないと思います。だけど、なるべくたくさんの人が消費者市民になってもらう、そうした人がいっぱいいる社会なんですね。じゃあ、どういう人のことを消費者市民っていうのかっていうと、この3つのバランスのとれた人だ、って言われてます。経済、社会、心。この3つのバランスのとれた人が消費者市民ですよ。
 ちょっと意味分かりませんね。もう少し具体的に行きますよ。経済って何なのか。例えばこういうことです。雪印って会社がありました。あの会社、今どうなっちゃいました?なんか最近見ませんよね、あの会社。どうなっちゃったろう? なんか、問題ありましたもんね。社会に対して問題起こすような会社は、なんかいなくなっちゃうんですよ。これです。例えば、悪いことやった会社の商品、みなさん積極的に買いますか? あんまり買いたくないですよね。そういう行動がとれる人。それからもう一つの側面は、たとえばお茶を買いたいと思ったときに、ペットボトルに入ってるお茶と、紙パックに入ってるお茶と、どっちを買いますか? ちょっと難しい質問ですよね。みなさんどうしますか。コンビニでお茶を買う。紙パックに入った500ミリリットル98円のお茶と、ペットボトルに入った500ミリリットルの140円のやつと、どっち買いますか?
 たぶん、いろいろだと思うの。いろいろでいいんですけども。どういうことかと言うと、自分のニーズとウォンツ、必要性に合わせてちゃんと選べるかどうか、ということなんです。例えば、何を基準に選ぶか、みなさんそれぞれ違うんですよね。例えば、環境に配慮した生活をしたいと思っている方は、ペットボトルと紙パックどっちが環境に優しいだろうかっていう基準で選べばいい。そのためには情報が必要ですよね。どっちが環境にいいんでしょうか。分かる方いますか? ちょっと私分からない。同じ500ミリリットルで、紙パックとペットボトルどっちがいいか。教えてください。まずその情報が必要ですよね。判断材料になるような。逆に、例えばこれから私は電車に乗るのだから、途中で飲み残すかもしれない。それ捨てたらもったいないことになるから、携帯性を重視した商品を買えばいい。そしたら、ちょっと高いんだけど、ペットボトルにします。ボトル代が高いかもしれないけど。というふうに、自分のニーズとウォンツ、必要性に合わせて、ちゃんと商品が選べる。これが経済。
 次にいきますよ。じゃ、社会って何だろうか。さっきも言ったように社会にはいろんな方がいらっしゃいますよね。強い方もあれば、弱い方もある。パーッと計算できる方もあれば、なかなか計算が難しい方もある。労働力が高い方もあれば、低い方もある。あるいは途中で低くなってしまう方もある。それから若い方もあれば、年取った方もある。これが社会なんです。いろんな方がある。この社会の中で、自分が生きているという感覚ですよね。こういう感覚を持った人。すごく抽象的な言い方をしてしまいました。もうちょっと具体的に言ってみましょうね。
 こないだちょっとね、面白いというか興味深い例え話聞いたんですけどね、ケーキが一個ある。盛岡市の中でAさんBさん2人います。社会的に平等に分けます。じゃあ、どうやって分けますか。みなさんならどうしますか。みなさんがAさんBさんだったら、社会的に平等に分けましょう。(会場から「半分こ」との声)…そうですよね、普通に考えたら、2人いたら、半分こに分ければいい。それが平等だよね、それが普通だと思うんです。私もそう思います。でもね、消費者市民社会になると、それがちょっと違うんです。こういうふうに分けるんです。例えばAさん。私はすごくお金持ちだ。ケーキは食べたいときいつでも食べられる。だから、私はちょぴっとあればいいです。Bさん、私はあんまりお金ないんですけど、きのうたまたまケーキ食べたばっかりだから、今そんなにケーキ食べなくてもいい、このくらいあればいいです。じゃあ残りどうしようか。盛岡市内にいる、ケーキが食べたくても食べられない方々に、残りをあげましょう。これが、消費者市民社会における社会的平等な分け方なんですって。はー、なるほどと思いましたね。今の日本の社会、そういうことできますか? できそうですか、みなさん、自分の身の回りで…っていう感じですよね。
 じゃあ最後。心ってなんだろう。これが、さっき質問した幸福です。あの、日本の幸福度調べたんですって。何をもとにこれしゃべってるかと言いますとね、平成20年の国民生活白書にその統計が載ってるんですけど、日本の幸福度ってちょっと変わってる。えーとですね、年代と幸福度、日本人の幸福度ってね、若いとき高いんですって。夢一杯ですもんね、金あれば何でも買える。すごい高いんですけど、歳を取ってくると、ガーッと下がってくるんですって。これどうしてでしょう、何かちょっと変わってますよね。なんで、歳を取れば取るほど幸福度が下がってくるのか。実は私、こないだ、さっきの100点から0点の質問を、高齢者の団体で聞いてみたんです。高齢者の会合に行って。そしたらね、さっきのみなさんの答えとまったく違う答えが出ました。まったくというか、大分違う答えでした。100点と0点は同じなの。真ん中が違う。そこそこ幸せだっていう人と、あんまし幸せじゃないって人とが、半々くらいでした。ちょっとびっくりしました。このグラフにあってるな、って気がしました。そういう意味で。どうして歳取っちゃうと幸福度下がっちゃうのかな、ってことです。
(続く)
by open-to-love | 2010-03-29 14:36 | 第13回例会:心とお金セミナー | Trackback | Comments(0)